- 土曜日(スボタ)
- 「スボタ」の小晩課
- 「スボタ」の大晩課
- 「スボタ」の晩堂課
- 日曜日(主日)
- 主日の朝、夜半課
- 主日の早課
- 主日の聖体礼儀に
- 主日の晩課
- 主日の晩堂課
- 月曜日
- 月曜日の早課
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- 火曜日
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- 木曜日
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- 金曜日の聖体礼儀に
- 「スボタ」の奉神礼の規程
- 「主は神なり」を歌う時
- 「アリルイヤ」を歌う時
- 死者祈祷礼儀
- 多燭詞ある聖人に遇う時
- 金曜日(続き)
- 金曜日の晩課
- 金曜日の晩堂課
- 土曜日(スボタ)
- 「スボタ」の早課
- 「スボタ」の聖体礼儀に
土曜日(スボタ)
「スボタ」の小晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に四句を立てて、八調經の主日の讚頌三章を歌ふ、其第一は二次、第一調。克肖なる吾が神父ダマスクのイオアンの作。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
聖なる主よ、我が晩の禱を納れて、我等に罪の赦を與へ給へ、爾は獨世界に復活を顯しし者なればなり。
人人よ、シオンを廻り、之を圍みて、是の中に死より復活せし主に光榮を歸せよ、彼は我等を不法より救ひし吾が神なればなり。
人人よ、來れ、歌ひてハリストスを拜み、其死より復活せしを讚榮せん、彼は敵の誘惑より世界を救ひし吾が神なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞。定理歌。
兄弟よ、今日は童貞の慶賀なり。造物は喜ぶべし、人類は樂しむべし、蓋聖なる生神女、童貞の無垢なる寶は我等を呼び集めたり。彼は第二のアダムの靈智なる樂園、二性の結合の寶藏、救を爲す和睦の成就、言が實に人體に配偶せし宮、ヘルワィムの上に在る者を身と共に乘せし輕き雲なり。ハリストス神よ、彼の祈禱に因りて我等の靈を救ひ給へ。
次ぎて「穩なる光」。提綱、「主は王たり」、其句と共に。「主よ、我を守り、罪なくして此の晩」の後に司祭聯禱を誦せず、我等直に主日の挿句の讚頌を歌ふ、次の如し。
ハリストスよ、爾の苦にて我等は苦を免れ、爾の復活にて我等は淪滅より救はれたり。主よ、光榮は爾に歸す。
至聖なる生神女の他の讚頌
句 我爾の名を萬世に誌さしめん。
童貞女・母・生神女マリヤ、世界の轉達よ、爾は萬世に讚榮せらる。少女よ、爾は實に父と同無原なる子、聖神と同永在なる主を身にて生み給へり。彼に我等の救はれんことを禱り給へ。
句 女よ、之を聽き、之を觀、爾の耳を傾けよ。
潔き童貞女よ、我等不慮の葘害に圍まるる者は、獨爾を轉達者と有ちて、感謝の心を懷きて呼ぶ、至聖なる神の聘女よ、我等を救ひ給へ、爾は世界の避所、我が族の防護なればなり。
句 民中の富める者は爾の顏を拜まん。
神の母よ、爾の產に因りて世界は新にせられたり。至淨なる少女、信者の救、敬虔に爾に禱る者の眠らざる轉達者よ、爾を歌ふ衆人の爲に息めずして切に禱り給へ。
光榮、今も、定理歌、同調。
童貞女よ、預言者は爾を永在なる光の雲と名づけたり。蓋雨が羊の毛に降りし如く、爾より父の言は降り給へり、爾より輝きしハリストス我が神は世界を照し、迷惑を兦し給へり。至聖なる者よ、祈る、爾を眞の生神女と承け認むる我等の爲に息めずして切に彼に禱り給へ。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に主日の讚詞。光榮、今も、其生神女讚詞。小聯禱。發放詞。
「スボタ」の大晩課
首誦聖詠の後に常例の聖詠經の誦文。
「主よ、爾に籲ぶ」に十句を立てて、八調經の主日の讚頌三章、アナトリイの四章、月課經の三章或は六章を歌ふ。若し聖人の祭日ならば、光榮、月課經の、今も、本調の第一の生神女讚詞。
八調經の主日の讚頌、第一調。
句 我が靈を獄より引き出して、我に爾の名を讚榮せしめ給へ。
聖なる主よ、我が晩の禱を納れて、我等に罪の赦を與へ給へ、爾は獨世界に復活を顯しし者なればなり。
句 爾恩を我に賜はん時、義人は我を環らん。
人人よ、シオンを廻り、之を圍みて、是の中に死より復活せし主に光榮を歸せよ、彼は我等を不法より救ひし吾が神なればなり。
句 主よ、我深き處より爾に呼ぶ。主よ、我が聲を聽き給へ。
人人よ、來れ、歌ひてハリストスを拜み、其死より復活せしを讚榮せん、彼は敵の誘惑より世界を救ひし吾が神なればなり。
又讚頌、總主敎アナトリイの作、第一調。
句 願はくは爾の耳は我が禱の聲を聽き納れん。
諸天は樂しめ、地の基は角を吹け、諸山は歡びて呼べ、蓋視よ、エムマヌイルは我等の罪を十字架に釘せり、生を賜ひ、アダムを復活せしめし者は死を殺せり、人を愛する主なればなり。
句 主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん爲なり。
甘じて我等の爲に身にて十字架に釘せられ、苦を受け、葬られ、死より復活せし主を歌ひて曰はん、ハリストスよ、正敎を以て爾の敎會を堅め、我等の生命を平安ならしめ給へ、爾は仁慈にして人を愛する主なればなり。
句 我主を望み、我が靈主を望み、我彼の言を恃む。
ハリストス我が神よ、我等不當なる者は生命を籠むる爾の墓の前に立ちて、爾の言ひ難き慈憐に讚榮を奉る。蓋爾は、罪なき者よ、世界に復活を賜はん爲に、十字架と死とを受け給へり、人を愛する主なればなり。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
父と同無原・同永在なる言、言ひ難く童貞女の胎より出でて、我等の爲に甘じて十字架と死とを受け、光榮の中に復活せし者を歌ひて曰はん、生命を賜ふ主、我が靈の救者よ、光榮は爾に歸す。
他の讚頌、至聖なる生神女に捧ぐ、アモレイのパウェルの作、月課經の讚頌の無き所、或は「リティヤ」に歌ふ所の者。
讚頌、第一調。
句 願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其悉くの不法より贖はん。
聖なる衆軍より聖にして一切の造物より尊き生神女、世界の女宰、救世主を生みし者よ、爾の祈禱を以て我等を諸の罪と疾病と災禍より救ひ給へ。
句 萬民よ、主を讚め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讚めよ。
慈憐の門なる少女よ、切に爾に祈る、我が卑微なる靈を棄つるなく、速に憐を垂れて、之を我が諸罪の淵より救ひ給へ。潔き童貞女よ、爾の恩寵を新にして、我の上に輝かし給へ。
句 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の眞實は永く存す。
女宰よ、爾は神を人人に合せ給へり、爾は獨死に屬する性を神聖なる不朽に升せたり。爾は地上の者に救を流し給へり。爾、生神女よ、我等を諸の苦難より脫れしめ給へ。
光榮、月課經の。今も、生神女讚詞。
人より生れて主宰を生みし全世界の光榮と天の門なる童貞女マリヤ、諸天使の歌、諸信者の飾なる者を讚め歌ふべし。彼は天と均しく、神の宮と均しき者として顯れたり、彼は仇の隔を破りて和睦を締び、國を開けり。我等は彼を信の固と爲し、彼より生れし主を扞ぎ衞る者と爲す。勇めよ、神の民よ、勇めよ、主は敵に勝たん、全能者なればなり。
聖入。「穩なる光」。本日の提綱を歌ふ、主は王たり、彼は威嚴を衣たり。句、主は能力を衣、又之を帶にせり。句、故に世界は堅固にして動かざらん。句、主よ、聖德は爾の家に屬して永遠に至らん。
次ぎて常例の聯禱。「主よ、我等を守り、罪なくして此の晩」。「我等主の前に吾が晩の禱」。髙聲の後本堂の讚頌を歌ひて、前院に出で、熱衷公禱を行ふ。此の中にアモレイのパワェルの讚頌、或は聖務長の示す所を歌ふ。常例の祝文の後堂に入る、其時次の讚頌を歌ふ。第一調。
ハリストスよ、爾の苦にて我等は苦を免れ、爾の復活にて我等は淪滅より救はれたり。主よ、光榮は爾に歸す。
又讚頌
句 主は王たり、彼は威嚴を衣たり。
造物は喜ぶべし、諸天は樂しむべし、諸民は樂しみて手を拍つべし。蓋吾が救世主ハリストスは我等の罪を十字架に釘し、死を殺して、我等に生を賜ひ、萬族の原祖たる陷りしアダムを復活せしめ給へり。人を愛する主なればなり。
句 故に世界は堅固にして動かざらん。
悟り難き主よ、爾は天地の王にして、仁愛に因りて甘じて十字架に釘せられたり。地獄は下に爾を迎へて哀しみ、義人等の靈は爾を接けて喜び、アダムは爾造成主を最下なる處に見て復活せり。嗚呼奇蹟や、萬有の生命は如何ぞ死を嘗めたる、是れ世界を照さんと欲せし故なり。此に由りて世界は呼びて云ふ、死より復活せし主よ、光榮は爾に歸す。
句 主よ、聖德は爾の家に屬して永遠に至らん。
攜香女は香料を攜へ、急ぎ且哭きて爾の墓に至りしに、爾の至淨なる體を得ずして、天使に因りて新しき至榮なる奇蹟を知りて、使徒等に謂へり、世界に大なる憐を賜ふ主は復活し給へり。
光榮、若し之あらば、月課經の。若しなくば、
光榮、今も、生神女讚詞
視よ、イサイヤの預言應ひて、童貞女は子を生めり、生みし後も生む前の如く童貞女なり、生れし者は神なるに因る、故に天性は改め易へられたり。嗚呼神の母よ、爾の諸僕が爾の堂に獻ぐる祈禱を棄つる勿れ、惠深き主を爾の手に抱きし者として、爾の諸僕を憐みて、我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に、
主日の讚詞、第一調。
救世主よ、イウデヤの人墓を封じて、兵卒爾の潔き軀を守る時、爾は三日目に復活して、世界に生命を賜へり。故に天軍は爾生命を施す主に呼べり、ハリストスよ、光榮は爾の復活に歸し、光榮は爾の國に歸す、獨人を慈む主よ、光榮は爾の慮に歸す。
生神女讚詞
童貞女よ、ガウリイルが爾に慶べよと告げし時、其聲に從ひて萬有の主宰は爾聖なる約櫃に身を取り給へり、義なるダワィドの言ひしが如し。爾の造成主を姙みて、爾は天より廣き者と現れたり。光榮は爾に入りし者に歸し、光榮は爾より出でし者に歸し、光榮は爾の產にて我等を釋き給ひし者に歸す。
其他の次第。「主は神なり」にも同讚詞。
「スボタ」の晩堂課
司祭誦す、「我等の神は恒に崇め讚めらる」。誦經者、我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。「天の王」。聖三祝文。「天に在す」の後に、主憐めよ、十二次。光榮、今も、「來れ、我等の王」、三次。第五十聖詠、「神よ、爾の大なる憐に因りて」。第六十九聖詠、「神よ、速に我を救へ」。第百四十二聖詠、「主よ、我が禱を聆き」。其後、「至高きには光榮神に歸し」。「主よ、爾は世世に我等の避所」。「主よ、我等を守り、罪なくして此の夜」。次ぎて、「我信ず一の神」。
其後至聖なる生神女の規程を歌ふ。第一調。
第一歌頌
イルモス イズライリは苦しき奴隷より脫れて、涉られぬ處を陸の如くに過れり、敵の溺るるを見て、恩主たる神、高き臂を以て奇蹟を行ふ者に歌を奉る、彼光榮を顯したればなり。
附唱 至聖なる生神女よ、我等を救ひ給へ。
萬有の女王よ、天使の首品は驚き懼れて爾を讚め揚げ、凡の智慧は爾を仁慈なる造物主の母として歌ふ、爾はハリストスを生みて、一切の讚美の量に超えたればなり。
我不當の者は甚しき攻擊に苦しめられ、諸敵に惱まされて、淚と共に呼ぶ、慈憐に富める者よ、上より爾の手を我に伸べて、我を援け、爾の祈禱を以て無難に生を度らしめ給へ。
光榮 生神女よ、慈憐の治療を以て我が靈の隱なる罪過を醫し、肉體の進擊を鎭め、諸敵の戈と矢とを返して、强く彼等の心に刺し給へ。
今も 童貞女の胎はハリストスを生みて、古の兇殺の草場を絕せり。故に、至淨なる者よ、今造物皆生かされしに因りて喜びて、同心に爾の子及び神を讚め歌ふ。
第三歌頌
イルモス 死すべき者は己の智慧と富とを以て誇るべからず、主を信ずる信を以て誇りて、正しくハリストス神に呼びて、常に歌ふべし。主宰よ、爾の誡の石に我を固め給へ。
童貞女よ、大なるイアコフは昔途に眠りて梯に緣りて上より地に諸天使の降るを見て驚き、寤め興きて、明に爾を天の門として預見せり。
我不當なる者は迷ひて諸難に遇ひ、艱難の暴風に惱まされて呼ぶ、哀しい哉我や、神を生みて、我等の角を高くせし者よ、爾の祈禱を以て我を救ひ給へ。
光榮 嗚呼萬有の王、吾がハリストスイイススよ、天より强き手を伸べて、有形無形の敵の首を爾の母を正しく生神女と傳ふる者の足下に置き給へ。
今も 慈憐に富める童貞女よ、イサイヤは昔神゜の爇炭に潔められて、明に爾の胎より子の生れんことを呼べり。爾は末の時に於て我が爲に夫なくして之を生み給へり。
第四歌頌
イルモス ハリストスよ、昔アウワクムは爾の奇妙なる風聲を聞きて、懼れて呼べり、神は南より來り、聖なる者は樹蔭繁き山より來りて、其膏つけられし者を救はん。主よ、光榮は爾の力に歸す。
神の母よ、睿智なる王は爾女の中に美しくして最尊き者が野より出づる如く出でて、子ハリストスを手に抱くを預象して、呼べり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
慈愛なる者よ、我に爾の耳を傾け、我の憂患と菑害の多きとを見よ。女宰よ、我今爾に靈の目を注ぎて、淚と共に膝を屈めて、祈りて呼ぶ、我を擾す侵害を鎭め給へ。
光榮 嗚呼慈憐に富める者よ、我爾の僕は爾を壞られぬ垣と識りて、今祈りて、爾に趨り附き、敵の矢を幼兒の玩具の如く無效の者と爲す。故に歡びて呼ぶ、神の母よ、光榮は爾の產に歸す。
今も 童貞女よ、聖神の臨むに因りて至上者の能は爾を蔭へり。其時性に超えて、萬有の主は神の性を易へずして、體と靈とを生ける者として己に合せ給へり。
第五歌頌
イルモス ハリストスよ、我等信を以て爾を歌ふ者の心に爾の入らざる光を輝かして、智慧に超ゆる平安を我等に與へ給へ、我等が爾の光に由りて無知の夜より日に趨りて、爾人を愛する主を讚榮せん爲なり。
讚美たる者よ、昔ダニイルは爾を神聖なる截られざる山と預見して、明に爾よりハリストス救世主、神產の石の截られんことを呼べり。神の聘女よ、我等信者は今彼を尊みて、爾を崇め讚む。
我不當なる爾の役者は多くの誘惑に陷りて、心の痛と淚とを以て切に禱りて呼ぶ、神の母よ、卑微なる我を圍める艱難より脫れしめて、我を樂に滿て給へ。
光榮 慾に與らずしてハリストスを生みし仁慈なる者よ、爾の力ある祈禱を以て我が諸慾の荒れたる海を鎭め給へ、我が今より生命の餘日を靈の安靜の中に送りて、歌を以て爾を讚め揚げん爲なり。
今も 嗚呼至りて福なる童貞女よ、言へ、如何に爾の手に神を抱く、如何に其手を以て萬物を持つ者を乳にて養ふ。言へり、我はハリストス神を生みて、アダムと原母との債を除きて、產の後にも潔淨に止まる。
第六歌頌
イルモス 我全身無量の慾に圍まれて、諸惡の淵に陷れり。祈る、神よ、曩にイオナを救ひし如く、我を淪滅より引き上げて、信に由りて我に無慾を賜へ、我が讚美の聲と眞實の神゜とを以て爾を祭らん爲なり。
永遠の子は父の懷の座を離れずして、母の懷に在り。世世の先より父と偕に在す者は末の時に童貞女の胎より出でて、言ひ難き仁慈を以て萬衆を不死の生命に升せ給へり。
哀しい哉、我惡事に因りて敵の械に縛られて、地獄の門に墜ちたり。潔き神女よ、天より現れて、前に立ち、爾の祈禱を以て爾の役者を起して、爾の神聖なる產を歌ふ者に援助の手を授け給へ。
光榮 我不當の者滅兦の穴に陷りて、多くの猛獸は我を環る。女宰よ、爾の祈禱を以て石を除きて、爾の僕を害なく護り給へ、爾は隅石たるハリストスを爾の胎に宿したればなり。
今も 童貞女よ、昔預言者の神聖なる會は爾の產の狀を像りて、爾ハリストスを生みし者を、光る雲と燈、壺と筵、天の露と餅と「マンナ」、門と寶座と宮、杖と樂園と爲せり。
主憐めよ。三次、光榮、今も、
坐誦讚詞、第一調。
我等皆爾が神の母にして、產の後にも實に童貞女と現れしを識りて、愛を以て爾の仁慈に趨り附く。蓋我等罪なる者は爾を轉達者として有ち、爾獨純潔なる者を患難の中に拯救として獲たり。
第七歌頌
イルモス 昔敬虔に由りて明に聖なる者と現れし少者は、婚筵の宮を過るが如く、爐の堪へ難き焰を涉り、聲を合せて歌を歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
萬有の女王よ、永在の者は爾の過られぬ門を過りて、產の後にも爾の潔き童貞を全くして護り給へり。故に我等呼ぶ、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
我靈を殺す患難の爐に投げられて、七倍の焰に焚かる。慈愛なる女宰よ、爾の祈禱を以て親ら我に露を降して、呼ばしめ給へ、吾が先祖の神は崇め讚めらる。
光榮 我諸慾及び間斷なき誘惑と憂患との中に老いて、我が生の西に至り、諸德に與らず、怠惰に囓まれて、爾に呼ぶ、地上の者の慰藉なる女宰よ、我を憐み給へ。
今も 潔き母童貞女よ、我等地上の者は一體に於て三者に忠信に奉事し、爾を身にて神を生みし者と傳へて、敬虔に歌ふ、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 昔火と露との爐は天然に超ゆる奇蹟の象を示せり、蓋火は少者を焚かずして、ハリストスの童貞女よりの種なき神聖なる產を顯せり。故に我等歌ひて呼ばん、悉くの造物は主を崇めて萬世に讚め揚げよ。
童貞女よ、司祭の眞實なる言は爾の產を象れり、蓋爾は實に神の言を生みて、神が過り給ひし童貞の門は啓かざりき。故に我等喜びて、職として爾生神女を同心に歌ひて、潔き者を萬世に讚め揚ぐ。
至りて潔き者よ、神聖なる火を以て我が靈の中に生じたる棘を焚き、爾の祈禱を以て我を諸德の爲に起して、果を結びてハリストスに獻ぜしめ給へ。蓋爾より常に活ける花は生じて、一切の造物を飾れり。故に我等潔き神の母を萬世に尊む。
光榮 神の母よ、我に諸病の中に疾く醫治を與へ給へ。蓋我不當の者は憂愁患難に陷りて、泣きて爾の遄なる援助を呼ぶ。故に至淨なる者よ、急ぎて我を凡の苦より脫れしめて救ひ給へ、我が爾の產を崇め讚めて歌はん爲なり。
今も 童貞女よ、昔芽を出したるアアロンの杖は爾を像れり、蓋爾獨夫なく、天の雨を腹に受けて、芽を生じ給へり。故に我等皆樂しみて、宜しきに合ひて爾生神女を同心に歌ひて、萬世に讚め揚ぐ。
第九歌頌
イルモス 童貞女の祕密は言ひ難し、蓋彼は天と現れ、ハリストス神全能者のヘルワィムの寶座及び光を放つ宮と現れたり。我等敬虔に彼を生神女として崇め讚む。
童貞女の祕密は至榮なり、蓋天上の大なる者等が容るる能はざりし主を彼は其腹に容れ給へり。故に我等集まりて彼を讚美し、樂しみて忠信に崇め讚む。
無玷なる童貞女よ、我等地上の者は獨爾を天より高き者、神の曙、ヘルワィムの寶座、宮、及び聖なる榻と見て、讚め揚げて、爾が潔き胎より生み給ひしハリストス吾が神を崇め讚む。
光榮 多くの危難は我を環り、甚しき攻擊は我に逼り、諸病諸罪は我を穴に陷れたり。故に我が靈の憂の中に爾に祈る、至聖なる生神女よ、我に援助を獲しめ給へ。
今も ハリストスよ、潔き神女の祈禱に因りて世界を穩にせよ。敵の力を忠信なる諸王の足下に斃し、之に因りて絕えざる平安を致して、世世に之を護り給へ。
次ぎて「常に福にして」。聖三祝文。「天に在す」の後に本調の小讚詞。主憐めよ、四十次。祝文、「何の日何の時にも」。主憐めよ、三次。光榮、今も、「ヘルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。次ぎて祝文、「穢なく誘はるるなく」。其他常例の如し。發放詞幷に赦罪。
日曜日(主日)
主日の朝、夜半課
司祭、「我等の神は恒に崇め讚めらる」。誦經者誦す、「アミン」。我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。「天の王」。聖三祝文。「至聖三者」。「天に在す」。司祭、「蓋國と權能」。主憐めよ、十二次。光榮、今も、「來れ我らの王」、三次。第五十聖詠、「神よ、爾の大なる憐に因りて」。
次ぎて生を施す聖三者の規程。其冠詞は、惟一なる三日の神性よ、爾を歌ふ、ミトロファンの作。
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
附唱 至聖なる三者我等の神よ、光榮は爾に歸す。
惟一の三位なる本原、始なき、永在なる、萬有の造成者、悟られぬ者を、セラフィム等は默さずして讚榮す、凡の民も歌を以て忠信に彼を尊む。
初に人を造りし主よ、爾は人人に惟一にして三光なる爾の神性を現さん爲に爾の像に循ひて之を造りて、之に智慧と、言と、神゜とを賜へり、人を愛する主なればなり。
光榮 父よ、爾は神元なる三位に惟一の權柄の屬するを上より示して、爾と均しく行爲する子及び神゜に言へり、我等降りて、彼等の言語を淆さん。
今も、生神女讚詞 睿智なる者等は像りて云へり、智慧は生れざる父なり、同無原の言は同一性の子なり、聖神は童貞女の内に言の爲に身を造りし者なり。
第三歌頌
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我の上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
爾は神性に於て惟一にして、昔明にアウラアムに三位の者と現れて、形象を以て神學の大なる眞理を示し給へり。我等醇正に爾一元なる三光の神を歌ふ。
父よ、神に適ふが如く無窮に爾より生れたる變易なき子は光よりする光として輝き、神聖なる神゜も光として出で給へり。我等醇正に惟一なる神性の三位の光明に伏拜して、之を讚榮す。
光榮 惟一者三者、萬性より上にして、言ひ難く、悟り難き主を無形の者は讚榮して、聖三の聲を以て默さざる讚美を奉る。我等も同一の聲を以て心を合せて三位なる主を讚め歌ふ。
生神女讚詞 生神女よ、時より上なる者は時に及びて種なく爾より出で、見えざる主は我等に似たる者と爲りて、父と、子と、聖神との惟一なる性、惟一なる權柄を敎へたり。故に我等爾を讚榮す。
主憐めよ、三次。
坐誦讚詞、第一調。
我等皆父と子及び同尊にして義なる神゜に伏拜せん。光榮は造られざる三者、至りて神聖なる能力に歸す、無形の者の品位は之を讚榮す。我等地に生るる者も今日畏を以て醇正に之を讚め揚ぐ。
光榮、今も、生神女讚詞 婚姻に與からざる讚美たるマリヤ、失望する人の避所、神の居處よ、我等常に諸惡の無道に迷ひて、至仁なる主を怒らしむる者を痛悔の途に向はしめ給へ。
第四歌頌
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に、爾より出づるを預言せり。
三日の神元よ、爾の神功の光照の煇煌にて我を照し給へ、我が心の目にて智慧に超ゆる爾の神聖なる光明の華麗を仰ぎ、之に與ることの甘美を感想せん爲なり。
主よ、爾は始に萬事を行ふ爾の言と爾の口の同一性の氣とを以て天及び其全軍を造りて、神性の三光の獨一の權を以て萬有を宰り給ふ。
光榮 萬事を宰制する全能の三者、混淆せざる惟一者よ、我を爾の像と肖とに循ひて造りしに因りて、我を照して、爾の聖にして仁愛且純全なる旨を行ふを敎へ給へ。
生神女讚詞 至淨なる者よ、爾は聖三者の一、神元なる子を生み給へり。彼は我等の爲に爾より身を取りて、三日の神性の暮れざる光と輝とを以て地に生るる者を照し給ふ。
第五歌頌
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
爾の華麗の近づき難き光線にて天使の首品を直に輝かす獨一有權なる聖三者よ、爾の光明を以て醇正に爾を歌ふ者を照し給へ。
單一なる三日の神元よ、爾が仁慈に因りて生を賜ひし性は今爾を歌ひて、諸の罪と誘惑、菑害と憂愁より脫れしめんことを求む。
光榮 父と、子と、聖神、惟一の神性、分れ、又分れざる者、見ゆると見えざる萬物の惟一の神を我等信を以て讚榮す。
生神女讚詞 至淨なる者よ、諸預言者の言語は皆爾の言ひ難く解き難き產を預錄せり。我等斯の產を單一にして三日なる神性の奧義に導く者なりと知れり。
第六歌頌
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
永在なる三者よ、爾は意旨の同一に於て同等の能力を有つ、爾は單一にして分れざる惟一者なり。爾の能力を以て我等を護り給へ。二次
光榮 悟られぬ三者よ、爾は仁慈なるに因りて己の意旨を以て萬世を無より出し、亦人をも造れり。今も我を凡の危難より救ひ給へ。
生神女讚詞 至淨なる童貞女・神の聘女よ、爾は入らざる日、全能を以て大なる光體を造りて排列せし者の家と爲れり。今も我を諸慾の昏昧より救ひ給へ。
主憐めよ、三次。
坐誦讚詞、第一調。
聖なる三者、分れざる性、截られずして三位に截らるれども、神性に於て分るるなく止まる主に我等地上の者は畏を以て伏拜し、造物主及び主宰として至仁なる神を讚榮す。
光榮、今も、生神女讚詞 至りて無玷なる者よ、我が不當なる靈を治め、其罪の多きに因りて淪滅の深處に跌きしを憐み、畏るべき死の時にも我を罪する惡鬼と凡の苦より脫れしめ給へ。
第七歌頌
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐と爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
神の言、全能者神の同一性の輝煌よ、爾が約せし如く、仁慈なるに因りて、爾の父及び聖神と共に我の内に神功の住居を爲して、我を惡鬼と諸慾との爲に畏るべき者と現し給へ。二次。
光榮 主宰よ、爾は己の仁慈の海を我等に示さん爲に、爾の子を我が卑微に遣して、我等を變じて初始の光明に囘せり。今も神聖なる神゜を以て我を敎へ給へ。
生神女讚詞 至淨なる者よ、ヘルワィムの寶座に舁はるる萬有の王は爾の童貞の腹に入りて、人を愛する主なるに因りて、衆を壞滅より救へり。今も爾の祈禱を以て我を護り給へ。
第八歌頌
イルモス 昔火と露との爐は天然に超ゆる奇蹟の象を示せり、蓋火は少者を焚かずして、ハリストスの童貞女よりの種なき神聖なる產を顯せり。故に我等歌ひて呼ばん、悉くの造物は主を崇めて萬世に讚め揚げよ。
萬有の主、三位なる全能者よ、爾は神功の瞬を以て天を幔の如くに張り、又爾の全力の手を以て地の重きを懸けたり。人を愛する主よ、爾に於ける愛と信とを以て爾の諸僕をも堅め給へ、我等が切に爾を世世に讚榮せん爲なり。二次。
光榮 位にては三日の光、性にては惟一の神よ、爾の神元なる光を以て爾を歌ふ者を照して、常に爾の輝ける光明を仰がしめ給へ、我が之に因りて爾の甘美にして、光を施す、至りて盛なる光榮に飽かせられて、醇正に爾を世世に讚め揚げん爲なり。
生神女讚詞 至淨なる生神女よ、爾の子は變易なく人の性を受けて、至大なる仁慈に因りて、之を古の朽壞より救ひて、天に上せ給へり。我等感謝の心を懷きて彼に歌ふ、悉くの造物は主を崇めて萬世に讚め揚げよ。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
至聖なる一體の三者、造物の救主よ、形體及び神゜靈なる爾の諸僕を敵の惡謀と攻擊より救ひて、常に爾の牧群を害なく護り給へ。二次
光榮 三日にして一元なる全能の神よ、爾は己の大仁慈の無量なる深を示さん爲に、我等爾の諸僕に救を施す誡命を賜へり、我等を之を行ふに堪へさせ給へ。
生神女讚詞 神元なる三位に於て惟一者と確信せらるる神よ、我等の禱を眷みて、爾の諸僕に、至淨にして讚美たる神の母の祈禱に因りて、慰藉を與へ給へ。
次に聖三者の規程の後に主日每に誦する所のグリゴリイ・シナイトの聖三者讚詞、「爾神言を讚榮するは誠に當れり」、本書の末に載す。及び其他夜半課の式、幷に發放詞。
主日の早課
六段の聖詠畢りて「主は神なり」、第一調に依りて歌ひ、後主日の讚詞二次、生神女讚詞一次、大晩課に載す。次ぎて聖詠經の常例の誦文。
第一の誦文の後に主日の坐誦讚詞、第一調。
救世主よ、爾の墓を守る兵卒は女等に現れて復活を傳ふる天使の光輝に因りて死せし如くなれり。我等爾朽壞を滅す者を讚榮し、爾墓より復活せし我等の惟一の神に伏拜す。
句 主我が神よ、起きて、爾の手を擧げよ、苦しめらるる者を永く忘るる毋れ。
鴻恩の主、生命を施す有能者よ、爾は甘じて十字架に釘せられ、死者として墓に置かれて、爾の死を以て權柄を破り給へり。蓋地獄の門衞は爾を畏れて慄き、爾は古世より死せし者を己と偕に起し給へり、獨人を慈む主なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 我等皆爾を神の母、產の後にも實に童貞女なりと知りて、愛を以て爾の慈憐に趨り附く。蓋我等罪なる者は爾を轉達として有ち、爾獨純潔なる者を誘感の中に救として得たり。
第二の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
女等朝早く墓に來り、天使の顯現を見て慄けり。墓は生命を輝かし、奇蹟は彼等を驚かせり、故に彼等は往きて門徒に復活を傳へたり。ハリストスは獨有能有權なる者として、地獄を虜にし、朽ちたる者を皆己と偕に起し、十字架にて定罪の畏懼を解き給へり。
句 主よ、我心を盡して爾を讚め揚げ、爾が悉くの奇迹を傳へん。
萬有の生命よ、爾は十字架に釘せられたり、不死の主よ、爾は死者の中に入りたり、救世主よ、爾は三日目に復活して、アダムを己と偕に朽壞より起し給へり。故に天軍は爾生を施す主に呼べり、ハリストスよ、光榮は爾の神聖なる苦に歸す、光榮は爾の復活に歸す、獨人を愛む主よ、光榮は爾の寬容に歸す。
光榮、今も、生神女讚詞 マリヤ、主宰の尊き住居よ、我等甚しき失望と、諸罪と、憂患との淵に陷りし者を起し給へ。蓋爾は罪なる者の守護と、扶助と、堅固なる轉達にして、爾の諸僕を救ひ給ふ。
次ぎて「道に玷なくして」。其後諸讚詞、「救世主よ、天使の軍」、本書の末に載す。次に小聯禱。
應答歌、第一調
盜賊の悔は樂園を奪ひ、攜香女の哀は喜を知らせたり、蓋爾、ハリストス神よ、復活して、世界に大なる憐を賜へり。
品第詞。第一倡和詞、第一調。每句復唱す。
我が憂の時、我の痛歎を聽き給へ、主よ、我爾に呼ぶ。
野に居りて虛しき世の外に在る者には恒に神聖なる望あり。
光榮 聖神には父及び子と均しき尊敬と光榮とは適ふ。故に我等同一權能の聖三者を歌はん。
今も、同上。
第二倡和詞
神よ、爾は我を爾の律法の山に登せたり。諸德にて我を飾り給へ、我が爾を歌はん爲なり。
言よ、爾の右の手に我を取りて、我を蔭ひ、我を守り給へ、罪の火が我を焚かざらん爲なり。
光榮 聖神に因りて凡の造物は新にせられて、復初の狀に還る、父及び言と均しく有能なればなり。
今も、同上。
第三倡和詞
人我に向ひて、主の家に往かんと云ふ時、我が神゜は樂しみ、心も共に喜ぶ。
ダワィドの家には大なる畏懼あり、蓋彼處に寶座は立てられて、地上の萬族萬民は審判せられん。
光榮 聖神には父及び子と均しき尊敬、伏拜、光榮、權柄を歸すること當然なり、蓋聖三者は性にて惟一なり、唯位にては然らず。
今も、同上。
提綱、第一調。
主曰く、我今興き、執へられんとする者を危からざる處に置かん。
句 主の言は淨き言なり。
「凡そ呼吸ある者は」。順序の早課福音經。
ハリストスの復活を見て、聖なる主イイスス獨罪なき者を拜むべし。ハリストスよ、我等爾の十字架を拜み、爾の聖なる復活を歌ひ讚む、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず、唯爾の名を稱ふ。信者よ、皆來りて、ハリストスの聖なる復活を拜むべし、十字架にて歡喜は全世界に臨みたればなり。我等恒に主を讚め揚げて、其復活を崇め歌はん、主は十字架に釘うたるるを忍びて、死を以て死を滅ししに因る。
第五十聖詠、「神よ、爾の大なる憐に因りて」。
光榮 使徒の祈禱に依りて、憐深き主よ、我等の多くの罪を淨め給へ。
今も 生神女の祈禱に依りて、憐深き主よ、我等の多くの罪を淨め給へ。
次ぎて、第六調 神よ、爾の大なる憐に因りて我を憐み、爾が惠の多きに因りて我の不法を抹し給へ。
讚頌 預め言ひし如く、イイスス墓より復活して、我等に永遠の生命と大なる憐とを賜へり。
「神よ、爾の民を救ひ」。
高聲、「爾が獨生子の仁慈と慈憐と」。
規程四篇、主日の、讚詞四章、十字架復活の、三章、生神女の、三章、月課經の、四章。若し聖人の祭ならば、聖人の、六章、十字架復活の、二章、生神女の、二章。
主日の規程、第一調
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
附唱 主よ、光榮は爾の聖なる復活に歸す。
讚詞 元始に至淨なる手にて神の力を以て我を土より作りし主は、十字架に手を伸べて、童貞女より取りし我が朽ち易き身を土より喚び起せり。二次。
光榮 神聖なる吹噓を以て我に靈を入れし主は、我が爲に殺され、靈を死に付して、我を永遠の鎖より解き、己と偕に復活せしめて、不朽の榮を賜へり。
今も、生神女讚詞 恩寵の泉よ、慶べ、天の梯と門よ、慶べ、燈臺と金の壺、及び截られざる山、生命を賜ふハリストスを世界の爲に生みし者よ、慶べ。
又十字架復活の規程
第一歌頌、同調
イルモス 「ハリストス生る」。
附唱 主よ、光榮は爾の尊き十字架と復活に歸す。
ハリストスは人體を取りて我を神成し、ハリストスは卑くなりて我を高くし、ハリストス生命を賜ふ主は身にて苦を受けて我を苦より解き給ふ。故に我感謝の歌を奉る、彼光榮を顯したればなり。
ハリストスは十字架に釘せられて我を上せ、ハリストスは殺されて我を己と偕に復活せしめ、ハリストスは我に生命を賜ふ。故に我樂しみて手を拍ちて、救世主に凱歌を奉る、彼光榮を顯したればなり。
生神女讚詞 童貞女よ、爾は神を孕めり、至淨なる者よ、爾は童貞に於てハリストスを生めり。彼は爾より身を取りて、一位二性の獨生子と識らる、光榮を顯したればなり。
