- 第一編 我が主イイスス ハリストスの祭日、其前期及び後期の總奉事
- 第二編 生神女の祭日の總奉事
- 第三編 尊貴にして生命を施す十字架の總奉事
- 第四編 天軍首及び其他の無形軍の總奉事
- 第五編 主の前驅預言者授洗イオアンの總奉事
- 第六編 諸聖神父の會聚祭の總奉事
- 第七編 預言者一人の總奉事
- 第八編 一人の使徒の總奉事
- 第九編 二人或は多人の使徒の總奉事
- 第十編 一人の成聖者の總奉事
- 第十一編 二人或は多人の成聖者の總奉事
- 第十二編 一人の克肖者の總奉事
- 第十三編 二人或は多人の克肖者の總奉事
- 第十四編 一人の致命者の總奉事
- 第十五編 二人或は多人の致命者の總奉事
- 第十六編 一人の神品致命者の總奉事
- 第十七編 二人或は多人の神品致命者の總奉事
- 第十八編 一人の克肖致命者の總奉事
- 第十九編 二人或は多人の克肖致命者の總奉事
- 第二十編 一人の致命女の總奉事
- 第二十一編 二人或は多人の致命女の總奉事
- 第二十二編 一人の克肖女の總奉事
- 第二十三編 二人或は多人の克肖女の總奉事
- 第二十四編 一人の克肖致命女の總奉事
- 第二十五編 神品表信者及び克肖表信者の總奉事
- 第二十六編 廉施者奇跡者の總奉事
- 第二十七編 ハリストスの爲の佯狂者王城のアンドレイ、ロストウのイシドル、モスクワのマクシム及びワシリイ、其他の總奉事
- 諸聖人共用の喩言パリミヤ
- ○成聖者の喩言
- ○諸成聖者の喩言
- ○克肖者の喩言
- ○聖神父等の喩言
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- 主宰ハリストスの祭日
- 生神女の祭日
- 十字架の総奉事
- 天軍の総奉事
- 前駆イオアンの総奉事
- 諸聖神父の総奉事
- 預言者の総奉事
- 使徒の総奉事
- 使徒(2人以上)の総奉事
- 成聖者の総奉事
- 成聖者(2人以上)の総奉事
- 克肖者の総奉事
- 克肖者(2人以上)の総奉事
- 致命者の総奉事
- 致命者(2人以上)の総奉事
- 神品致命者の総奉事
- 神品致命者(2人以上)の総奉事
- 克肖致命者の総奉事
- 克肖致命者(2人以上)の総奉事
- 致命女の総奉事
- 致命女(2人以上)の総奉事
- 克肖女の総奉事
- 克肖女(2人以上)の総奉事
- 克肖致命女の総奉事
- 神品表信者及び克肖表信者の総奉事
- 廉施者奇蹟者の総奉事
- 佯狂者の総奉事
- 諸聖人共用の喩言
第一編 我が主イイスス ハリストスの祭日、其前期及び後期の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第六調。
神性を以て滿たざる所なく、仁慈に由りて人人に合せられたる一位二性の主よ、爾は見えざる者にして、潔き童貞女より出でて見ゆる者と爲り、爾の肉體の像を爾の(祭名を擧ぐ)を以て示し給ふ、我等は此の祭日に來りて、爾主宰に伏拜し、爾を造成主と知りて禱る、崇め讚めらるる救世主よ、我等を憐み給へ。二次
主よ、爾は來りて、古世より預言せられたる爾の定制の悟り難き奧義を顯し、之を信ぜしめて、世界に爾の神聖なる(祭名)を示し、此を以て萬衆を喜に滿たし、人の性を救はんと欲して、之を新にし給へり、崇め讚めらるる神よ、我等を憐み給へ。二次
主よ、爾の慈憐の寬容は至榮なる哉、爾は至髙きに形り難く悟り難く父の懷に居る主にして、地上の者に降り、見らるる者と爲りて、我等罪に由りて死せし者を活かし給へり、我等爾の(祭名)の祭日を尊む、願はくは主宰よ、爾は此に緣りて我等を諸慾より脫れしめん、崇め讚めらるる救世主よ、我等を憐み給へ。二次
主よ、爾は望みし如く身を取り、我が貧しきを受けて、爾が慈憐の富を顯して、我塵なる者を神成し給へり。人を愛する主よ、我等は爾の(祭名)を瞻て、爾の定制の狀を讚榮す、救世主よ、此に緣りて爾の諸僕の罪過を顧みずして、彼等に礙なくエデムに入るを得しめ給へ。二次
光榮、今も、第八調。
主宰人を愛する主よ、爾の定制の深處は大なり、爾は父の懷を離れずして、世世に爾の造物に恩を施し、身を取りて地上に人と現れて、衆人を痛悔に呼び給ふ。我等は爾王及び神に伏拜す、蓋爾は我等の諸敵を滅し、爾の選ばれたる民、爾の尊き(祭名)を祭る者を救ひ給ふ。
本日の提綱。
エギペトを出づるの記の讀(二十四章)
主はモイセイに謂へり、爾山に我の許に登りて、彼處に立て、我爾に石版、律法及び誡命、我の彼等を敎へん爲に書しし者を與へん。モイセイ及び其從者イイススは起ちて神の山に登れり。モイセイ長老等に謂へり、此處に止まりて、我等が爾等に返るを待て、視よ、アアロン及びオル爾等と偕に在り、若し人に訟事あらば、彼等に至るべし。モイセイ山に登りたれば、雲山を蔽へり。神の光榮シナイ山に降り、雲之を蔽へること六日なり、七日に至りて、主は雲の中よりモイセイを呼べり。主の光榮の狀はイズライリの諸子の目前に在りて、山の巓に焚ゆる火の如くなりき。モイセイ雲の中に入り、山に登りて、四十日四十夜彼處に山に居たり。
申命記の讀(四章)
モイセイ民に謂へり、イズライリよ、今我が爾等に敎ふる法度と ―(第三巻百二十四頁二百二十五喩言をうつす)
申命記の讀(五章)
モイセイ イズライリの衆民を集めて、彼等に謂へり、イズライリよ、今日 ―(第三巻百二十五頁二百二十六喩言をうつす)
挿句に讚頌、第二調。
光照は來り、恩寵は現れ、贖罪は成り、世界は照されたり、人人よ、歡喜に滿たされよ。
句 神は南より來り、聖なる者は樹蔭繁き山より來らん。
諸民の諸族よ、歌へ、讚美と光榮とをハリストス神に歸して、熱切に彼の(祭名)を讚榮せよ。
句 主よ、我爾の風聲を聞きて懼れたり。
父の言、萬物の造成者、一位にして二性なる主は人類を救はん爲に來り給へり。
光榮、今も、第八調。
主よ、爾は永遠より定めしことを成就せんと欲して、凡の造物より爾の奧密の役者を受け給へり、諸天使よりガウリイルを、人人より童貞女を、天より星を、地より山を、野より芻槽を、水よりイオルダンを、此の中に爾は衆人の不法を滅し給へり。我が救世主よ、光榮は爾に歸す。
本祭日の讚詞。若し此なくば、讚詞第二調、「仁慈なるハリストス神よ、我等爾の至淨なる聖像に伏拜して」を誦す。
早課
「主は神なり」に同上の讚詞、三次。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
悟り難き救世主よ、爾見るべき者と爲りたるに、爾の恩寵は我等の上に注がれて、迷の暗は滅えたり、故に我等の足を爾の顏の光の中に固め給へ、我等が爾の誡を行ひて、爾近づき難き光を觀るを得ん爲なり。
光榮、今も、同上。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
主宰よ、爾は父と同無原なる永遠の子、本性の見るべからず觸るべからざる者にして、言ひ難き慈憐に由りて、年に順ふ者と爲りて、爾の限ある身の至愛なる像を(祭名)の祭を以て遺し給へり、我等の靈の救の爲なり。
光榮、今も、同上。
本祭日の讚揚詞。
多油詞の後に坐誦讚詞、第四調。
アダムの面には已に憂ふる色なし、蓋アダムを造りし者は彼を衣て、面を以て己を衆に肖たる者と顯し、敬虔者の會の愛を起して、同心に歌はしむ、人を愛する主宰よ、光榮は爾の至大なる寬容に歸す。
光榮、今も、同上。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱。
主よ、我等は爾が顏の光の中に行き、世世爾の名に因りて歡ばん。
句 凡そ地の極は我が神の救を見たり。
本祭日の福音経。
第五十聖詠の後に讚頌、第八調。
主よ、爾は永遠より定めしことを成就せんと欲して、凡の造物より爾の奧密の役者を受け給へり、諸天使よりガウリイルを、人人より童貞女を、天より星を、地より山を、野より芻槽を、水よりイオルダンを、此の中に爾は衆人の不法を滅し給へり。我が救世主よ、光榮は爾に歸す。
規程、第四調。イルモス二次、讚詞十二句に。
第一歌頌
イルモス 昔ファラオンの奴隷より逃るるイズライリを導きて、野に養ひし我等の救主神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
人人よ、我等の祭の特殊なる日に於て口を開き、舌を爽にして、ハリストス我が神の(祭名)の神聖なる顯見を欣ばしく歌はん、彼光榮を顯したればなり。
永遠の光なる子は父の旨を行ひ、己の恩寵を示さんと欲して、我等の爲に僕の形を受け、其神聖なる(祭名)の狀に於て現れて、光を以て我等を照し給へり。
皆來りて、信を以てハリストスの(祭名)を祭り、熱切に屬神゜の歌頌を捧げて、讚榮して同心に呼ばん、ハリストスは幽暗に在る者を照さん爲に來り給へり、彼に歌はん、其光榮を顯したればなり。
生神女讚詞
至淨なる者よ、我等は爾に由りて實に神人の產の顯見を知ることを得、爾を尊む者は今日爾の子の(祭名)の祭を見るに任ふる者と爲れり。我等を凡の患難より救はんことを彼に祈り給へ。