又至聖なる生神女の規程
第一歌頌、同調
イルモス 「死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手」。
附唱 至聖なる生神女よ、我等を救ひ給へ。
我等の不能は爾に適ふ何の歌をか爾に奉らん、唯悅ばしむる歌、ガウリイルが奧妙に我等に敎へし者なり、生神童貞女、聘女ならぬ母よ、慶べ。
我等信者は永貞童女、上なる軍の王の母に最淨き心より熱切に呼ばん、生神童貞女、聘女ならぬ母よ、慶べ。
純潔なる者よ、爾の悟り難き產の奧義の淵は量られず。故に我等疑なき信を以て切に爾に歌を奉りて云ふ、生神童貞女、聘女ならぬ母よ、慶べ。
次ぎて月課經の規程。
共頌、「我が口を開きて」。
第三歌頌
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我に上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
仁慈なる主よ、爾は我の神にして、陷りし者を憐みて、甘じて我に降り、十字架に釘せらるるを以て我を升せて、爾に呼ばしめ給ふ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
本原の生命たる主宰ハリストスよ、爾は慈憐なる神にして、我朽ちたる者を衣、死に屬する塵に下りて、死の權を滅し、三日目に死より復活して、我に朽ちざるを衣せ給へり。
生神女讚詞 童貞女よ、爾は至聖神に因りて神を孕みて、燒かれざる者と止まれり、蓋立法者モイセイに顯れし棘は爾堪へ難き火を受けし者の燃えて燒かれざるを明に前兆せり。
又 イルモス 「世の無き前に分離なく父より」。
己の肩に迷へる羊を任ひて、木を以て其罪を滅ししハリストス神に呼ばん、我等の角を高くせし主よ、爾は聖なり。
大なる牧者ハリストスを地獄より上せて、其聖務に因りて使徒等を以て嚴に諸民を牧せし主に、我等信者は眞實と神聖なる神゜とを以て務むべし。
童貞女より種なく甘じて身を取りし子、生みし者を產の後に神聖なる力を以て潔き童貞女と護りし者、萬有の上に在る神に呼ばん、主よ、爾は聖なり。
又 イルモス 「獨人の聖の弱きを知りて」。
童貞女よ、我等預言者の言に循ひて、正しく爾を輕き雲と稱ふ。蓋主は爾に抱かれて、エギペトの迷惑の手造を滅して、之に事ふる者を照さん爲に來り給へり。
讚美たる者よ、預言者の會は爾を實に封じたる泉、閉ぢたる門と稱へて、爾が產の後にも守りし童貞の徵を明に我等の爲に像れり。
至りて無玷なる童貞女よ、至上の智慧を能するに循ひて悟るに堪へたるガウリイルは爾に欣ばしき報信を攜へたり、明に言の降孕を知らせ、言ひ難き產を傳ふる者なり。
第四歌頌
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に、爾より出づるを預言せり。
斯の救主、エドムより出で、棘の冠を冠り、血に染みたる衣を衣、木に懸かれる者は誰ぞ、是れイズライリの聖なる者、我等を救ひ改むる主なり。
頑しき人人よ、視て愧づべし、蓋爾等が無智に因りてピラトの命を乞ひて、犯罪者として十字架に懸けし者は死の力を破りて、神に適ふが如く墓より復活せり。
生神女讚詞 童貞女よ、我等爾が生命の樹なるを識る、蓋爾より生ぜし者は人の死を致す果に非ず、乃永き生命の樂にして、爾を歌ふ我等を救ふ者なり。
又 イルモス 「イエッセイの根より生ぜし枝」。
斯の美しき者、エドムより出で、其衣の赤きはワォソルの葡萄に染みたるが如き者は誰ぞ、神としては美しく、人としては肉體の血に赤みたる衣を衣たる者なり。我等信者は彼に歌ふ、主よ、光榮は爾の能力に歸す。
ハリストスは將來の福の司祭長と現れて、我等の罪を滅し、己の血を以て更に美しく、更に全備なる幕に入る奇妙なる途を示して、我等の前驅として聖所に入り給へり。
生神女讚詞 讚美たる者よ、爾は我等の爲に現れし新なるアダムよりエワの古の債めを赦さんことを求め得たり。蓋潔き降孕に因りて己に智あり靈ある肉體を合せたるハリストスは爾より出で給へり、二性にして一位なる主なり。
又 イルモス 「アウワクムは先知の目にて」。
天よ、奇蹟を聽け、地よ、耳を傾けよ、蓋塵なる陷りたるアダムの女は神己の造成主の爲に母と爲るに定められたり、我等の拯救及び改易の爲なり。
讚美たる者よ、我等大にして畏るべき爾の祕密を歌ふ。蓋永在の者は天上の品位より隱みて、雨が羊の毛に於ける如く爾に降り給へり、爾を歌ふ我等の救の爲なり。
諸聖の聖なる讚美たる生神女よ、爾より異邦民の期望、信者の拯救なる贖罪主、生を施す主は輝き出でたり。爾の諸僕の救はれんことを彼に祈り給へ。
第五歌頌
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
イウデヤ人は大なる羊の牧者及び主を十字架の木にて殺したれども、彼は地獄に葬られたる死者を羊の如く死の權より救ひ給へり。
ハリストス吾が救世主よ、爾は十字架にて和睦を福音し、虜に赦を傳へ、權ある者を辱かしめ、爾の神聖なる復活を以て其裸體にして貧しくなりたるを顯し給へり。
生神女讚詞 讚美たる者よ、切に爾に求むる者の禱を斥くる毋れ。至淨なる者よ、之を受けて、爾の子なる神、一の恩主に捧げ給へ、我等爾を轉達者として得たればなり。
又 イルモス 「和平の神、仁慈の父よ」。
嗚呼神の智慧の富と深や。智者を執ふる主は其惡謀より我等を救へり、蓋甘じて身の弱きを以て苦を受けて、己の力を以て死者を活かして、之を起し給へり。
實在の神ハリストスは我等の爲に肉體に合し、十字架に釘せられ、死し、葬られ、又復活し、己の肉體と偕に嚴に父に升り、之と偕に來りて、敬虔に彼に事ふる者を救はん。
生神女讚詞 諸聖の聖なる潔き童貞女よ、爾は諸聖の聖にして、衆を聖にするハリストス贖罪主を生み給へり。故に我等爾萬物の造成者の母たる者を萬有の女王及び女宰として傳ふ。
又 イルモス 「己の降臨の光にて」。
生神童貞女よ、天の軍は爾を見て樂しみ、人人の會は彼等と共に喜ぶ、蓋爾の產に因りて合せられたり。我等宜しきに合ひて之を讚榮す。
人人の舌と思念とは實に人類の飾なる者の讚美に動くべし。童貞女は前に立ちて、信を以て彼の奇蹟を歌ふ者を明に榮し給ふ。
睿智者の歌頌と讚美とは神の母童貞女に捧げらるべし、蓋彼は至りて神聖なる光榮の宮と爲れり。我等宜しきに合ひて彼を讚榮す。
第六歌頌
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
主ハリストスよ、我等は始めて造られし者の愆にて痛く傷つけられ、爾が我等の爲に受けし傷にて愈されたり、爾は弱る者の力と更新なればなり。
全能の主よ、爾は己の權にて衆を呑む鯨の力を破り、之を殺して、我等を地獄より引き上げたり、爾は生命と光と復活なればなり。
生神女讚詞 至淨なる童貞女よ、我が族の原祖は罪に因りて失ひしエデムを爾に因りて復之を得て、爾の爲に樂しむ、爾は產の前にも產の後にも潔き者なればなり。
又 イルモス 「海の猛獸はイオナを」。
無慾無形の智慧なるハリストス神は人の智慧、卽神の性と肉體の麤笨とを接合せしむる者に合せられ、變易なくして我全人と全く合一になれり、十字架に釘せられて、我陷りたる全人に救を賜はん爲なり。
昔アダムは神たらんとする望に欺かれて、躓きて仆れたり。今言に合せらるるに因りて神成せられて興き、苦に因りて苦なきを得、子として父及び聖神と偕に寶座に坐して讚榮せらる。
生神女讚詞 義を以て王たる神は無原なる父の懷を離れずして、潔き少女の懷に入り、先に母なく生れし者は父なくして人體を取り給ふ、其來歷は畏るべくして、悟り難く、言ひ難し。
又 イルモス 「今を限の淵は」。
永貞童女よ、天の品位は僕として爾の子の前に立ち、宜しきに合ひて爾の種なき產を奇とす、爾は產の前にも產の後にも潔き者なればなり。
至りて潔き者よ、先に無形なる言、其旨を以て一切を行ひ、全能者として無形の軍を無より有と爲しし主は爾より身を取り給へり。
神の恩寵を蒙れる者よ、爾が生を施す產にて敵は殺され、地獄は明に踐まれ、我等桎梏に在る者は解かれたり。故に我呼ぶ、我が心の慾を滅し給へ。
小讚詞、第一調。
主宰よ、爾は神なるに因りて光榮の中に墓より復活し、世界をも共に復活せしめ給へり。人の性は爾を神として讚め歌ひ、死は滅され、アダムは樂しみ、エワは今縛より釋かれて、歡びて呼ぶ、ハリストスよ、爾は衆人に復活を賜ふ主なり。
同讚詞 我等三日目に復活せし主を全能の神として歌はん。彼は地獄の門を破り、古世よりの死者を墓より起し、嘉せし如く、攜香女に現れて、先づ彼等に慶べよと云ひ、獨生命を施す主として、使徒等に歡喜を報らせ給へり。故に女等は信を以て門徒に勝利の表章を福音し、地獄は呻き、死は泣き、世界は樂しみ、衆は共に悅ぶ、蓋爾は、ハリストスよ、衆人に復活を賜へり。
第七歌頌
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐と爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
地は畏れ、日は隱れ、光は暗み、殿の神聖なる幔は裂け、石は碎けたり、義なる者にして、先祖の尊まれて崇め讚めらるる神が十字架に懸り給へばなり。
爾は援助なき者の如くなりて、甘じて我等の爲に傷つけられ、死に付されたれども、萬の者を釋き、權能の手を以て己と偕に復活せしめ給へり、先祖の尊まれて崇め讚めらるる神なればなり。
生神女讚詞 常生の水の泉よ、慶べ、樂の天堂よ、慶べ、信者の垣よ、慶べ、婚姻に與らざる者よ、慶べ、全世界の歡喜よ、慶べ、先祖の崇め讚めらるる神が爾に依りて我等に輝きたればなり。
又 イルモス 「偕に敬虔に養はれし少者は」。
昔弟を殺しし手に由りてアワェリの血に赤く染みたる地は詛はれたり、今爾の神たる血を注がれ、祝福せられて、樂しみて呼ぶ、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
神に逆ふイウデヤの民はハリストスを殺しし狂暴の爲に泣くべし、異邦民は樂しみて、手を拍ちて呼ぶべし、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
視よ、輝ける天使は攜香女に呼べり、來りて、ハリストスの復活の表章なる布及び墓を見て呼べ、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
又 イルモス 「生神女よ、我等信者は爾を見て」。
生神女よ、イアコフは豫知して梯を爾なりと悟れり、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、嘉せし如く、爾に緣りて地に現れて、人人と偕に住ひ給へり。
潔き者よ、慶べ、爾より量り難き仁慈に因りて、實にアダムの皮肉、卽我全き人を衣たる牧者は出で給へり、此れ先祖の尊まれて崇め讚めらるる神なり。
永遠なる神は爾の潔き血に由りて實に新なるアダムと爲り給へり。彼に今我古びたる者を新にせんことを祈り給へ、蓋我呼ぶ、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス イズライリの少者は爐に在りて、坩堝に在るが如く、敬虔の美しきを以て黃金よりも明に輝きて云へり、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
己の旨に循ひて萬物を造り、又之を變化し、己の苦にて死の蔭を易へて永遠の生命と爲す神の言よ、我等悉くの造物は絕えず爾を主として歌ひて、萬世に讚め揚ぐ。
ハリストスよ、爾は地獄の門及び其防固の中に哀と苦とを滅して、三日目に墓より復活し給へり。悉くの造物は絕えず爾を主として歌ひて、萬世に讚め揚ぐ。
生神女讚詞 種なくして性に超えて神聖なる輝に由りて最貴き眞珠なるハリストスを生みし者を歌ひて呼ばん、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
又 イルモス 「露を出す爐」。
人人よ、來りて、至淨なる足の立ちし處、衆人の救の爲に木の上にハリストスの生を施す神聖なる手の伸べられし處に伏拜して、生命の墓を環りて歌はん、悉くの造物は主を崇めて萬世に讚め揚げよ。
神を殺ししイウデヤ人の至りて不法なる讒言は露れたり、蓋彼等が惑はす者と名づけし主は有能者として無智の封印を辱かしめて起き給へり。故に我等歡びて歌はん、悉くの造物は主を崇めて萬世に讚め揚げよ。
聖三者讚詞 至淨なるセラフィム等は聖三の歌を以て惟一の主を讚美して、僕に適ふが如く畏を以て三位の神性を讚榮す。彼等と偕に我等も敬虔に歌はん、悉くの造物は主を崇めて萬世に讚め揚げよ。
又 イルモス 「イズライリの少者は爐に在りて」。
新娶者の出づる如く、萬有の主宰ハリストスが出で給ひし輝ける宮を我等皆歌ひて呼ばん、主の悉くの造物は主を歌ひて萬世に讚め揚げよ。
神の至榮なる寶座よ、慶べ、信者の垣よ、慶べ、爾に依りて幽暗に在る者に光なるハリストスは輝けり。故に彼等爾を讚美して呼ぶ、主の悉くの造物は主を歌ひて萬世に讚め揚げよ。
我等の救の起原者なる主を生みし讚美たる童貞女よ、衆の爲に禱り給へ。蓋皆切に呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
次ぎて生神女の歌を歌ふ、「我が靈は主を崇め」、附唱と共に、「ヘルワィムより尊く」。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
嗚呼不法不順の民よ、何ぞ惡しきを謀りて、不義不虔の者を義と爲し、義なる光榮の主を木に懸けんことを定めたる。我等宜しきに合ひて彼を崇め讚む。
救世主、世の罪を任ひし玷なき羔よ、我等爾三日目に復活せし者を父及び爾の神聖なる神゜と偕に讚榮し、光榮の主と傳へて崇め讚む。
生神女讚詞 人を愛する主よ、爾の尊き血にて得たる爾の民を救ひ、皇帝に敵に對して能力を賜ひ、爾の諸敎會に平安を與へ給へ、生神女の祈禱に因りてなり。
又 イルモス 「我奇異にして至榮なる祕密」。
主よ、爾の十字架は爾の言ひ難き能力に因りて榮を獲たり、蓋爾の弱きは衆の爲に力に超ゆる者と顯れたり。此にて强き者は地に仆されたり、卑しき者は天に升せらる。
ハリストスよ、畏るべき我等の死は殺されたり、蓋爾は地獄に在る者に現れて、死よりの復活を賜へり。故に我等爾を生命と復活、及び本原の光と歌ひて崇め讚む。
聖三者讚詞 無原無極なる性は三の神元の位に於て識らる、父と、子と、聖神との中に惟一の神性なり。敬虔なる皇帝は之を賴みて救はる。
又 イルモス 「生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘」。
童貞女よ、爾は神の先祖たる預言者ダワィドの根より生ぜり、然れども爾は實にダワィドにも榮を被らせたり、預言せられし光榮の主を生みたればなり。我等宜しきに合ひて彼を崇め讚む。
嗚呼至淨なる生神女よ、爾の光榮の大なるは凡の讚美の法に超ゆ。然れども女宰よ、寬容にして爾の不當なる諸僕より愛を以て爾に捧ぐる讚歌を受け給へ。
嗚呼智慧に超ゆる爾の奇蹟や、蓋爾は、純潔なる童貞女よ、獨日よりも輝きて、衆に爾の悟り難き產の新なる奇蹟を顯し給へり。故に我等皆爾を崇め讚む。
共頌の後に小聯禱。次ぎて主我等の神は聖なり。三次。早課の差遣詞。
「凡そ呼吸ある者」に主日の讚頌、第一調。
句 彼等の爲に記されし審判を行はん爲なり、斯の榮は其悉くの聖人に在り。
百四十九聖詠を讀み畢りて此の末節を歌ふ。
ハリストスよ、我等爾が救を施す苦を歌ひ、爾の復活を讚榮す。
句 神を其聖所に讚め揚げよ、彼を其有力の穹蒼に讚め揚げよ。
十字架を忍びて、死を空しくし、死より復活せし主よ、我等の生命を平安ならしめ給へ、爾獨全能の主なればなり。
句 其權能に依りて彼を讚め揚げよ、其至嚴なるに依りて彼を讚め揚げよ。
地獄を虜にし、爾の復活にて人を復活せしめしハリストスよ、我等に潔き心を以て爾を歌ひ、爾を讚榮するに堪へさせ給へ。
句 角の聲を以て彼を讚め揚げよ、琴と瑟とを以て彼を讚め揚げよ。
ハリストスよ、我等爾が神に合ふ寬容を讚榮して、爾を歌ふ。爾は童貞女より生れて、父に離れざりき、人として苦を受け、甘じて十字架を忍び、宮より出づるが如く墓より復活し給へり、世界を救はん爲なり。主よ光榮は爾に歸す。
又讚頌、アナトリイの作、同調。
句 皷と舞とを以て彼を讚め揚げよ、絃と簫とを以て彼を讚め揚げよ。
爾が十字架の木に釘せられし時、敵の權は滅され、造物は爾を畏るるに因りて戰ひ、地獄は爾の力にて虜にせられたり。爾は死者を墓より復活せしめ、盜賊の爲に樂園を開き給へり。ハリストス我が神よ、光榮は爾に歸す。
句 和聲の鈸を以て彼を讚め揚げよ、大聲の鈸を以て彼を讚め揚げよ、凡そ呼吸ある者は主を讚め揚げよ。
尊き女等は泣きて急ぎて爾の墓に詣り、墓の開けたるを觀、天使より新なる至榮の奇蹟を知りて、使徒等に報らせて云へり、主は復活して、世界に大なる憐を賜へり。
句 主我が神よ、起きて爾の手を擧げよ、苦しめらるる者を永く忘るる毋れ。
ハリストス神よ、我等は爾の苦の神聖なる傷、又シオンに在りし主宰の聖務、世の末に神妙に現れし者に伏拜す、蓋爾義の日は幽暗に寢ぬる者を照して、暮れざる光に向はしめ給へり。主よ、光榮は爾に歸す。
句 主よ、我心を盡して爾を讚め揚げ、爾が悉くの奇蹟を傳へん。
亂を好むエウレイの族よ、耳を傾けよ、ピラトに來りし者等は何處にか在る、守る兵卒は言ふべし、墓の印は何處にか在る、葬られし者は何處にか移されたる、賣られぬ者は何處にか賣られたる、寶は如何ぞ盜まれたる。不法なるイウデヤ人は何ぞ救世主の起くるを讒言する。死者の中に自由なる者は復活して、世界に大なる憐を賜ふ。
光榮 早課の福音の讚頌。
今も 生神童貞女よ、爾は至りて讚美たる者なり、爾に身を取りし主は地獄を虜にし、アダムを喚び起し、詛を壞り、エワを釋し、死を滅し、我等を生かせり。故に我等歌ひて呼ぶ、斯く行ひ給ひしハリストス神は崇め讚めらる、光榮は爾に歸す。
大詠頌。次ぎて復活の讚詞。
今救は世界に及べり。我等墓より復活せし吾が生命の首なる主に歌ふ、其死にて死を滅し、我等に勝利と大なる慈憐とを賜へばなり。
發放詞
主日の聖体礼儀に
聖體禮儀には代式の眞福詞、第一調。
敵は食物を以てアダムを樂園より引き出し、ハリストスは十字架を以て盜賊を其中に入れ給へり、主よ、爾の國に來らん時我を懷ひ給へと呼べばなり。
句 心の淸き者は福なり、彼等神を見んとすればなり。
我爾の苦に伏拜し、アダム及び盜賊と共に復活を讚揚し、朗なる聲にて爾に呼ぶ、主よ、爾の國に來らん時我を憶ひ給へ。
句 和平を行ふ者は福なり、彼等神の子と名づけられんとすればなり。
罪なき者よ、爾は甘じて十字架に釘せられて、墓に藏められたれども、神なるに由りて復活し、アダムを己と偕に起し給へり、爾の國に來らん時我を懷ひ給へと呼べばなり。
句 義の爲に窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の者なればなり。
爾の肉體の殿を三日目の葬の後に復活せしめしハリストス神よ、爾はアダムとアダムよりする者とを己と偕に復活せしめ給へり、爾の國に來らん時我等を憶ひ給へと呼べばなり。
句 人我の爲に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事を譌りて諸の惡しき言を言はん時は、爾等福なり。
ハリストス神よ、攜香女は淚を垂れて、朝早く爾の墓に來りしに、白き衣を着て坐せる天使に逢ひたり、彼は呼べり、何を尋ぬるか、ハリストス復活せり、今より泣く勿れ。
句 喜び樂しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
主よ、爾の使徒は命ぜられし山に來り、爾救世主を見て伏拜せり。爾彼等を萬民に敎を傳へ、洗禮を授けん爲に遣し給へり。
光榮 聖三者讚詞 我等父に伏拜し、子を讚榮し、聖神を共に讚頌して、呼びて云はん、至聖なる三者よ、我等衆人を救ひ給へ。
今も ハリストスよ、爾の民は祈禱の中に爾の母を轉達として爾に捧ぐ。仁慈なる主よ、彼の禱に因りて爾の惠を我等に垂れて、爾墓より我等に輝きし主を讚榮せしめ給へ。
提綱、第一調。
主よ、我等爾を賴むが如く、爾の憐を我等に垂れ給へ。
句 義人よ、主の爲に喜べ、讚榮するは義者に適ふ。
「アリルイヤ」、願はくは我が爲に仇を復し、我に諸民を從はしむる神は讚頌せられん。
句 大なる救を王に施し、憐を爾の膏つけられし者ダワィド、及び其裔に世世に垂るる者よ、我爾の名に歌はん。
主日の晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に主宰に奉る傷感の讚頌、第一調
句 主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん爲なり。
全能の主よ、爾は仁慈に因りて爾の言と神゜とを以て萬物を出し、次に我靈智なる生物を造り給へり、我が爾の聖なる名を讚榮せん爲なり。然れども我は却りて我が耻づべき行を以て常に之を瀆す。祈る、我を憐み給へ。
句 我主を望み、我が靈主を望み、我彼の言を恃む。
不當なる靈よ、爾の神聖なる良族と不朽なる本國とを知りて、善行を以て恒に之に到らんことを務めよ。朽壞する者は一も爾を誘ふべからず、爾は上に屬す、肉體は塵にして朽つ、下なる者は上なる者に勝つべからず。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
吾が至りて不當なる靈よ、至仁なる主に詣り、熱き淚を以て之に就き、爾の行ひし事を審判より前に悉く告解し、主が未だ爾の爲に門を閉ぢざる前に、造成主を己の爲に慈憐の者と爲して、赦免を獲よ。
又無形軍の讚頌
句 願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其悉くの不法より贖はん。
無形の諸天使、神の寶座の前に立ち、彼處の光に照されて、常に光を放つ第二の光たる者よ、我が靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給へ、
句 萬民よ、主を讚め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讚めよ。
第一の生命より實に滅びざる生命を受けし不死の諸天使よ、爾等は永在の光榮及び永久の睿智の至福至聖なる實見者と爲りて、光に滿たされて、至りて明なる燈と現る。
句 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の眞實は永く存す。
天使首、差役、首領、寶座、主制、六翼のセラフィム、神聖なる多目のヘルワィム、智慧の器たる者、能力、及び至りて神聖なる權柄よ、我が靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 無玷なるマリヤ、凡の智慧に超えて神の母と爲りし至淨なる者よ、爾の至りて能力ある轉達を以て、我多くの罪に圍まれて狹めらるる者を痛悔の廣きに向はしめ給へ、爾は能せざる所なき主の母として、之を能すればなり。
次ぎて「穩なる光」。其後提綱、主の諸僕、夜中主の家に立つ者よ、今主を崇め讚めよ。句、爾の手を擧げ、聖所に向ひて主を崇め讚めよ。
次ぎて「主よ、我等を守り、罪なくして此の晩」。及び聯禱。
次ぎて挿句に傷感の讚頌、第一調。
救世主よ、我が罪の淵は深し、我罪惡の爲に甚しく沈めらるるに因りて、ペトルに於けるが如く、神よ、我に手を授けて、我を救ひ、我を憐み給へ。
句 天に居る者よ、我目を擧げて爾を望む。視よ、僕の目主人の手を望み、婢の目主婦の手を望むが如く、我等の目は主我が神を望みて、其我等を憐むを俟つ。
神救世主よ、我惡しき思と行とに於て定罪せられしに因りて、我に反正の意念を與へて、爾に呼ばしめ給へ、仁慈なる恩主よ、我を救ひ、我を憐み給へ。
句 主よ、我等を憐み、我等ょ憐み給へ、蓋我等は侮に饜き足れり。我等の靈は驕る者の辱と誇る者の侮とに饜き足れり。
主よ、衆聖人及び生神女の祈禱に因りて、爾の平安を我等に與へ、我等を憐み給へ、爾獨仁慈の廣き主なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 天の品位の歡喜、地上に人人の堅固なる轉達、至りて潔き生神童貞女よ、爾に趨り附く我等を救ひ給へ、我等神に亞ぎて爾に憑恃を負はせたればなり。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に聖人の讚詞。光榮、今も、生神女讚詞。其後聯禱、及び發放詞。
主日の晩堂課
司祭誦す、「我等の神は恒に崇め讚めらる」。誦經者、「アミン」。我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。「天の王」。其他常例の如し。
次ぎて至聖なる生神女に奉る祈禱の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
至淨なる女宰よ、爾は言ひ難く神を孕み、性に超えて地の者を諸罪より救ふ主を生み給へり。故に爾に祈る、我を多くの罪より脫れしめ給へ。
我無數の罪に因りて憂患及び菑害の海に沈めらる。純潔なる者よ、爾の力ある嚮導と祈禱とを以て我を痛悔の神聖なる平穩に向はしめ給へ。
光榮 吾が生涯の守護者たる潔き生神女よ、我を多くの菑害より救ひ、我を將來の苦より脫れしめ給へ、我が感謝の歌を爾に奉らん爲なり。
今も 造成主及び贖罪主吾が神の純潔なる母よ、間斷なき誘惑と患難の暴風とを鎭めて、我に拯救の恩寵と潔淨とを與へ給へ。
第三歌頌
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我に上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
生神女よ、爾の潔き像の顯見は、諸天使には愛すべく、人人には救を施し、惡鬼には畏るべし。我等信を以て之を尊み、接吻して、靈を光照す。
純潔なる者よ、造成者及び主は爾の童貞の血を以て己の肉體を造り給へり。彼に我不當なる行に因りて朽ちたる者を其言ひ難き慈憐を以て宥めんことを祈り給へ。
光榮 至りて無玷なる者よ、我爾を生命の守護者及び壞られぬ垣として獲て、禱る、終の後にも我が爲に庇護及び勝たれぬ保護者と爲りて、我を神の前に攜へ、我に永遠の生命と光榮とを與へ給へ。
今も 潔き者よ、爾の胎孕は種なく、產は不朽なり、生れし者は人の墜ちたる性を喚び起す神なればなり、故に我等爾を實の生神女として崇め歌ふ。
第四歌頌
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に、爾より出づるを預言せり。
敵の行動と惡しき風習とに因りて止め難き進行は我を惡に引く。女宰よ、我を助け給へ、凶惡者が終に至るまで我を攻擊して、死を以て我に痛悔の途を斷たざらん爲なり。
我放蕩と罪過とに我が生命の時を費せり、今も諸慾は我が卑しき靈を此等に引く。神を生みし童貞女よ、我を助け給へ。
光榮 純潔なる者よ、我の憂の聲、我が靈の深處より嘆息して爾に揚ぐる者を聽きて、我不當の者が思念と無智なる風習とを以て行ひし罪債の赦を我に與へ給へ。
今も 世界の女宰生神女よ、我を助け給へ。最凶惡なる敵は我を神より離す惡しき記憶と思念とを以て甚しく我を惱ます。我を棄つる毋れ、遺す毋れ。
第五歌頌
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
視よ、我救の爲に備はりたる佑助を獲たり。故に爾に俯伏して、淚と共に呼ぶ、生神女よ、我を敵の矢及び將來の詰問より脫れしめ給へ。
至聖なる生神童貞女よ、爾は我の防固なり、爾は我の美譽と、歡喜と、守護者、我の防護と、避所と、勝たれぬ轉達者なり。故に爾の僕を救ひ給へ。
光榮 至淨なる生神女よ、諸慾に汚されたる我が不當なる靈を爾の神聖なる祈禱の淸灑を以て淨めて、之に爾の救の光潔なる衣を與へ給へ。
今も ハリストス神の母よ、爾は我が生命に於て我の爲に堅固なる舵師にして、我を多くの攻擊の騷擾より脫れしむ。爾に祈る、我が逝世の時にも現れて我を救ひ給へ。
第六歌頌
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
聘女ならぬ聘女、至淨なる神の母よ、爾の手を我に伸べて、我至りて不當なる者が無智と我が靈の慾とを以て蓄へたる諸惡の深處より我を引き出し給へ。
潔き者よ、立ちて、爾の僕、其憑恃を神と共に爾の勝たれぬ保護に負はしむる者を助け給へ、敵が力を獲て、我を執へて滅さざらん爲なり。
光榮 病む者の醫師、墜つる者の興起、罪を犯す者の潔淨たる生神女よ、我爾に祈り、淚と共に俯伏して爾に呼ぶ、有能なるに因りて、親ら我兦ぶる者を救ひ給へ。
今も 潔き者よ、我の卑しき靈を憐み、急ぎて之を凶惡者より出し給へ、蓋彼は務めて、我が多くの怠惰の爲しし諸惡に因りて、之を淵に墜さんと欲す。
次ぎて主憐めよ、三次。光榮、今も、
坐誦讚詞、第一調
潔き永貞童女よ、我等爾を主に禱る者として獲て、爾の聖殿に趨り附きて、爾に援助を乞ふ。我等爾を讚美する者を惡鬼の奸計と、苛苦と、畏るべき定罪より救ひ給へ。
第七歌頌
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐と爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
惟一無玷なる者よ、爾は主宰の爲に神聖なる幕と爲りて、之を胎に孕み、之を身にて生み給へり。故に我等を諸の慾と疾病と、憂患と、罪債より救ひ給へ、多くの權と能とを有ち給へばなり。
潔き女宰よ、我が至りて不當なる靈の堪へ難き痛を止め、我が多くの罪の濁れる浪を涸らして、眞の歡喜を我に予へ給へ、爾は我の爲に避所及び拯救なればなり。
光榮 女宰よ、我救の憑恃を悉く爾に負はせたり。蓋爾を扶助と、折られぬ柱と、堅固と、動なき基として獲て、爾に依りて國を受けんことを望む。
今も 潔き女宰よ、爾は光榮の日の曙と爲れり。爾に緣りて現れし者は衆を幽暗と、無智と、惡臭の諸罪より解き給へり。故に我爾に呼ぶ、外の暗より我を解き給へ。
第八歌頌
イルモス イズライリの少者は爐に在りて、坩堝に在るが如く、敬虔の美しきを以て黃金よりも明に輝きて云へり、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
生神女よ、諸惡の動揺は甚しく我が靈を擾す。穩靜と平安との起原者及び賦予者を生みし潔き者よ、我を平安に治めて、穩靜なる喜と樂とに滿たし給へ。
生神女よ、爾は救世主、萬有の主宰を生みて、我等の爲に救の轉達者と現れたり。故に爾に祈る、我の卑微なる靈を救に堪へさせて、正しく爾を萬世に讚頌せしめ給へ。
光榮 萬有の造成主神を言ひ難く孕みし者よ、我を朽壞と諸の誘惑より救ひて、常に呼ばしめ給へ、其悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて世世に讚め揚げよ。
今も 童貞女よ、爾は萬有の造成主神を生み給へり。彼に祈りて、絕えず爾の光榮を歌ふ者の諸罪を潔めて、之に憂愁と艱難、定罪と永火よりの救を賜はんことを求め給へ。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
純潔なる神の母よ、爾の慈憐なる懷を我が爲に啓きて、我を擾して滅さんと謀る無形の狼の口より逃れしめ給へ。祈る、我爾の僕を憐み、辱を蒙りて歸らしむる毋れ。
純潔なる者よ、我が生涯の保護者及び堅固なる防禦と爲りて、我を多くの災禍と憂患より脫れしめ、又我を永遠の火より救ひ給へ。
光榮 獨病者の醫治、獨陷りし者の提起、獨神に導く嚮導者、獨永福の代求者たる女宰よ、我獨衆に超えて罪を犯しし者を憐み給へ。
今も 生神女、讚美たる女宰よ、今我の淚と共に奉る禱を受けて、我が行ひし諸罪諸惡の赦を與へ給へ、我甚しき失望に因りて全く滅ぶればなり。
次ぎて「常に福にして」。其他常例の如し、及び發放詞。
月曜日
月曜日の早課
第一の誦文の後に傷感の坐誦讚詞、第一調。
不法に於て妊まれたる我放蕩の者は敢て天の高きを仰ぐを得ず。唯爾の仁愛を恃みて呼ぶ、神よ、我を潔め、我を救ひ給へ。
句 主よ、爾の憤を以て我を責むる毋れ、爾の怒を以て我を罰する毋れ。
若し義者僅に救を得ば、我罪人は何處にか立たん。我終日の苦勞と暑とを忍ばざりき。然れども神よ、我を第十一時の傭工に加へて、我を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 至淨なる生神女、天には祝福せられ、地には讚榮せらるる聘女ならぬ聘女よ、慶べ。
第二の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
救世主よ、急ぎて父の懷を我が爲に啓き給へ、我爾の洪恩の費されぬ富を見て、放蕩に我が生を費せり。今我の貧しくなりたる心を棄つる毋れ、蓋我傷感の情を以て爾に呼ぶ、主よ、我爾の前に罪を獲たり、我を救ひ給へ。
句 主よ、爾の憤りを以て我を責むる毋れ、爾の怒を以て我を罰する毋れ。
至りて義なる審判者よ、爾の審判座は畏るべく、審判は義なり、我が行は甚惡し。慈憐なる主宰よ、爾憐みて我を救ひ、苦を免れしめ、左の分より脫れしめて、爾の右に立つに堪へさせ給へ。
次ぎて致命者讚詞。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
主よ、光榮なる受難者は爾より苦の報賞たる尊き榮冠にて飾られたり、蓋瘡痍を忍ぶを以て不法の者に勝ち、神聖なる能力を以て天より勝利を獲たり。救世主よ、彼等の祈禱に因りて我をも見えざる敵より脫れしめて、我を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 至りて無玷なる者よ、我が不當なる靈を治め、其罪の多きに因りて淪滅の深處に跌きしを憐み、畏るべき死の時にも我を罪する惡鬼と凡の苦より脫れしめ給へ。