共頌は、本祭日の「イルモス」、或は下の「イルモス」。
神妙の黒闇に蔽はれたる口鈍き者は神の錄しし律法を述べたり、蓋彼は智慧の目より不淨を掃ひて、永在者を見、聖神゜を知る智識を蒙りて、神聖の歌を以て之を崇め讚む。
第三歌頌
イルモス ハリストスよ、我等は智慧と能力と富裕とを以て誇るにあらず、乃爾、父と一性なる智慧を以て誇る、人を愛する主よ、爾の外に聖なる者なければなり。
神性に由りて永在なる主宰ハリストスよ、爾は身を以て諸僕に合せられて、見らるる者と爲り、多種の行爲を以て我等に救を得しめ給ふ、我等今爾の(祭名)を讚榮す、人を愛する主よ、爾の外に聖なる者なければなり。
ハリストスよ、爾を信ずる信に照されたる爾の人人は欣ばしく爾の神聖なる(祭名)を祭る、我等之を尊みて、諸難より救はる、救世主よ、我等を天の國にも與る者と爲し給へ。
實在の生命たるハリストスよ、爾は身にて死を嘗めて、爾の復活を以て死者に生命を流し給へり、今爾の(祭名)の祭を以て我等の爲に之を確證し給ふ。
生神女讚詞
神の母よ、先に爾に由りて救は身を以て世界の中に輝き、今は爾に由りて信者の爲に生を施す光明なるハリストスの(祭名)の祭は現れたり、生神女よ、此に緣りて爾の子に我等を諸の禍及び永遠の苦より救はんことを祈り給へ。
共頌 昔碎きたる心を懷ける預言女アンナが、主宰睿智の神に奉りし一の祈は、果を結ばざる腹の縛を釋き、子多き者より受くる勝へ難き辱を除きたり。
坐誦讚詞、第四調。
仁慈なる主宰救世主よ、爾に祈る、我等信と愛とを以て神聖なる(祭名)を祭る者を悉くの見ゆると見えざる敵、及び諸の災禍と誘惑より脫れしめて、我等を永遠の福の樂を享くるに堪ふる者と爲し給へ。
光榮、今も、同上。
第四歌頌
イルモス 預言者アウワクムは爾至上者が童貞女より身を取り給ふ神の測り難き定制を洞察して籲べり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
肉體を以て人人に近づきし主の耀ける神聖なる(祭名)の祭は新に選ばれたるイズライリに至りて、今日世界の四極を照す、主よ、光榮は爾の力に歸す。
昔モイセイは神の顯見の光榮の徵を見るを得て、其面輝けり、新なるイズライリは今面を合せて明に爾贖罪主を覿る、主よ、光榮は爾の力に歸す。
衆人よ、奇異なる事を仰ぎて、今靈に樂しみて、地上に人人の救の爲に現れしハリストスの(祭名)の祭を歌へ、主よ、光榮は爾の力に歸す。
生神女讚詞
至淨なる生神女よ、我等爾に趨り附きて、爾の子の神聖なる(祭名)を祭る者を救ひ給へ、常に彼に諸罪の赦を我等に賜はんことを祈り給へ。
共頌 諸王の王、斯く大なる者よりする惟一の斯く大なる者、無原の父より生れし言よ、爾は恩主として、實に爾が同能の聖神゜を以て、主よ、光榮は爾の權柄に歸すと歌ふ使徒等に遣し給へり。
第五歌頌
イルモス 原始の光の輝を發きて、造物をして光の中に爾造物主を歌はしむるハリストスよ、爾の光の中に我等の途を向はしめ給へ。
我等今日手を拍ち、聲を擧げて讚美を主に呼ばん、蓋視よ、彼は實に其至淨なる肉體を以て來り現れて、神聖なる(祭名)を以て衆信者を照し給ふ。
今日正敎者の會は照され、異端者の群は辱められたり、贖罪主ハリストスが肉體に現れしを證する其(祭名)の伏拜せらるるを見ればなり。
奧密の慶賀は至り、神聖なる主の(祭名)の嚴なる祭は主の顏より發する光として世界に輝きて、嘗て俘囚と爲りし衆に和平と歡樂とを與ふ。
生神女讚詞
至聖なる童貞女よ、爾の轉達に由りて雲は上より地上の者に甘味を注ぐべし。爾の子我等の神は世界を憐み、「ハリスティアニン」等の角を髙くして、今日其神聖なる(祭名)を以て信者に救を賜へり。
共頌 敎會の光を負ふ諸子よ、諸罪を除く潔淨、火の噴き出したる聖神゜の露を受けよ、今シオンより律法たる聖神゜の恩寵は、火の舌の形を以て出でたればなり。
第六歌頌
イルモス 神の信者よ、來りて、神の母の此の神妙なる至りて尊き祭を祝ひ、手を拍ちて、彼より生れし神を讚榮せん。
ハリストスの光明なる(祭名)に由りて死者に生命は輝き、瞽者に光は來り、痛く病める者に醫治は啓かれ、衆人に救は近づきたり。
凡の靈は今迎へたる神聖なる(祭名)の祭を祝ふべし、之に伏拜する者に光照を流せばなり。
主イイスス ハリストスよ、天は爾を見て、爾の光榮を傳へ、眞の痛悔を知る衆信者を集めて、爾の神聖なる(祭名)を歌頌せしむ。
生神女讚詞
神の母よ、爾の子の尊き(祭名)の光に由りて地の四極に救は輝けり、潔き童貞女よ、彼に祈りて、爾を尊む我等を凡の患難及び誘感より救はんことを求め給へ。