又坐誦讚詞、第三の「カフィズマ」の誦文の時。第一調。
至りて洪恩なる主よ、我無智にして爾より離れ、常に無智の慾に役して、放蕩に吾が生を費せり。慈憐なる父よ、諸天使の祈禱に因りて、我を蕩子の如く受けて、我を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 無形の軍に超ゆる少女、天の品位に勝りて獨彼等より宜しきに合ふ讚美を受くる純潔なる者よ、諸天使と偕に爾の子に、我獨定罪せられし者が諸慾の苛虐より救はれんことを祈り給へ。
傷感の規程、其冠詞は、言よ、我が諸罪の汚を滌ひ給へ。イオシフ師の作。第一調。
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
ハリストスよ、爾に祈る、我が罪の多きを爾の慈憐の多きに因りて滅して、我に反正の念を與へ給へ、我が智慧に超ゆる爾の仁慈を讚榮せん爲なり。
神の言よ、爾は慈憐の多きに因りて、地に肉體を取りし人と現れ給へり。故に人に超えて罪を犯しし我、今痛悔を以て爾の洪恩に俯伏する者を受け給へ。
次ぎて致命者讚詞 讚美たる致命者よ、爾等は甘じて苦を受けしハリストスの苦難及び死に效ひて、多種の苦難と死とを忍べり。故に常に光榮なる者よ、爾等は不死の生命を受け給へり。
致命者讚詞 致命者よ、爾等は神聖なる愛の火を盛に己の衷に有ちて、火を畏れず、苦難の熱切なる忍耐にて多神の凡の物質を燒き盡せり。
生神女讚詞 讚美たる童貞女、神の聘女よ、無形の者の品位は我等と共に爾を歌頌す、蓋爾は限られぬ者を爾の腹に身を取りし者として生みて、產の前の如く童貞女に止まり給へり。
又無形軍の規程、其冠詞は、諸天使に奉る第一の歌。フェオファン師の作。第一調。
第一歌頌
同「イルモス」
主宰の寶座の前に嚴に立つ至聖なる天使よ、父と同無原の者、其大なる議事の使者に、我爾等を歌ふ者に言を嘘き入れんことを祈り給へ。二次。
神元なる光の鏡、三日の燈の輝煌を、悟り得るに循ひて、己の衷に受くる天使の品位を、神の智慧は先思念に置きて、造成し給へり。
生神女讚詞 生神女よ、神として上なる軍の首品を飾りし者は婚姻に與らざる爾の腹、セラフィムより上なる者に入りて、變易なくして肉體と成り給へり。
第三歌頌
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我に上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
嗚呼靈よ、起ちて行き、爾の造成主、爾の隱なる事を一切知る者の前に呼びて、痛悔の果を示せ、洪恩の主が爾を憐みて、永遠の火より救はん爲なり。
獨仁慈なる主よ、我稅吏の如く畏を以て爾に呼ぶ、我を潔め、潔めて救ひ給へ、我罪の多きに引かれ、罪惡の重きに屈められ、無量の耻に滿たされたり。
致命者讚詞 眞の智慧と知識とに滿たされたる致命者はエㇽリンの智慧を愚と爲らしめ、其智慧の奸惡を滅し、勇ましく苦を忍びて、宜しきに合ひて勝利の榮冠を受けて喜ぶ。
致命者讚詞 受難者は性に於て惟一者、位に於て三者を承け認めて、神聖なる信を以て多神の迷を滅し、燈と現れて、恩寵の光線にて衆人の心を照し給ふ。
生神女讚詞 至聖至潔なる神の聘女よ、爾は聖者の中に息ふ者、父と同無原なる子及び言、敬虔に彼を讚榮する者を聖神を以て聖にする主を潔く生み給へり。
又 同「イルモス」
神元の光に直に近づくセラフィム等は優に之に饜かせられ、其受けたる元始の光明にて盛に輝きて、第二の光と現る。二次。
信者よ、我等諸天使の光明を歌はんと欲して、淸き智慧、潔き口を以て彼等に由りて神より賜はる佑助を切に求めん、願はくは我等は其光照を受けん。
生神女讚詞 純潔なる童貞女よ、永在の智慧を宜しきに合ひて悟るを得たるガウリイルは欣ばしき報信を爾に攜へて、明に爾に言を孕まんことを知らせ、爾の言ひ難き產を傳へたり。
第四歌頌
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に、爾より出づるを預言せり。
吾が不當なる靈よ、我爾惡事を行ひて、善事を爲さざる者を誰にか譬へん。反正して、爾の爲に甘じて貧しくなりたる者に呼べ、心を知る主よ、我を憐みて救ひ給へ。
反正する者の爲に痛悔を定めし仁慈なる救世主よ、我が生の終らざる前に之を我に與へ給へ。主宰よ、嘗て爾の足に接吻する淫婦に於けるが如く、我に傷感と歎息とを與へ給へ。
致命者讚詞 屬神の水に盈たされたる致命者よ、爾等は神の瞬に由りて活ける水の川と現れて、ハリストスの氣を以て迷の濁れる流を涸らし、信者の意思に飮ませたり。
致命者讚詞 神聖なる致命者よ、爾等の勳は大なり、蓋爾等は火と劍と悉くの烈しき苦とを忍び給へり、神の言よ、彼等の祈禱に由りて、信を以て爾を歌ふ者を至大にる永遠の苦より脫れしめ給へ。
生神女讚詞 生れざる父より世の無き先に生れたる子は、童貞女よ、爾より身を取りて、時の中に生れたり、蓋日及び歲より上なる慈憐の主は地に生るる者の時に屬する仇を退けんことを望み給へり。
又 同「イルモス」
寶座は第一の讚頌を奉り、直に神の光を受けて此にて輝くヘルワィム及びセラフィムは聖務を行ひて、今歌ふ、主よ、光榮は爾の力に歸す。二次。
聖なるセラフィムは息めざる三聖の聲を以て神性の三位なる惟一者を歌ひて、神學の至上なる奧義を顯し、醇正なる敎を傳ふ。
生神女讚詞 純潔なる童貞女よ、萬物より至りて上なる者、智慧に超えて地に奇蹟を行ふ主は爾の童貞の至淨なる腹に入り給へり。
第五歌頌
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
義なる主よ、我諸慾の朽壞に陷りて、爾の義なる審判を恐る。故に爾に祈る、我を義とする善事を行はん爲に我を堅め給へ。
我が神造成主よ、爾は吾が心の顯れずして隱なる事を知る。主よ、審判の時、爾が萬衆を審判する爲に來らん日に我を定罪する勿れ。
致命者讚詞 聖なる捧神者は火に焚かれて、己の神聖なる愛の燃ゆるを示せり。故に將來の福の望に凉しくせられて樂しめり。
致命者讚詞 致命者は福樂の望に堅められて、最勇ましく百體の割かるるを忍び、弱まざる忍耐の筋にて惡謀者を縛れり。
生神女讚詞 神の聘女よ、能辯の口は爾の產の言ひ難き奇蹟を述ぶる能はず、蓋爾は悟られぬ者を生み、其手に萬物を有つ主を抱き給ふ。
又 同「イルモス」
神聖なる愛に燃ゆる主制、權柄、能力の品位は默さざる口を以て神元なる惟一の性及び能力を歌頌す。二次。
天使首、差役、首領の品位は無數の軍と偕に聖神に宰られて、惟一の三位なる輝ける神性を尊まんことを明に敎へらる。
生神女讚詞 至淨なる神の母よ、爾は凡の天使の美しきに超えて飾られたり。蓋諸天使の造成者及び主を孕みて、言ひ難く爾の血より身を取りし者を生み給へり。
第六歌頌
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
醫師なるハリストスよ、吾が心の慾を醫し給へ。吾がイイススよ、傷感の淚にて我を凡の汚より滌ひ給へ、我が爾の慈憐を歌ひて崇め讚めん爲なり。
ハリストスよ、我滅兦の途に迷ひて、諸罪の隍に陷る者を返して、爾の尊き誡命の迷はざる途に向はしめ給へ、我が爾を讚榮せん爲なり。
致命者讚詞 榮冠を冠れる光榮なる主の致命者、實に價貴き石なる者は石に擊たれて、生命の石を諱まず、偶像の石を祭らざりき。
致命者讚詞 致命者は信の犂を以て靈を新にし、神聖なる神゜に因りて苦難の百倍の穗を生じて、福樂の糧を獲たり。
生神女讚詞 神の恩寵を蒙れる至淨なる童貞女、女の中に祝福せられたる者よ、爾は火焰の役者の火を生みて、彼等より上なる者と爲り、一切の造物に超ゆる者と現れたり。
又 同「イルモス」
人を愛する主ハリストスよ、無形の者の品位は爾が光榮の寶座の前に立ちて、絕えざる天使の聲を以て爾を尊む、爾は彼等の能力及び歌頌なればなり。二次。
諸天使は測り難き華麗たる爾の顏、神聖なる爾の光明の奇異なる美麗を覩て照さる、爾は彼等の光及び歡喜なればなり。
生神女讚詞 至淨なる者よ、先に身なき言、全能なるに因りて、己の旨に循ひて萬有を造り、無形の者の軍を無より有と爲しし主は爾より身を取り給へり。
第七歌頌
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐と爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
昔ダニイルは德を同棲者と有ちて獅を制せり。嗚呼靈よ、之に效ひ、常に獅の如く吼えて爾を執へんと欲する者を、絕えず神を仰ぐを以て無效の者と爲せ。
主よ、我多くの淫を以て甚しく靈を汚せり。無上なる慈憐を有つハリストスよ、我を蕩子の如く受けて憐み給へ、蓋我歌ふ、先祖の尊まるる神は崇め讚めらる。
致命者讚詞 勝たれぬ致命者はハリストスの法にて强く堅められて、不法者の謀を破り、法の爲に死を致して歌へり、先祖の尊まるる神よ、爾は崇め讚めらる。
致命者讚詞 神を己の前に見し主の致命者は聖三の光に照されて、明に苦の暗、誘惑の霧を拂ひて歌へり、先祖の尊まるる神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞 純潔なる者よ、性の法は爾に於て新にせらる、蓋爾は肉體の法に超えてハリストス立法者を生み給へり。彼は法を立てて、凡そ先祖の尊まるる神は崇め讚めらると歌ふ者を救ひ給ふ。
又 同「イルモス」
光の父より輝きし無原の光なる主宰よ、爾は光たる天使の軍を爾の入らざる輝を受くる鏡として造り給へり。爾は先祖の尊まれて崇め讚めらるる神なり。
萬有の主よ、爾は人類に諸天使を傍はしめて、明に之を救ふ。蓋爾は悉くの信者、醇正に爾先祖の尊まれて崇め讚めらるる神を歌ふ者に彼等を傍はしめ給へり。
主宰よ、爾の諸奇蹟、神に適ふ作爲を舌及び智慧は述ぶる能はず。蓋爾先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は天の軍の悉くの華麗を輝かし給へり。
生神女讚詞 潔き者よ、先に母なく父より生れし子は、我等の爲に我等に肖たる者と爲らんと欲して、父なく爾より身を取り給へり。無形の軍は今彼に奉事し、先祖の尊まるる神として崇め讚む。
第八歌頌
イルモス イズライリの少者は爐に在りて、坩堝に在るが如く、敬虔の美しきを以て黃金よりも明に輝きて云へり、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
我が贖罪主、慈憐なるハリストスよ、今我を圍む罪の黑暗と諸の誘惑より我を脫れしめ給へ。蓋我呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讚めて、萬世に讚め揚げよ。
ハリストスよ、爾が光榮の中に來りて、世界を審判せん時に、我をも爾の選びたる者と偕に立つに堪へさせ給へ。蓋我呼びて云ふ、主の悉くの造物は主を崇め讚めて、萬世に讚め揚げよ。
致命者讚詞 聖なる致命者はハリストスの地に遷れり、蓋地に在りて多くの勳を立てて、天の生命を獲て歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
致命者讚詞 勝を獲たる致命者として爾等は朽壞の身を脫ぎて、不死の衣たるハリストスを衣て、高き處より呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讚めて、萬世に讚め揚げよ。
生神女讚詞 至淨なる者よ、諸預言者の聖にせられし聲は遙に爾が萬有を造りし神の母と爲らんことを預言せり。我等彼に歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讚めて萬世に讚め揚げよ。
又 同「イルモス」
三日の光に近く立ちて、其華麗の光線に照さるる天使の軍に效ひて、我等信者は歌はん、主の悉くの造物は主を崇め讚めて、萬世に讚め揚げよ。
萬善の泉たる神元の能力は第一の光を受くる第二の光を無より有と爲し給へり。彼等呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讚めて、萬世に讚め揚げよ。
第一の智慧たる造成主は己に近づく無形なる天使の諸の智慧を造り給へり。彼等呼ぶ、主の悉くの造物は主を歌ひて、萬世に讚め揚げよ。
生神女讚詞 純潔なる童貞女よ、爾は言に超えて世世の先に父より生れし子、言ひ難く身を取りし者を我等の爲に生み給へり。我等彼に呼ぶ、主の悉くの造物は主を歌ひて、萬世に讚め揚げよ。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
恒忍の主よ、我ハナネヤの婦の如く爾に呼ぶ、言よ、我を憐み給へ、我惡鬼の攻擊に惱まされ、無知にして不法の事を行ひ、神を畏るる寅畏を感ぜざる靈を有てばなり。
主よ、吾が靈の足を爾の誡命の石に立て、耻づるなくして我を仆さんと謀る蛇を仆して、我を其惡業より救ひ給へ、爾は仁慈にして憐深き主なればなり。
致命者讚詞 致命者よ、爾等は旣に誘惑の浪たつ水と劇しき痛苦の颶風とを度り、上なる國の港に至りて、神聖なる平穩を樂しむ。
致命者讚詞 致命者よ、爾等は暮れざる光を見るに堪ふる者と爲りて、冢子の敎會の中に天使の會と共に喜ぶ。彼等と偕に生命を施す主に我等の爲に祈り給へ。
生神女讚詞 尊き聖物の櫃たる生神童貞女よ、爾は萬物を保つ者を保ち、萬衆に糧を賜ふ者に乳を哺ます。智慧に超ゆる爾の祕密は大にして畏るべき哉。故に我等信を以て爾を讚揚す。
又 同「イルモス」
救世主よ、爾は言ひ難き爾の光榮に與る者として、諸の無形の智慧を造り給へり。今も彼等に因りて爾の民、信と愛とを以て爾に趨り附く者を護り給へ、我等が絕えず爾主宰を崇め讚めん爲なり。
全能者よ、願はくは爾は平安の天使、爾の群を保護し、神智の敎を護り、爾の力を以て悉くの異端を滅す者を遣し給はん、爾は平安と愛との起原者なればなり。
全く甘美たる歌頌せらるる天の甘美なる光照を爾の諸敎會に敷きて、之を衆人の嗣業と爲し給へ、我等が絕えず爾救世主を崇め讚めん爲なり。
生神女讚詞 至淨なる者よ、天使の品位は今默さずして爾の產を尊み、班列に立てて彼を仰ぎ、樂に滿てられて、絕えず爾生神女を崇め讚む。
次ぎて「常に福にして」。小聯禱及び光耀歌。次に常例の聖詠。
挿句に傷感の讚頌、第一調。
靈よ、他の世界は爾を待つ、審判者は爾の隱なる事と甚しき諸罪とを顯さん、故に此等に耽る勿れ、速に審判者に向ひて呼べ、神よ、我を潔め、我を救ひ給へ。
句 主よ、夙に爾の憐を以て我等に飽かしめよ、然せば我等生涯歡び樂しまん。爾我等を撲ちし日、我等が禍に遭いひし年に代へて、我等を樂しましめ給へ。願はくは爾の工作は爾の諸僕に著れ、爾の光榮は其諸子に著れん。
我が救世主よ、罪惡の怠惰にて縛られたる我を棄つる勿れ。我が思を痛悔の爲に起し、我を爾の葡萄園の善き工人と顯し、我に第十一時の報と大なる憐とを與へ給へ。
句 願はくは主吾が神の惠は我等に在らん、願はくは我が手の工作を我等に助け給へ、我が手の工作を助け給へ。
致命者讚詞 人人皆來りて、歌頌と屬神の詩賦とを以てハリストスの受難者を尊まん。彼等は世界の燈、敎の傳道師、信者の爲に醫治を注ぐ所の常に流るる泉なり。ハリストス我が神よ、彼等の祈禱に由りて爾の世界に平安、我等の靈に大なる憐を與へ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 聖なる衆軍より聖にして、一切の造物より尊き生神女、世界の女宰、救世主を生みし者よ、仁慈なるに因りて、爾の祈禱を以て我等を數へ難き罪及び災禍より救ひ給へ。
次ぎて「至上者よ、主を讚榮し」。聖三祝文。「天に在す」の後に聖人の讚詞、及び聯禱、次ぎて發放詞。第一時課、及び最後の發放詞。
月曜日の聖体礼儀に
月曜日の眞福詞、第一調。
敵は食物を以てアダムを樂園より引き出し、ハリストスは十字架を以て盜賊を其中に入れ給へり、主よ、爾の國に來らん時我を憶ひ給へと呼べばなり。
句 義の爲の窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
ハリストス神よ、爾の慈憐に因りて我に傷感の泉、我を無數の惡の諸の汚より潔むる者を與へて、恩主よ、我を爾の國に與る者と爲し給へ。
句 人我の爲に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事を譌りて諸の惡しき言を言はん時は、爾等福なり。
ハリストスよ、我等爾の天使の品位を祈禱の中に爾に進む。至仁なる主として、彼等に因りて我等を救ひ、宥め、我等が知ると知らずして行ひし諸罪を意ふ勿れ。
句 喜び樂しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
致命者讚詞 聖なる者よ、爾等は己の血の流にて無形のファラオンを溺らせり、今は奇蹟の流を注ぎて、諸病の淵を涸らす。故に爾等讚美せらる。
光榮 我等信者皆父に伏拜し、子を讚榮し、至聖神を歌頌し、呼びて云はん、至聖なる三者よ、我等衆を救ひ給へ。
今も、生神女讚詞 永久の光を生みし純潔なる者よ、常に惡鬼の侵害に昏まさるる吾が靈を光に導きて、爾の轉達を以て將來の火を免れしめ給へ。
月曜日の晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に讚頌。第一調。
句 主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん爲なり。
主よ、我生涯を耻づるなく放蕩に費しし不當の者は、蕩子の如く、傷感の情を以て呼ぶ、天の父よ、我罪を獲たり、我を潔めて救ひ、恣に爾より離れて、結果なき行に由りて今貧しくなりたる我を退くる勿れ。
句 我主を望み、我が靈主を望み、我彼の言を恃む。
ハリストスよ、爾は富める者にして、貧しくなりて、人人を不死と光照とに富まし給へり。故に世上の逸樂に因りて貧しくなりたる我を德に富まし、貧しきラザリと共になして、富める者の苦、及び我の前に在る地獄より脫れしめ給へ。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
主よ、我甚しく惡事に富める者と爲り、食を嗜み、存命の時に善を受けて、地獄に定罪せられたり。我が飢うる智慧を、ラザリの如く、顧みずして、爾に適ふ神聖なる行の門の前に投ぜり。主よ、我を憐み給へ。
又、前驅の讚頌
句 願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其悉くの不法より贖はん。
奇異なる預言者、ハリストスの授洗者及び前驅よ、爾に祈る、惡業に因りて涸れたる吾が心に、爾の祈禱を以て、常に流るる淚の川を注がしめ給へ、我多病の者が爾に救はれて、爾を大なる者と爲しし主を崇め讚めん爲なり。
句 萬民よ、主を讚め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讚めよ。
福たる預言者よ、我吾が生の悉くの憑恃を爾に負はしめて、爾に禱る、世界の無數の罪を任ふハリストスイイススに洗を授けしイオアンよ、我が心を潔めて、我を救はんことを彼に祈り給へ。
句 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の眞實は永く存す。
恩寵の睿智なる傳道師、萬民に悔改を傳へし神聖なる前驅よ、我が至りて不當なる昏まされし靈に悔改に居りて、常に主の旨を行ふを得しめ給へ、我が信と愛とを以て爾を讚榮せん爲なり。
光榮、今も、生神女讚詞 童貞女よ、全世界の罪を任ふ羔、至大なる前驅が衆人に傳へし者に、審判の時に於て我不當の者に山羊の分を脫れしめて、我を右の綿羊に加へんことを前驅と共に祈り給へ。
次ぎて「穩なる光」。本日の提綱。聯禱。其後「主よ、我等を守り、罪なくして此の晩」。
挿句に痛悔の讚頌、第一調。
救世主よ、我が罪の淵は深し、我罪惡の爲に甚しく沈めらるるに因りて、ペトルに於けるが如く、神よ、我に手を授けて、我を救ひ、我を憐み給へ。
句 天に居る者よ、我目を擧げて爾を望む。視よ、僕の目主人の手を望み、婢の目主婦の手を望むが如く、我等の目は主我が神を望みて、其我等を憐むを俟つ。
神救世主よ、我惡しき思と行とに於て定罪せられしに因りて、我に反正の意念を與へて、爾に呼ばしめ給へ、仁慈なる恩主よ、我を救ひ、我を憐み給へ。
句 主よ、我等を憐み、我等を憐み給へ、蓋我等は侮に饜き足れり。我等の靈は驕る者の辱と誇る者の侮とに饜き足れり。
致命者讚詞 聖なる者よ、爾等が裁判の時に顯しし承認は惡鬼の力を辱かしめ、人人を迷より解きたり。故な首の斬らるるに、爾等呼べり、人を愛する主よ、願はくは吾が靈の祭は爾の前に嘉く納れらるる者と爲らん、我等爾を愛して、暫時の生命を重ぜざればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 讚美たる童貞女よ、モイセイは預言者の目にて燃ゆれども焚かれぬ棘の中に爾に於ける奧義を觀たり、神性の火は爾潔き者の胎を焚かざりしに因る。故に我等は爾、我が神の母に、世界の爲に平安と大なる憐とを求めんことを祈る。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞、及び發放詞。
月曜日の晩堂課
至聖なる生神女の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス 我等皆凱歌を以て、高き手にて神妙なる奇蹟を行ひて、イズライリを救ひし神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
至聖至潔なる童貞女、天使等の莊飾、聖神の器、無原なる父の無玷の聘女、神の言の母よ、慶べ。
生神女・女宰よ、爾は王族より出でたる女、身にて王なる神を生みて、彼と共に王たる者にして女王なり。
光榮 純潔なるマリヤよ、聖詠者ダワィドは爾の產を歌ひ、イサイヤは爾の至淨なる胎を歌頌し、ハリスティアニン等は爾が生みし者を讚榮す。
今も 童貞女・神の聘女よ、敎會は純正なる敎と神聖なる諸事とを以て爾の產を傳へ、爾の子の人體を形る聖像に伏拜す。
第三歌頌
イルモス 工師が棄てたる石は屋隅の首石と爲れり、此の石の上にハリストスは異邦より贖ひし敎會を堅め給へり。
至淨なるマリヤよ、爾は童貞の光榮を有ち、聖神の恩寵に妝はれて、生神女と現れたり。新にして最深き奧密なる哉。如何にして爾は身にて神を生みて、童貞女に止まる。
主よ、爾が爲しし作爲は孰か能く述べん、蓋彼の爾が苦の中に子を生まんと詛ひし者、爾は斯の者の子と爲り給へり。故に陷りし女の性は生神女に依りて爾神の爲に悅ぶ。
光榮 至淨なるマリヤ、惟一の生神女よ、世界の諸罪の暴風は爾に依りて鎭まる。故に我等信者は爾を救の港と有ち、讚美して、爾の偉大なるを歌ふ。
今も 潔き母よ、昔諸預言者は歌ひて云へり、爾童貞女は期屆りて、期に限られぬ者、聖三者の一位なるハリストス我が神言を言に超えて生まん。敎會は彼の聖像を尊む。
第四歌頌
イルモス 預言者アウワクムよ、爾は神゜にて言が人體を取るを預見して、傳へて呼べり、年の邇づく時爾は識られん、期の屆る時爾は顯れん、主よ、光榮は爾の力に歸す。
神聖なる預言者の七倍明なる鏡は多方に爾を像れり。我等は表徵の實體になりたるを見て、爾が實に生神女たるを信ず。
潔き童貞女よ、我等は宜しきに合ひて爾實に神の母たる者を尊みて讚榮し、律法と預言者との中に傳へられし爾に適ふ歌を奉る、恩寵を蒙れる者、慶べよ、主は爾と偕にす。
光榮 視よ、アウワクムの見たる神聖なる山、諸德の繁りたる蔭なる生神女は世界に輝けり。我等昔犯罪に由りて神に離れたる者は彼に由りて亦近づくを得たり。
今も 潔き童貞女よ、爾を讚美するに勝へたる舌は福なり。醇正の敎と敬虔の行とを以て爾の子が人體を取りしことを讚榮する民は福なり。
第五歌頌
イルモス ハリストス神よ、我等は夜より寤めて、爾我等の爲に貧しくなり、身にて十字架と死とを忍びし主を讚め歌ふ。
生神女・女宰よ、焚かれぬ棘は爾に於ける祕密をモイセイに顯せり、蓋神性の火は爾の物性の胎を焚かざりき。
潔き生神女よ、我等爾神の言の母を歌頌し、言の禮物を爾に捧げて、爾が嘉して之を受けんことを求む。
光榮 至淨なる生神女よ、汚れたる口よりする讚美を斥くる勿れ、地上には宜しきに合ひて爾を歌頌するを能する者無ければなり。
今も 童貞女より生れし者は二性にして一位なり、無形の神、又甘じて我等の爲に人人に肖たる者と爲りし人なり。
第六歌頌
イルモス 我預言者イオナに效ひて籲ぶ、仁慈なる者よ、我が生命を淪滅より援けよ、世界の救主よ、我光榮は爾に歸すと籲ぶ者を救ひ給へ。
童貞女よ、預言者は爾を見て、屬神の七光の燈、明に爾の内に輝ける聖神の行動を示す者と爲す。
童貞女よ、爾は實に生を施す木と現れて、爾の果にて詭譎なる蛇を殺し、人人の爲に生命たるハリストス神を生み給へり。
光榮 我が神の潔き母よ、汚れたる口より爾に捧ぐる讚美は美しからず、然れども我が靈の熱望を見て、之を受け給へ。
今も 童貞女よ、不法の者は正敎の會が爾の聖像に接吻するを見て、苦き不信に擾さる。
主憐めよ、三次。光榮、今も、
坐誦讚詞、第一調。
潔き者よ、我が不當なる生命を治めよ。至りて無玷なる者よ、多くの罪に因りて淪滅の深處に跌きし靈を憐み、死の時にも我を讒する惡鬼と畏るべき詰問より脫れしめ給へ。
第七歌頌
イルモス 救世主よ、火は爐の中に在る爾の少者に觸れず、彼等を懼れしめざりき、其時三人口を一にして、歌頌祝讚して言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
神の聘女よ、爾は諸德に飾られ、童貞の光榮と尊貴とに妝はるる者と顯れしに、爾の華麗は實に最美しく輝けり、之を慕ふ主は爾を己の爲に神聖なる母と選び給へり。
潔き者よ、爾は實に直き杖、最尊き杖と顯れたり、故に神の言の果を生じ給へり。アアロンの杖は遠くより明に斯の奇蹟を像れり。
光榮 潔き者よ、我多くの肉體の慾にて體と言と靈とを汚しし者は如何にして爾が諸德の華麗を歌はん、我惑ひて畏る。然れども爾親ら爾の祈禱を以て我が爲に佑助と爲り給へ。
今も ハリストスよ、我爾が身を取りしことの合成を尊みて、之を形る聖像に神に適ふが如く伏拜す。蓋爾は永遠の神にして、童貞女に藉りて實體の人と爲り、全き二性を有ち給へり。
第八歌頌
イルモス 諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讚榮し、人人よ、崇めて萬世に讚め揚げよ。
世界が淪滅より救はれし神の聖事は歌はるべし、昔陷りし者は皆起きよ、マリヤが拯救なるハリストスを生みたればなり。
至淨なる神の母よ、我等爾を歌ふ、孰か爾實に慈憐にして我が靈の憑恃なる者を讚榮せざらん。故に至聖なる者よ、我が禱を納れ給へ。
光榮 信者よ、今歌ひて祝へ、天使等及び人人よ、共に讚榮せよ、蓋惡魔は仆れ、失望は消えたり、マリヤが我等の爲に拯救の憑恃を生みたればなり。
今も 瞽者よ、神性を像る勿れ、謊る勿れ、其單一、無形にして、見るべからざる者なればなり。然れども我其身の像を形りて、之に伏拜し、信を以て主を生みし童貞女を讚榮す。
第九歌頌
イルモス 光を放つ雲、萬有の主が雨の天より羊の毛に降るが如く降り、始なき者が身を取りて我等の爲に人と爲りし所以の者を、我等皆我が神の潔き母として崇め讚む。
至聖なるマリヤ、萬物の大なる奇蹟よ、慶べ、ダワィドの女、主の母よ、慶べ、ガウリイルの歌よ、慶べ、地に在る衆罪人の爲に避所と堅固と援助なる者よ、慶べ。
奇異なるイオアキム及び神聖なるアンナは聖神に感ぜられて歌頌し、感謝の歌を奉る、其生みし女マリヤが地に於て造物主の母と爲るを見ればなり。神よ、彼の祈禱に因りて我等衆を救ひ給へ。
光榮 嗚呼至聖なる童貞女、至上の神の母よ、爾の產は地上に罪ある卑微の者の爲に救なり。我等爾に因りて信を以て救はれたり、爾今も世世の生命にも我を救ひ給ふ。
今も 我身を取りたれども變易せざりし言を知る、故に醇正に彼を二性一位に歌頌して、彼を眞の神及び人と傳へて、歌を奉る。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜。聖三祝文。其他常例の如し、及び發放詞。
火曜日
火曜日の早課
六段の聖詠の後「主は神なり」に、若し之あらば、聖人の讚詞。光榮、今も、生神女讚詞、讚詞の調に依る。若しなくば、本日の讚詞。光榮、今も、其生神女讚詞。
第一の誦文の後に痛悔の坐誦讚詞、第一調。
不法に於て妊まれたる我放蕩の者は敢て天の高きを仰ぐを得ず。唯爾の仁愛を恃みて呼ぶ、神よ、我罪人を潔め、我を救ひ給へ。
句 主よ、爾の憤を以て我を責むる毋れ、爾の怒を以て我を罰する毋れ。
若し義者僅に救を得ば、我終日の苦勞と暑とを忍ばざりし罪人は何處にか立たん。然れども神よ我を第十一時の傭工に加へて、我を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 生神女よ、天に於て母なく生れし子を、爾は地に於て智慧と言とに超えて父なく生み給へり。彼に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
第二の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
救世主よ、急ぎて父の懷を我が爲に啓き給へ、我爾の洪恩の費されぬ富を見て、放蕩に我が生を費せり。主よ、今我の貧しくなりたる心を棄つる毋れ、蓋我傷感の情を以て爾に呼ぶ、父よ、我天及び爾の前に罪を獲たり、我を救ひ給へ。
句 主よ、爾の憤を以て我を責むる毋れ、爾の怒を以て我を罰する毋れ。
義人等の敵はイオフの諸德の富を見て、穿ちて盜まんと惡謀を運らしたれども、肉體の柱を折きて、屬神の財寶を盜まざりき、無玷の者の靈が武器を執れるを見たればなり、然れども我を裸體にして虜にせり。救世主よ、急ぎて、終に至らざる先に我を詭譎の者より援けて、我を救ひ給へ。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
聖なる者よ、爾等は善き軍士として、同心に信じて、苛虐者の威嚇を畏れざりき。尊き十字架を任ひ、熱心を抱きてハリストスに來り、馳すべき程を盡して、天より勝利を獲たり。光榮は爾等を堅めし者に歸す、光榮は爾等に榮冠を冠らせし者に歸す、光榮は爾等を以て衆に醫治を施す者に歸す。
光榮、今も、生神女讚詞 主よ、爾はニネワィヤ人の失望に先だちて、報ぜられたる懲戒を過し、爾の慈憐は怒に勝てり。今は爾の民爾の群を憐みて、權能の手を以て我等の敵を仆し、生神女の祈禱に由りて爾の慈憐を我等に垂れ給へ。
第三の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
慈憐の多きイイススよ、我が意念は盜賊に執はれ、智慧は盜まれ、吾が靈は諸罪に傷つけられたり、我醫されずして臥す。求む、前驅の祈禱に因りて、爾の慈憐を注ぎて、吾が靈の甚しき傷を醫し給へ。
昔イオルダンの流を以て全世界の潔淨たる者に洗を授けしイオアンよ、多くの罪に溺れたる我を引き上げて、諸の汚より洗ひ、嘉く納れらるる轉達者として、常に我が爲に人を愛する主に祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 聘女ならぬ潔き生神童貞女、獨信者の轉達者及び帲幪なる少女よ、凡そ爾に憑恃を負はしむる者を諸の菑害と憂愁と劇しき誘惑より脫れしめて、爾の神聖なる祈禱を以て我等の靈を救ひ給へ。
痛悔の規程、其冠詞は、ハリストスよ、我が言の禱を受け給へ。イオシフの作。第一調。
第一歌頌
イルモス 我等皆凱歌を以て、高き手にて神妙なる奇蹟を行ひて、イズライリを救ひし神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
主よ、我罪の諸慾に役せらるる者は爾に趨り附く、我を此等より解きて、熱切に爾の慈憐を讚榮する者と爲し給へ。
我不當の者は罪の戈に傷つけられて死せり、敵は我が臥すを見て樂しむ。死者を復活せしむる主よ、我を活かして救ひ給へ。
致命者讚詞 受難者の會は、肉體を衣て其苦にて朽壞を滅ししハリストスを己の百體を以て榮して、自も榮せられたり。
致命者讚詞 正敎の柱及び垣たる光榮なる致命者よ、爾等は敵の攻擊に動かされずして止まれり。神よ、彼等の祈禱に由りて、我等衆を憐み給へ。
生神女讚詞 童貞女よ、爾は火の狀の寶座として造物主を乘せ、生ける宮、麗しき殿として變易と混淆との外に我等と均しくなりし王を容れ給へり。
又聖なる大預言者前驅イオアンの規程、其冠詞は、福たる者よ、爾に呼ぶ者の聲を聞き給へ。第一調。
第一歌頌
同「イルモス」
福たる前驅よ、爾は言の聲たりき、故に爾に向ふ我等の聲を納れて、爾の轉達を以て我等を諸惡より脫れしめ給へ。
爾は朝の如く、日の如く輝きて、四極を照し、凶惡なる諸神゜を昏ます。故に我等の靈より昏黑を掃ひ給へ。
福たる前驅よ、爾は來り給ふ吾が生命を死者に傳へたり。故に我を殺す諸慾を殺して、我を神聖なる光に與る者と爲し給へ。
生神女讚詞 時に限られぬ神を時屆りて人體を取りし者として生み給ひし獨至淨なる女宰よ、我が至りて不當なる靈の時每の諸慾を醫し給へ。
第三歌頌
イルモス 工師が棄てたる石は屋隅の首石と爲れり。此の石の上にハリストスは異邦より贖ひし敎會を堅め給へり。
我が弱きを衣たる慈憐の多きハリストス救世主よ、我の弱きを見、我が靈の甚しき醜貌を見、我が聲を聆き納れて、其醜きを美しきに變じ給へ。
蕩子を救ひし仁慈なるイイススよ、我獨爾の救の法を犯し、無知にして凡の罪を遂げ、意念にて爾より離れて疏ぜられし者を救ひ給へ。