共頌 主宰ハリストスよ、爾は我等の爲に淨と救にして、童貞女より耀き給へり、預言者イオナを海獸の腹より救ひし如く、アダムを其悉くの陷りし族と偕に腐敗より救はん爲なり。
祭日の小讚詞
若し此なくば、下の小讚詞を誦すべし、第二調。
像られぬ父の言よ、我等人人に於ける爾が言ひ難き神聖なる攝理を熱信に承け認め、爾が實に人體を取りしことを像れる神印の聖像を勝利を與ふる者と知りて、之を尊みて接吻す。
同讚詞
主は其人體を取りしことの奧密を人人に信ぜしめん爲に、己の神人の像を自ら印し、其原像を父と偕に寶座に坐せしめて、無形なる天使等に伏拜せしめ、原像の形象を我等に賜ひて、伏拜せしむ、我等は靈と心とを以て之を抱きて、尊みて接吻す。
第七歌頌
イルモス 昔アウラアムの少者はワワィロンに於て爐の焔を踏みて、歌を以て呼べり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
凡の城邑と地方とは新なるシオンと偕に喜びて、熱切に祝ふ、蓋光榮の王ハリストスは己の尊き(祭名)の祭の狀を以て來りて、彼に伏拜して、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらると呼ぶ者を救ひ給ふ。
神の言を宣べし諸預言者の神聖なる書は成就せられたり、今我等は其應ふを見る、蓋ハリストスは其(祭名)にて世界を照し、耀ける光を以て、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらると歌ふ者を救ひ給ふ。
生神女讚詞
天上の者は地上の者と偕に樂しみ、衆聖人の大數は共に喜び、諸王と諸矦、富める者と貧しき者は皆祝ふ、蓋視よ、ハリストスは我等の爲に光照として、童貞女より受け給ひし人性を像る祭を備へ給へり。
共頌 樂器の調和したる聲は、金にて鑄たる靈なき偶像を敬ふ爲に響けり、撫恤者の光を施す恩寵は、慶賀を設けて斯く籲ばしむ、惟一にして同能なる無原の三者よ、爾は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 少者はワワィロンに於て神聖なる熱心に灼かれて、苛虐者と燄
との嚇を勇ましく踐み、火の中に擲たれて、露に濕されて歌へり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
本性の完全なる神は亦完全の人と爲りて、二性の本質を以て人人を救ひ、神として神聖なる(祭名)を以て人體を取りしことを信ぜしめ給ふ、我等彼に伏拜して歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
神の言よ、爾を神及び人と承け認めて、爾の(祭名)を讚榮する者の角を髙くせよ、爾は此を以て衆信者に永遠の生命を賜ひ、爾の神聖なる能力を惡む諸敵の驕慢を滅し給へり。
新なる法は光り、敎會は飾らる、蓋ハリストス神よ、爾は己の神聖なる光榮の光を耀かして、爾の光明なる顏を爾の(祭名)を以て顯し給へり、爾に主の悉くの造物は主を崇め讚めよと呼ぶ人人の救の爲なり。
生神女讚詞
陷る者の再興、憂ふる者の喜悅、迷ふ者の嚮導者、病む者の醫治、衆「ハリスティアニン」の救なる女君生神女よ、我等爾の子の(祭名)を尊む者を護りて、彼に我等を見ゆると見えざる諸敵より救はんことを祈り給へ。
共頌 至上神の三光の像は縲絏を釋き、燄に露を注ぐ、少者は歌ひ、凡そ造られし者は惟一の救世主及び造成主を恩者として崇め讚む。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、爾の產は不朽なり、神は爾の腹より出で、地上に肉體ある者と現れて、人と偕に在せり、故に我等皆爾を崇め讚む。
我等感謝の歌を神に歌ふ、蓋彼は我等に至大なる寶として、我等を大に戰の爲に固むる其神聖なる肉體の(祭名)を賜へり、我等信者は之を祝ひて、神を崇め讚む。
嗚呼主よ、我等爾を恃む者の爲に爾が行ひし奇跡は智慧に超ゆ、蓋爾が言ひ難く有ち給へる人性を(祭名)の祭を以て嚴に像りて、衆人に現し給ふ、之を尊む者を凡の苦難と誘感より救ひ給へ。
嗚呼神の言と、智慧と、能力、及び父の像や、爾の(祭名)の祭の欣ばしき慶賀を我等に善行の光の中に中心より爾を讚榮して行はしめ給へ。
生神女讚詞
至淨なる童貞女よ、爾に於ける神の奧義は實に髙し、神の睿知の深きは實に測り難し、蓋至上者は言ひ難く爾より生れ、見るべからざる者は其肉體の(祭名)を以て見るべき者と爲り給へり、我等信者は彼に伏拜して、爾を崇め讚む。