致命者讚詞 聖なる者よ、無形者の品位は實に爾等の勇毅に驚きたり。如何にして爾等は裁判座の前に至榮に苦を受け、肉體にて仆れて、神聖なる力を以て無形の敵を悉く仆したる。
致命者讚詞 受難者よ、爾等は猶傷の血に赤く染められ、猶血の滴に濕されて、喜びて不死の王たる主の前に榮冠を冠れる勝利者として立ち給へり。
生神女讚詞 神の恩寵を蒙れる者よ、父が萬世の先に生みし子を、爾は夫の誘を識らずして生み、養育者たる主を養ひ給へり。至榮なる奇蹟、新しき祕密なる哉。故に衆信者の靈は爾を讚榮す。
又 同「イルモス」
胎の荒れて生まざる者より神妙に生れし前驅よ、爾は神聖なる行の繁き果を結ぶ者と現れたり。故に全く結果なき吾が心を善き果を結ぶ者と爲し給へ、我が中心より常に爾を讚榮せん爲なり。
福たる者よ、惡しき意念にて弱りたる吾が心を天の糧にて養ひて之を堅め、我に務めて洪恩なる神の望を行はしめ給へ、我が中心より常に爾を讚榮せん爲なり。
福たる預言者よ、爾は世界の罪を任ふ羔を傳へたり。祈る、我が罪の重き任を輕くして、諸慾の汚を潔むる痛悔を我に與へ給へ。
生神女讚詞 生神女よ、人體を取りて生れし言は爾に依りて全きアダムを衣給へり。女宰よ、彼に我等を諸の患難と永遠の火より脫れしめんことを祈り給へ。
第四歌頌
イルモス 預言者アウワクムよ、爾は神゜にて言が人體を取るを預見して、傳へて呼べり、年の邇づく時爾は識られん、期の屆る時爾は顯れん、主よ、光榮は爾の力に歸す。
ハリストスよ、爾が我に賜ひし富を我不當の事を爲して惡しく費し、裸體と爲りて耻づべき行を衣たり。故に爾に呼ぶ、神聖なる恩寵を以て我に傷感の情を與へて、初始の衣にて我を飾り給へ。
ハリストスよ、我無知にして降り、甚しく陷り、劇しく病みて地に臥す。陷りし者を起す主よ、我を起して、我が心を救を施す痛悔の石に堅め給へ。
致命者讚詞 受難者よ、爾等は十字架に擧げられしハリストスに效ひて、傷を受けて共に樂しみ、血の雲にて拜偶像の雲を散らして、醫治の流を注ぎ給ふ。
致命者讚詞 神聖なる受難者よ、爾等は救の望に導かれて、苦難の海、苦痛の浪を涉り、上なる港に着きて、凡の樂に滿てられたり。
生神女讚詞 童貞女・神の母よ、天使の軍は、如何にして見えざる主が爾に藉りて我等と侔しく容姿の見ゆる者と爲りたるを見て、驚きたり。信を以て爾を讚揚する衆に救を得しめんことを彼に祈り給へ。
又 同「イルモス」
肉體の裸なるを以て己の爲に救の衣を織りたる主の授洗者よ、祈る、凡の善事に裸なりし我に義と樂との衣を衣せ給へ。
甘味の川たるイイスス、生命を賜ふ主をイオルダンの流の中に沈めし前驅よ、慾の火に焚かるる我に救の滴を注ぎ給へ、我が職として爾を讚榮せん爲なり。
天使に非ず、中保者に非ず、主親ら地に來りて、我等を救ひ給へり。福たる者よ、爾は彼の爲に直き途を備へたり、今我が爲に天國に往かしむる途を示さんことを彼に祈り給へ。
生神女讚詞 童貞女よ、爾は悟り難く爾の内に入り給ひし神の聖にせられし殿と顯れたり。彼に我等を罪の汚より潔めんことを祈り給へ、我等が聖神の殿及び居處と爲らん爲なり。
第五歌頌
イルモス 神の子よ、爾の平安を我等に與へ給へ、蓋我等は爾の外に他の神を識らず、爾の名を唱ふ、爾は生死者の神なればなり。
洪恩にして恒忍なる主宰よ、我多くの甚しき罪に滿てられたり。定罪せられし我を憐みて、爾の顏より退くる勿れ。
ハリストスよ、爾は歎息せし稅吏を義と爲せり。我も彼に效ひて、膺を拊ちて爾に呼ぶ、獨慈憐にして洪恩なる主よ、我を潔め給へ。
致命者讚詞 主よ、爾の聖者は迷はざる光體と現れて、迷の深き夜を掃ひて、全地を奇蹟の光明にて照せり。
致命者讚詞 主宰よ、最尊き石たる致命者は爾生命の石を愛して、苦を以て仆れて、凡の迷の建造を仆したり。
生神女讚詞 純潔なる者よ、爾は聖三者の一を二の旨一の位を有つ者として生み給へり。彼に我等衆の救はれんことを切に祈り給へ。
又 同「イルモス」
古のイリヤの如く野に住ひしハリストスの至福なる前驅よ、罪に由りて荒野と爲りたる吾が心を淨めて、德の華を開く者と爲し給へ。
信者の爲に動かされぬ柱、壞られぬ垣たるハリストスの大なる前驅よ、詭譎の者の惡謀に動かさるる我が思念を動なき者と爲し給へ。
福たる者よ、地上に輝きし光よりする光は爾の聲を以て死者に福音せられしに、幽暗に居る者は照されたり。我甚しく昧まされし者をも照し給へ。
生神女讚詞 至淨なる者よ、ダワィドは爾潔き童貞女を女王として傳ふ。故に爾に祈る、我を天の國の嗣と爲し給へ、我が爾を讚美せん爲なり。
第六歌頌
イルモス 我預言者イオナに效ひて籲ぶ、仁慈なる者よ、我が生命を淪滅より援けよ、世界の救主よ、我光榮は爾に歸すと籲ぶ者を救ひ給へ。
我が不當なる靈の骨は折れたり、我夥しき逸樂の重量にて傴まれり。獨衆人の援助なるハリストスよ、我を助け給へ。
我慾の暴風に打たれ、諸罪の海に陷りて、爾に呼ぶ、全能のハリストスよ、爾の有力なる手を以て我を引き上げて救ひ給へ。
致命者讚詞 聖なる受難者の大數は無形の敵の千萬を蹈みて、天上の靈智者の千萬に加へられたり。
致命者讚詞 受難者よ、爾等は無神の淵を涸らして、甘美の川を嗣業として獲たり。求む、我が溢れたる罪を涸らし給へ。
生神女讚詞 成聖の幕たるマリヤよ、逸樂に汚れたる我が不當なる靈を聖にして、我を神聖なる光榮に與る者と爲し給へ。
又 同「イルモス」
地上に悔改を傳へし授洗者よ、我に光に至らしむる悔改の途を示して、我を迷の淵より脫れしめ給へ。
淵を川の流に沈めしハリストスの前驅傳道師よ、我が慾の淵を涸らして、我に淚の泉を與へ給へ。
主の前驅よ、靈の諸病、體の諸慾、度生の艱難、及び諸の誘惑と憂愁より我を救ひ給へ。
生神女讚詞 潔き者よ、我爾神の母、女の中に讚美たる者に切に祈る、我を棄つる勿れ、我を憐みて、凡の害より全うして護り給へ。
第七歌頌
イルモス 救世主よ、火は爐の中に在る爾の少者に觸れず、彼等を懼れしめざりき、其時三人口を一にして、歌頌祝讚して言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
イオフは忍耐に慣れて、堅く建てられたる柱の如く、凶惡者の悉くの攻擊に動かされずして止まれり。嗚呼靈よ、常に彼に效ひて、聊も艱難の中に倦むこと勿れ。
肉體の逸樂に勝たれて、我智なる者は無智と爲れり。言を以て淫婦を救ひし神の言よ、我不當の者を救ひ給へ、我が爾の仁慈を歌ひて崇め讚めん爲なり。
致命者讚詞 身を以て我等の爲に苦を受けし主の血にて贖はれたる睿智なる致命者よ、爾等は熱心を抱きて甘じて彼の爲に己の血を流せり。故に絕えず彼と偕に王たり。
致命者讚詞 睿智者よ、爾等は聖にせられし苦難を建つるを以てハリストス、惟一の王及び主の喜びて息ひ給ふ宮と現れたり。彼は爾等を天の居處に至らしめ給へり。
生神女讚詞 讚美たる者よ、ハリストスは萬族の中より獨爾を、至尊至潔なる者として、己の居處に選びて、爾より日の如く輝きて、全地を照し給へり。
又 同「イルモス」
舊新約の至りて善良にして光榮なる轉達者たる授洗者よ、萬有を新にする主イイススの前に轉達して、我罪に由りて全く古びたる者を新にせんことを祈り給へ。
ハリストスの前驅及び授洗者よ、爾は地上に悔改の法を立つる者と現れたり。爾の祈禱を以て衆を堅めて、之を行はしめ給へ、我等が常に行へる無數の惡より救はれん爲なり。
睿智者よ、爾は節制を盡し、狹き路を過りて、見神の光れる恩寵にて盛に輝かされたり。ハリストスに禱りて、我等にも之を樂しまんことを得しめ給へ。
我等信者は聖三者の惟一の神性、無原なる父と、子と、聖神、惟一の王たる性、惟一の權柄、惟一の元始、及び我等を活かす生命を讚榮す。
生神女讚詞 至淨なる者よ、禱を神に奉りて、彼が我等の愆尤及び無數の罪を顧みずして、我等を永遠の苦しむる火より脫れしめんことを求め給へ。
第八歌頌
イルモス 諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讚榮し、人人よ、崇めて萬世に讚め揚げよ。
詭譎なる蛇は惡しき勸誘を以て我を悉くの德より裸に爲せり。救世主よ、今我を其惡業より裸にして、諸德の衣にて飾り給へ。
人類を審判する爲に來らんとする義なる審判者よ、畏るべき時に於て我を定罪して地獄の火に遣す勿れ、我を憐みて救ひ給へ。
致命者讚詞 至りて讚美たる主の受難者よ、患難も、苦痛も、劍も、火も、慈憐に由りて爾等を愛せしハリストスを愛する愛より敢て爾等を離す能はざりき。
致命者讚詞 勇敢なる受難者よ、爾等は肉體を以て肉體なき敵と戰ひて、之を斃せり。今は肉體なき者と共に樂しみて、我が靈と體との苦を醫し給ふ。
生神女讚詞 神の母よ、萬物を植うる者は爾を花として度生の溪に得て、爾の中に入りて、諸德と潔淨との芳しき香を以て今我等を薰らせ給ふ。
又 同「イルモス」
主よ、我獨地に生れし衆人に超えて罪を犯し、獨爾の法の違反者と爲れり。祈る、前驅に由りて我を憐みて救ひ給へ。
大なる議事の天使を四極に傳ふる授洗イオアンよ、爾は習俗を以て天使と均しき者と現れたり。故に我等歌を以て爾を萬世に讚榮す。
ハリストスの首を水の中に沈めし福たる者よ、爾は首を非義に斬られたり。祈る、爾の祈禱を以て我等衆を堅めて、實に有害なる詭譎の者の首を蹈ましめ給へ。
生神女讚詞 獨人類の轉達者なる童貞女よ、我を甚しき諸罪、及び火の苦と、外の幽暗と、切齒と、死せざる蟲より脫れしめ給へ。
第九歌頌
イルモス 光を放つ雲、萬有の主が雨の天より羊の毛に降るが如く降り、始なき者が身を取りて我等の爲に人と爲りし所以の者を、我等皆我が神の潔き母として崇め讚む。
視よ、痛悔と潔き行との時なり、視よ、晝なり。我が靈よ、光の行を爲せ、慾の暗より逃れ、惡しき煩悶の眠を退けよ、神聖なる光に與る者と爲らん爲なり。
我稅吏の如く歎息し、淫婦の如く泣き、盜賊の如く爾に呼ぶ、洪恩なる主よ、我を念ひ給へ、蕩子の如く籲ぶ、我罪を獲たり、ハナネヤの婦の如く爾に俯伏して求む、慈憐なるハリストスよ、我を棄つる勿れ。
致命者讚詞 忍耐して體を傷及び殘忍なる死に付しし主の至りて讚美たる受難者よ、爾等は實に體の苦及び靈の痛の醫師と現れたり。故に常に讚美せらる。
致命者讚詞 ハリストスの睿智なる受難者の忍耐は日の光よりも盛に輝けり。彼等は恩寵を以て幽暗の魁を滅し、無神の夜を散じ、信者の心を照し給へり。
生神女讚詞 生神童貞女よ、爾の聖なる腹より輝きて、地の極を照しし言の光明なる光線を以て、逸樂の暗と諸慾の怠惰とに因りて昧まされし吾が靈を照し給へ、我が信を以て爾を歌頌せん爲なり。
又 同「イルモス」
視よ、度生の暗に在る者に輝ける燈、視よ、衆人に春を報ずる聲の美しき燕、ハリストスの大なる前驅、舊新約の中保者なり。願はくは我等は彼の祈禱に因りて常に護られん。
前驅よ、多くの罪を有てる我は爾新娶者の友を今彼の前に祈禱者として進めて、爾に呼ぶ、至福なる者よ、我に債の赦を予へ、怠惰に由りて全く滅えたる吾が靈の燈を燃し給へ。
前驅よ、無形の天使と偕に、尊き使徒と偕に、聖なる受難者と偕に、又預言者と偕に絕えず至仁なる神に祈りて、我等常に爾を慈憐なる轉達者として有つ者に永遠の福を獲しめんことを求め給へ。
美しき燕、尊き鶯、最好き鴿、野を愛する鳩、主の授洗者、野の植物よ、荒野と爲りて實を結ばざる吾が靈を善の實を繁く結ぶ者と爲し給へ。
生神女讚詞 神の恩寵を蒙れる者よ、爾はヘルワィムの寶座の如く、萬有を載する者を載せ、我等を養ふ者を養ふ。潔き者よ、絕えず彼に祈りて、爾の牧群が常に地震、疫病、外攻、及び諸の患難より救はれんことを求め給へ。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜。小聯禱、光耀歌、及び常例の聖詠。
挿句に痛悔の讚頌、第一調。
靈よ、他の世界は爾を待つ、審判者は爾の隱なる事と甚しき諸罪とを顯さん。故に此等に耽る勿れ、速に審判者に向ひて呼べ、神よ、我を潔め、我を救ひ給へ。
句 主よ、夙に爾の憐を以て我等に飽かしめよ、然せば我等生涯歡び樂しまん。爾我等を撲ちし日、我等が禍に遭ひし年に代へて、我等を樂しましめ給へ。願はくは爾の工作は爾の諸僕に著れ、爾の光榮は其諸子に著れん。
我が救世主よ、罪惡の怠惰にて縛られたる我を棄つる勿れ。我が思を痛悔の爲に起し、我を爾の葡萄園の善き工人と顯し、我に第十一時の報と大なる憐とを與へ給へ。
句 願はくは主吾が神の惠は我等に在らん、願はくは我が手の工作を我等に助け給へ、我が手の工作を助け給へ。
致命者讚詞 大なる王の此の軍士等は苛虐者の命に逆ひ、勇毅にして苦を輕じ、一切の迷を踐みて、宜しきに合ひて榮冠を冠れり。今救世主に我等の靈の爲に平安と大なる憐とを求む。
光榮、今も、生神女讚詞 我諸罪を以て淫婦と蕩子とに勝り、盜賊と稅吏とニネワィヤ人とに超えたり。嗚呼、我如何にせん、我不當の者は如何に苦を脫れん。潔き者よ、爾に俯伏す、爾の子が彼等を救ひし如く、爾の憐を以て我を宥め給へ。
次ぎて「至上者よ、主を讚榮し」。讚詞、聯禱、及び發放詞。次に第一時課、常例の聖詠、其他、及び最後の發放詞。
火曜日の聖体礼儀に
火曜日の眞福詞、第一調。
敵は食物を以てアダムを樂園より引き出し、ハリストスは十字架を以て盜賊を其中に入れ給へり、主よ、爾の國に來らん時我を憶ひ給へと呼べばなり。
句 義の爲に窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
神よ、我日日に罪を行ひ、爾の戒を犯す者を正しきに反して、苦より脫れしめ給へ、我が爾人を愛する主の言ひ難き慈憐を讚榮せん爲なり。
句 人我の爲に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事を僞りて諸の惡しき言を言はん時は、爾等福なり。
神の前驅よ、爾は光れる雲より言ひ難く我等に輝きし暮れざる光に先だつ燈臺と現れたり。常に彼に我等の靈を憐みて救はんことを祈り給へ。
句 喜び樂しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
致命者讚詞 讚美たる致命者よ、爾等は種種の苦を忍びて、天上の福を受くるに勝ふる者と爲り給へり。故に常に衆人より讚頌せらる。
光榮 我等皆三位に於て惟一の截られざる神性を知る、父と、子と、生活の神゜、始なく、混淆なく、世世に永在する惟一の神なり。
今も 永貞童女よ、爾は產の前の如く、產の後に潔き者として護られたり、身にて神を生みたればなり。至淨なる者よ、祈る、彼に我等を靈と體との苦より救はんことを求め給へ。
火曜日の晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に十字架の讚頌、第一調。
句 主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん、然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん爲なり。
ハリストス神よ、爾は人として十字架に釘せられて、人の性を神成し、惡の張本たる蛇を殺し、慈憐の主として、詛と爲りて、我等を木に緣る詛より釋きたり。爾は衆に降福と大なる憐とを賜はん爲に來給へり。
句 我主を望み我が靈主を望み、我彼の言を恃む。
洪恩なる主宰よ、爾は一切の尊貴より最高き者にして、甘じて耻辱を受け、木に釘せられて耻づべき死を忍び給へり。之に由りて人類は不死を獲、初始の生命を受けたり、爾全能者が身にて死したればなり。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
最尊き十字架、衆信者の潔淨、諸王の權柄よ、爾に伏拜して、ハリストスを讚榮する衆人を聖にせよ。主は言ひ難き慈憐に由りて、爾の上に至淨なる手を伸べて、地の四極を一に集め給へり。
又、生神女の讚頌、第一調。
句 願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其悉くの不法より贖はん。
潔き母よ、爾は己の子及び神の十字架の側に立ちて、其恒忍を覩て、哭きて云へり、甘愛なる子よ、哀しい哉、神の言よ、何ぞ非義に此の苦を受くる、人類を救はん爲なり。
句 萬民よ、主を讚め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讚めよ。
夫に與らざる聘女よ、爾は十字架の側に立ちて、苦に傷つけられて呼べり、吾が子、神の言よ、爾を生みし我を子なき者と爲す勿れ、父と同永在なる獨一子よ、我を獨遺す毋れ。
句 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の眞實は永く存す。
言よ、爾が不義の定に因りて十字架に釘せらるるに、童貞女は哭きて痛ましく呼べり、我が爾を生みし時、聊も苦を覺えざりき、如何ぞ、今苦を受くる。哀しい哉、人を愛する主よ、我爾が十字架に擧げられしを覩るに忍びず。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 潔き母よ、爾は昔爾の子及び主宰が十字架に手を伸べ、脅の戈にて刺さるるを見る時、號泣して呼べり、哀しい哉、人人を苦より釋き給ふ仁愛の主よ、如何ぞ苦を受くる。
次ぎて「穩なる光」。本日の提綱。「主よ、我等を守り、罪なくして此の晩」、及び聯禱。
挿句に十字架の讚頌、第一調。
十字架は髑髏の處に樹てられて、我等の爲に不死の花を發けり、救世主の脅より常に流るる泉に因りてなり。
句 天に居る者よ、我目を擧げて爾を望む。視よ、僕の目主人の手を望み、婢の目主婦の手を望むが如く、我等の目は主我が神を望みて、其我等を憐むを俟つ。
救世主の尊き十字架は我等の爲に壞られぬ垣なり、我等皆彼を恃みて救はるればなり。
句 主よ、我等を憐み、我等を憐み給へ、蓋我等は侮に饜き足れり、我等の靈は驕る者の辱と誇る者の侮とに饜き足れり。
致命者讚詞 嗚呼聖なる者よ、爾等の貿易は善なる哉、蓋血を與へて、天の者を嗣ぎ、暫時苦しみて、永遠に樂しむ。實に爾等の貿易は善なり、朽壞の者を棄てて、不朽の者を受けたればなり。今諸天使と偕に祝ひて、絕えず一體の聖三者を歌ふ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 無玷なる童貞女は羔が十字架に擧げられしを見て、哭きて呼べり、我が甘愛なる子よ、何ぞ是れ新にして至榮なる顯現や、如何ぞ手に萬有を有つ者は身にて木に釘せらるる。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に聖人の讚詞、及び發放詞。
火曜日の晩堂課
至聖なる生神女の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
純潔なる少女よ、天の軍にも悟られぬ者は爾の身より身を取りて、初始の犯罪に因りて朽ちたる身を新にし給へり。
信者よ、言に超えて神の言の母と爲りし者を歌を以て讚美せん。蓋斯の至りて無玷なる童貞女は地上の者の爲に莊飾と顯れ、凡そ罪を行ふ者の爲に轉達者と爲り給へり。
光榮 母・永貞童女よ、爾は天よりも廣き者と顯れたり、萬有の造成主を容れたればなり。故に我爾に呼ぶ、神の恩寵を蒙れる者よ、我を凡そ死を致す狹き事より援け給へ。
今も 潔き者よ、患難の浪に打たるる我等に援助を與へ、我等の惡敵の高慢を墜し、敬虔に爾を讚榮する衆に救を施し給へ。
第三歌頌
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我に上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
充滿の者は我等の爲に虛しくせられ、始なき者は、至りて無玷なる童貞女よ、爾より始を受け、見えざる者は見られ、萬有を養ふ者は乳にて養はる、人人を新にせんと謀り給へばなり。
婚姻に與らざる童貞女よ、我等の苦痛を醫し給へ、爾は醫を施す主、恩寵を以て我等に生に入る門を示しし者を生みたればなり、彼に爾の諸僕を憐みて救はんことを絕えず祈り給へ。
光榮 至聖にして讚美たる童貞女、獨性に超えて人の性を神成せし純潔なる者よ、爾より生れし者に我等に諸罪の赦と永遠の歡喜とを賜はんことを祈り給へ。
今も 至淨なる者よ、我怠慢に生を費して、爾に俯伏す。爾が常に神に捧ぐる祈禱を以て我が智慧を起して、痛悔の光照を以て我全く昧まされし者を照し給へ、我が信と愛とを以て爾を讚榮せん爲なり。
第四歌頌
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に、爾より出づるを預言せり。
潔き者よ、我等爾を言の神聖なる宮として知る。彼は身にて爾の中に入りて、慾に由りて朽ちたる我等を新にし給へり。故に我等爾神の母を尊みて、爾より生れし者を讚榮す。
童貞女よ、身を取り給ふ言は爾の腹に入りて、先に人の性の中に入りたる詛を遠ざけ、己の神聖なる體合を以て神に適ふが如く之を神成し給へり。故に我等爾を歌頌す。
光榮 純潔なる者よ、アダムは朽つる果を嘗めし時より死に服せり、今は爾の產に由りて生かされて、樂園の居處に入れらる。故に我等職として爾を歌頌す。
今も 潔き者よ、爾は不死の泉たるハリストス神を生みて、死の流を停めたり。神の恩寵を蒙れる者よ、彼に我が靈を殺しし諸慾を醫して、我を救はんことを祈り給へ。
第五歌頌
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
至りて無玷なる者よ、入らざる日は爾の腹より輝き出でて、全く黑暗を散じ、神を識る知識を以て地を照せり。故に我等醇正に爾を歌頌す。
至淨なる童貞女よ、我等天使の聲を以て爾に呼ぶ、慶べよ。蓋爾は大なる議事の天使、父と同無原の者、人を救はん爲に肉體と成りし言を生み給へり。
光榮 潔き者よ、主は爾の腹に入りて、敬虔に彼を信ずる者を敵の權より救ひ給へり。故に我等皆大なる聲にて爾至淨なる者を歌頌す。
今も 純潔なる者よ、主宰は我を衣て、爾より出でて、朽ちたる性を神成し給へり。神の母よ、彼に我を凡の罪より裸にせんことを祈り給へ。
第六歌頌
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
純潔なる者よ、爾は種なく神を胎内に孕みて、神妙なる產の後に童貞女に止まれり。故に至淨なる者よ、我等爾に因りて詛より脫れし者は歌を以て爾を讚榮す。
至りて無玷なる者よ、爾はイアコフの見し梯、樹蔭繁き山、神聖なる光の光明の雲、獨神の過りし門、女の中に祝福せられし者なり。
光榮 婚姻に與らざる童貞女よ、爾は天然の法の外に實性の神の言、我等の痛傷を醫す者を生み給へり。彼に我等衆を救はんことを切に祈り給へ。
今も 至聖至榮至潔なる者よ、我諸罪に由りて病める我が靈を捧げて、爾に呼ぶ、爾の轉達を以て我を醫して救ひ給へ、我が爾の保護を歌ひて崇め讚めん爲なり。
主憐めよ、三次。光榮、今も、
坐誦讚詞、第一調。
至淨なる者よ、爾の轉達を有ち、爾の祈禱にて艱難より救はれ、爾の子の十字架にて何處にも護られて、我等皆職として敬虔に爾を崇め讚む。
第七歌頌
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐と爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
至淨至潔なる者よ、律法の影と、神言を宣ぶる先知者の觀察とは明に爾の種なき產を預言せり。我等之を歌ひて、先祖の崇め讚めらるる神を尊む。
神の恩寵を蒙れる潔き者よ、爾は衆信者を照し、惡の夜を退くる東旭を生み給へり。故に我等先祖の崇め讚めらるる神を尊む。
光榮 純潔なる者よ、昔焚かれぬ棘は爾の腹を象れり、蓋神性の火は聊も爾を焚かざりき。故に爾に祈る、潔き者よ、滅えざる火より我を救ひ給へ、我が默さずして爾の偉大なるを歌はん爲なり。
今も 神の母、信者の援助、罪を犯す者の潔淨、萬善の賦予者よ、我泣きて爾に來り、俯伏して我が諸罪の赦を求むる者を慈憐を以て受け給へ。
第八歌頌
イルモス イズライリの少者は爐に在りて、坩堝に在るが如く、敬虔の美しきを以て黃金よりも明に輝きて云へり、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め掲げよ。
童貞女よ、律法の預象と觀察とは明に爾潔き主の母を預言せり。我等今事の應へるを見て、同心に爾を歌ひて萬世に崇め讚む。
純潔なる者よ、爾は比倫なく神妙なる華麗にて飾られたり、蓋神の言、信を以て彼を萬世に讚頌する衆の心を神聖なる美麗にて妝ふ者を生み給へり。
光榮 純潔なる者よ、諸預言者は聖なる聲を以て遠くより爾が主宰神の母と爲らんことを述べたり。我等皆彼に呼ぶ、悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて彼を世世に讚め揚げよ。
今も 童貞女よ、爾は美しき者、至りて善なる者にして、竝なく美しく、限なく善なるハリストスを潔く生み給へり。我等皆彼に呼ぶ、悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて彼を世世に讚め揚げよ。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
童貞女よ、先に定罪せられし地上の者の性は、爾が性に超ゆる神聖なる產に因りて不死を獲、曩の美しきを受けて、欣ばしき歌を以て同一に爾を歌ふ。
尊き成聖の匱たる生神童貞女よ、爾は萬有を載する者を載せ、萬衆に糧を予ふる者を乳にて養ふ。智慧に超ゆる爾の祕密は大にして畏るべき哉。故に我等皆爾を崇め讚む。
光榮 至淨なる者よ、我怠慢の暗に臥す者に今光を輝かして、我を昧ます諸慾の意念を拂ひ、深き平安を我が靈の内に入れ給へ、我が爾純潔なる者を常に讚榮せん爲なり。
今も 純潔なる者よ、我公平なる審判、知らざる所なき審判者を畏る、諸慾に耽り、怠惰に生を耗して、無數の罪を犯したればなり。生神女よ、我を憐みて救ひ給へ。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜、聖三祝文、「天に在す」の後に讚詞。其他常例の如し、及び發放詞。
水曜日
水曜日の早課
第一の誦文の後に十字架の坐誦讚詞、第一調。
ハリストスよ、爾十字架に釘せられしに、暴虐は滅び、敵の力は蹈まれたり、天使に非ず、人に非ずして、主よ、爾親ら我等を救ひ給ひしに因る。光榮は爾に歸す。
句 主我が神を崇め讚め、其足凳に伏し拜めよ、是れ聖なり。
人を愛する主よ、我等爾の十字架の木に伏拜す。蓋爾は、萬衆の生命よ、其上に釘せられて、信を以て爾に就きし盜賊の爲に樂園を啓き、爾を承け認めて、主よ、我を憶ひ給へと呼ぶ者を福樂に勝へさせ給へり。救世主よ、彼の如く我等をも受け給へ、我等衆罪を犯せり、爾の慈憐に因りて我等を棄つる勿れと呼べばなり。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 恒忍なる言よ、牝羊は羔たる爾が十字架に盜賊と共に釘せられて、戈にて脅を刺さるるを見て、母として呼びて云へり、我がイイススよ、斯の驚くべく畏るべき祕密、言ひ難く行はるる者は何ぞ、像り難き神よ、如何ぞ墓に隱るる。吾が甘愛なる子よ、爾を生みし我を遺つる毋れ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
主よ、爾の民を救ひ、爾の業に福を降せ、我が皇帝に敵に勝たしめ、爾の十字架にて爾の住處を守り給へ。
句 神、我が古世よりの王は救を地の中に作せり。
十字架の武器は昔敬虔なるコンスタンティン帝に、戰の時に敵に對して、信に由る勝たれぬ勝と顯れたり。仇敵の軍は之に慄く、此れ信者の爲には救、パワェルの爲には誇と爲れり。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
致命者讚詞 人を愛する主よ、祈る、聖なる者が爾の爲に受けし痛傷に由りて、我等の悉くの痛傷を醫し給へ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 至淨なる者よ、爾の轉達を有ち、爾の祈禱にて難難より救はれ、爾の子の十字架にて何處にも護られて、我等皆職として敬虔に爾を崇め讚む。
第三の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
言よ、日は爾光榮の日が大慈憐に由りて、甘じて十字架の木に身にて懸けられしを覩る時、狂妄に忍びずして晦みたり。祈る、イイススよ、我が昧まされし靈を爾の近づき難き光を以て照して、我を救ひ給へ。
洪恩なる主よ、爾は十字架の上に手を伸べて、爾より遠く在りし異邦民を集め給へり、爾の多くの仁慈を讚榮せん爲なり。祈る、爾の嗣業を眷みて、我等と戰ふ者を爾の尊き十字架にて斃し給へ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 無玷なる牝羊は羔及び牧者が木に懸けられて死せしを見て、哭きて言ひ、母として呼べり、吾が子、至仁なる神よ、如何にして我言に超ゆる爾の謙卑と自由なる苦とを忍ばん。
尊貴にして生命を施す十字架の規程、其冠詞は、我苦を受けし主宰の十字架に由りて救はる。イオシフの作。第一調。
第一歌頌
イルモス イズライリは苦しき奴隷より脫れて、涉られぬ處を陸の如くに過れり。敵の溺るるを見て、恩主たる神、高き臂を以て奇蹟を行ふ者に歌を奉る、彼光榮を顯したればなり。
ハリストスよ、爾は十字架に擧げられて、陷りし人を己と偕に擧げ、悉くの敵の力を墜し給へり。故に言よ、我爾苦を受けて、我を諸の苦より救ひし者の苦を歌ふ。
神聖なる行爲の栽培者よ、爾光榮の主にして、人に光榮を冠らせし者は、棘を冠らせられたり、荊棘を生ずる我等の性を善き果を結ぶ者と爲さん爲なり。
致命者讚詞 法の爲に苦を受けし聖者の至聖なる會は、聖なる血の流を以て一切の造物を聖にし、惡鬼に捧ぐる汚はしき祭を神父に因りて滅せり。
致命者讚詞 至聖なる致命者よ、苦難の雲は爾等の忍耐の勳功を隱さざりき。故に爾等は日の光線よりも盛に顯れて、明に救の光を輝かせり。
生神女讚詞 至淨なる者よ、爾が戈にて己の子の刺さるるを見る時、劍は爾の靈を貫けり、此れ信者の爲に樂園に入る聖入を禁ずる劍を退くる者が刺されたればなり。
又、至聖なる生神女の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
罪の汚を洗ひ去る泉を生みし純潔なる者よ、我に靈の淚の流を與へて、我が生を痛悔に向はしめ給へ。
潔き者よ、爾は身を取る神を生みて、造物より最高き者と爲れり。故に我爾に祈る、諸慾の泥より我を起して、無慾の神聖なる高處に升せ給へ。
潔き者よ、祈る、審判の日に我が爲に慈憐なる者と顯れ給へ。至淨なる女宰よ、爾の庇蔭の下に趨り附く我を畏るべき左の方に立つことと甚しき苦より脫れしめ給へ。
至淨なる生神女よ、罪の黑暗に蔽はれて陷りし我を起して、汚はしき行を洗ふべき淚の雨を我に與へ給へ、我等獨爾を保護者と有てばなり。
第三歌頌
イルモス 死すべき者は己の智慧と富とを以て誇るべからず、主を信ずる信を以て誇りて、正しくハリストス神に呼びて、常に歌ふべし、主宰よ、爾の誡の石に我を固め給へ。
我がイイススよ、不法の者は爾始に手を以て言ひ難く人を造りし者の手と足とを穿てり。唯爾は、ハリストス神よ、苦を以て衆を諸の苦及び朽壞より釋き給へり。
月及び日は停まるべしとイイスス呼びて、十字架の上に身にて苦を受けし主宰、其苦にて光體を晦ます者を像れり。此に因りて幽闇の凶惡なる魁は辱かしめられたり。
致命者讚詞 光榮なる致命者は勇ましく苦痛を忍び、傷つけられて、强く蛇ワェリアルに傷つけたり。故に神の指麾に因りて、恒に吾が靈の痛傷を醫し給ふ。
致命者讚詞 致命者よ、爾等は苦と勇敢とを以て惡鬼の宮と寺とを壞ち、恩寵を以て己の爲に至榮にして父と、子と、聖神との居處なる殿を建て給へり。
生神女讚詞 潔き童貞女よ、爾は人の子より美しき者が苦の時に姿容もなく威嚴もなきを見て、痛ましく呼びて云へり、哀しい哉、衆人を苦より救はんと欲する子よ、如何ぞ苦を受くる。
又
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我に上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
萬有の王たる主の殿と爲りし至淨なる者よ、靈を滅す盜賊の巢と爲りし我を其苦惱より引き出して、神聖なる神゜の潔き居處と現し給へ。二次。
生神女、仁慈の穩なる海たるハリストス我が神を生みし讚美たる童貞女よ、祈る、我に淚の雨を遣して、我が惡しき行の流を涸らし給へ。
神の恩寵を蒙れる者よ、我等の爲に堅固と動かざる柱、盾と勝たれぬ武器、無形の敵の隊を我等より退くる者と爲り給へ、我等信と愛とを以て爾至淨なる生神女を尊めばなり。
第四歌頌
イルモス ハリストスよ、昔アウワクムは爾の奇妙なる風聲を聞きて、懼れて呼べり、神は南より來り、聖なる者は樹蔭繁き山より來りて、其膏つけられし者を救はん。主よ、光榮は爾の力に歸す。
ハリストスよ、爾は痛傷と瘡痍とを忍びて、我が心の瘡痍を醫し、苦き膽を嘗めて、逸樂の甘味の害を除き、木の上に釘せられて、古の詛を滅し給へり。
恒忍なる主よ、爾は十字架に擧げられて、爾より遠く離れたる異邦民を近づかしめ、中保者として中間に立ち、地の中に耻づべき苦を忍びて、我等を父と和睦せしめ給へり。
致命者讚詞 神福たる者よ、爾等の血の海に無形のファラオンは其悉くの軍と共に陷りて溺れたり。故に爾等は救はれて歡喜を以て許約の地に來りて、天の國民と爲れり。
致命者讚詞 福たる者はハリストスの苦に感激して、其尊き身にて諸の苦を受くるに勝ふる者と爲れり。故に彼等を歌ひて、常に讚め揚ぐる者の靈と體との慾を絕ち給ふ。
生神女讚詞 ハリストスよ、爾を生みし者は不義なる屠殺を見て、哭きて爾に呼べり、義なる子、昔違反に因りて定罪せられて、朽壞に陷りし者を義とせんと欲する主よ、如何にして非義に定罪せられたる。
又