共頌 女王、至榮の母たる童貞女よ、慶べ、如何に滑なる能辯の口も、辯を盡し、宜しきに合ひて爾を歌ふ能はず、如何なる智慧も爾の產を悟るを得ず、故に我等心を一にして爾を讚榮す。
光耀歌
父の善旨と聖神゜の行動とに因りて至大なる奧密、天使等にも悟られぬ者は諸預言に應ひて行はれ、始なき言は始を受けて、人として童貞女より生れ給へり、世界の救及び人人の贖罪の爲なり。三次
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第一調。
皆來りて、ハリストスの(祭名)を熱切に祝ひ、歌頌を捧げ、讚美を奉りて、同心に呼ばん、地上の者の拯救及び更新なるハリストスは來り給へり。二次
來りて、祝の歌と靈の直きとを以てハリストスの(祭名)を讚榮せん、蓋彼、父及び聖神゜と同尊なる主は、己の慈憐に由りて、言ひ難く我等の合成を衣給へり、我等諸天使と偕に彼を崇め讚めん。
我等は和聲の鈸を以て大聲の歌頌を以てハリストスの(祭名)を讚め揚げん。諸預言者の傳は終を成せり、蓋彼等が預示しし者は肉體を以て人人に現れ給へり、我等の救及び更新の爲なり。
光榮、今も、第一調。
人人よ、來りて、ハリストスの(祭名)を祭り、智慧と心とを擧げて、潔き童貞女より身を取りし、神性に於ても人性に於ても完全なる子を仰がん。又歌頌して呼ばん、聖なる神、無原の父、聖なる勇毅、身を取りし子、聖なる常生の者、撫恤者聖神゜、聖なる三者よ、光榮は爾に歸す。
大詠頌。及び發放詞。
聖體禮儀に眞福詞、規程の第三及び第六歌頌。
第二編 生神女の祭日の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
至淨なる生神女よ、愛を以て爾の至榮なる(祭名)を祭る我等を神聖なる行爲にて諸敵の攻擊より護りて覆ひ給へ、蓋我等爾に呼ぶ、爾は我等の能力と、堅固と、聖なる歡喜なり。爾の子及び我等の神は惟一なり、我等彼に伏拜して云ふ、イイスス全能者よ、慈憐なる主として、我等の靈を救ひ給へ。
我等今日敬虔の心を抱きて集まりて生神女を崇め讚めん、至聖なる童貞女よ、爾の大事は夥しく、奇跡は數へ難し、蓋爾は我等の爲に聖なる保護と、美譽と、光榮と、醫治の泉なり。我等爾の聖なる(祭名)を祭りて、禱りて云ふ、イイスス全能者よ、慈憐なる主として、我等の靈を救ひ給へ。
至淨なる童貞女よ、我等敬虔に爾の(祭名)の祭を行ふ者を爾の尊き祈禱を以て扞ぎ衛りて、諸敵の爲に畏るべき者、之に服役せざる者と爲し給へ、我等が爾の子に呼ばん爲なり、イイスス全能者よ、慈憐なる主として、我等の靈を救ひ給へ。
光榮、今も、第六調。
至淨なる生神女よ、今日神の敎會は最華麗なる冠の如く爾の(祭名)を以て飾られ、麗しく喜び、奧密に祝ひて、爾女宰に呼ぶ、尊き王冕、神聖なる寶冠よ、慶べ、光榮の充滿、永遠の福樂よ、慶べ、爾に趨り附く者の投泊、轉達、及び我等の靈の救よ、慶べ。
聖入、及び本日の提綱。
創世記の讀 二十八章
イアコフはワィルサワィヤより出でて、ハッランに往けり。一處に至りて、日旣に入りたれば、彼處に宿れり。彼の地の石を取り、枕と爲して、其處に寢ねたるに、彼夢を見たり。視よ、梯地に樹ちて、其上天に至り、神の使等此に由りて陟降せり。主は其上に立ちて曰へり、我は爾の祖父アウラアムの神、及びイサアクの神なり、畏るる勿れ、爾が臥す所の地は、我之を爾と爾の子孫とに與へん、爾の子孫は地の砂の如くなりて、海東北南に廣まり、地上の萬族は爾と爾の子孫とに因りて祝福せられん。視よ、我爾と偕にし、爾何處に往くとも、其途に爾を守り、又爾を此の地に返さん、蓋我は凡そ爾に語りし事を行ふに至るまで爾を離れざらん。イアコフ夢覺めて曰へり、誠に主は此の處に在すに、我知らざりき。乃懼れて曰へり、畏るべき哉此の處、是れ他に非ず、乃神の家なり、此れ天の門なり。
イエゼキイリの預言書の讀 四十三及四十四章
主是くの如く言ふ、八日に至りて後、司祭等は爾等の燔祭と ―(第三巻百三十四頁二百三十二喩言をうつす)
箴言の讀 九章
智慧は其家を建て、其七の柱を堅め、其畜を宰り、其酒を調和し、其席を設け、其諸僕を遣して邑の髙き處より呼ばしめて云へり、無知なる者よ、此に來れ。智慧の乏しき者に謂へり、來りて、我が餅を食ひ、我が調和せし酒を飮め、無知を棄てて生命を得、聰明の途を行け。侮慢者を戒むる人は己に羞を得、惡者を責むる者は己に疵を得ん。侮慢者を責むる毋れ、恐らくは彼爾を惡まん、智者を責めよ、彼爾を愛せん、智者に傳授せよ、彼益智慧を獲ん、義者を敎へよ、彼知識に進まん。主を畏るる寅畏は智慧の始なり、聖者を知るは聰明なり。我に由りて爾の日は多くせられ、爾の生命の年は增さん。
挿句に讚頌、第三調。
地の四極よ、來りて、神の母の尊き(祭名)を讚美せん、蓋彼は手を擧げて子に禱る、故に其聖なる(祭名)に因りて世界は活かされたり、我等は聖詠と歌頌と屬神゜の詩賦とを奉りて、衆聖者と偕に欣ばしく祝はん。
句 彼は彩服を衣て王の前に進められ、彼の伴たる童女は彼に從ひて爾の前に進めらる。
神は光榮を以て大に爾を妝ひたり、蓋爾は人人の光を手に抱き給へり、獨其光の中にある「ハリスティアニン」等の恃賴、患難憂愁に遇ふ者の扶助者、激浪に打たるる者の投泊なる者よ、愛を以て爾の最尊き(祭名)を歌ふ者の諸難より救はれんことを禱り給へ。
句 女よ、之を聽き、之を觀、爾の耳を傾けよ。
至聖至潔なる童貞女よ、天に於て天使の大數、地に於て人の族は爾の最尊き(祭名)を讚揚す、爾に禱る、讚美たる生神女、婚姻に與らざる者よ、萬有の造成主ハリストス神の母として、我等爾及び神に恃賴を負はせたる者の爲に絕えず彼に禱り給へ。
光榮、今も、第二調。
我等は思と心とを潔めて、諸天使と偕に欣ばしく祝ひ、萬有の王の聘女たる童貞女にダワィドの歌を捧げて云はん、主よ、爾及び爾が能力の匱は爾が安息の所に立てよと、主宰よ、爾は彼を美しき宮として飾りて、爾の城邑に立て給へり、爾の權力を以て彼の祈禱に由りて之を治めて、諸敵より扞ぎ衛らん爲なり。
讚詞は本祭日の、奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦すべし。第四調。
我等罪なる賤しき者は今熱心にして生神女に趨り附き、伏し拜み、痛悔して心の底より籲ばん、女宰よ、我等を憐みて助けよ、我等多くの罪の爲に亾ぶるに因りて速に至り給へ、爾の諸僕を空しく返す勿れ、我等獨爾を賴とすればなり。
光榮、今も、
生神女よ、我等不當の者は常に默さずして爾の權能を宣べん、蓋爾主の前に立ちて禱らずば、孰か能く我等を諸の禍より助けん、孰か能く我等を自由の者として今に至るまで・・・(欠落)
生神童貞女マリヤは實に光れる雲の如く我等の爲に輝けり、已にアダムは定罪せられず、エワは縲絏より解かれたり、故に我等も毅然として惟一の潔き者に呼ぶ、至聖なる童貞女よ、我等に諸罪の赦を賜はんことを爾の子に祈り給へ。
光榮、今も、同上。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱、「我等凡の屬神゜の歌頌を生神女に捧げん。」或は「爾を讚め揚ぐるは誠に當れり。」
拔萃聖詠
主よ、ダワィド及び其全き温柔を記憶せよ。
多油詞の後に坐誦讚詞、第一調。
至淨なる生神女よ、爾の童貞の腹の果は美しく現れたり、蓋爾は世界の爲に生命を生じ給へり、故に天軍は爾の尊き祭を讚榮して、爾に呼ぶ、光榮は爾の(祭名)に歸す、聘女ならぬ母よ、光榮は爾の童貞に歸す。
光榮、今も、同上。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱、第四調。
我爾の名を萬世に誌さしめん。
句 我が心善言を涌き出せり、我曰ふ、我が歌は王の事なり。
「凡そ呼吸ある者。」 福音経は巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
今日天の門は啓かれて、神聖なる戸は現る、今日喜の恩寵は神の母の(祭名)に由りて世界に賜はる、彼に由りて地の者は天の者と合せられて我等の靈の救を得るを致す。
至聖なる生神女の規程、第八調。イルモス二次、讚詞十二句に。
第一歌頌
イルモス イズライリは乾ける地の如く水を過り、エギペトの禍を免れて籲べり、我が救主及び神に歌はん。
至淨至聖なる童貞女よ、神聖なる力を以て我を堅めて、敬虔を抱きて欣ばしく爾の(祭名)を歌はしめ給へ、此爾の城邑の爲に保護、爾の衆人の爲に壞られぬ力、爾の牧群の爲に堅固なり。
無玷なる女宰よ、我等は爾の祈禱に由りて慈憐と仁慈とを蒙る、蓋爾は有能の神、爾の禱に由りて敬虔なる衆人を救ふ主を生み給へり、故に我等皆爾を讚揚す。
至淨なる生神女よ、我等爾の神聖なる(祭名)を祭る、爾に由りて我等に永遠の救及び奪はれざる樂は賜はりたり、爾は我等の恃賴と、帲幪と、能力、及び我が靈の避所なればなり。
無玷なる女宰よ、我等爾の民は爾の帲幪の下に趨り附く、爾の諸僕の爲に佑助と爲りて、愛を以て爾を歌ふ者の救に務むる求めを應はせ給へ。