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に爾より出づるを預言せり。
仁慈なる者よ、我惡鬼の誘惑にて强く神の誡より引き離さるる者を棄つる勿れ。祈る、至淨なる者よ、爾の慈憐に趨り附く我を憐みて、其誘惑に惱まされざる者と爲し給へ。二次。
獨慈憐なるハリストスを生みし者の祈禱に因りて、爾を賴む者を憐み、宥め、爾の誡の光に導きて、永遠の生命を得しめ給へ。
至淨なる者よ、祈る、我寢ねて死し、失望の柩に臥し、我が罪の鐵梏にて縛られたる者を、爾の眠らざる祈禱を以て起して、痛悔に向はしめ給へ。
第五歌頌
イルモス ハリストスよ、我等信を以て爾を歌ふ者の心に爾の入らざる光を輝かして、智慧に超ゆる平安を我等に與へ給へ、我等が爾の光に由りて無知の夜より日に趨りて、爾人を愛する主を讚榮せん爲なり。
救世主よ、日は爾地を水の上に懸けし者が裸にして木に懸かれるを覩て、光より裸になり、磐は十字架が磐の上に立てられしに感じて、畏懼に因りて裂け、基は震へり。
恒忍なる主よ、爾は木に擧げられ、釘にて打ち着けられて、指は血に塗れ、戈にて肋を刺されて、アダムの傷、其肋骨に聽きて、之を造りし主に背きしに由りて獲たる者を醫し給へり。
致命者讚詞 致命者の大數は樂園と顯れて、其中に生命の樹たるハリストスを有てり。彼等はハリストスの爲に勇ましく耻づべき死を忍びて、食を以て原祖を殺しし蛇を神聖なる力にて殺せり。
致命者讚詞 ハリストスの受難者よ、爾等は血の滴を以て無神の淵を涸らし、奇蹟の神聖なる流にて靈と體との諸慾の流を塞ぐ。故に宜しきに合ひて讚美せらる。
生神女讚詞 無玷なる者はハリストスが甘じて木に擧げられしを覩て、驚きて、哭きて呼べり、吾が子及び神よ、我產の時に苦を免れたり、今不法の者より爾が非義に釘せらるるを覩て、痛く苦しむ。
又
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
至淨なる者よ、多くの罪の河は我を衝きて、吾が靈の家を倒せり。列祖の改易なる生神女よ、我爾の僕を起し給へ。二次。
女宰よ、我不當の者、諸慾の沼に陷りて、多くの罪の暴風に溺らさるる者に手を授け、我を引き上げて、痛悔の港に向はしめ給へ。
祈る、爾の祈禱を以て我に靈の汚の潔淨を賜ひ、我を體の諸病より醫し、我を圍める甚しき煩悶より援け給へ。
第六歌頌
イルモス 我全身無量の慾に圍まれて、諸惡の淵に陷れり。祈る、神よ、曩にイオナを救ひし如く、我を淪滅より引き上げて、信に由りて我に無慾を賜へ、我が讚美の聲と眞實の神゜とを以て爾を祭らん爲なり。
人を愛する主よ、モイセイは手を上に擧げし時、爾木の上に手を伸べて、凶惡者の有害なる權を滅しし者の苦を像れり。故に我等爾を贖罪者及び主なりと識りて、崇め歌ふ。
ハリストスよ、爾木に擧げられ死を忍びて、我等を殺しし者を殺し、爾の手の造物を活かし給へり。戈にて脅を刺されて、爾二の旨を有つ者として歌頌せらるる主は赦罪の二の川を流し給へり。
致命者讚詞 聖なる者よ、爾等の死は主の前に尊し、爾等は己の尊き苦にて主を讚榮し、凶惡なるワェリアル、苛虐を盡して爾等衆を倒さんと謀りし者を辱かしめたり。
致命者讚詞 睿智なる者よ、爾等は靈を全くして己を悉くの苦に付して、全き人性を衣たる主の爾等に賜ふ援助を得たり。故に百體寸斷せられ、火に擲たれて樂しめり。
生神女讚詞 至淨なる者は爾が十字架に釘せられしを見て呼べり、子よ、見る所の驚くべき顯見は何ぞ、病者の苦を醫すハリストスよ、如何にして斯くの如き苦を忍ぶ、諸敵は爾恩主に其受けたる恩寵の爲に何をか報いたる。
又
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
至淨なる者よ、爾の種なき胎より生れし者の戈を以て我が罪の書券を破り、爾の神聖なる庇蔭に趨り附く我を選ばれたる者の書に錄さるるに勝ふる者と爲し給へ。二次。
ハリストスよ、爾を生みし者の祈禱に因りて、爾の諸僕を潔め、獨仁慈なる主として諸罪の赦を降し給へ、爾は凡そ爾を賴む者の救主及び贖罪主なればなり。
生命を賜ふ主を生みし至淨なる童貞女よ、我諸慾に殺されし者を今爾の祈禱を以て生かして、惡敵に勝つ者と顯し給へ、我等は獨爾を神の前に我等を助くる者として有てばなり。
第七歌頌
イルモス 昔敬虔に由りて明に聖なる者と現れし少者は、婚筵の宮を過るが如く、爐の堪へ難き焰を涉り、聲を合せて歌を歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
我がイイススよ、我敵の奴隷と爲りし者を釋かんと欲して、爾は主宰にして奴隷より打擊を受け、十字架に釘せられて、我を救ひて歌はしむ、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
仁慈なる主よ、爾釘せられしに、萬物は震ひ、爾戈にて刺されしに、敵は全體に傷を受け、傷つけられしアダムは愈えて呼べり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
致命者讚詞 十字架にて衞らるる受難者の光榮なる軍は恩寵を以て敵の隊を滅し、勝利の榮冠を受けて呼べり、吾が先祖の神は崇め讚めらる。
致命者讚詞 火よりも至りて强き熱心を獲たる受難者よ、爾等は火に投ぜられて、焚かれずして、拜偶像の敎を焚きて呼べり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞 童貞女よ、爾の產は至榮にして萬世を生み、十字架に擧げられて、陷りし者を偕に擧げ、天の居住者と爲して呼ばしむ、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
又
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐と爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
至淨なる者よ、生命の泉を生みし者として、生を施す手を以て我が死せし靈を起して、我を心の傷感を以て呼ぶに勝ふる者と爲し給へ、先祖の尊まるる神よ、爾は崇め讚めらる。二次。
世世の先なる神は甘じて爾の潔き血より新なるアダムとして生れ給へり。彼に今我古びたる者を新にせんことを祈り給へ、蓋我呼ぶ、我が先祖の尊まるる神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞 敵は慾の道を以て來りて、無慙に我が卑微なる靈を執へんと欲す。至淨なる者よ、其惡謀を破りて、我を宥め給へ、蓋我歌ふ、先祖の尊まるる神よ、爾は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 昔火と露との爐は天然に超ゆる奇蹟の象を示せり、蓋火は少者を焚かずして、ハリストスの童貞女よりの種なき神聖なる產を顯せり。故に我等歌ひて呼ばん、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讚め揚げよ。
命を以て天を張りたる者は甘じて十字架に擧げられ、慾に由りて跌きし始めて造られたるアダムを起さんと欲する者は釘にて著けられたり。故に我等歌ひて呼ぶ、悉くの造物は主を崇めて、世世に彼を讚め揚げよ。
神の言よ、石の如く心の頑なる會は爾石たる者を磐に樹てたる十字架に擧げしに、山は動き、地は震へり。搖ける靈は神聖なる生命に堅められて恒に呼ぶ、悉くの造物は主を崇めて、世世に彼を讚め揚げよ。
致命者讚詞 聖なる受難者は勇ましく裸體にして苦を受け、傷に覆はれて、己の爲に救の衣を織りたり。故に歌ひて呼ぶ、悉くの造物は主を崇めて、世世に彼を讚め揚げよ。
致命者讚詞 受難者は無情に鐵搭にて搔かれ、無慙に寸斷せられ、種種の苦に遇はせられて、偶像に祭を捧げず、信者の爲に勇敢の柱と顯れて呼べり、悉くの造物はハリストスを崇めて、世世に彼を讚め揚げよ。
生神女讚詞 爾を惡む無智の會が爾を地より去らんと定めし後、我子なき者と爲りて哀しみ、母として心痛めりと、夫に與らざる者は昔爾が十字架に擧げられしを見て呼べり。イイススよ、彼と共に造物は爾衆の贖罪主を世世に讚榮す。
又
イルモス イズライリの少者は爐に在りて、坩堝に在るが如く、敬虔の美しきを以て黃金よりも明に輝きて云へり、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
光の門なる潔き者よ、我が心の眼を照して、諸慾の雲と深き暗とを散らし給へ、我が歌はん爲なり、主の悉くの造物は主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。二次。
潔き女宰、純潔なる童貞女よ、爾を神の母として呼ぶ衆人の爲に絕えず祈りて、歌はしめ給へ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて世世に讚め揚げよ。
救の緣由たるハリストスを言ひ難く生みし讚美たる童貞女よ、衆の爲に祈りて、切に呼ばしめ給へ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて世世に讚め揚げよ。
次ぎて生神女の歌を歌ふ、「我が靈は主を崇め」、及び躬拜。
第九歌頌
イルモス 童貞女の祕密は言ひ難し、蓋彼は天と現れ、ハリストス神全能者のヘルワィムの寶座及び光を放つ宮と現れたり。我等敬虔に彼を生神女として崇め讚む。
救世主よ、善智なる盜賊は昔爾無量の水の上に地を懸けし者が木に懸けられしを見て、信を以て爾に呼べり、我を憶ひ給へと。彼と偕に我等は敬虔に爾の苦を讚榮す。
イイススよ、爾は十字架に釘せられて、地の基を震はせ、戈にて刺されて、不死の滴なる血及び水、人類を諸慾より潔むる者を流し給へり。故に我等爾を歌ひて崇め讚む。
致命者讚詞 聖なる勇敢者は苦の中に樂しみて、互に甘味を勸むるが如く、相勵まして呼べり、視よ、ハリストスは騁すべき途を啓けり、今其愛する者に榮冠を與へ給ふ。
致命者讚詞 衆信者は慶賀して、勝たれぬ致命者の無數の苦と傷とを尊む。此等に由りて受難者は疾なき生命と永遠の福樂とを受くるに堪ふる者と爲れり。
生神女讚詞 人を愛する言を言ひ難く生みし少女は、彼が甘じて人人より苦しめらるるを見て、呼べり、是れ何ぞや、苦に與らざる神は苦を受く、信を以て彼に伏拜する者を苦より脫れしめん爲なり。
又
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
讚美たる生神女よ、我が諸罪の重き任を取りて、我に爾の子及び神の至りて輕き軛を負はしめて、上なる完全に登らしむる途を履むに勝ふる者と爲し給へ。二次。
純潔なる者よ、我ハリストスの降臨の畏るべき日を思ひて慄く、吾が一生は罪の中に終り、吾が靈は慾に充ちたればなり。我を憐みて、彼の時に定罪を免れしめ給へ。
至淨なる女宰よ、爾の不當なる僕の禱を受けて、我が靈と體との騷擾を深き穩靜に變じ給へ、我が救はれて爾を讚美せん爲なり。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜。小聯禱、光耀歌。次に常例の聖詠。
挿句に十字架の讚頌、第一調。
我等は爾身にて木の上に釘せられて、我等に生命を賜ひし者を、救世主及び主宰として、絕えず歌ふ。
句 主よ、夙に爾の憐を以て我等に飽かしめよ、然せば我等生涯歡び樂しまん。爾我等を撲ちし日、我等が禍に遭ひし年に代へて、我等を樂しましめ給へ。願はくは爾の工作は爾の諸僕に著れ、爾の光榮は其諸子に著れん。
ハリストスよ、爾の十字架に因りて諸天使及び人人は一の牧群と爲り、天と地とは一の會に於て樂しみて呼ぶ、主よ、光榮は爾に歸す。
句 願はくは主吾が神の惠は我等に在らん、願はくは我が手の工作を我等に助け給へ、我が手の工作を助け給へ。
至りて讚美たる致命者よ、憂患も、困苦も、飢渴も、窘逐も、創痍も、猛獸の猛きも、刀劍も、烈しき火も爾等を神より離すこと能はざりき。爾等は更に彼を愛する愛を燃して、他人の身に在るが如く鬪ひて、性を忘れ、死を顧みざりき。故に宜しき合ひて、爾等の苦の報を受け、天國の嗣と爲れり。息めずして我が靈の爲に祈り給へ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 神の言よ、牝羊たる爾の無玷の母は爾の十字架の側に立ちて、哭きて呼べり、哀しい哉、子よ、如何ぞ十字架に死する、哀しい哉、我が甘き光、衆人より最美しき者よ、爾の美麗は今何處にか隱れたる。
次ぎて「至上者よ、主を讚榮し」、聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞。司祭聯禱を誦す、及び發放詞。次に第一時課、常例の聖詠、及び最後の發放詞。
水曜日の聖体礼儀に
水曜日の眞福詞、第一調
敵は食物を以てアダムを樂園より引き出し、ハリストスは十字架を以て盜賊を其中に入れ給へり、主よ、爾の國に來らん時、我を憶ひ給へと呼べばなり。
句 義の爲に窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
仁慈なるハリストスよ、爾は耻づべき苦を忍びて、我等の悉くの耻を除き、爾の降臨に伏拜する我等を上なる國に與る者と爲し給へり。
句 人我の爲に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事を譌りて諸の惡しき言を言はん時は、爾等福なり。
ハリストスよ、爾はアダムの裸體を覆ひて、自ら裸體と爲り、十字架に上りて、我等を惡の深處より上げ給へり。故に言よ、我等爾の聖なる降臨を讚榮す。
句 喜び樂しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
至りて讚美たる致命者よ、爾等は己の聖なる傷にて惡鬼の大數に傷つけ、恩寵を以て恒に人人の傷と痛とを實に醫し給ふ。
光榮 聖三者は切に之を尊みて、其分れざる權柄を有つ者なるを識る衆人を照し給ふ。我等彼に呼ばん、聖三者よ、愛を以て爾を歌ふ者を救ひ給へ。
今も 純潔なる者は十字架の側に立ち、ハリストスが身にて釘せられしを見て、歎息して呼べり、光榮の主、慈憐なる者よ、爾の美麗は今何處にか隱れたる。
水曜日の晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に聖使徒の讚頌、第一調。
句 主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん、然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん爲なり。
光榮なる使徒、神に召されたるハリストスの門徒、世界の敎師よ、爾等は主神及び人人の中保者に遇ひて、神に合ふが如く彼に就き、彼を神及び完全なる人として明に世界に傳へたり。
句 我主を望み、我が靈主を望み、我彼の言を恃む。
至りて睿智なる使徒、神に召されたるハリストスの門徒、世界の敎師よ、爾等の祈禱を以て、神聖なる敎を謹みて聽かん爲に我を堅め、常に狹き路を行くを我に助け給へ、我が最廣き樂園の居處に至るを得ん爲なり。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
首座たるペトル、及びパワェル、イアコフ、アンドレイ及びフィリップ、シモン、ワルフォロメイ及びフォマ、福音を錄ししマトフェイ及びイオアン、マルコ及びルカ、神に選ばれたる會を、他の七十人と偕に、言の實見者及び傳道者として崇め歌ふ。
又、大なる成聖者及び奇蹟者ニコライの讚頌、第一調。
句 願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其悉くの不法より贖はん。
敎會の花を飛び繞る天使の上なる巢の雛たる三重に福なるニコライよ、爾は常に患難及び誘感の中に在る衆人の爲に神に呼びて、爾の祈禱を以て彼等を救ひ給ふ。
句 萬民よ、主を讚め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讚めよ。
至りて聖にせられし神父よ、爾は天の華麗を巡り視て、聖人等の莊嚴なる光榮を盡く悟れり。故に我等にも天の事を顯し、我が心を勵まして、地上の諸事より天に向はしめ給ふ。
句 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の眞實は永く存す。
捧神なる神父よ、爾は聖にせられし衣の裝飾を己の盛德を以て更に輝ける者と爲せり。故に我等の爲にも聖務を行ひて、ハリストスに因りて光榮なる奇蹟を以て我等を諸難より救ひ給ふ。
光榮、今も、生神女讚詞 神の母よ、我諸罪の海に荒さるる者は平穩の港なる爾の至りて潔き祈禱に趨り附きて爾に呼ぶ、純潔なる者よ、爾の强き手を爾の僕に伸べて、我を救ひ給へ。
次ぎて「穩なる光」。本日の提綱。其後「主よ、我等を守り、罪なくして此の晩」。及び聯禱。
挿句に使徒の讚頌、第一調。
使徒の調和したる簫、聖神に動かさるる者は、惡鬼の汚はしき祭を虛しくして、惟一の主を傳へ、異邦民を偶像の迷より脫れしめて、一性なる三者に伏拜せんことを敎へたり。
句 天に居る者よ、我目を擧げて爾を望む。視よ、僕の目主人の手を望み、婢の目主婦の手を望むが如く、我等の目は主我が神を望みて、其我等を憐むを俟つ。
ベトル及びパワェルを同心に崇め讚め、ルカ、マトフェイ、マルコ、イオアン、アンドレイ、フォマ、ワルフォロメイ、シモン、カナニト、イアコフ、フィリップ及び悉くの門徒の會を宜しきに合ひて讚め揚ぐべし。
句 主よ、我等を憐み、我等を憐み給へ、蓋我等は侮に饜き足れり、我等の靈は驕る者の辱と誇る者の侮とに饜き足れり。
致命者讚詞 至りて讚美たる致命者よ、地は爾等を隱さず、天は爾等を受けたり、樂園の門は爾等の爲に啓かれ、爾等は其内に入りて、生命の樹を以て慰む。我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 先祖の喜悅、使徒と致命者との歡樂、我等爾の諸僕の庇蔭なる童貞女よ、慶べ。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞及び發放詞。
水曜日の晩堂課
至聖なる生神女の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス 我等皆凱歌を以て、高き手にて神妙なる奇蹟を行ひて、イズライリを救ひし神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
神の母よ、棘は爾を像れり、蓋爾は實に堪へ難き火を宿して、焚かれずして止まれり。故に我等敬信の聲を以て常に爾を讚頌す。
至淨なる者よ、神言は人を衣て、悟り難く爾より生れ給へり。故に凡そ呼吸ある者は爾を讚榮し、爾に伏拜し、職として爾を尊む。
光榮 至淨なる者よ、爾は地の四極を持つ言ひ難き言を孕みて、之を生み給へり。切に彼に我等を憐まんことを祈り給へ。
今も 時に限られぬ神を時屆りて人體を取りし者として生み給ひし獨至淨なる女宰よ、我が慾に耽る靈の時每の諸慾を醫し給へ。
第三歌頌
イルモス 第二の天を水の上に固め、地を水に基づけし全能のハリストス神よ、願はくは我が心は爾の旨に固められん。
潔き童貞女よ、神は人類を神成せん爲に言及び智慧に超えて、爾に依りて人と爲り給へり。故に我等信者は同心に爾を讚揚す。
神の恩寵を蒙れる潔き者よ、性に於て像られぬ主は爾より身を取りて像られたり。彼に爾を讚美する者の靈を宥めて照さんことを絕えず祈り給へ。
光榮 至聖なる生神女、信者の扶助者よ、我が果を結ばざる思念の荒れたるを盡く除きて、我が靈を諸德の果を結ぶ者と顯し給へ。
今も 我等の爲に暮れざる光を生みし至りて無玷なる者よ、我を凡の侵害、蛇の多くの誘惑、永遠の火及び幽暗より脫れしめ給へ。
第四歌頌
イルモス 預言者アウワクムよ、爾は神゜にて言が人體を取るを預見して、傳へて呼べり、年の邇づく時爾は識られん、期の屆る時爾は顯れん、主よ、光榮は爾の力に歸す。
至聖なる女宰よ、ハリストスは爾の至淨なる胎に入り、靈ある身を受けて、我等を神成し給へり。故に我等爾潔き母、女宰、世界の扶助者を醇正に歌頌す。
聖なる生神女、人人に似んと欲せし至聖なる主を身にて生みし者よ、我等を聖にし給へ。至淨なる者よ、爾の祈禱を以て我等衆を天の國に與る者と顯し給へ。
光榮 生神童貞女、無玷の幕なる者よ、諸罪に汚されし我を今爾の洪恩の潔き灑にて淨め、我に援助の手を授けて、呼ばしめ給へ、主よ、光榮は爾の能力に歸す。
今も 童貞女よ、爾は智慧に超えて爾の中に入りし神の爲に聖にせられし殿と顯れたり。彼に我が諸罪の汚を淨めんことを祈り給へ、我等が聖神の殿及び居處とならん爲なり。
第五歌頌
イルモス 神の子よ、爾の平安を我等に與へ給へ、蓋我等は爾の外に他の神を識らず、爾の名を唱ふ、爾は生死者の神なればなり。
昔エデムの中に惡しき食は我を死者と爲せり。生命を生みし潔き者よ、其時木に緣りて死せし者を生かし給へ、我が爾を讚榮して歌頌せん爲なり。
純潔なる者よ、我を甚しき菑害より救ひ、汚はしき諸慾より起し、愛を以て爾を尊む者を惡鬼に執はれて害せらるることより脫れしめ給へ。
光榮 潔き童貞女母よ、我等爾を雲と、樂園と、光の門、筵と、羊の毛と、世界の甘味なる「マンナ」を内に籠むる壺として識る。
今も 至りて無玷なる者よ、爾は慈憐に因りて人と爲りし神エムマヌイルを生み給へり。潔き者よ、其仁愛の主なるに因りて、彼に罪を犯しし人人を宥めんことを祈り給へ。
第六歌頌
イルモス ハリストス神、人を愛する主よ、我爾に籲ぶ、預言者イオナを救ひし如く、我が生命を淪滅より引き上げ給へ、生命と不朽と能力とは爾に在ればなり。
爾仁慈無玷の幕なる者に祈る、我多くの罪に汚されたる者を爾の轉達を以て凡の汚より滌ひ給へ。
潔き者よ、我度生の諸難の浪たつ海に荒らさるる者の爲に舵師と爲りて、救の港に導きて、我を救ひ給へ。
光榮 意念の騷擾、諸慾の攻擊、諸罪の深處は我が不當なる靈を溺らす。聖なる女宰よ、我を援け給へ。
今も 成聖の幕たる神の聘女マリヤよ、逸樂に汚されたる吾が不當なる靈を聖にして、我を神聖なる光榮に與る者と爲し給へ。
次ぎて主憐めよ、三次。光榮、今も、
坐誦讚詞、第一調。
童貞女及び聖三者の一位の養育者、美しき樂園、地上の者の拯救よ、敬虔に爾を歌頌する者を爾の庇護にて救ひ給へ。蓋爾は諸預言者を以て言ひし者を生み、萬有を持つ者を手に抱き給へり、ハリストス神の母なればなり。
第七歌頌
イルモス 救世主よ、火は爐の中に在る爾の少者に觸れず、彼等を懼れしめざりき、其時三人口を一にして、歌頌祝讚して言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
潔き神の母よ、原始なき父の子は爾の腹に入りて、原始を受けたり、神なるに因りて、我等彼に伏拜する者を幽暗の惡原より脫れしめん爲なり。
神聖なる諸德に妝はれたる潔き童貞女よ、爾は父と同無原なる言、實に其諸德を以て天を蔽へる者を生み給へり。彼に我等を宥めんことを常に祈り給へ。
光榮 神の母童貞女よ、我等の意念を聖にし、我等衆の靈を堅めて、善なる戒を行はしめ給へ、無原なる父の言、爾より身を取りし主の言ひ難き慈憐に因りてなり。
今も 至りて無玷なる者よ、多くの慾にて殺されし我が智慧を生かして、我を神の悅ぶ所を行はん爲に堅め給へ、我が爾ハリスティアニン等の保護者及び倚賴なる者を常に崇め讚めん爲なり。
第八歌頌
イルモス 諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讚榮し、人人よ、崇めて萬世に讚め揚げよ。
至りて無玷なる者よ、我等爾を、祝讚せられて神の恩寵を蒙れる生神女と識る者は、神に捧ぐる爾の眠らざる祈禱に因りて、諸の誘惑より救はる。
至淨なる者よ、肉體なき者は神に適ふが如く爾より肉體を取り給ふ、我が肉體の慾を殺して、罪に殺されし吾が靈を生かさんことを彼に祈り給へ。
光榮 塵土のアダムの毁傷を醫しし救世主及び神を生みし至淨なる者よ、甚しく病める吾が靈の創痍を醫さんことを彼に祈り給へ。
今も 潔き者よ、惡の深處に臥す我を起して、今我と戰ふ諸敵、不當なる逸樂を以て我が靈を殘ふ者に勝ち給へ。祈る、我を棄つる勿れ、憐みて我を救ひ給へ。
第九歌頌
イルモス 光を放つ雲、萬有の主が雨の天より羊の毛に降るが如く降り、始なき者が身を取りて我等の爲に人と爲りし所以の者を、我等皆我が神の潔き母として崇め讚む。
父より輝ける神聖なる光を生みし淸淨無垢なる者よ、度生の誘惑に昧まされて、諸敵の哂と爲りし我が靈を宥めて、救を致す痛悔の光に與らしめ給へ。
純潔なる者よ、イサイヤは爾を光れる雲と見たり、義の日は此より我等に輝きて、奧密に造物を照せり。故に我等信を以て爾女の中に至りて美しき者を歌頌す。
光榮 潔き者よ、我罪に耽りて怠惰に生を送る者は公平なる審判に慄く。童貞女・神の聘女よ、爾の聖なる祈禱を以て我を其時に定罪せらるるなく護り給へ、我が常に爾を保護者として讚美せん爲なり。
今も 童貞女よ、我地上に多くの罪を行ひし者は審判及び爾の子の見ざる所なき目に慄く。故に爾に呼ぶ、至りて慈憐なる潔き女宰よ、我を助けて、定罪せらるるなく其時の危難より脫れしめ給へ。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜。聖三祝文、「天に在す」の後に讚詞。其他常例の如し、及び發放詞。
木曜日
木曜日の早課
第一の誦文の後に使徒の坐誦讚詞、第一調。
全世界の睿智なる漁者、神より恩寵を受けし者よ、今も我等の爲に祈り給へ。蓋我等呼ぶ、主よ、聖使徒に因りて皇帝と爾の城邑とを救ひ、我等の靈を圍める諸惡より解き給へ。
句 其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。
ハリストスの美音の角、無神の海を亂しし馬、深處よりするが如く人人を引き出して、聖神の恩寵を以て救の神聖なる港に着かしむる睿智なる使徒を、我等信者は歌を以て尊むべし。
光榮、今も、生神女讚詞 信者よ、我等壞られぬ垣として生神女マリヤを獲て、來りて彼に叩拜俯伏せん。彼は己より生れし者の前に勇敢を有ち、祈りて、我等の靈を怒及び死より救ひ給ふ。
第二の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
漁者は十字架の杖を以て辯論者の言語の緻密なる網を裂きて、異邦民に敬虔にして爾眞の神を讚榮することを敎へたり。故に我等は爾彼等を堅めし主に歌を奉りて呼ぶ、光榮は父及び子に歸す、光榮は同一性の神゜に歸す、光榮は彼等を以て世界を照しし神に歸す。
句 主よ、諸天は爾の奇異なる事を讚榮せん。
全福なる使徒等よ、時に與らずして光より輝きし光は時屆りて身にて地に現れ、爾等を以て世界を照し給へり。故に我等皆爾等の神聖なる敎に照されて、爾等の聖なる記憶を尊む。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
致命者讚詞 我等皆愛を抱き、信を以てハリストスの致命者に來りて、彼等に祈らん。蓋彼等は我が救の爲に求む、彼等は恩寵の醫治を流す、彼等は惡鬼の隊を退く、敎の守護者なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 ハリスティアニン等の倚賴たる至聖なる童貞女よ、爾が智慧と言語とに超えて生みし神に爾を歌頌する者の爲に絕えず祈りて、信と愛とを以て恒に爾を讚揚する我等に悉くの罪の赦及び生命の改易を賜はんことを求め給へ。
第三の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
靈智なる光體、救世主の光明なる門徒よ、爾等は火の如く神聖なる敎を以て全地を照せり。故に我祈る、全福なる者よ、幽暗に在る吾が靈を爾等の輝ける光線にて照し給へ。
成聖者神父ニコライよ、爾は有形にミラに居りて、無形に屬神の香料を抹られたる者と現れたり。故に爾の奇蹟の香料を以て世界を薰らせ、爾に於ける芳しき歌頌と爾の記憶とを以て永遠に流るる香料を注ぎ給ふ。
光榮、今も、生神女讚詞 童貞女よ、諸預言者は明に爾を神の母として預象し、神聖なる使徒は爾を世界に傳へ、我等は信ぜり。故に我等皆敬虔に爾を尊みて歌ひ、常に眞の生神女と稱ふ。
聖使徒の規程、フェオファンの作。第一調。
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
光榮にして光明なる使徒よ、爾等は三日の光の神聖なる光線に照されて宜きに合ひて諸神と名づけられたり。故に我等職として信を以て爾等を尊む。二次。
使徒よ、爾等は慈憐に因りて肉體を以て地に現れし言の嘉する役者、又其一切の誡命の忠信なる實行者と爲れり。故に常に尊まる。
常に福なる者よ、至聖神の光明なる光線を以て、我諸罪の暗に蔽はるる者を全く照して、痛悔の途に向はしめ給へ。
生神女讚詞 使徒等の悅なる神の母、至りて潔き女宰よ、彼等の中に神に適ふが如く言ひし者の母として、彼等と偕に我を地獄の火より脫れしめんことを祈り給へ。
又、我が聖神父奇蹟者ニコライの規程、其冠詞は、ニコライよ、我爾に第一の歌を奉る。イオシフの作。第一調。
第一歌頌
イルモス 我等皆凱歌を以て、高き手にて神妙なる奇蹟を行ひて、イズライリを救ひし神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
義なる榮冠に飾られて、恩寵の寶座の前に立てるニコライよ、今歌を以て忠信に爾を飾る者を爾の祈禱にて常に救ひ給へ。
醫治の恩寵を受けし全福なるニコライよ、祈る、爾の祈禱を以て我が靈の傷を癒して、我に逼る諸の誘惑より救ひ給へ。
ニコライよ、祈る、爾の强き祈禱を以て諸罪に因りて弱りたる吾が靈を醫して、我を惡を嗜む者の度生より脫れしめ給へ。
生神女讚詞 純潔なる者よ、爾の光にて我が智慧の昏昧を退けて、我を永遠の暗より救ひ給へ、我が常に爾の偉大なるを歌はん爲なり。
第三歌頌
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我に上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
至福にして神聖なる使徒よ、獨見えざる神は肉體を取りて見らるる者と爲り、爾等を選びて門徒と爲し、爾等は彼の名及び至大なる光榮を全世界に傳へ給へり。二次。
ハリストスよ、我獨爾の前に罪を犯し、獨爾の前に不法を行ひ、惡事を以て靈を汚せり。獨う寬容なるイイススよ、爾の慈憐を以て我を淨めて救ひ給へ、爾の睿智なる使徒の禱に因りてなり。
至りて讚美たる使徒よ、爾等は慈憐なる者として、我を諸慾の汚の苦と諸罪の苦より救ひ、己の心に神聖なる甘を慰む者として、我が靈に痛悔の慰を與へ給へ。
生神女讚詞 婚姻に與らざる童貞女よ、無形なる役者と共に、悉くの上なる軍と共に、致命者及び使徒と共に、爾が己の潔き血より身を取りし者として生みたるハリストスに爾の諸僕の救はれんことを祈り給へ。
又
イルモス 第二の天を水の上に固め、地を水に基づけし全能のハリストス神よ、願はくは我が心は爾の旨に固められん。
司祭長等の飾、聖神の馨香たる睿智なるニコライよ、我愛を以て祈る、爾の馨しき祈禱にて我が心の惡臭の諸慾を遠ざけ給へ。
ハリストスよ、我怠惰の中に我が生を費して、爾の畏るべき審判に慄く、之に及びて我を辱かしむる勿れ、ニコライの聖にせられし轉達に因りてなり。
神聖なる恩寵にて飾られたる全福なる成聖者神父ニコライよ、常に爾の庇蔭の下に趨り附く者を種種の誘惑及び菑害より救ひ給へ。
生神女讚詞 我等の爲に暮れざる光を生みし至りて無玷なる者よ、我を凡の侵害、蛇の多くの誘惑、永遠の火及び幽暗より脫れしめ給へ。
第四歌頌
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に、爾より出づるを預言せり。
神に選ばれたる使徒、ハリストスの馬たる者よ、爾等は己の騁するを以て無神と不信との海を亂して、無形の敵を溺らし、溺らされたる人人を救の爲に引き出せり。二次。
聖神の光の器たる神福なる聖使徒等よ、諸慾の器と爲りし我が昧まされたる靈を痛悔の光にて照し給へ。
至りて讚美たる使徒等、生命の水を雨らしし雲よ、諸慾の旱に由りて枯れたる我が靈を神の恩寵を以て潤して、救を爲す諸德の穗を生長せしめ給へ。
生神女讚詞 諸預言者、讚美たる使徒、致命者よ、贖罪主の母と偕に切に祈りて、我等が諸罪と永遠の苦、諸の誘惑と菑害と憂患より救はれんことを求め給へ。
又
イルモス 預言者アウワクムよ、爾は神゜にて言が人體を取るを預見して、傳へて呼べり、年の邇づく時爾は識られん、期の屆る時爾は現れん、主よ、光榮は爾の力に歸す。
神の一切の誡命の實行者たる成聖者神父ニコライよ、爾の祈禱を以て我等に救に導く地上の法を守らんことを助けて、我等に逼る諸の誘惑を免れしめ給へ。
馳すべき程を盡してハリストスに就きたる捧神者神父ニコライよ、我等の途を彼に向はしめ給へ、我等が無道の迷を逃れて、救を致す全備に至らん爲なり。
神聖なる儆醒を以て敵の悉くの惡謀を眠らせし睿智なる神父ニコライよ、我等衆覺め興きて、神を歌頌し、爾を轉達者として彼に進むる者に神の恩寵を得しめ給へ。
生神女讚詞 潔き者よ、預言者は神の神゜に感ぜられて、爾を樹蔭繁き山と像れり。生神女よ、我等多くの罪の暑熱に疲れたる者を今爾の庇蔭と恩寵とを以て凉しくし給へ。
第五歌頌
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
至榮なる使徒よ、爾等は甘味と美しき樂とを滴らす山、敵の都ての苦味を除き、信者を慰むる者と現れたり。二次。
言の神聖なる使徒よ、爾等は己に屬する者に來りしハリストスを受けて、熱心に之に就きたり。祈る、踈き者の害より我を救ひ給へ。
洪恩なる主よ、爾の神聖なる降臨と、苦と、墓よりの復活とを世界に傳へし者の祈禱に因りて、我が靈の隱れたる傷を醫し給へ。
生神女讚詞 生神童貞女よ、爾より肉體を取りて生れし神言に無形の衆軍と共に祈りて、爾の諸僕が無知なる行と肉體の諸慾より解かれんことを求め給へ。
又
イルモス 人を愛する主宰、ハリストス我が神よ、朝に爾が誡の定の事を考ふる我等を永遠の明なる光にて照し給へ。
成聖者神父ニコライよ、爾は主の庭に植ゑられて、實の繁き橄欖樹の如く、爾の功勞の油たる恩寵にて今衆の面を潤し給ふ。
神父ニコライよ、爾の諸僕の爲に今禱を捧げ給へ、我等が諸罪の赦を受けて、凡そ我等を圍む患難と困苦より脫れん爲なり。
聖なるニコライよ、爾主の前に善なる轉達者に祈る、我等を援助なく遺さずして、爾の熱切なる祈禱を以て我等を救ひ給へ。
生神女讚詞 ハリストスの光明の殿たる神の恩寵を蒙れる少女よ、爾の祈禱を以て我等をも父と、子と、聖神の爲に殿と爲して、聖なる事を行はしめ給へ。
第六歌頌
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
嗚呼神福なる使徒よ、爾等は言の網を以て異邦民を捕へて、人人の爲に現れし嚮導者を知る知識に就かしめたり。彼に熱切に世界の爲に祈り給へ。二次。
我が卑微なる靈、不當なる靈、悔いざる靈よ、悔いてハリストスに呼べ、我罪を犯せり、人を愛する主宰よ、至仁なるを以て、爾の使徒の祈禱に因りて我を潔め給へ。
昔イズライリの爲に磐より水を流しし全能なるハリストスよ、憐深き主なるを以て、爾の使徒の祈禱に因りて我が昏昧を解きて、淚の流を捧げしめ給へ、我が爾の仁慈を歌ひて崇め讚めん爲なり。
生神女讚詞 至聖なる童貞女よ、仁慈に因りて爾より甘じて生れ給ひし者に、其造物主及び神なるを以て、常に憑恃を爾に負はしむる者を誘感及び患難より救はんことを祈り給へ。
又
イルモス 我預言者イオナに效ひて籲ぶ、仁慈なる者よ、我が生命を淪滅より援けよ。世界の救主よ、我光榮は爾に歸すと籲ぶ者を救ひ給へ。
慈憐の多きハリストスよ、ニコライの祈禱に因りて我が惡の多きを遠ざけて、常に罪の浪に荒らさるる我が生を治め給へ。
睿智なるニコライよ、爾は敵を踐みて之に勝てり。爾を神聖なる轉達者として獲たる我等をも爾の祈禱を以て堅めて、之を破らしめ給へ。
ミラ城の人人の爲に眞實なる司祭首たりし神父ニコライよ、我等の靈の感覺を薰らせて、常に我等と戰ふ惡臭の諸慾を遠ざけ給へ。
生神女讚詞 神の恩寵を蒙れる潔き者よ、ハリストスは爾に大なる事を成せり。常に彼に其豐なる慈憐を我等の中に大にせんことを祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐と爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
門徒よ、生命の泉たる主イイススは、全地に神を識る知識の水を飮ましむる川として爾等を遺して、歌はしめたり、尊まるる先祖の神は崇め讚めらる。二次。
門徒よ、爾等は心の中に無形の火たる神聖なるハリストスの恩寵を有ちて、無神の物質を焚きたり。祈る、我、尊まるる先祖の神は崇め讚めらると、呼ぶ者の物質の諸慾を焚き給へ。
主神よ、爾の光榮なる門徒の祈禱に因りて我を火の苦より拯ひて、爾の顏より退くる毋れ、蓋我痛悔して呼ぶ、尊まるる先祖の神は崇め讚めらる。
生神女讚詞 不朽にして童貞女神の母より生れし主よ、我を朽壞せしむる罪と慾より救ひ給へ、爾は凡そ尊まるる先祖の神は崇め讚めらると歌ふ者に不朽を賜へばなり。
又
イルモス 救世主よ、火は爐の中に在る爾の少者に觸れず、彼等を懼れしめざりき、其時三人口を一にして、歌頌祝讚して言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
睿智なるニコライよ、爾の熱心なる祈禱を以て、我が心の足を光明なる神の誡の石に堅く立てて、絕えず我を惡の魁なる敵の惡謀より救ひ給へ。
衆信者の保護者、成聖者の基なる聖にせられしニコライよ、我等の爲に多くの罪の赦さるること、度生の危き網と種種の誘惑より解かるることを求め給へ。
用ゐん爲に受けたる賚を藏しし惡しき僕は我にして、彼處の審判を畏る。萬有の神審判者よ、其時に及びて、聖ニコライの祈禱に因りて、我を定罪する勿れ。
生神女讚詞 至聖至潔なる者よ、爾の諸僕は常に晝に夜に傷める意念を以て祈りて、爾潔き者の祈禱に因りて、我等に諸罪の赦を賜はんことを求む。
第八歌頌
イルモス イズライリの少者は爐に在りて、坩堝に在るが如く、敬虔の美しきを以て黃金よりも明に輝きて云へり、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
使徒よ、大なる日は爾等を光線の如く全地に發して、衆を輝かして、信を以て歌はしむ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて世世に讚め揚げよ。二次。
靈智なる牧者とし、牧者の羔とし、羔たる我等の贖罪主ハリストスの羊として、神を見し使徒等よ、我を無形の狼より脫して、救はるる者の分を得しめんことを絕えず祈り給へ。
至りて不當なる靈よ、歎息して主に呼べ、我衆に超えて罪を犯し、甚しく不法を爲せり。洪恩なる主よ、善く受けらるる使徒の祈禱に由りて、我を淫婦の如く、稅吏の如く、盜賊の如く潔めて、救ひ給へ。
生神女讚詞 神の母よ、天使と偕に、使徒及び致命者と偕に、預言者と偕にハリストスに祈りて、主の悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて世世に讚め揚げよと、呼ぶ者を救はんことを求め給へ。
又
イルモス 諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讚榮し、人人よ、崇めて萬世に讚め揚げよ。
ニコライよ、爾は神聖なる諸德の山に立ちて、高尙なる奇蹟の顯見を以て四極に知らるる者と爲れり。故に凡の民は爾を萬世に尊む。
克肖者よ、爾は神聖なる甘味を嘗めて、慾と逸樂との苦味を惡めり。ハリストスに祈りて、我等を此等より脫れしめて、我等に逼る諸の誘惑を防ぎ給へ。
動かされぬ柱にして、信者の固たる全福なるニコライよ、爾の祈禱を以て、我常に度生の困難と惡鬼の攻擊とに動かさるる者を固め給へ。
生神女讚詞 萬衆の醫師を生みし至淨なる童貞女よ、ハリストスに祈りて、我が心の諸慾を愈して、我を義者の分に與る者と爲し給へ。
次ぎて生神女の歌を歌ふ、「我が靈は主を崇め」、及び躬拜。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
福たる者よ、爾等は聖神の神妙に輝ける燈臺と現れて、尊くして睿智なる傳敎の光にて全地を照して、偶像の幽暗を退け給へり。二次。
光榮なる使徒よ、爾等は神聖なる葡萄樹の枝と爲り、神聖なる房を生長せしめて、救の酒を流せり。故に我を諸慾の醉より脫れしめ給へ。
吾がハリストスよ、我不當の者は彼の爾の畏るべき審判を思ひて慄く、蓋今耻づべく忌はしき行に溺れて、審判の前に定罪せられたり。祈る、爾の諸使徒の祈禱に因りて我を宥め給へ。
生神女讚詞 純潔なる童貞女よ、爾獨身を取りし言を生みて、人人を神成し給へり。潔き者よ、使徒及び致命者と偕に、信を以て爾を尊みて讚美する我等の爲に彼に祈り給へ。
又
イルモス 光を放つ雲、萬有の主が雨の天より羊の毛に降るが如く降り、始なき者が身を取りて我等の爲に人と爲りし所以の者を、我等皆我が神の潔き母として崇め讚む。
神父よ、我等爾をハリストスの成聖者、輝ける星、奇蹟の實行者、醫治の泉、憂に在る者の扶助者、患難の中に爾を呼ぶ者の最篤き保護者として、屬神の歌を以て崇め讚む。
ニコライよ、我等爾大なる牧師、一切に於て牧師長ハリストスに效ふ者に切に祈る、聖なる高處より爾の諸僕を牧して、常に諸の度生の患難より救ひ給へ。
嗚呼吾が靈よ、終は已に近づけり、何ぞ怠る、胡爲れぞ神の悅ぶ所の如く度生せんことを務めざる。是より務めて興きて呼べ、人を愛する主よ、我を宥め、仁慈なるを以て、ニコライの祈禱に因りて我が生を治め給へ。
生神女讚詞 神聖なる光を生みし純潔なる者よ、我凶惡者の種種の誘惑に昧まされ、氣倦みて度生し、神を怒らする者を照して、善き行に導き給へ、爾は一切の善事の緣由なればなり。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜。小聯禱、光耀歌、常例の聖詠。
挿句に使徒の讚頌、第一調。
光榮なる諸使徒、全地を照しし者よ、常に神に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
句 主よ、夙に爾の憐を以て我等に飽かしめよ、然せば我等生涯歡び樂しまん。爾我等を撲ちし日、我等が禍に遭ひし年に代へて、我等を樂しましめ給へ。願はくは爾の工作は爾の諸僕に著れ、爾の光榮は其諸子に著れん。
ペトル及びパワェルを同心に崇め讚め、ルカ、マトフェイ、マルコ、イオアン、アンドレイ、フォマ、ワルフォロメイ、シモン、カナニト、イアコフ、フィリップ及び悉くの門徒の會を宜しきに合ひて讚め揚ぐべし。
句 願はくは主吾が神の惠は我等に在らん、願はくは我が手の工作を我等に助け給へ、我が手の工作を助け給へ。
致命者讚詞 致命者よ、主の爲に樂しめ、蓋爾等は善き戰を戰へり。諸王に逆ひ、苛虐者に勝ち、火をも、劍をも、爾等の體を食ふ猛獸をも畏れざりき。諸天使と偕にハリストスに歌を捧げて、天より榮冠を受けたり。世界に平安、我等の靈に大なる憐を賜はんことを祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 生神童貞女よ、慶べ、全世界の榮譽よ、慶べ、恩寵を蒙れる至淨なる神の母よ、慶べ。
次ぎて「至上者よ、主を讚榮し」、聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞。聯禱、及び發放詞。次ぎて第一時課、常例の聖詠、及び最後の發放詞。
木曜日の聖体礼儀に
木曜日の眞福詞。第一調。
敵は食物を以てアダムを樂園より引き出し、ハリストスは十字架を以て盜賊を其中に入れ給へり、主よ、爾の國に來らん時、我を憶ひ給へと呼べばなり。
句 義の爲に窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
爾等は己の敎の神聖なる光線にて四極を照して、甚しき無神の昏昧を散じ、入らざる光に移りて、常に讚美せらる。
句 人我の爲に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事を僞りて諸の惡しき言を言はん時は、爾等福なり。
ハリストスの門徒よ、爾等を智ならしむる父と一體なる睿智を有ちて、爾等は傳道の愚を以て世界を智ならしめて、神を知る知識に就かしめ給へり。
句 喜び樂しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
致命者讚詞 至りて讚美たるハリストスの受難者よ、爾等は無形の者の如く苦を忍びて、勇ましく凡ての無形の敵に勝てり。故に宜しきに合ひて世世に讚揚せらる。
光榮 我等信者は聖三者なる父と、子と、義なる神゜、分れず、離れず、同一寶座たる惟一者に伏拜して呼ばん、聖、聖、聖なる哉至りて尊き三者や。
今も 至淨なる者よ、爾が預言せし如く、我等爾を讚美す、蓋爾は身を取りし神、使徒の會の傳へし主を生み給へり。歌はるる者よ、彼等と偕に我等の爲に諸罪の赦を求め給へ。
木曜日の晩課
「主よ爾に籲ぶ」に尊貴にして生命を施す十字架の讚頌。第一調。
句 主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん、然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん爲なり。
ハリストスよ、爾は十字架に爾の至淨なる手を伸べて、爾より遠く離れたる者を呼びて、己の側に立て給へり。故に我爾に祈る、慾の囚と爲りし我を釋きて、我に諸慾の汚を潔むる痛悔を予へ給へ。
句 我主を望み、我が靈主を望み、我彼の言を恃む。
人を愛するハリストスよ、爾は己の至淨なる手を十字架に擧げて、爾の指を血に染めたり、爾の神聖なる手の工作たるアダム、犯罪に因りて死の國に囚はれたる者を釋かんと欲したればなり。全能者よ、爾は己の權を以て彼を起し給へり。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
無原なる救世主よ、爾は性に於て變易なく、神性に於て苦に與からざる者にして、苦を忍べり、罪なきハリストスよ、爾は犯罪者と偕に十字架に釘せられたり。日は狂妄に勝へずして晦み、地は盡く震へり、爾を世界の造成者と知りたればなり。
又、十字架生神女の讚頌、同調。
句 願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其悉くの不法より贖はん。
昔無玷なる童貞女は種なき腹より生みし者が木に在るを覩て、心の刺さるるに忍びず、痛く歎きて云へり、萬物を手に持つ者は如何にして十字架に擧げられたる、人類を救はんと欲する者は如何ぞ定罪せられたる。
句 萬民よ、主を讚め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讚めよ。
又、同讚頌を誦すべし。
句 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の眞實は永く存す。
至淨なる者は云へり、嗚呼無原なる父の言ひ難き子よ、我は吾が產の十字架に在るを覩て、恩を知らざる人人が何に由りて此等を爾に報いたるを曉らず。然れども爾は、慈憐なる者よ、己の造物を救はん爲に來りしに因りて、恒忍を以て一切を忍び給ふ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 童貞女は哭きて云へり、最甘き子よ、爾は木に上げられ、膽と醋とを嘗めて、アダムの古の食の苦きを甘くし給へり。故に義なる審判者よ、全能者なるに因りて復活して、爾の醫を施す苦を以て我の苦きを甘くし給へ。
次ぎて「穩なる光」。本日の提綱。次に「主よ、我等を守り、罪なくして此の晩」、及び聯禱。
挿句に十字架の讚頌、第一調。
十字架は髑髏の處に樹てられて、我等の爲に不死の花を發けり、救世主の脅より常に流るる泉に因りてなり。
句 天に居る者よ、我目を擧げて爾を望む。視よ、僕の目主人の手を望み、婢の目主婦の手を望むが如く、我等の目は主我が神を望みて、其我等を憐むを俟つ。
救世主の尊き十字架は我等の爲に壞られぬ垣なり、我等皆彼を恃みて救はるればなり。
句 主よ、我等を憐み、我等を憐み給へ、蓋我等は侮に饜き足れり、我等の靈は驕る者の辱と誇る者の侮とに饜き足れり。
致命者讚詞 主よ、衆聖人及び生神女の祈禱に因りて、爾の平安を我等に與へ、我等を憐み給へ、爾獨洪恩の主なればなり。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 ハリストスよ、童貞女は爾が非義に屠らるるを覩て、哭きて爾に呼べり、最甘き子よ、如何にして義なき苛虐を受くる、全地を水の上に懸けし者は如何にして木に懸れる。慈憐の深き恩主よ、祈る、我爾の母及び婢を獨にして遺す勿れ。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に聖人の讚詞、及び發放詞。
木曜日の晩堂課
至聖なる生神女の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス イズライリは苦しき奴隷より脫れて、涉られぬ處を陸の如くに過れり。敵の溺るるを見て、恩主たる神、高き臂を以て奇蹟を行ふ者に歌を奉る、彼光榮を顯したればなり。
女宰生神女よ、我吾が罪の多きと審判者に對する答とを思ひて、失望に陷る。祈る、爾我の爲に神聖なる轉達者と爲りて、爾の慈憐を以て審判者を和らげ給へ。
ハリスティアニン等の避所、陷る者の提起、罪を犯す者の潔淨たる至淨なる者よ、我に畏るべき詰問と滅えざる火とを逃れしめて、永遠の生命を與へ給へ。
光榮 潔き童貞女よ、我等信者皆獨爾を堅固なる保護者として獲たり、爾神を生み給ひしに因る。故に爾の言の如く、我等地の諸族皆讚歌を以て爾を讚揚す。
今も 至淨至潔なる者は造物主及び己の子を十字架に覩て、驚に勝へずして云へり、子よ、是れ何ぞ、不虔の者は爾が彼等に施しし諸善の爲に、如何ぞ惡を爾に報いたる。
第三歌頌
イルモス 世の無き前に分離なく父より生れし子、末の日に種なく童貞女より身を受けしハリストス神に呼ばん、我等の角を高くせし主よ、爾は聖なり。
預言者は皆爾神の母を至榮なる預徵を以て傳へたり。我等明に其應ひたるを見て、信じて、爾に因りて神聖なる平穩を得んことを求む。
世界の女宰、信者の救及び防護なる潔き者よ、心の深處より發する我が歎息と淚の流とを受けて、多くの罪に縛られたる我を解きて救ひ給へ。
光榮 至淨至潔なる者よ、母としてハリストス神に勇敢を有ちて、我等が諸敵と種種の艱難より救はれんことを常に祈りて、感謝の心を抱きて、彼を讚榮するを得しめ給へ。
今も 至淨なる者は己の子が十字架に擧げられしを見て、歎息し、心の痛に於て呼びて曰へり、子よ、爾の賜に饜きたりし不虔不法の者は何をか爾に爲したる。
第四歌頌
イルモス イエッセイの根より生ぜし枝及び其花なる讚美たるハリストスよ、爾は童貞女より出で給へり。形なき者且神よ、爾は夫に適かざる者より身を取りて、樹蔭繁き山より來給へり。主よ、光榮は爾の力に歸す。
純潔なる者よ、凶惡なる敵の我に對する殘忍と惡謀とを破り、爾の堅固なるを我に衣せて、常に害なく、動なく、欣ばしく爾を歌頌する者として、全くして護り給へ。
潔き女宰よ、慾に溺るる我は、肉體の法に勝たれて、不義不法の事を行ひ、敢て目を擧げて爾を視るを得ず。然れども爾は慈憐の法を以て我不當の者を救ひ、我を救ひ給へ。
光榮 女宰よ、我等信者は獨爾を神と偕に耻を得ざる憑恃及び防護として有つ。爾の祈禱を以て我等を見ゆると見えざる諸敵、艱難と諸の誘惑より救ひ給へ、我が絕えず爾を讚榮せん爲なり。
今も 純潔なる者は種なくして生みし子が十字架に釘せられしを見て、母として哭き、呼びて云へり、吾が子よ、此の我が見る所の爾に於ける新にして至榮なる悟り難き奇蹟は何ぞ。
第五歌頌
イルモス 和平の神、仁慈の父よ、爾我等に和平を賜ふ爾の大なる議事の使者を遣し給へり。故に我等神を知る光に導かれて、夜過ぎて朝に爾人を愛する主を崇め讚む。
爾の諸僕の爲に眠らずして禱り、篤く之を保護する童貞女よ、我等度生の諸の患難に遇ふ者を速に援けて、救ひ給へ、我等が悲哀に囓まれて亾びざらん爲なり。
神の居處たるマリヤよ、我汚はしき行に由りて惡鬼の居處と爲りて、其狂妄なる旨を行ふ者を、痛悔に由りて神の居處と爲し給へ。
光榮 慈憐なる者且神の母なるに因りて、靈にも體にも諸罪の慾を痛く病める我等を醫し給へ、爾は實に靈體の大なる醫師ハリストス、生命の盡きざる泉を生みたればなり。
今も 至りて無玷なる者は子が十字架の木に在るを覩て、心裂かれ、淚と共に呼べり、吾が子よ、我新なる奇蹟を見て、爾の恒忍に驚く、無罪の者にして如何ぞ非義なる死を忍ぶ。
第六歌頌
イルモス 海の猛獸はイオナを受けしまま產兒の如く腹より出せり。童貞女に入りて身を受けし言は其傷なきを守りて通れり、蓋自ら壞に從はず、生みし者をも忮はずして守り給へり。
至聖なる神の聘女よ、爾は萬善の馨香を以て全地を薰らせし屬神の香料たる神性の器と爲り給へり。故に爾の祈禱の芳しきを以て吾が靈より諸罪の惡臭を盡く拂ひ給へ。
逸樂の火は甚しく我を燒き、我が卑微なる心を惱まし、我を不義不法を行ふ者と爲す。神聖なる火を生みし神の聘女、我が拯救なる者よ、速に之を滅し給へ。
光榮 讚美たる童貞女、神の母よ、我等正敎を以て爾を實に生神女と承け認むる者を見ゆると見えざる諸敵の侵害より脫れしめて、護り給へ、爾は萬有を造りし主を生みしに因りて、常に權能を有ち給へばなり。
今も 至りて無玷なる者は十字架の側に立ち、己の子が身にて懸れるを覩て、悲哀にて心を焦し、淚を流して呼べり、子よ、衆人に於ける爾の慈憐は實に言ひ難し。
次ぎて主憐めよ、三次。光榮、今も、
坐誦讚詞、第一調。
無玷なる牝羊は羔及び牧者が木に懸けられて死せしを見て、哭きて言ひ、母として呼べり、吾が子、至仁なる神よ、如何にして我言に超ゆる爾の謙卑と自由なる苦とを忍ばん。
第七歌頌
イルモス 偕に敬虔に養はれし少者は、不虔の命を顧みずして、火の嚇を恐れず、乃焰の中に立ちて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
我惡鬼の攻擊と誘感とに堪へず、肉體の逸樂の焰が我が智慧を昧ませばなり。祈る、聖なる生神女よ、我憑恃を爾に負はせし者を棄つる勿れ。
聘女ならぬ童貞女、至聖なる神の聘女・女宰よ、爾の祈禱を以て我が諸罪の縛を解き、我をハリストスの愛に配せて、諸德の果を結ばしめ給へ。
光榮 潔きマリヤよ、爾は世に在る悉くのハリスティアニンの爲に防護と垣墻と耻を得ざる避所なり。故に我等信を以て爾を尊みて、ハリストスに呼ぶ、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
今も 至聖なる童貞女は己の子が十字架に懸れるを覩て、驚駭に勝へずして云へり、我爾生命の首及び生命を賜ふ者の殺されしを見て、如何ぞ之を忍ばん。
第八歌頌
イルモス 昔火と露との爐は天然に超ゆる奇蹟の象を示せり、蓋火は少者を焚かずして、ハリストスの童貞女よりの種なき神聖なる產を顯せり。故に我等歌ひて呼ばん、悉くの造物は主を崇めて萬世に讚め揚げよ。
世界の女宰生神女よ、我肉體の逸樂と世俗の愛着とに因りて、惡の深處に溺れて亾ぶる者を、獨爾の慈憐を以て引き上げ給へ、潔き者よ、我他に救の望なく、全身失望に陷りたればなり。
言ひ難き狀にて神を生みし者よ、爾は衆人の救なり。生神女よ、爾は信者の援助、瞽者の相、陷る者の提起なり。故に我等爾を讚揚してハリストスに呼ぶ、悉くの造物は主を崇め、彼を歌ひて世世に讚め揚げよ。
光榮 神の母よ、我等爾を至りて堅固なる垣として獲て、我等の救の憑恃を爾に負はしめたり。爾の諸僕の爲に港及び壞られぬ垣と爲りて、絕えず呼ばしめ給へ、悉くの造物は主を崇めて世世に彼を讚め揚げよ。
今も 潔く生みし者は爾を十字架に覩て、母の心裂かれ、多くの淚を流し、痛く歎きて呼べり、吾が子よ、我產の時に苦を免れしに、今爾の姿容の華榮なきを見て、苦に堪へず。
第九歌頌
イルモス 童貞女の祕密は言ひ難し、蓋彼は天と現れ、ハリストス神全能者のヘルワィムの寶座及び光を放つ宮と現れたり。我等敬虔に彼を生神女として崇め讚む。
我不當の者は忌はしき慾を以て吾が心を擾し、靈を滅す慾を以て體を汚せり。至淨至潔なる者よ、爾慈憐の多きを以て我を潔め給へ。
潔き女宰よ、我爾の外に避所を得ず、地上に他の堅固なる保護及び庇蔭を識らず。故に熱心に爾に趨り附きて、爾に依りて諸罪の赦を得んことを求む。
光榮 讚美たる者よ、爾は今慈憐を以て上より爾の諸僕を瞰みて、敬虔の敎の中に之を護り、爾の祈禱を以て、爾を實の潔き生神女として尊む我等を諸の危難より救ひ給ふ。
今も 人を愛する主よ、種なく爾を生みし者は爾が十字架の木に懸れるを覩て呼べり、吾が子及び全能なる神よ、人人を救はんと欲して、如何ぞ今十字架に釘せられたる。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜。聖三祝文、「天に在す」の後に讚詞。其他常例の如し、及び發放詞。
金曜日
金曜日の早課
第一の誦文の後に十字架の坐誦讚詞、第一調。
ハリストスよ、爾十字架に釘せられしに暴虐は滅び、敵の力は蹈まれたり、天使に非ず、人に非ずして、主よ、爾親ら我等を救ひ給ひしに因る。光榮は爾に歸す。
句 主我が神を崇め讚め、其足凳に伏し拜めよ、是れ聖なり。
人を愛する主よ、我等爾の十字架の木に伏拜す。蓋爾は、萬衆の生命よ、其上に釘せられて、信を以て爾に就きし盜賊の爲に樂園を啓き、爾を承け認めて、主よ、我を憶ひ給へと呼ぶ者を福樂に勝へさせ給へり。救世主よ、彼の如く我等をも受け給へ、我等衆罪を犯せり、爾の慈憐に因りて我等を棄つる勿れと呼べばなり。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 無玷なる牝羊は羔及び牧者が木に懸けられて死せしを見て、哭きて言ひ、母として呼べり、吾が子、至仁なる神よ、如何にして我言に超ゆる爾の謙卑と自由なる苦とを忍ばん。
第二の誦文の後に十字架の坐誦讚詞、第一調。
十字架の武器は昔敬虔なるコンスタンティン帝に、戰の時に敵に對して、信に由る勝たれぬ勝と顯れたり。仇敵の軍は之に慄く、此れ信者の爲には救、パワェルの爲には誇と爲れり。
句 神、我が古世よりの王は救を地の中に作せり。
昔塵土を以てアダムを造りし洪恩の主よ、爾は塵土の手にて頰を打たれ、十字架に釘せらるると、汚辱と、創痍とを忍べり。嗚呼奇蹟や、嗚呼多くの爾の恒忍や。主よ、光榮は爾の生を施す苦に歸す、爾は此を以て我等を救ひ給へり。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
致命者讚詞 主よ、光榮なる受難者は爾より苦の報賞たる尊き榮冠にて飾られたり、蓋創痍を忍ぶを以て不法の者に勝ち、神聖なる能力を以て天より勝利を獲たり。救世主よ、彼等の祈禱に因りて、我等をも見えざる敵より脫れしめて、我等を救ひ給へ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 ハリストスよ、純潔なる母は爾が十字架に上げられて死せしを覩て呼べり、父及び聖神と同無原なる吾が子よ、斯の爾の言ひ難き攝理は何ぞ、洪恩なる主よ、爾は此を以て爾の至淨なる手の造物を救ひ給へり。
第三の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
言よ、日は爾光榮の日が大慈憐に由りて、甘じて十字架の木に身にて懸けられしを覩る時、狂妄に忍びずして晦みたり。祈る、イイススよ、我が昧まされし靈を爾の近づき難き光を以て照して、我を救ひ給へ。
洪恩なる主よ、爾は甘じて十字架に釘せられて、我等の朽ちたる性を神成し、殺人なる蛇を殺せり。祈る、爾の尊き十字架を以て正敎を平安の中に堅め、異端者の興るを止め給へ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 至淨なる者よ、我等爾の保護を獲て、爾の祈禱に由りて患難より救はれ、爾の子の十字架にて常に諸方に護らる、故に皆職として敬虔に爾を崇め讚む。
尊貴にして生命を施す十字架の規程、其冠詞は、我主宰の尊き苦を崇め讚む。イオシフ師の作。第一調。
第一歌頌
イルモス 我等凱歌を以て、エギペトにモイセイを助けて、彼を以てファラオンを全軍と偕に溺らしし神に謳はん、彼光榮を顯したればなり。
性に於て苦に與らざる言よ、爾は我等の爲に苦を忍び、盜賊と偕に十字架に釘せられて、惡の魁たる蛇を殺し、爾に伏拜する者を救ひ給へり。
東の東たるイイススよ、爾は西なる我等の退けられたる性に來り給へり。日は爾が十字架に釘せらるるを見て、己の光を隱せり。
致命者讚詞 光榮なる受難者よ、爾等は巧に暫時の死を以て永遠の生命に易へて、天國を獲たり。故に讚榮讚美せらる。
致命者讚詞 聖なる致命者よ、爾等は勇ましくハリストスの苦に效ひて、奧密なる行動を以て地上の者の苦を醫し、言を以て惡鬼を遠ざけ給ふ。
生神女讚詞 牝羊は羔たるハリストスが十字架に上げられしを見て、歎きて呼べり、無原なる子、恒忍の主よ、爾の華麗は何處にか隱れたる。
又、至聖なる生神女の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス 我等皆凱歌を以て、高き手にて神妙なる奇蹟を行ひて、イズライリを救ひし神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
時に限られぬ神を時屆りて人體を取りし者として生み給ひし獨至淨なる女宰よ、我が至りて不當なる靈の時每の諸慾を醫し給へ。
至淨なる童貞女よ、慈憐の者として、爾の祈禱を以て、我が靈の毁傷、心の迷惑、思の昏昧、智慧の屈從を除き給へ。
光たる我が贖罪主を生みし至淨なる者よ、我を幽昧と永遠の苦より脫れしめ給へ、我が救はれて爾の仁慈を歌頌せん爲なり。
至淨なる者よ、我諸罪の海に溺れ、諸慾の暴風に打たるる者は爾の平穩を呼ぶ、我を救ひ給へ、爾は信者の港なればなり。
第三歌頌
イルモス 第二の天を水の上に固め、地を水に基づけし全能のハリストス神よ、願はくは我が心は爾の旨に固められん。
主宰よ、爾は十字架に手を伸べ、神聖なる指を血に染めて、爾の手の造工たるアダムを兇殺の手より救ひ給へり、獨仁慈にして人を愛する主なればなり。
主宰よ、爾は戈を以て脅腹を刺されて、肋骨に由る躓を起し、木に擧げられて、昔木の果に由りて患難に遭ひし者を善智なる盜賊と偕に樂園に入れ給へり。
致命者讚詞 敎會の固、正敎の前柱、敵を滅しし者、主の致命者を、我等潔き念を以て歌頌して讚美すべし。
致命者讚詞 無形の葡萄樹の神聖なる枝たる致命者は、我等の爲に衆信者の心を樂しましむる忍耐の酒を流す房を生じたり。
生神女讚詞 至りて讚美たる童貞女よ、爾の腹の果は祝福せられたり。彼は木の果に由りて朽ちたる我等を、己の十字架に由りて、神聖なる恩寵を以て、不朽に與る者と爲し給へり。
又 同「イルモス」
至聖なる生神女、信者の扶助者よ、我が果を結ばざる思念の荒れたるを盡く除きて、我が靈を諸德の果を結ぶ者と顯し給へ。
我等の爲に永遠の光を生みし至りて無玷なる者よ、我を凡の侵害、蛇の多くの誘惑、永遠の火及び幽暗より脫れしめ給へ。
潔き者よ、我畏るべき審判に於て答ふべきことなきに因りて、彼の滅えざる火に定罪せられん。至淨なる女宰よ、急ぎて我爾の僕を救ひ給へ。
潔き童貞女よ、神は人類を神成せん爲に爾に依りて、言と思とに超えて人と爲り給へり。故に我等衆信者は同心に爾を讚揚す。
第四歌頌
イルモス 預言者言へり、主よ、我爾の風聲を聞きて懼れ、爾の作爲を悟りて、爾の力を讚榮せり。
恩者なる主よ、爾は義なる立法者にして、罪犯者と偕に算へられて、木に擧げられたり、衆を義と爲さん爲なり。
爾日なる者が十字架に擧げらるるを見て、天使の衆軍は驚き、幽暗の首領は勝たれたり。
致命者讚詞 屬神の諸恩賜の中より醫治の恩賜を汲みたる致命者は、神の恩寵を以て、衆の爲に靈を滅す慾を洗ふ。
致命者讚詞 受難者は怠惰の眠を去りて、神聖なる儆醒と信とを以て猛獸の奮迅を眠らせて、喜びて苦を受けたり。
生神女讚詞 童貞女は哭きて云へり、哀しい哉子よ、是れ何ぞ、如何にして我爾生命を賜ふ者が木に擧げられて、非義に殺さるるを見る。
又
イルモス 預言者アウワクムよ、爾は神゜にて言が人體を取るを預見して、傳へて呼べり、年の邇づく時爾は識られん、期の屆る時爾は顯れん、主よ、光榮は爾の力に歸す。
生神童貞女、無玷の幕なる者よ、諸罪に汚されし我を爾の洪恩の潔き灑にて淨め、我に援助の手を授けて、呼ばしめ給へ、潔き神の聘女よ、光榮は爾に歸す。
童貞女よ、爾は智慧に超えて爾の中に入りし神の爲に聖にせられし殿と顯れたり。彼に我が諸罪の汚を淨めんことを祈り給へ、我等が聖神の殿及び居處とならん爲なり。
生神女、獨慈憐の泉を生みし者よ、我を憐みて、我が靈の甚しき毁傷と心の迷惑とを解き、終の至らざる先に我に淚の流と感傷と諸罪の赦とを與へ給へ。
聖なる生神女、人人に似んと欲せし至聖なる主を身にて生みし者よ、我等を聖にし給へ。至淨なる者よ、爾の祈禱を以て我等衆を天の國に與る者と顯し給へ。
第五歌頌
イルモス 人を愛する主宰、ハリストス我が神よ、朝に爾が誡の定の事を考ふる我等を永遠の明なる光にて照し給へ。
萬衆の審判者、獨慈憐なる主ハリストス我が神よ、爾は身にて十字架に擧げられて、爾を識らざる諸民を爾を識る知識に召し給へり。
義なる主よ、爾不義なる審判に立ちしに、先に定罪せられしアダムは義とせられて呼ぶ、恒忍なる主よ、光榮は爾が十字架に釘せらるることに歸す。
致命者讚詞 致命者よ、爾等は神の植ゑ附けし樂園の如き者と顯れたり、爾等の尊き苦は、芳しき花の如く、衆信者の靈を薰らす。
致命者讚詞 美しき花及び繁き實の樹たる主の致命者、信の不死の果を盛に生じ、姦惡の根を絕しし者を我等歌頌せん。
生神女讚詞 凋まざる花を開きし尊き杖たる者は彼が木に擧げらるるを見て呼べり、主宰よ、我を子なき者と爲す勿れ。
又
イルモス 神の子よ、爾の平安を我等に與へ給へ、蓋我等は爾の外に他の神を識らず、爾の名を唱ふ、爾は生死者の神なればなり。
昔エデムの中に惡しき食は我を死者と爲せり。生命を生みし潔き者よ、其時木に緣りて死せし我を今生かして、感傷を與へ給へ。
純潔なる者よ、我を甚しき葘害より救ひ、諸慾の汚より起し、爾の不當なる僕を惡鬼に執らはれて害せらるることより脫れしめ給へ。
至潔至淨なる者よ、我が靈の眸子を照して、常に我に神聖なる光明と爾の光榮とを仰がしめ給へ、我が慈憐と永遠の光榮とを獲ん爲なり。
潔き童貞女母よ、我等爾を雲と、樂園と、光の門、筵と、羊の毛と、世界の甘味なる「マンナ」を内に籠むる壺として識る。
第六歌頌
イルモス 人を愛する主よ、爾は預言者を鯨より救へり。祈る、我をも罪惡の深處より引き上げ給へ。
一切の尊貴より最高きハリストスよ、爾は汚辱を忍びて、十字架に擧げられたり、人人を尊貴なる者と爲さん爲なり。
ハリストス、吾が至仁なる神よ、爾は葦にて擊たれて、我詭譎者の奴隷と爲りたる者の爲に釋かるることを記す。
致命者讚詞 聖なる者よ、爾等は苦の病にて病なき終に就きて、言ひ難き欣喜を獲たり。
致命者讚詞 睿智なる者よ、爾等はハリストスを愛する愛の爇炭に燃されたり、故に火に擲たれて焚かれざりき。
生神女讚詞 爾は產の前の如く、產の後にも純潔なる者として止まれり、木にて人を救ひし神を生みたればなり。