共頌「我が口を開きて。」
第三歌頌
イルモス 主、天の穹蒼の至上なる造成者、敎會の建立者、冀望の極、信者の固、獨人を愛する者よ、我を爾の愛に堅め給へ。
我等信を以て聖なる生神女の(祭名)に由りて心を新にせん、凡そ信を以て求むる者に救を賜ふ至淨なる者よ、我等を見ゆると見えざる敵より護り給へ。
生神女よ、敬虔を抱きて熱心に爾の堂に趨り附き、愛を以て爾の(祭名)に俯伏する者を爾は聖にし給ふ。求む、我等を凡の患難より救ひ、我等の皇帝に敵に對して勝利を賜ひ、爾の子我等の神を我等の爲に寬容の者と爲し給へ。
生神女よ、神の言は親ら望みし如く、己の爲に爾の聖なる腹の内に居住を爲し、爾より身を取りて生れ、我等に爾の(祭名)の日を見るを賜へり、我等愛を以て之を祭りて、爾に禱る。
至聖なる生神女、己の慈憐にて我等を養ふ爾の至淨なる子を乳にて養ひし者よ、我等衆信者は欣ばしき靈、樂しき心を以て智慧を爾の尊き神聖なる(祭名)に擧げて爾に祈る。
坐誦讚詞、第四調。
爾の敎會は欣ばしく爾の光榮なる(祭名)を祭り、我等衆信者は歌ひて熱切に爾に呼ぶ、潔き童貞女よ、諸敵に對して我等を堅め、不法の者の謀を破り、我等の生命を爾の子の神聖なる旨を行ふに向はしめ給へ。
光榮、今も、同上。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が攝理の祕密を聆き、爾の作爲を悟り、爾の神性を讚榮せり。
潔き童貞女よ、暮れざる光の前に立ちて我等を記憶し、爾の子我等の神に祈りて、爾の尊き(祭名)を祭る者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
光明なる日の天を周りて耀くが如く、爾の神聖なる祭は光線を放ちて、我等より諸慾の暗を拂ひ、我等の靈に潔淨を與へ、我等の諸難を解く。
今惡の暗は拂はれ、日の光は靈の爲に耀けり、此純潔なる神の母の尊き(祭名)の祭なり、我等敬虔に之を祭る。
至淨無玷なる讚美たる母よ、爾は神靈の聖物の匱なり、爾は我等の大なる避所及び美譽なり、爾は尊貴なる爾の(祭名)を尊む者の爲に醫治の盡きざる泉なり。
第五歌頌
イルモス 隱れざる光よ、何ぞ我を爾の顏より退けし、外の闇は憐なる我を掩へり、祈る、我を返して、我が途を爾の誡の光に向はしめ給へ。
凡そ爾に趨り附く者は聖にせられ、爾の尊き(祭名)を祭る信者は此に由りて赦免を受く、祈る、此に由りて我等に審判の日に於て仁慈と慈憐とを與へ給へ。
童貞の潔淨に飾られて爾の美しき子我等の神を生みし者よ、爾の尊き(祭名)の祭を飾り、司祭神品を樂しませ、我が皇帝に敵に勝たしめ、爾の民を凡の患難より解き給へ。
無玷なる女宰よ、樂園の中の芳しき花の如く、爾の尊き祭は愛を以て爾を尊む信者の心に神聖なる芳しき香を滿たしむ。
無玷なる女宰童貞女よ、爾は雨雲と爲りて、神聖なる救の水を流し、罪に由りて枯れたる地を濕して、諸德の果を結ばしむ、故に我等爾を讚揚す。
第六歌頌
イルモス 救世主よ、我を淨め給へ、我が不法多ければなり、祈る、我を惡の淵より引き上げ給へ、我爾に呼びたればなり、吾が救の神よ、我に聽き給へ。
生神女永貞童女よ、爾は世世の先より在す者を嬰児として生みて、多くの罪に由りて古びたる我等の心を新にし給へり、求む、我等の新なる歌、爾の祭に捧げらるる者を受け給へ。
至淨なる者よ、爾の聖なる敎會、奇妙に義とせられし者は敬虔に爾の神聖なる(祭名)を祭る、求む、此に緣りて我等衆爾を讚美する諸僕に心の醫治を與へて、我等を諸の禍より護り給へ。
生神童貞女よ、凡の信者は樂しき靈を以て爾の堂に集まりて、爾の祭を祝ひ、日の如く耀き、神の恩寵にて信者を照す尊き(祭名)を歌ふ、童貞女母女宰よ、此を以て我等をも輝かして、我等の心を照し給へ。
神の聘女少女よ、我等爾の至淨なる(祭名)を歌ひて、爾の無玷なる孕と爾の產とを尊む、我等と偕に天使の品位及び衆聖人の會は爾を讚榮す。
次に本祭日の小讚詞。若し之なくば下の小讚詞を誦すべし。第一調。
言と智慧とに超えて言ひ難き神の性の尊き居處と爲りし童貞女よ、爾は萬有の王たる主の母として、罪なる者の爲に轉達し、恩寵と醫治とを賜ふ。求む、爾の子に我等が審判の日に於て慈憐を蒙らんことを祈り給へ。
又小讚詞、第六調。
女宰よ、我等には爾の外に他の助なく、他の恃なし、爾我等を助け給へ、我等爾を以て恃と爲し、爾を以て誇る、我等は爾の諸僕なればなり、願はくは我等恥を蒙らざらん。
同讚詞