又
イルモス 我預言者イオナに效ひて籲ぶ、仁慈なる者よ、我が生命を淪滅より援けよ。世界の救主よ、我光榮は爾に歸すと籲ぶ者を救ひ給へ。
爾仁慈無玷の幕なる者に祈る、我多くの罪に汚されたる者を爾の轉達を以て凡の汚より滌ひ給へ。
潔き者よ、我度生の諸難の浪たつ海に荒らさるる者の爲に舵師と爲りて、永遠の港に導きて、我を救ひ給へ。
意念の騷擾、諸慾の攻擊、諸罪の深處は我が不當なる靈を溺らす。聖なる女宰よ、我を援け給へ。
成聖の幕たる神の聘女マリヤよ、逸樂に汚されたる吾が不當なる靈を聖にし給へ。
第七歌頌
イルモス 救世主よ、爐は露を注がれ、少者は樂しみて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
爾は十字架に釘せられて造物を震はせ、殺されて蛇を殺し給へり。ハリストス、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
恒忍なる主は膽を飮ませられて、我甘き食に緣りて樂園の糧を奪はれたる者の爲に救の甘味を流し給ふ。
致命者讚詞 致命者は鐵搭にて搔かれて、死に屬する者の麤笨を去りて、神より神聖なる華麗を受け給へり。
致命者讚詞 勇敢なる致命者は其苦を以てハリストスの至淨なる苦に傚ひて、敵より受くる傷を輙く忍び給へり。
生神女讚詞 無玷なる生神女は主の十字架に釘せらるるを見て云へり、吾が子よ、哀しい哉、信者の生命及び憑恃よ、如何ぞ死する。
又
イルモス 救世主よ、火は爐の中に在る爾の少者に觸れず、彼等を懼れしめざりき、其時三人口を一にして、歌頌祝讚して言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
至淨なる神の聘女よ、諸慾に汚されたる吾が靈を聖にし給へ。潔き者よ、我が智慧の囚を釋き、心の迷惑、惡鬼の侵害を速に除き給へ。
至りて無玷なる者よ、肉體の慾に殺されし我が智慧を生かして、我を神の悅ぶ所を行はん爲に堅め給へ、我が爾を讚美して、常に爾の慈憐を讚榮せん爲なり。
獨神を生みし童貞女母よ、我が肉體の慾を殺し、吾が靈の汚を速に洗ひ、我を詭譎なる惡鬼の苛虐より脫れしめて、救ひ給へ。
神聖なる諸德に妝はれたる潔き童貞女よ、爾は父と同無原なる言、實に其諸德を以て天を蔽へる者を生み給へり。彼に我等を宥めんことを常に祈り給へ。
第八歌頌
イルモス 爐の中に歌頌せし少者を救ひて、烈しき焰を露に變ぜしハリストス神を歌ひて、萬世に讚め揚げよ。
救世主よ、爾が十字架に釘せられし時、造物は震へり、日は光線を停め、磐は裂け、地獄は爾の權能に勝へずして、急ぎて其虜を還せり。
洪恩なる主よ、爾は遠ざけられし者の定罪の爲に定罪を受け、裸なるを覺えし者の爲に裸にして木に懸りたり。爾の權能と恒忍とは大なる哉。
致命者讚詞 無形の者の同住者たるハリストスの軍士は十字架を鎧の如く具足し、敵と戰ひて、美しき足にて之を蹈みたり。
致命者讚詞 勇敢なる者は鐵梏にて裁判所の中に立ち、百體寸斷せられて、迷謬の造築を毁ち、惡鬼の祭壇を壞れり。
生神女讚詞 天より高き者は惟一至上者が木に擧げられて、敵の驕傲を倒すを見て、高聲にて彼を歌頌せり。
又
イルモス 諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讚榮し、人人よ、崇めて萬世に讚め揚げよ。
至淨なる者よ、肉體なき者は神に適ふが如く爾より肉體を取り給ふ。我が肉體の慾を殺して、罪に殺されし吾が靈を生かさんことを彼に祈り給へ。
至淨なる者よ、爾は塵土のアダムの毁傷を醫す救世主及び神を生み給へり。甚しく病める吾が靈の創痍を醫さんことを彼に祈り給へ。
潔き者よ、惡の深處に臥す我を起して、今我と戰ふ敵に勝ち給へ。至淨なる者よ、不當なる逸樂にて殘はれたる我が靈を棄てずして、我を憐みて救ひ給へ。
至淨なる者よ、我等爾を、祝讚せられて神の恩寵を蒙れる生神女と識る者は、神に捧ぐる爾の眠らざる祈禱に因りて、諸の誘惑より救はる。
次ぎて生神女の歌、「我が靈は主を崇め」、及び躬拜。
第九歌頌
イルモス モイセイが見し焚かれぬ棘、イアコフが見し活ける梯、ハリストス我が神が過りし天の門たる潔き母よ、我等歌を以て爾を崇め讚む。
嗚呼如何ぞ不順の民は爾を十字架に付したる。獨恒忍なる主よ、爾が甘じて貧しくなりて、苦を受け給ひしは、陷りしアダムの子孫を悉く苦より救はん爲なり。
ハリストスよ、爾が身にて耻づべき十字架の釘殺を受けしは、無知なる慾に汚されて、古の華麗を失ひし人を尊き者と爲さん爲なり。光榮は智慧に超ゆる爾の慈憐に歸す。
致命者讚詞 入らざる日ハリストスよ、爾は夙に爾に奉事して苦の暗を過ぎたる者を、爾の指麾を以て爾の言ひ難き光榮と光照との光に導き給へり。求む、彼等の祈禱に由りて我等を照し給へ。
致命者讚詞 聖にせられし致命者の隊は無形の萬萬の敵に勝ち、聖なる萬萬の軍に合せられて、全能者の指麾を以て常に吾が靈の萬萬の苦を醫し給ふ。
生神女讚詞 童貞女よ、身にて爾より輝きし光の光照を以て我が智慧を輝かし、心を照して、罪の暗を逐ひ、我が煩悶の幽暗を盡く掃ひ給へ。
又
イルモス 光を放つ雲、萬有の主が雨の天より羊の毛に降るが如く降り、始なき者が身を取りて我等の爲に人と爲りし所以の者を、我等皆我が神の潔き母として崇め讚む。
潔き者よ、我罪に耽りて怠惰に生を送る者は公平なる審判に慄く。至淨なる神の聘女よ、爾の聖なる祈禱を以て我を其時に定罪せらるるなく護り給へ、我が常に爾を我の轉達者として讚美せん爲なり。
童貞女よ、我地上に多くの罪を行ひし者は審判及び爾の子の見ざる所なき目に慄く。故に爾に呼ぶ、至りて慈憐なる潔き女宰よ、我を助けて、其時の患難より脫れしめて、我を救ひ給へ。
生神女よ、審判の日は如何にか畏るべき、應答は如何にか難き、患難は如何にか苦しき、至淨なる女宰よ、其時孰か能く立たん。潔き者よ、我が多慾なる靈を憐みて、終の至らざる先に我に赦を與へ給へ。
父より輝ける神聖なる光を生みし淸淨無垢なる者よ、度生の誘惑に昧まされて、諸敵の哂と爲りし我が靈を宥めて、救を致す痛悔の光に與らしめ給へ。
次ぎて「常に福にして」、及び躬拜。小聯禱、光耀歌。次に常例の聖詠。
挿句に十字架の讚頌、第一調。
我等は爾身にて木の上に釘せられて、我等に生命を賜ひし者を、救世主及び主宰として絕えず歌ふ。
句 主よ夙に爾の憐を以て我等に飽かしめよ、然せば我等生涯歡び樂しまん。
爾我等を撲ちし日、我等が禍に遭ひし年に代へて、我等を樂しましめ給へ。願はくは爾の工作は爾の諸僕に著れ、爾の光榮は其諸子に著れん。
ハリストスよ、爾の十字架に因りて諸天使及び人人に一の牧群と爲り、天と地とは一の會に於て樂しみて呼ぶ、主よ、光榮は爾に歸す。
句 願はくは主、吾が神の惠は我等に在らん、願はくは我が手の工作を我等に助け給へ、我が手の工作を助け給へ。
致命者讚詞 人人皆來りて、歌頌と屬神の詩賦とを以てハリストスの受難者を尊まん。彼等は世界の燈、敎の傳道師、信者の爲に醫治を注ぐ所の常に流るる泉なり。ハリストス我が神よ、彼等の祈禱に由りて爾の世界に平安、我等の靈に大なる憐を與へ給へ。
光榮、今も、十字架生神女讚詞 牝羊たる純潔なる女宰は羔が美しき姿容なく、華榮なくして十字架に在るを覩て、哭きて云へり、哀しい哉、最甘き者よ、爾の華榮は何にか隱れたる、最愛すべき吾が子よ、華麗は何にか在る、爾の姿容の輝ける恩寵は何にか在る。
金曜日の聖体礼儀に
金曜日の眞福詞、第一調。
敵は食物を以てアダムを樂園より引き出し、ハリストスは十字架を以て盜賊を其中に入れ給へり、主よ、爾の國に來らん時、我を憶ひ給へと呼べばなり。
句 義の爲に窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
罪なきハリストスよ、爾は十字架に釘せられて、衆人の罪を取り、脅を刺されて、救の泉なる水と血とを流して、朽ちたる者を生かし給へり。
句 人我の爲に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事譌りて諸の惡しき言を言はん時は、爾等福なり。
洪恩なる主イイスス神よ、爾は木に釘せられて、アダムの苦しき意念を悉く去り、爾の尊き傷にて惡鬼の大數に傷つけ給へり。
句 喜び樂しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
致命者讚詞 甘じて身にて苦を受けし主の苦に效ひたる光榮なる致命者よ、爾等は常に屬神の力を以て醫し難き苦を醫し、人人より諸病を退け給ふ。
光榮 我等は同能同尊なる三者を讚榮し、無原なる神父と、子と、聖神、惟一にして三位なる神元を熱信に崇め讚む。
今も ハリストス神よ、身にて爾を生みし者は爾が十字架に釘せられしを見て、哭きて云へり、嗚呼吾が子よ、法に戾るエウレイの會は何をか爾に報いたる。
「スボタ」の奉神礼の規程
「主は神なり」を歌う時
「主は神なり」を歌ふ時の「スボタ」の晩課早課及び聖體禮儀の奉事の事。
金曜日には、晩課の常例の誦文の後に、「主よ、爾に籲ぶ」に月課經の聖人の讚頌六章を歌ふ。光榮、若し之あらば、聖人の自調。若しなくば、光榮、今も、本調の第一の生神女讚詞。挿句に八調經の本調の致命者讚詞三章。光榮、若し之あらば、聖人の。若しなくば、光榮、今も、生神女讚詞。次に「主宰よ、今爾の言に循ひて云云」、及び聖三祝文。「天に在す」の後に聖人の讚詞。光榮、今も、本調の生神女讚詞。聯禱及び發放詞。
知るべし。若し使徒の一、或は大聖人の一、或は讚詞のあらざる聖人に遇はずば、「主は神なり」を歌はずして、「アリルイヤ」を第二調に据りて歌ふ。早課に六聖詠の後に「主は神なり」を歌ふ、聖人の讚詞の調に据る、及び其讚詞二次。光榮、今も、第一の生神女讚詞、聖人の讚詞の調に据る。次に第十六「カフィズマ」、「主我が主に謂へり云云」を誦文す、常例の如し。誦文の後に聯禱。八調經の致命者の二坐誦讚詞、第一及び第二。光榮、今も、本調の第一の生神女讚詞。竝に誦讀。其後「ネポロチニ」「道に玷なくして云云」を歌ふ。此の時司祭爐儀を行ふ。「ネポロチニ」の後に致命者の二坐誦讚詞、第三及び第四、竝に死者讚詞。光榮、今も、生神女讚詞。又誦讀。及び第五十聖詠、「神よ、爾の大なる憐に因りて云云」。次に規程三篇を歌ふ、卽月課經の聖人の、「イルモス」と共に六章、「イルモス」二次、讚詞四章(蓋「スボタ」に於ては常に此の規程を先にす)、其後聖人の堂の四章、終に八調經の致命者の四章。蓋死者の規程は金曜日の晩堂課に歌ふ。規程には歌頌、「主に歌はん」を附唱す。第三歌頌の後に月課經の聖人の坐誦讚詞。光榮、今も、生神女讚詞。第六歌頌の後に、若し之あらば、聖人の小讚詞及び同讚詞。幷に祭日略解を讀む。第九歌頌の後に光耀歌、先に若し之あらば、聖人の。次に光榮、八調經の。今も、生神女讚詞。若しなくば、八調經の光耀歌、卽「神として死者と生者とを司り云云」。光榮、今も、「生神女よ、我等は爾を以て誇り云云」。「凡そ呼吸ある者」に八調經の讚頌を歌はずして挿句に之を歌ふ。若し「凡そ呼吸ある者」に聖人の讚頌なくば、其時誦す、「主我等の神よ、光榮は爾に歸す云云」。若し「凡そ呼吸ある者」に聖人の讚頌あらば、其時「主我等の神よ、光榮は爾に歸す云云」を誦せずして、讚頌の後直に誦す、「光榮は爾我等に光を顯しし主に歸す」。「至高には光榮神に歸し云云」。其後聯禱、「我等の朝の禱を增して主に獻らん云云」。次に挿句の讚頌を歌ふ、卽八調經の「凡そ呼吸ある者」の三の致命者讚詞、第一、第二、第三を常例の附唱と共に歌ふ、其一「主よ、夙に爾の憐を以て我等に饜かしめよ云云」、其二「願はくは主吾が神の惠は我等に在らん云云」。一を措く。第四の死者讚詞はダマスキンの作。光榮、若之あらば、聖人の自調。若しなくば、光榮、今も、其生神女讚詞。「スボタ」の挿句の讚頌は之を用ゐず、此れ唯大齋の下記の「スボタ」の早課に歌ふ、卽第二第三第四の「スボタ」に、或は「アリルイヤ」を歌ふに遇ふ時なり。其時挿句の讚頌を其死者の附唱と共に歌ふ。次に「至上者よ、主を讚榮し云云」、及び聖三祝文。「天に在す」の後に聖人の讚詞。光榮、今も、早課の生神女讚詞、聖人の讚詞の調に据る。聯禱、第一時課、發放詞、萬壽詞。之を終へて後前院に於て熱衷公禱を歌ふ、常例の如し。
聖體禮儀に眞福詞は八調經の六章。若し聖體禮儀に聖人の歌頌あらば、其時聖人の第三歌頌四章、及び八調經の本調の四章。聖入の後に諸讚詞を誦すること次の如し、ハリストス或は生神女の堂ならば、先に堂の讚詞。次に本日の讚詞、「使徒、致命者、及び預言者云云」。其後順序の聖人の讚詞、及び其小讚詞。若し讚詞及び小讚詞を有つ他の聖人あらば、之を誦せよ。若し「スボタ」に一の聖人にも讚詞或は小讚詞なくば、其時本日の讚詞の後に死者の爲の讚詞を誦す、「主よ、仁慈なるに因りて爾の諸僕の靈を記憶し云云」。若し聖人或いは聖女の堂ならば、「スボタ」に此の堂の讚詞を誦せず、蓋衆聖人は本日の讚詞の中に唱へられたり。光榮、小讚詞、「ハリストスよ。爾が諸僕の靈を諸聖人と偕に云云」。今も、「主よ、全世界は捧神なる致命者を云云」。
若し聖人或いは聖女の堂ならば、其時聖入の後に諸讚詞を誦すること次の如し、先に本日の、「使徒、致命者、及び預言者云云」、次に順序の聖人の讚詞及び小讚詞。若し之なくば、「主よ、仁慈なるに因りて爾の諸僕の靈を記憶し云云」。光榮、「ハリストスよ、爾の諸僕の靈を諸聖人と偕に云云」。今も、「主よ、全世界は捧神なる致命者を云云」。ハリストス或は生神女の堂ならば、祭前期及び祭後期の外、同じく終に堂の小讚詞にあらずして、此の本日の小讚詞、今も、「主よ、全世界云云」を誦す。蓋「スボタ」に於てはハリストス及び生神女の堂の小讚詞を用ゐず、唯若し大聖人に遇はば、其時、今も、生神女の堂の小讚詞。生神女の堂の小讚詞あらずば「ハリスティアニン等の辱を得ざる轉達云云」を誦す。提綱、使徒、アリルイヤ、福音經、及び領聖詞は先に聖人の、次に本日の、蓋使徒及び福音經は主の祭日の外、常に聖人のを先にす。「スボタ」に「主は神なり」の歌はるる時、常に斯の奉事を行ふ。若し「スボタ」に主宰の祭日に遇はば其時必祭日の全奉事を歌ふ。
「アリルイヤ」を歌う時
金曜日の晩課に第十八「カフィズマ」を誦文す。次に「主よ、爾に籲ぶ」に月課經の聖人の讚頌三章、八調經の致命者讚詞三、卽第二第三第四なり、第一を措く。光榮、今も、本調の主日の生神女讚詞。「穩なる光」。其後提綱。次に「主よ、我等を守り、罪なくして此の晩云云」。挿句に第一の致命者讚詞、及び死者讚詞二、ダマスクのイオアン師の作。光榮、今も、生神女讚詞。次に「主宰よ、今爾の言に循ひて云云」、及び聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞、第二調、「使徒、致命者及び預言者云云」。光榮、「主よ、仁慈なるに因りて爾の諸僕の靈を記憶し云云」。今も、生神女讚詞、「言い難き光の聖なる母よ云云」。聯禱及び發放詞。幷に常例の如く前院に出づ。
早課には、常例の始及び六聖詠の後に、「主は神なり」に代へて、第二調に据りて「アリルイヤ」を歌ふこと三次。次に第一句、「主よ、爾が選び近づけし者は福なり」。第二句、「彼等の記憶は世世に在らん」。第三句、「彼等の靈は福に居らん」。讚詞、第二調、「使徒、致命者、及び預言者云云」、二次。光榮、「主よ、仁慈なるに因りて爾の諸僕の靈を記憶し云云」。今も、生神女讚詞、「言い難き光の聖なる母よ云云」。次に第十六「カフィズマ」。常例の聯禱。其後八調經の致命者の三坐誦讚詞の中第二及び第三を誦す、第一を措く。次に句、「神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり」、幷に第四の致命者の坐誦讚詞を誦す。第一の生神女讚詞を措く。次に句、「主よ、爾が選び近づけし者は福なり」、幷に本調の死者の坐誦讚詞を誦す。光榮、今も、第二の生神女讚詞。幷に誦讀。其後直に「道に玷なくして云云」、附唱、「主よ、爾は崇め讚めらる云云」と共に第二調に据りて歌ふ。「カフィズマ」を二段に分つ。第一段の後には光榮、今も、を誦せずして、次の句を歌ふ、「若し爾の律法我の慰とならざりしならば云云」、三次。幷に司祭(輔祭あらば輔祭)寢りし者の爲に聯禱を誦す、「我等復又云云」。詠隊、主憐めよ、一次。又、「寢りし神の諸僕(某)の靈の安息の爲云云」。詠隊、主憐めよ、一次。「主神が彼等の靈を云云」。詠隊、主憐めよ、一次。「彼等に神の憐と天國と云云」。詠隊、主賜へよ。輔祭、主に禱らん。司祭、「諸の靈神゜と諸の肉體との神云云」。詠隊、主憐めよ、四十次。高聲、「蓋爾は、ハリストス我等の神よ云云」。詠隊、「アミン」。次に第二段を歌ふ、「我爾に屬す、我を救ひ給へ云云」。附唱、「救世主よ、我を救ひ給へ」。終は、「願はくは我が靈生きて爾を讚榮せん云云」、三次。次に「主よ、爾は崇め讚めらる云云」。竝に安息の爲の讚詞を歌ふ、「聖人の群は生命の泉と云云」、其他。畢りて後に司祭或は輔祭上に記しし安息の爲の聯禱を誦して、寢りし者を記憶す。詠隊、主憐めよ、四十次を歌ひて、司祭が祝文、「諸の靈神゜と諸の肉體との神云云」を誦し畢るに至る。高聲の後に坐誦讚詞、第五調、「我が救世主よ、爾の諸僕を義人等と偕に云云」。光榮、今も、生神女讚詞、「童貞女より世界に輝き云云」。幷に誦讀。第五十聖詠、「神よ、爾の大なる憐に因りて云云」。次に規程、先に月課經の、「イルモス」と共に六章、次に本堂の四章、及び八調經の第一の規程四章。第三歌頌の後に常例の聯禱。小讚詞及び坐誦讚詞は月課經の。幷に誦讀。第六歌頌の後に小讚詞、第八調、「ハリストスよ、爾の諸僕の靈を諸聖人と偕に云云」、及び同讚詞、幷に祭日略解。第九歌頌の後に八調經の光耀歌。「凡そ呼吸ある者」に致命者讚詞四章。光榮、死者讚詞。今も、生神女讚詞。挿句に死者の讚頌、フェオファン師の作。光榮、今も、生神女讚詞。次に「至上者よ、主を讚榮し云云」、及び聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞、第二調、「使徒、致命者、及び預言者云云」。光榮、「主よ、仁慈なるに因りて爾の諸僕の靈を記憶し云云」。今も、生神女讚詞、「言い難き光の聖なる母よ云云」。幷に聯禱。次に司祭、「永在の主ハリストス我等の神は云云」。詠隊、「神よ、我が今上皇帝云云」。第一時課、發放詞。時課には讚詞、「使徒、致命者、及び預言者云云」。光榮、「主よ、仁慈なるに因りて爾の諸僕の靈を記憶し云云」。今も、時課の生神女讚詞。「天に在す」の後に小讚詞、「ハリストスよ、爾が諸僕の靈を諸聖人と偕に云云」。幷に發放詞。
聖體禮儀に、眞福詞は八調經の六章。聖入の後に讚詞、「使徒、致命者、及び預言者云云」。幷に「主よ、仁慈なるに因りて爾の諸僕の靈を記憶し云云」。光榮、小讚詞、「ハリストスよ、爾が諸僕の靈を諸聖人と偕に云云」。今も、生神女讚詞、「生神女、聘女ならぬ聘女、信者の救よ云云」。提綱、第六調、「義人よ、主の爲に喜び樂しめ」。句、「不法を赦され、罪を蔽はれたる人は福なり」。安息の爲に提綱、「彼等の靈は福に居らん」。使徒は「スボタ」の順序の誦讀、又安息の爲の。「アリルイヤ」、第八調、「義人は呼ぶに云云」。句、「主よ、爾が選び近づけし者は福ひなり云云」。福音經は「スボタ」の順序の誦讀、又安息の爲の。領聖詞は「義人よ、主の爲に喜べ云云」、又、安息の爲の、「主よ、爾が選び近づけし者は福なり云云」。
死者祈祷礼儀
金曜日晩課の發放詞の後、司祭は祭袍を、輔祭は祭衣を衣、香爐及び乳香を執りて、前院に出づ、幇堂者燭臺を持して前行す、衆彼等に隨ふ。前院には擡上に糖飯の置けるあり、司祭、我等の神は祝讚せらる云云と誦して、糖飯の四周に爐儀を行ふ。誦經第九十聖詠至上者の覆の下に居る者は云云を誦す。(若し晩課或は早課の後にあらずして、他の時に行はば、始は常例の如し、卽聖三祝文、「天に在す」の後に司祭高聲、「蓋國及び權能」、次に主憐めよ、十二次、光榮、今も、來れ、我等の王神に叩拜せん、三次、後第九十聖詠。)畢りて後光榮、今も、「アリルイヤ」三次、幷に死者の聯禱。
我等安和にして主に禱らん。
詠隊 主憐めよ。
上より降る安和と我等が靈の救の爲に主に禱らん。
福たる記憶に於て移りし者の諸罪の赦の爲に主に禱らん。
常に記憶せらるる神の諸僕(某)の安息と、平穩と、福たる記憶の爲に主に禱らん。
彼等に凡そ自由と不自由との罪の赦さるるが爲に主に禱らん。
彼等が定罪せられずして光榮の主の畏るべき寶座の前に立つが爲に主に禱らん。
哭き哀しみてハリストスより慰藉を受くるを望む者の爲に主に禱らん。
彼等が凡の病と、悲と、歎息より釋かれて、神の顏の光の輝く處に入れらるるが爲に主に禱らん。
主我が神が彼等の靈を光る處、茂き草場、安息の處、衆義人の居る處に入るるが爲に主に禱らん。
彼等がアウラアムと、イサアクと、イアコフとの懷に算へ置かるるが爲に主に禱らん。
我等諸の憂愁と、忿怒と、危難とを免るるが爲に主に禱らん。
神よ、爾の恩寵を以て我等を佑け救ひ憐み護れよ。
彼等及び我等衆人の爲に神の憐と、天國と、諸罪の赦とを求めて、悉くの我等の生命を以てハリストス神に委託せん。
詠隊 主爾に。
司祭高聲 蓋爾は、ハリストス我等の神よ、寢りし爾の諸僕、常に記憶せらるる斯の聖堂の建立者、我等の諸父及び兄弟、此の處と諸方とに葬られたる正敎のハリスティアニン等の復活と、生命と、安息なり。我等光榮を爾と、爾の無原の父と、至聖至善にして生を施す爾の神゜とに獻ず、今も何時も世世に、「アミン」。
次ぎて「アリルイヤ」三次、第八調。句を誦すること次の如し。
第一句 主よ、爾が選び近づけし者は福なり。
第二句 彼等の記憶は世世に在らん。
第三句 彼等の靈は福に居らん。
次に讚詞、第八調。
惟一の造成主、深き智慧と仁慈とを以て萬事を治め、衆人に益ある事を賜ふ主よ、爾の諸僕の靈を安ぜしめ給へ、蓋彼等は爾造物主と造成主と我が神に恃賴を負はせたればなり。二次。
光榮、今も、生神女讚詞 生神女、聘女ならぬ聘女、信者の救よ、我等は爾を垣墻と港、及び爾が生みし神の前に嘉く納れらるる祈禱者として有つ。
其後第十七「カフィズマ」「道に玷なくして」、附唱、主よ、爾の諸僕の靈を憶ひ給へ、第二調に依りて歌ふ。左列詠隊第二句を歌ふ。斯く兩詠隊更相續ぎて以下の句を歌ふ。「カフィズマ」を二段に分つ、第一段の後には光榮、今もを誦せずして、直に次の句を誦す。
若し爾の律法我の慰とならざりしならば、我は我が禍の中に兦びしならん。我永く爾の命を忘れざらん、爾此を以て我を生かせばなり。三次。
次に司祭(輔祭あらば輔祭)先に寢りし者の爲に聯禱を誦す。
我等復又安和にして主に禱らん。
詠隊 主憐めよ。
又寢し神の諸僕(某)の靈の安息の爲、及び彼等に凡そ自由と不自由との罪の赦されんが爲に禱る。
詠隊 主憐めよ。
主神が彼等の靈を諸義人の安息する所に入れ給はんことを禱る。
詠隊 主憐めよ。
彼等に神の憐と天國と諸罪の赦とを賜はんことをハリストス我が死せざる王及び神に求む。
詠隊 主賜へよ。
輔祭 主に禱らん。
詠隊 主憐めよ。四十次。
司祭祝文を默誦す。
諸の靈神゜と諸の肉體との神、死を滅し、惡魔を虛しくし、爾の世界に生命を賜ひし主よ、爾親ら寢りし爾の諸僕(某)の靈を光る處、茂き草場、平安の處、病と悲と歎息との遠ざかりし處に安息せしめ、善にして人を愛する神なるに因りて、彼等が或は言、或は行、或は思にて犯しし悉くの罪を赦し給へ。蓋人一も生きて罪を行はざる者なし、唯爾は罪なし、爾の義は永遠の義、爾の言は眞實なり。
高聲、蓋爾は、ハリストス我等の神よ、寢りし爾の諸僕云云
兩詠隊第二段の諸句を更歌ふ、附唱、主よ、爾の諸僕の靈を安ぜしめ給へ。終りて後に句、願はくは我が靈生きて云云。終に至るまで歌ふこと三次。
次に安息の爲の諸讚詞、第五調に依りて歌ふ。
附唱 主よ、爾は崇め讚めらる、爾の誡を我に訓へ給へ。
聖人の群は生命の泉と天堂の門とを得たり、願はくは我も痛悔を以て道を得んことを。我は兦びし羊なり、救世主よ、我を呼び返して救ひ給へ。
主よ、爾は崇め讚めらる、爾の誡を我に訓へ給へ。
神の羔を傳へ、己も羔の如く屠られて、老いざる永久の生命に移りし聖なる致命者よ、我等に罪債の赦を賜はんことを切に祈り給へ。
主よ、爾は崇め讚めらる、爾の誡を我に訓へ給へ。
狹く苦しき路を過りて、生ける中十字架を衡の如く負ひ、信じて我に從ひし衆人よ、來りて、爾等の爲に備へたる褒賞と天の榮冠とを樂しめよ。
主よ、爾は崇め讚めらる、爾の誡を我に訓へ給へ。
我は罪惡の創を負へども、爾が言ひ難き光榮の像なり。主宰よ、爾の造りし者に憐を垂れ、爾の惠にて淨め、切に望める生國を我に與へて、我を復樂園に住む者と爲し給へ。
主よ、爾は崇め讚めらる、爾の誡を我に訓へ給へ。
昔我を無より造りて、爾が神たる像にて飾り、戒を犯すに因りて復我を我が出でし地に歸しし主よ、我を神の肖に適ふ位に升せ、古の華麗を以て我を改め給へ。
主よ、爾は崇め讚めらる、爾の誡を我に訓へ給へ。
神よ、爾の諸僕を安ぜしめて、聖人の群と義人が日の如く光れる樂園に入れ給へ。爾の眠りし諸僕を安ぜしめて、其悉くの過を思ふ勿れ。
光榮、聖三者讚詞 一の神性の三の光を敬み歌ひて呼ぶ、無原の父と、同無原の子と、聖神よ、爾は聖なり。我等信を以て爾に勤むる者を照して、永遠の火を免れしめ給へ。
今も、生神女讚詞 衆人の救の爲に身にて神を生みし潔き者よ、慶べ、人の族は爾に因りて救を得たり。潔くして讚美たる生神女よ、願はくは我等爾に因りて樂園を得んことを。
次ぎて「アリルイヤ」、三次。其後聯禱、司祭寢りし者を記憶す、上に「ネポロチニ」の中間に記ししが如し。若し「ネポロチニ」を歌はずば其時「アリルイヤ」の後に讚詞、「惟一の造成主」、及び其生神女讚詞を歌ひて、直に「主よ、爾は崇め讚めらる、」竝に讚詞、「聖人の群は」、其他。後に司祭寢りし者を記憶す、上に示ししが如し。
高聲の後に死者の坐誦讚詞、第五調。
我が救世主よ、爾の諸僕を義人等と偕に安ぜしめて、錄しし如く、之を爾の庭に居らしめ給へ。爾の仁慈なるに因りて、其自由と自由ならざる、其凡そ知ると知らざる罪を恕し給へ、爾は人を愛する主なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 童貞女より世界に輝き、彼を以て光の諸子を顯ししハリストス神よ、我等を憐み給へ。
次ぎて第五十聖詠、「神よ、爾の大なる憐に因りて」。
其後八調經の中にある本調の死者の規程、四句を立つ。第三歌頌の後に「イルモス」及び聯禱、司祭は寢りし者を記憶す、上に「ネポロチニ」の中間に記ししが如し。高聲、「蓋爾は、ハリストス我等の神よ」。
次ぎて坐誦讚詞、第六調。
誠に物皆虛し、生命は影なり、夢なり、凡そ地に生れし者は徒に忙し、聖書に云ひしが如く、我等全地を獲るも遂に墓に入らん、彼處には諸王と貧しき者と共に在り。故にハリストス神よ、世を逝りし爾の諸僕を安ぜしめ給へ、爾は人を愛する主なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 至聖なる生神女よ、我が生ける中我を棄つる勿れ、我を人の轉達に委ぬる勿れ、親ら我を護りて救ひ給へ。
第六歌頌の後に「イルモス」及び聯禱、司祭寢りし者を記憶す、前に示ししが如し。高聲、「蓋爾は、ハリストス我等の神よ」。
次ぎて小讚詞、第八調。
ハリストスよ、爾が諸僕の靈を諸聖人と偕に、疾も悲も歎もなくして、終なき生命のある處に安ぜしめ給へ。
同讚詞 人を造りし主よ、爾は獨死せざる者なり、我等地の者は、土より造られて、復土に逝かん、爾我を造りし主の命じて我に言ひしが如し、爾土にして土に歸らんと。我等人人皆彼處に往き、墓の上に哭きて歌ひて云はん、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」。
第九歌頌の後に司祭誦す、生神女及び光の母を歌を以て讚め揚げん。詠隊、主よ、諸神゜と義人等の靈とは爾を崇め讚めん。竝に第九歌頌の「イルモス」を歌ふ。次に聖三祝文、「天に在す」の後に下の讚詞を歌ふ、第四調。
人を愛する救世主よ、死せし義人等の靈と偕に爾の諸僕の靈を安ぜしめて、彼等を爾に在る福樂の生命に護り給へ。
讚詞、同調。
主よ、爾の諸聖人の安息する處に爾の諸僕の靈を安ぜしめ給へ、爾獨人を愛する主なればなり。
光榮 爾は地獄に降りて繫がれし者の鎖を釋きたる神なり、親ら爾の諸僕の靈をも安ぜしめ給へ。
今も、生神女讚詞 獨潔く玷なき童貞女、種なくして神を生みし者よ、彼等の靈の救はれんことを祈り給へ。
次に司祭(輔祭あらば輔祭)聯禱を誦す。
神よ、爾神よ、爾の大なる憐に因りて我等を憐めよ、爾に禱る、聆き納れて憐めよ。
詠隊 主憐めよ。三次。
又寢りし神の諸僕(某)の靈の安息の爲、及び彼等に凡そ自由と不自由との罪の赦されんが爲に禱る。
詠隊 主憐めよ。三次。
主神が彼等の靈を諸義人の安息する處に入れ給はんことを禱る。
詠隊 主憐めよ。三次。
彼等に神の憐と天國と諸罪の赦とを賜はんことをハリストス我が死せざる王及び神に求む。
詠隊 主賜へよ。
輔祭 主に禱らん。
司祭祝文、「諸の靈神゜と諸の肉體との神」。斯の中に古世より死せし吾が諸父兄弟、此處と諸方とに葬られたる正敎のハリスティアニン等を記憶す。高聲、「蓋爾は、ハリストス我等の神よ」。
次ぎて司祭或は輔祭誦す、睿智。詠隊、「ヘルワィムより尊く」。司祭、ハリストス、神我等の恃よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。詠隊、光榮、今も、主憐めよ。三次。福を降せ。
司祭發放詞を誦す、
死より復活せしハリストス我等の眞の神は、其至淨なる母、光榮にして讚美たる聖使徒、克肖捧神なる吾が諸神父、及び諸聖人の祈禱に因りて、我等に別れし其諸僕の靈を諸義人の住所に入れ、アウラアムの懷に安ぜしめ、諸義人の列に加へ、及び我等を憐み給はん、善にして人を愛する主なればなり。
發放詞の後に輔祭高聲にして誦す。
主よ、寢りし爾の諸僕(某)に其福たる寢に永遠の安息を與へて、彼等に永遠の記憶を爲し給へ。
詠隊歌ふ、永遠の記憶。三次。
輔祭のなき處には詠隊歌ふ、寢りし神の諸僕(某)に永遠の記憶。
斯の祈禱禮儀は每金曜日に行ふべし、其時寢りし我が諸父兄弟の記憶の爲に糖飯を備ふ。
多燭詞ある聖人に遇う時
「スボタ」に多燭詞ある聖人に遇ふ時の奉事の事
金曜日の晩課に、第一「カフィズマ」「惡人の謀に行かず云云」の第一倡和詞を歌ふ。「主よ、爾に籲ぶ」に聖人の讚頌六章。光榮、聖人の自調。今も、本調の第一の生神女讚詞。
若し徹夜禱ある大聖人にして聖務長が徹夜禱を行はんと欲せば、次の如し。
小晩課に聖人の讚頌四章を歌ふ。光榮、聖人の自調。今も、常例の生神女讚詞、聖人の調に据る。挿句に聖人の讚頌。光榮、若し之あらば、聖人の。若しなくば、光榮、今も、生神女讚詞。聖三祝文の後に聖人の讚詞。光榮、今も、生神女讚詞、本調に据る。小聯禱、主日の晩課に指定せしが如し、幷に發放詞。
大晩課には、「惡人の謀に行かず」の後に「主よ、爾に籲ぶ」に聖人の讚頌八章。光榮、聖人の。今も、本調の第一の生神女讚詞。若し祭前期或は祭後期ならば、「主よ、爾に籲ぶ」に祭日の讚頌三、及び聖人の五。光榮、聖人の。今も、本調の生神女讚詞。聖入。本日の提綱。聖人の喩言三篇。熱衷公禱に本堂の、及び聖人の讚頌。光榮、聖人の。今も、生神女讚詞、聖人或は祭日の調に据る。挿句には聖人の讚頌。光榮、聖人の。今も、生神女讚詞、聖人或は祭日の調に据る。餅の祝福の時に聖人の讚詞、二次、及び「生神童貞女よ、慶べよ云云」、一次。「願はくは主の名は崇め讚められて云云」を歌ふこと三次。第三十三聖詠、「我何の時にも主を讚め揚げん云云」、終は「唯主を尋ぬる者は何の幸福にも缺くるなし」。聖人の傳を讀む。
早課には、「主は神なり」に聖人の讚詞、二次。光榮、今も、本調の第一の生神女讚詞。若し祭前期或は祭後期ならば、祭日の讚詞、二次。光榮、聖人の。今も、祭日の。次に第十六「カフィズマ」。聯禱。聖人の坐誦讚詞、二次。光榮、今も、生神女讚詞。幷に誦讀。其後第十七「カフィズマ」、「道に玷なくして云云」。之を誦する時、司祭爐儀を行はずして、多燭詞の時に行ふ。次に聖人の坐誦讚詞、二次。光榮、今も、生神女讚詞。幷に誦讀。其後聖人の多燭詞、及び坐誦讚詞、二次。光榮、今も、生神女讚詞。幷に誦讀。品第詞、第四調の第一倡和詞。聖人の提綱。「凡そ呼吸ある者」。福音經。第五十聖詠。畢りて後聖人の讚頌。次に「神よ、爾の民を救ひ云云」。司祭高聲、「爾が獨生子の仁慈と慈憐云云」。詠隊、「アミン」。其後生神女の規程、「イルモス」と共に六章を歌ふ、「イルモス」二次、讚詞四章。若しハリストス或は生神女の堂、又若し祭前期或は祭後期ならば、同じく規程「イルモス」と共に六章を歌ひ、幷に聖人の八章を歌ふ。共頌は規定の如し。第三歌頌の後に祭前期或は祭日の小讚詞。次に聖人の坐誦讚詞、二次。光榮、今も、其生神女讚詞、或は祭日の。第六歌頌の後に聖人の小讚詞及び同讚詞。次に祭日略解を讀む。第九歌頌の後に聖人の光耀歌、二次。光榮、今も、其生神女讚詞、或は祭日の。「凡そ呼吸ある者」に聖人の讚頌四章。若し祭後期ならば、「凡そ呼吸ある者」に六章、卽當日の挿句の祭日の三、及び聖人の三なり。光榮、聖人の自調。今も、生神女讚詞、聖人の、或は祭日の調に据る。大詠頌。次に聖人の讚詞。光榮、今も、本調の主日の生神女讚詞、或は祭日の。聯禱、發放詞、及び第一時課。第一時課に聖人の讚詞。若し祭前期或は祭後期ならば祭日の讚詞。光榮、聖人の。今も、時課の生神女讚詞。「天に在す」の後に聖人の小讚詞。若し祭前期或は祭後期ならば、祭日の小讚詞を更誦す。最後の發放詞。
聖體禮儀には、眞福詞は聖人の、第三及び第六歌頌。若し祭後期ならば、祭日の順序の歌頌、及び聖人の第六歌頌。聖入の後にハリストスの、或は生神女の堂の讚詞、次に本日の聖人の。光榮、其小讚詞。今も、生神女の堂の。生神女の堂のあらざる所には、今も、「ハリスティアニン等の辱を得ざる轉達云云」。祭前期或は祭後期ならば、今も、祭前期の、或は祭日の小讚詞。若し主の祭の祭前期或は祭後期にして、堂がハリストスのならば、其時堂の讚詞及び小讚詞を誦せずして、祭前期或は祭後期の讚詞及び小讚詞を誦す。生神女の堂のは主の祭の祭前期或は祭後期に誦せず。聖人の提綱、使徒、アリルイヤ、福音經、及び領聖詞は徹夜禱の聖人の。若し多燭詞あらば、本日のをも加ふ。
金曜日(続き)
金曜日の晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に聖致命者と成聖者と克肖者との讚頌、第一調。
句 主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん、然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん爲なり。
致命者の凱旋は大なる哉、彼等は勇ましく苦を受けて、己の血の流にて惡鬼の大數を溺らし、諸の汚はしき祭を止め、偶像の迷を破れり。今は我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給ふ。
句 我主を望み、我が靈主を望み、我彼の言を恃む。
聖にせられし諸牧師は睿智なる言と敎とを以て、衆人に惟一の神性の中に三位を讚榮して、敬みて位を混淆するなく分離するなからんことを敎へたり。今は我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを祈り給ふ。
句 我が靈主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
克肖者の會は肉體の慾を眠らせ、希望を制し、天使と均しき度生を顯せり。故に今天の居處に樂しみて、我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給ふ。
又、致命者の讚頌、同調。
句 願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其悉くの不法より贖はん。
主よ、衆聖人及び生神女の祈禱に因りて、爾の平安を我等に與へ、我等を憐み給へ、爾獨洪恩の主なればなり。
句 萬民よ、主を讚め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讚めよ。
聖なる者よ、裁判に於ける爾等の承認は惡魔の力を辱め、人人を迷より解きたり。故に爾等は首の斬らるる時呼べり、人を愛する主よ、願はくは我が靈の祭は爾の前に嘉く納れられんことを、我等爾を愛して、暫時の生命を顧みざればなり。
句 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の眞實は永く存す。
嗚呼聖なる者よ、爾等の貿易は善なる哉、蓋血を與へて、天の者を嗣ぎ、暫時苦しみて、永遠に歡ぶ。實に爾等の貿易は善なり、朽壞の者を棄てて、不朽の者を受けたればなり。今諸天使と偕に祝ひて、絕えず一體の聖三者を歌ふ。
光榮、今も、生神女讚詞 人より生れて主宰を生みし全世界の光榮と天の門なる童貞女マリヤ、諸天使の歌、諸信者の飾なる者を讚め歌ふべし。彼は天と均しく、神の宮と均しき者として顯れたり、彼は仇の隔を破りて和睦を締び、國を開けり。我等は彼を信の固と爲し、彼より生れし主を扞ぎ衞る者と爲す。勇めよ、神の民よ、勇めよ、主は敵に勝たん、全能者なればなり。
次ぎて「穩なる光」。
挿句に致命者讚詞、第一調。
至りて讚美たる致命者よ、地は爾等を隱さず、天は爾等を受けたり、樂園の門は爾等の爲に啓かれ、爾等は其内に入りて、生命の樹を以て慰む。我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給へ。
死者の讚頌
孰の生命の喜か哀を閒へざらん、孰の榮か變なく地に住まらん、皆影よりも儚く、皆夢よりも虛し、瞬く間に死は皆之を奪ふ。ハリストスよ、爾が顏の光と爾が美麗の樂との處に選びし者を安んぜしめ給へ、爾は人を愛する主なればなり。
死者の讚頌
獨不死なる者よ、人人の中に一も罪なき者なし。唯爾は罪なし、故に洪恩なる神として、爾の諸僕を天使の品位と共に光の中に入れ給へ。爾の慈憐に由りて不法を顧みずして、彼等に赦を與へ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 神の聘女よ、諸預言者が傳へし爾の產の大事は實に智慧に超えて神妙なり。讚美たる者よ、爾の受孕と產とは皆至榮にして曉り難く、言ひ難し、神は仁慈なるに因りて、此を以て世界を救ひ給へり。
次ぎて「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞、及び發放詞。
金曜日の晩堂課
至聖なる生神女の規程、第一調。
第一歌頌
イルモス 我等皆凱歌を以て、高き手にて神妙なる奇蹟を行ひて、イズライリを救ひし神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
至淨なる生神女よ、爾を呼ぶ者の爲に爾は救の港及び庇蔭なり。故に我も靈を全くして熱切に爾に呼ぶ、女宰よ、我を救ひ給へ。
至淨なるマリヤ、造成主の母よ、慈憐寬容なる者として、諸慾諸罪に朽ちたる我が卑微なる靈を醫し給へ。
光榮 聘女ならぬ聘女・女宰よ、常に爾の庇蔭に趨り附く者の爲に絕えず我が造成主及び神に祈りて、我に憐を垂れ給はんことを求め給へ。
今も 王の活ける宮及び火の狀の寶座よ、聖なる致命者及び使徒と偕に、我等を諸難より救はんことを常にハリストスに祈り給へ。
第三歌頌
イルモス 工師が棄てたる石は屋隅の首石と爲れり。此の石の上にハリストスは異邦より贖ひし敎會を堅め給へり。
女宰よ、諸罪の暗は我が心を圍む、我敢て目を擧げて天を視るを得ず。故に呼ぶ、ハリストスの戒を以て我が靈の智慧と心とを照し給へ。
我爾の神聖なる像を仰ぎて、原像なる爾主宰の至淨なる母を尊み、之に接吻し、之に伏拜して、爾及び爾の子を讚榮す。
光榮 童貞女よ、我が肉體の不當なる望を制し、諸慾の焰を滅し給へ。詭譎なる蛇は此等に由りて諸罪の緻密なる網を編みて、我を執へて滅さんと欲す。
今も 生神女よ、言は爾に藉りてアダムを衣て、全き人性を有ちて出でたり。彼に祈りて、我等を諸慾諸難及び永遠の火より救はんことを求め給へ。
第四歌頌
イルモス 預言者アウワクムよ、爾は神゜にて言が人體を取るを預見して、傳へて呼べり、年の邇づく時爾は識られん、期の屆る時爾は現れん、主よ、光榮は爾の力に歸す。
萬有の造成主及び贖罪主を生みし童貞女よ、爾は言ひ難き能力と勝たれぬ堅固とを有ちて、信を以て爾に就く者を救ひ給ふ。故に我爾に呼ぶ、世界の女宰よ、我を援け給へ。
女宰よ、我と戰ふ無形なる屬神の敵、常に我が不當なる心を攻むる者を仆して、神聖なる穩靜と平安とを與へ給へ、我が喜びて爾を歌頌せん爲なり。
光榮 憑恃なき者の憑恃、貧しき者の扶助、泣く者の慰藉、罪を犯す者の潔淨、迷ふ者の嚮導、病む者の醫師、陷る者の提起なる生神女よ。我等を救ひ給へ。
今も 讚美たる潔き童貞女マリヤ、獨衆人を詛より釋きし者よ、爾の腹より出でし主に使徒、致命者、預言者と偕に祈りて、爾を歌ふ者の靈を救はんことを求め給へ。
第五歌頌
イルモス 神の子よ、爾の平安を我等に與へ給へ、蓋我等は爾の外に他の神を識らず、爾の名を唱ふ、爾は生死者の神なればなり。
女宰よ、我を患難と憂愁と、肉體の諸慾との深處より救ひて、我が靈を神聖なる平穩に護り給へ。
至りて無玷なる者よ、爾は我が生涯に於て我が爲に熱心にして堅固なる守護なり。故に爾に祈る、我が死後にも爾の豐なる慈憐を我に垂れ給へ。
光榮 萬有の造成主及び贖罪主を生みし者よ、吾が心を焦がして不當なる行に引く肉體の諸慾より我を脫れしめ給へ。
今も 屬神なる成聖の處と顯れし女宰童貞女よ、我全人を聖にして、睿智なる聖使徒と偕に我を救はんことを祈り給へ。
第六歌頌
イルモス 我預言者イオナに效ひて籲ぶ、仁慈なる者よ、我が生命を淪滅より援けよ。世界の救主よ、我光榮は爾に歸すと籲ぶ者を救ひ給へ。
童貞女母よ、爾は我が生ける時に我を護りて、諸難より救ひ給ふ。爾我が地を去る時にも爾の慈憐を以て我を永遠の生命に移し給へ。
慈憐なる童貞女よ、爾は壞られぬ墻なり、爾は確なる庇蔭なり、爾は爾の僕の堅固なる轉達者なり。故に我常に爾を籲ぶ。
光榮 神の前に祈禱の勇敢を獲たる慈憐なる生神女よ、我熱心に爾の庇蔭に趨り附きて、萬有の神の母よ、我を憐み給へと、呼ぶ者を棄つる勿れ。
今も ハリストスよ、我を退くる勿れ、救世主よ、我を諱む勿れ。身にて爾を生みし童貞女は爾の使徒と預言者及び受難者と偕に我が爲に爾に祈る。
次ぎて主憐めよ、三次、光榮、今も、
坐誦讚詞、第一調。
至淨なる童貞女よ、諸預言者は爾を永在なる神の光の雲と、約匱と、燈臺と、壺と、截られざる山として預言せり。蓋末の時に於て爾よりハリストス我が神は、父の嘉せし如く、種なくして出で給へり。
第七歌頌
イルモス 救世主よ、火は爐の中に在る爾の少者に觸れず、彼等を懼れしめざりき、其時三人口を一にして、歌頌祝讚して言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
至淨なる女宰よ、我諸罪と肉體の逸樂とに耽りて、淪滅の深處に墜さるる者を、急ぎて爾の慈憐を以て救ひ給へ。
衆信者の避所と有能の庇蔭と拯救なる生神女よ、我を造成主に導く者と爲りて、爾の慈憐を以て我に諸罪の赦を與へ給へ。
光榮 潔き者よ、爾は歡喜なるハリストスを生みて、詛を滅せり。至りて無玷なる者よ、爾の力を以て、罪に由りて我に及びたる詛をも釋きて、我に歡喜を與へ給へ。
今も 至聖至潔なる者よ、我等爾の諸僕は晝も夜も常に傷める意念を以て爾に祈る、爾の祈禱に由りて我等に諸罪の赦を與へ給へ。
第八歌頌
イルモス 諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讚榮し、人人よ、崇めて萬世に讚め揚げよ。
聖なる童貞女、世界の扶助者よ、起ちて急ぎ、故なく我等を擾し、我等を侵す諸敵と戰ひて、爾の力を顯し給へ。
慈憐なる童貞女よ、爾は神聖なる爾の產にて世界を死及び朽壞より救ひ給へり。今も爾の祈禱に因りて、我等爾を讚美する者を諸慾より逃して、救ひ給へ。
光榮 童貞女よ、爾の能力は大にして言ひ難し、神聖なる洪恩と慈憐とは大にして盡し難し。故に我等實に爾を籲ぶ者を救ひ給へ。
今も 童貞女よ、爾は活ける葡萄樹として、我等の爲に熟したる房、赦免の酒を流して、罪の醉を醒ます者を生み給へり。
第九歌頌
イルモス 光を放つ雲、萬有の主が雨の天より羊の毛に降るが如く降り、始なき者が身を取りて我等の爲に人と爲りし所以の者を、我等皆我が神の潔き母として崇め讚む。
女宰よ、我生命の海に肉體の逸樂に甚しく荒らさるる者は爾に俯伏して呼ぶ、爾に趨り附く我を憐み、救の手を我に授けて、淪滅の深處より脫れしめ給へ。
童貞女よ、我爾の前に我が罪を承け認め、爾の顏の前に我が耻を顯して、靈より呼ぶ、至淨なる者よ、我を憐みて宥め給へ、我神と共に爾に堅き憑恃を負はせたればなり。
光榮 我爾種なく造成主及び主宰を生みし者に靈より呼びて、熱心に祈る、至聖至仁なる生神女よ、我を多くの罪の朽壞より救ひて、滅えざる火を免れしめ給へ。
今も 過られぬ戸、樂園の門、救はるる者の途、救贖の嚮導たる潔き者よ、致命者と預言者、義者と克肖者、及び神聖なる使徒と偕に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
次ぎて「常に福にして」、及び其他常例の如し、幷に發放詞。
土曜日(スボタ)
「スボタ」の早課
第一の誦文の後に致命者の坐誦讚詞、第一調。
主よ、光榮なる受難者は爾より苦の報賞たる尊き榮冠にて飾られたり、蓋創痍を忍ぶを以て不法の者に勝ち、神聖なる能力を以て天より勝利を獲たり。
救世主よ、彼等の祈禱に因りて、我等をも見えざる敵より脫れしめて、我等を救ひ給へ。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
聖なる者よ、爾等は善き軍士として、同心に信じて、苛虐者の威嚇を畏れざりき。尊き十字架を任ひ、熱心を抱きてハリストスに來り、馳すべき程を盡して、天より勝利を獲たり。光榮は爾等を堅めし者に歸す、光榮は爾等に榮冠を冠らせし者に歸す、光榮は爾等を以て衆に醫治を施す者に歸す。
句 彼等の靈は福に居らん。
救世主よ、爾に移りし者を明き處に、義人の會に安ぜしめ給へ、彼等爾に憑恃を負はせたればなり。人を愛する主よ、我等が記憶を行ふ諸父諸子の爲に禱を納れて、彼等を義と爲し給へ、爾は慈憐深き主なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 童貞女よ、ガウリイルが爾に慶べよと告げし時、其聲に從ひて萬有の主宰は爾聖なる約㙺に身を取り給へり、義なるダワィドの言ひしが如し。爾の造成主を姙みて、爾は天より廣き者と現れたり。光榮は爾に入りし者に歸し、光榮は爾より出でし者に歸し、光榮は爾の產にて我等を釋き給ひし者に歸す。
第二の誦文の後に坐誦讚詞、第一調。
人を愛する主よ、祈る聖なる者が爾の爲に受けし創痍に由りて、我等の悉くの毁傷と痛苦とを醫し給へ。
句 義人には憂多し、然れども主は之を悉く免れしめん。
我等皆愛を抱き、信を以てハリストスの致命者に來りて、彼等に祈らん。蓋彼等は我が救の爲に求む、彼等は恩寵の醫治を流す、彼等は惡鬼の隊を退く、敎の守護者なればなり。
句 主よ、爾が選び近づけし者は福なり。
ハリストスよ、爾は死の權を空しくして、地上の者に不朽を流し給へり、爾を信ずる者は死せずして、常に爾に依りて生く。故に主よ、爾の諸僕の靈を安ぜしめて、之を爾の聖者と共に入れ、生神女の祈禱に因りて、之に赦免と復活とを與へ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 獨人類の堅固にして熱心なる轉達者たる生神童貞女よ、預言者と致命者、成聖者と修齋者、及び克肖者と偕に、爾が性に超えて生みし神言に衆人を救はんことを息めずして祈り給へ。
聖致命者、成聖者、克肖者、及び死者の規程、其冠詞は、神を愛せし者に神聖なる歌を捧ぐ。イオシフ師の作。第一調。
第一歌頌
イルモス 火柱と雲柱とを以てイズライリを導きし者は、神として海を分ち、ファラオンの兵車を淵にて覆へり。我等凱歌を謳はん、彼獨光榮を顯したればなり。
致命者の
神聖なる受難者は敬虔の盾に蔽はれて、戰に進み、敵の悉くの力を滅して、彼等を堅めしハリストスに凱歌を謳へり。
成聖者の
神聖なる牧師は機密の草場に神の群を牧して、聖なる言の杖を以て狼を逐ひ、欣びて大なる牧師の在す天の牢に入り給へり。
克肖者の
修齋と困難とを以て、神の指麾に依りて、肉體の慾を殺しし克肖者よ、爾等は死して後に生く。我等の爲に死者たりしハリストスに我等を宥めんことを常に祈り給へ。
光榮 爾は死者と爲りて、死者に爾の神聖なる復活と不死の生命とを賜へり。信を以て朽壞の度生より移りし者を爾の國に與る者と爲し給へ、爾は獨仁慈にして、慈憐深き主なればなり。
生神女讚詞 ハリストスの愛に傷つけられし致命者と、神より榮冠を受けし女等と、衆克肖者とは、爾至潔にして女の中に純美なる者を忠信に至尊なる女王として喜びて尊む。
又死者の規程、月課經の規程なき時に序を逐ひて之を歌ふ、或は死者の祈禱に糖飯を供する時に之を歌ふ。其冠詞は、信を以て寢りし者の爲に第一の歌を捧ぐ。
第一歌頌
イルモス 死せざる主よ、勝を獲る爾の右の手は、神に適ふが如く、能力にて光榮を顯せり、其全能なるに因りて、敵を滅し、イズライリ人の爲に新なる深水の路を開きたればなり。
附唱 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
不死の主よ、爾は己の死を以て死の門と柱とを破れり。主宰よ、爾の受難者の祈禱に因りて、寢りし者の爲に智慧に超ゆる不死の門を啓き給へ。
附唱 主よ、寢りし爾の諸僕の靈を安ぜしめ給へ。
我等に神聖なる生命を得しめん爲に、爾は死に降り、其牢獄を破りて、我等を彼處より引き出せり。生命を賜ふ主よ、今移されし者を安ぜしめ給へ。
光榮 爾は我の朽壞及び死に屬する者を取り、之に不朽を衣せて、終なき福たる生命に升せ給へり、其中に爾の受けし者を安ぜしめ給へ、爾は洪恩の主なればなり。
生神女讚詞 信者よ、神よりする神の言を生みし者を歌頌せん、蓋彼純潔なる者は死者の爲に生命の途と爲れり。我等彼を神を受けし者及び生神女として讚榮せん。
第三歌頌
イルモス 第二の天を水の上に固め、地を水に基づけし全能のハリストス神よ、願はくは我が心は爾の旨に固められん。
聖にせられし大數の致命者よ、爾等は多くの苦を受けて、多くの福を獲たり。故に爾等の祈禱を以て我が無數の惡を淨め給へ。
成聖者は義なる恩寵を衣、美しき樂なる克肖者の會を集めて、無形の役者に似たる者と爲れり。
ハリストスの預言者、神聖なる致命者、聖にせられし女等の會は勇ましく困難を忍びて、修齋を以て光榮を獲たり。救世主よ、彼等の祈禱に因りて衆に爾の慈憐を垂れ給へ。
光榮 爾の手を以て己の旨に循ひて人を土より造りしハリストスよ、信に在りて我等より移りし爾の諸僕に天の福樂を獲しめ給へ。
生神女讚詞 婚姻に與らざる神の母よ、衆人の祈願を我が造成主神、爾の胎より生れし者に攜へて、我等に諸難より全く救はるるを得しめ給へ。
又
イルモス 獨人の性の弱きを知りて、憐を以て之を衣たる者よ、我に上よりの力を帶びて、爾に呼ばしめ給へ、人を慈む主よ、爾の言ひ難き光榮の生ける宮は聖なり。
獨仁慈なる主、獨慈憐深き主として、敬虔を抱きて爾に逝きし者を天の居處に、言ひ難き歡喜と慰藉とのある處に、致命者の會の樂しむ處に安ぜしめ給へ。
我が救世主よ、爾は獨地に在りて罪なき者と現れ、爾は慈憐の主として世界の罪を任ひ給へり。人を愛する主よ、信を抱きて此の世より移りし者の靈を爾の諸聖人の第宅に、天堂の福樂に安ぜしめ給へ。
光榮 爾は死の權を滅して、衆信者の爲に終なき生命を流し給へり。人を愛する主よ、敬虔を抱きて逝りし者に之を獲しめ、彼等の無數の愆尤を顧みずして、其諸罪を赦し給へ。
生神女讚詞 潔き者よ、爾は種なく孕みて永在の言を生み給へり。彼は肉體を以て我等に來りて、死の力を滅し、其慈憐に因りて死せし者に復活と永遠の生命とを賜ふ。
第四歌頌
イルモス 預言者言へり、主よ、我爾の風聲を聞きて懼れ、爾の作爲を悟りて、爾の力を讚榮せり。
致命者は勇敢の心を以て種種の苦を忍びて、無玷なる羊の子の如く、衆人の爲に屠られし生命たるハリストスに薦められたり。
神の言に敎へらるる成聖者は神聖なる口と爲りて、人人の靈を凶惡者の口より逃し給へり。我等敬虔にして彼等を尊む。
克肖なる聖神父等は神聖なる神゜に依りて力を獲て、恩寵を以て大に詭譎なる諸神゜に勝てり。
光榮 甘じて木の上に殺されし我等の生命たる仁愛なる主よ、信を抱きて移りし者に永遠の生命を獲しめ給へ。
生神女讚詞 至淨なる者よ、女の會は爾を扶助者と有ちて、勇ましく苦難を忍びて、主を棄てざりき、聖なる者は肉體の逸樂に勝たれざりき。
又
イルモス アウワクムは先知の目にて爾、神の恩寵に覆はるる山を見て、イズライリの聖なる者が我等を救ひ改めん爲に、爾より出づるを預言せり。
ハリストスよ、爾は死者の中に入りて、爾の勝たれぬ力を以て地獄を殺せり。獨自由の主として、聖なる致命者の祈禱に由りて、敬信の人の靈を地獄の定罪より釋き給へ。
爾は萬有の主宰として、己の屠らるるを以てアダムの子孫の諸罪に適ふ贖を爲し給へり。故に我等爾の洪恩に祈る、移されし者に諸罪の赦を與へて、彼等を安ぜしめ給へ。
光榮 我が救世主よ、爾は墓に藏められて、墓に住まはん爲に定められし死者を神として復活せしめ給へり。今は移されし者に永在の生命を獲しめ給へ、爾獨人を愛する主なればなり。
生神女讚詞 至りて無玷なる女宰、神の母よ、人類は爾の產に由りて救はれたり、蓋爾は我等の爲に實在の生命を生み給へり。彼は死を滅して、死せし者を生命に上せ給ふ。
第五歌頌
イルモス 人を愛する主宰ハリストス我が神よ、朝に爾が誡の定の事を考ふる我等を永遠の明なる光にて照し給へ。
致命者よ、爾等は敬虔を鎧と爲して、敵の箭に傷つけられぬ者と顯れ、恩寵に由りて勝利者と爲りて、榮冠を受け給へり。
主は神聖なる香膏を其成聖者に抹りたるに、彼等は敬虔を以て信者の大數を牧して、天の牢に導き給へり。
聖なる神品致命者及び悉くの克肖者よ、爾等は屬神の法を守りて、天國に與る者と爲りて、宜しきに合ひて讚榮せらる。
光榮 主宰主よ、今爾の命を以て移しし者を諸聖人と共に爾の國に入るに勝ふる者と爲して、彼等が行ひし諸罪を念ふ毋れ。
生神女讚詞 至淨なる者よ、修齋と困難とを以て天の光榮を得たる女等は、爾を轉達者と有ちて、蛇の權を破れり。
又
イルモス 己の降臨の光にて世界の極を照し、己の十字架にて之を輝かししハリストスよ、爾が智慧の光にて正しく爾を歌ふ者の心を照し給へ。
生命を賜ふ主よ、爾は死の毒より醫す者にして、死を受けて死の刺を鈍くし給へり。致命者の祈禱に因りて、爾が受けし者を自ら安ぜしめ給へ。
人人を死及び朽壞より解き給ひし主よ、信に在りて移されし者の靈を爾の聖者の第宅に、凡の憂の退きし處、樂の在る處に入れ給へ。
光榮 主宰よ、爾は己と偕に十字架に懸けられし者の爲に樂園を開きし如く、今信に在りて爾に移りし者の靈を受けて、彼等に冢子の敎會に居らんことを獲しめ給へ。
生神女讚詞 憑恃を爾に負はしむる者を救ひ給ふ讚美たる純潔なる者よ、爾の子に於ける母たる勇敢を以て、我等を神の旨の穩なる港に導き給へ。
第六歌頌
イルモス 我預言者イオナに效ひて籲ぶ、仁慈なる者よ、我が生命を淪滅より援けよ。世界の救主よ、我光榮は爾に歸すと籲ぶ者を救ひ給へ。
聖なる致命者よ、爾は多くの創痍にて殺されて、眞實の生命を嗣ぎたり。我等衆の救はれんことを祈り給へ。
ハリストスの至榮なる軍士及び睿智なる成聖者よ、爾等は地に在りて輝ける星と識られて、敬虔の光を以て信者を照し給へり。
捧神なる修齋者よ、爾等は節制と謙遜とを以て肉の念を殺して、地上の旅客及び天の住民と顯れ給へり。
光榮 人を愛する主よ、爾が移しし信者を爾の暮れざる光と眞實の樂とに與る者と爲して、彼等を諸聖者の會に加へ給へ。
生神女讚詞 讚美たる神の母よ、勇ましく苦難を忍び、篤く齋せし者は、聖詠に言へる如く、爾に從ひて萬有の王たるハリストスに進められたり。
又
イルモス 今を限の淵は我等を圍めり、脫れしむる者なし、我等は屠所の羊の如し。吾が神よ、爾の民を救へ、爾は弱る者の力と更新なればなり。
慈憐なる主よ、移されし者に諸罪の赦を賜ひて、彼等に爾が顏の光の輝きて、爾の受難者を照す所に永遠の樂を與へ給へ。
爾の脅より流れし血を以て世界を贖ひしハリストスよ、信に在りて寢りし者を爾の尊き苦にて救ひ給へ、爾は衆人の爲に己を價として付し給ひしに因る。
至淨なる手を以て始めて我を造りて、靈を與へ、惡に陷りし者を復至りて美しく新にせし主よ、親ら今移りし者の靈を安ぜしめ給へ。
光榮 主よ、爾に於ける信に在りて寢りし者に爾の至りて光明なる宮に入るを得しめ、仁慈慈憐洪恩なる主として、彼等の諸罪を念ふ毋れ。
生神女讚詞 讚美たる潔き者よ、我等爾を歌ふ、蓋爾に因りて我等幽暗と死の蔭とに在る者に入らざる義の日は輝けり。爾は我等の救の轉達者と爲り給へり。
第七歌頌
イルモス 救世主よ、火は爐の中に在る爾の少者に觸れず、彼等を懼れしめざりき。其時三人口を一にして、歌頌祝讚して言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
金が火に試みらるる如く、致命者は悉くの苦に試みられて、神聖なる愛に於て純金よりも更に明に光る者と顯れて、天の寶藏に納められたり。
祭を司る者と爲り、神聖なる役者と爲りし聖なる成聖者は、皆神に無血の祭を捧げ、善く人人を牧して、大なる牧者の在す所に入り給へり。
克肖者は肉體の慾に服せず、無慾を奧密の衣の如く衣て、諸天使の同住者と爲れり。ハリストスよ、彼等の祈禱に由りて我等を諸の誘惑より救ひ給へ。
光榮 恩主なるハリストスよ、信に在りて我等より移りし者を奧密の樂の處、爾が顏の光の輝く處に住まはせて、敬虔に爾の仁慈を讚榮せしめ給へ。
生神女讚詞 至聖至潔なる者よ、聖なる女等は爾を己の莊飾と爲して、諸天使と共に欣ばしく祝ひ、多くの慈憐に由りて身にて爾より生れし神言を讚榮す。
又
イルモス 生神女よ、我等信者は爾を見て屬神の爐の爲す、蓋先祖の尊まれて崇め讚めらるる神は、三人の少者を救ひし如く、斯く爾の腹に於て全世界を改め給へり。
ハリストスよ、世の暴風より爾に移りし者を爾の至淨なる光榮の光を以て照して、彼等に致命者と偕に爾に呼ぶを得しめ給へ、先祖の尊まるる神よ、爾は崇め讚めらる。
アダムの造成主よ、爾は實に新なるアダムと爲りて、獨アダムの詛を滅し給へり。故に我等爾に祈る、ハリストスよ、移されし者を天堂の福樂に安ぜしめ給へ、爾獨慈憐の主なればなり。
光榮 神として獨我等の性の弱きを知るハリストス、先祖の崇め讚めらるる神よ、仁慈慈憐の主なるに因りて、移しし者を悉く爾が顏の入らざる光の輝く處に住はせ給へ。
生神女讚詞 潔き神の母よ、律法の影と古の預象とは爾の產に由りて過ぎたり、蓋爾は我等の爲に神聖なる恩寵の光を輝かせり。之に由りて我等古の債を解かれて、尊まるる神を崇め讚む。
第八歌頌
イルモス 諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讚榮し、人人よ、崇めて萬世に讚め揚げよ。
致命者は皆靈妙に神聖なる神゜の火に凉しくせられて、獅の開きたる口を害なく過ぎ、沸れる鑊を勇ましく過り給へり。
ハリストス神よ、爾は己の預言者に遠き事を預知するを賜ひて、爾の成聖者をも神妙なる睿智者と爲し給へり。彼等の祈禱に由りて熱切に爾を歌ふ者の心を照し給へ。
克肖なる修齋者は世の爲に己を釘して、古世より聖を以て義を以て神の悅を爲しし悉くの者と偕に天上の生命を嗣ぎ給へり。
光榮 神に合ふが如く人を土より造りし主よ、地より移しし信者に、爾が仁慈なるに因りて、天堂の福樂を獲しめて、彼等が行ひし諸罪を念ふ毋れ。
生神女讚詞 潔き童貞女よ、困難を忍びし女等は爾を女の中に純美にして無玷なる者と尊みて、爾の諸僕が諸難より救はれん爲に爾と偕に神に禱を奉る。
又
イルモス イズライリの少者は爐に在りて、坩堝に在るが如く、敬虔の美しきを以て黃金よりも明に輝きて云へり、主の悉くの造物は主を崇め讚め、歌ひて萬世に讚め揚げよ。
爾の寢りし諸僕の汚を悉く爾の仁愛の露を以て洗ひて、彼等に歌を以て爾を歌はしめ給へ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて萬世に讚め揚げよ。
救世主よ、爾が移し給ひし信者を、受難者の祈禱に由りて、信を以て義と爲して、右に立つ者と顯して、歌はしめ給へ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて萬世に讚め揚げよ。
光榮 死と生との一切の權を有ち給ふ主よ、信に在りて寢りし者を爾の光照を蒙る者と爲して、歌はしめ給へ、主の悉くの造物は主を崇め讚め、彼を歌ひて世世に讚め揚げよ。
生神女讚詞 至淨至潔なる童貞女よ、爾は我等の救と、終なき生命と、光照との轉達者と爲り給へり。故に我等悉くの造物は常に爾を崇めて、萬世に讚め揚ぐ。
次ぎて生神女の歌、「我が靈は主を崇め」、及び他の句、其附唱と共に。
第九歌頌
イルモス 生命を容れし常に流るる泉、恩寵の光を施す燈、活ける殿、無玷なる幕、天地より廣き者たる生神女を我等信者は崇め讚む。
聖にせられし致命者の聖なる戰、其苦と傷、釘刑と放逐、及び福たる屠殺を、我等喜びて尊まん、此等を以て聖なる者はハリストスの嗣と爲り給へり。
神聖なる役者は神の司祭等として義を衣、聖に於て世を度り、齋の中に生を終へて、ハリストスを崇め讚めて悅ぶ。
諸預言者は主の神聖なる口と爲りて、衆人に其光を傳へたり。彼等と偕に今勳を立て、齋を以て神の悅を獲たる女等も樂しむ。
光榮 萬物の上に王たる能力よ、地より移しし者を爾の諸聖者と偕に爾の國に與る者と顯し、其行ひし諸罪を、萬有の神よ、爾の至大なる仁慈に因りて念ふ毋れ。
生神女讚詞 神聖なる光、時に限られぬ者を生みし童貞女よ、爾の祈禱に因りて我の時每の諸罪を解き、常に怠惰に暗まされたる我が智慧を照し給へ、我が歌ひて忠信に爾を讚め揚げん爲なり。
又
イルモス 生神女よ、燃ゆれども燒かれぬ棘は爾が潔き產の象を顯せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。
慈憐深き主よ、仁愛仁慈なる神として、爾の造物を宥め、信に在りて暫時の生命より移されし者を爾の諸聖者の居處に、衆致命者の樂しむ處に安ぜしめ給へ。
人を愛する主、爾の諸僕の罪過に大に勝つ慈憐の淵を有つ者よ、選びし者を受けて、之をアウラアムの懷に安ぜしめ、ラザリと偕に爾の光の中に住はせ給へ。
光榮 人類の爲に贖罪主及び救主と爲りし者よ、今我等より移しし者を、恩主として、十字架に因りて、神聖なる歡喜と、不朽の生命と、光明なる樂とを受くるに勝ふる者と爲し給へ。
生神女讚詞 嗚呼智慧に超ゆる爾の奇蹟や、蓋爾獨、至淨なる童貞女よ、日の下に在る衆人に爾の悟り難き產の新なる奇蹟を顯し給へり。故に我等皆爾を崇め讚む。
次ぎて「常に福にして」、及び小聯禱、光耀歌、常例の聖詠。
「凡そ呼吸ある者」に致命者の讚頌、第一調。
人人皆來りて、歌頌と屬神の詩賦とを以てハリストスの受難者を尊まん。彼等は世界の燈、敎の傳道師、信者の爲に醫治を注ぐ所の常に流るる泉なり。ハリストス我が神よ、彼等の祈禱に由りて爾の世界に平安、我等の靈に大なる憐を與へ給へ。
大なる王の此の軍士等は苛虐者の命に逆ひ、勇毅にして苦を輕じ、一切の迷を踐みて、宜しきに合ひて榮冠を冠れり。今救世主に我等の靈の爲に平安と大なる憐とを求む。
至りて讚美たる致命者よ、憂患も、困苦も、飢渴も、窘逐も、創痍も、猛獸の猛きも、刀劍も、烈しき火も爾等を神より離すこと能はざりき。爾等は更に彼を愛する愛を燃して、他人の身に在るが如く鬪ひて、性を忘れ、死を顧みざりき。故に宜しきに合ひて爾等の功勞の報を受け、天國の嗣と爲れり。我が靈の爲にハリストスに祈り給へ。
致命者よ、主の爲に樂しめ、蓋爾等は善き戰を戰へり。諸王に逆ひ、苛虐者に勝ち、火をも、劍をも、爾等の體を食ふ猛獸をも畏れざりき。諸天使と偕にハリストスに歌を捧げて、天より榮冠を受けたり。世界に平安、我等の靈に大なる憐を賜はんことを祈り給へ。
死者の讚頌
我が救世主よ、爾が衆人の復活なることを、爾は行を以て著す。言よ、爾は言を以てラザリを死者の中より起し給へり。死者が墓より復活し、地獄の門が破られし時、其時死は人人の爲に寢と現れたり。己の造りし物を定罪せん爲にあらずして、之を救はん爲に來りし主よ、選びし者を安ぜしめ給へ、爾人を愛する主なればなり。
光榮、今も、生神女讚詞 聖なる生神童貞女、全世界の潔き器、滅えざる燈、容れ難き者の包容所、毁たれぬ殿よ、慶べ、世の罪を任ひし神の羔を生みし者よ、慶べ。
挿句に死者の讚頌、フェオファン師の作。第一調。
救世主よ、我等爾に祈る、移りし者を爾の欣ばしき共與に任へさせて、彼等を爾の聖者と偕に義人等の居處に、天の第宅に入れ給へ。爾の慈憐に由りて其諸罪を念はずして、之に安息を與へ給へ。
句 主よ、爾が選び近づけし者は福なり。
救世主よ、爾の許約せし所は見ゆる者に超えて、目未だ見ず、耳未だ聞かず、人の心に未だ曾て入らざる者なり。主宰よ、我等爾に祈る、爾に移りし者を爾の欣ばしき共與を受くるに任へさせて、之に永遠の生命を與へ給へ。
句 彼等の靈は福に居らん。
人を愛する主よ、爾の諸僕は爾の十字架の爲に樂しみ、爾の十字架を賴みて爾に移れり。今彼等に爾の十字架に由り、世界の生命の爲に流しし血に由りて、罪過の釋かるるを賜ひ、爾の慈憐を以て其諸罪を赦して、爾の顏の光にて照し給へ。
句 彼等の記憶は世世に在らん。
獨不死なる者よ、人人の中に一も罪なき者なし、唯爾は罪なし。故に洪恩なる神として、爾の諸僕を天使の品位と共に光の中に入れ給へ。爾の慈憐に由りて、不法を顧みずして、彼等に赦を與へ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞 母・童貞女よ、爾の產たるハリストスに祈りて、爾の諸僕、爾を實に生神女なりと傳へて、敬虔の言を以て祝讚せし者に諸罪の赦を賜ひて、其國に於て聖者の光照と福樂とを獲しめんことを求め給へ。
「スボタ」の聖体礼儀に
「スボタ」の眞福詞、第一調。
敵は食物を以てアダムを樂園より引き出し、ハリストスは十字架を以て盜賊を其中に入れ給へり、主よ、爾の國に來らん時、我を憶ひ給へと呼べばなり。
句 義の爲に窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
イイスス神よ、受難者、成聖者、睿智なる婦女、及び至榮なる預言者の無數の多きは爾に祈る。我等に諸罪の赦と大なる憐とを與へ給へ。
句 人我の爲に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事を譌りて諸の惡しき言を言はん時は、爾等福なり。
馳すべき程を盡ししハリストスの至りて聖にせられし受難者は、聖なる成聖者及び預言者と偕に、天の城邑に住ひて、諸天使と偕に樂しむに勝ふる者と爲り給へり。
句 喜び樂しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
ハリストスよ、移しし者を暮れざる光に入れて、洪恩なる神として彼等の諸罪を念ふ毋れ、我等が爾恩主の無數の慈憐を讚榮せん爲なり。
光榮 我等衆信者は父に伏拜し、子を讚榮し、至聖神を歌頌せん。一體の三者、惟一なる神よ、我等爾を籲ぶ者を憶ひ給へ。
今も 潔き者よ、我等爾を廣き宮、光榮の寶座、光る雲と讚め歌ひて祈る、爾の神聖なる祈禱を以て、我が靈より暗き雲を拂ひ給へ。
第一調 終
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