我等愛を以て生神女に呼ぶ、主の城邑よ、慶べ、ダワィドの帝笏よ、慶べ、活ける宮よ、慶べ、神聖なる「マンナ」の壺よ、慶べ、焚かれぬ棘よ、慶べ、黃金の燈臺よ、慶べ、滅されぬ燈よ、慶べ、樹蔭繁き神の山よ、慶べ、日の狀の寶座よ、慶べ、天の梯及び門よ、慶べ、濕されずして花を發きたるアアロンの杖よ、慶べ、衆人を凡の患難憂愁より救ふ者よ、慶べ。至淨なる者よ、求む、爾の子に我等が審判の日に於て慈憐を蒙らんことを祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 昔ワワィロンに於て火は神の降臨に慙ぢたり、故に少者は爐に在りて、花園に步むが如く祝ひて歌へり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
萬衆の女王よ、爾は來りて、我等の光榮の爲に己の神聖なる(祭名)の祭の天の帲幪を開き給へり、我等此に緣りて見えざる敵の攻擊より救はれて、爾の子に呼ぶ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
女君生神童貞女よ、爾の誕生及び凡の爾の祭を以て周年は装飾せらる、今も爾の尊き(祭名)の日は敎會を飾りて、恩寵を流す、故に我等衆信者は爾の堂に趨り附きて、爾を讚揚す。
天の衆軍は主を生みし者を讚榮し、人人の諸族は彼我等に己の尊き(祭名)の日を賜ひし者を讚揚す、彼は我等の恃賴なり、我等の避所と、帲幪と諸敵の攻擊に對する防衛なり。
恩寵の雲よ、我等爾の光榮なる(祭名)の祭の日を尊む者に上より恩寵と慈憐との露を注ぎ給へ、凡の靈は爾を讚榮して、喜びて歌ふ、爾は女の中に祝福せられたり、爾の腹の果も祝福せられたり。
第八歌頌
イルモス 無原なる光榮の王、天軍の戰く主を、司祭よ、歌へ、人人よ、萬世に讚め揚げよ。
潔き生神女、ハリストス神の聖なる寶座及び宮よ、爾は獨萬衆の女王なり、求む、爾の尊貴なる(祭名)を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを神に禱り給へ。
地上に於て眞に至榮なる者よ、爾は身を爾より取りし主を己の聖なる手に抱き給へり、今は爾上天に登りて、人人に爾の尊き(祭名)の輝ける日を遺し給へり、我等此の日に於て讚榮して歌ふ、主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
神聖なる預言者よ、祝ひて生神童貞女の尊貴なる(祭名)を尊め、蓋彼は爾等衆の言を應へて、爾等の預言せしハリストス萬有の王、我等が世世に讚め揚ぐる者を生み給へり。
陷る者の再興、憂ふる者の喜悅、迷ふ者の嚮導者、病む者の醫治、衆「ハリスティアニン」の救なる女君よ、我等爾を呼びて、爾の(祭名)を尊む者を護りて、我等を見ゆると見えざる諸敵より救ひ給へ。
第九歌頌
イルモス 凡の者は神の言ひ難き寬容の事、如何に至上者が甘んじて肉體を取るまでに降りて、童貞女の腹より人と爲りしかを聞きて、恐れざるなし、故に我等信者は至淨なる生神女を崇め讚む。
神の城邑よ、光榮の事は爾に於て傳へらる、爾は天の者及び地の者に王たる主の城邑なり、彼は爾より生れて、爾を地より天に登せ給へり、爾の尊貴なる(祭名)を尊む者の爲に絕えず彼に祈り給へ、我等彼と偕に爾を崇め讚む。
無形の者の品位、太祖の會、神聖なる使徒及び諸預言者の隊、致命者の軍、成聖者と克肖なる諸神父との會、及び衆聖人よ、我等と偕に樂しみて、神の母の(祭名)を祭りて崇め讚めよ。
至淨なる童貞女よ、爾は己の產を以て萬衆を聖にし、更に爾の(祭名)の最尊き日を以て衆を光照し給へり、我等之を祭りて、爾を崇め讚む。
至淨なる神の母よ、吾が皇帝の角を髙くし、諸敵の驕を仆し、我等の城邑を外攻に侵されぬ者と爲し、亦爾の大なる名の崇められて、衆に熱切に讚榮せらるる凡の地方を護り給へ。
光耀歌
アダムよ、新になれ、エワよ、樂しめ、預言者は使徒及び致命者と偕に祝へ、克肖者は成聖者と偕に喜べ、蓋至淨なる生神女マリヤの(祭名)は諸天使及び人人の爲に喜と樂なり。三次
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第一調。
生神女よ、爾の(祭名)の祭は光の泉、光照の流なり、祈る、此に緣りて我等を無知の暗と靈體の慾より脫れしめて、來世に於て終なき苦より救ひ給へ。二次
生神女よ、爾より身にて生れし神の實在の睿知なる主は爾を善智の泉及び恩寵の淵と顯し給へり、故に祈る、我に爾の善智の淯滴を注ぎて、我を永遠の生命に導き給へ。
ハリストスの奧密なる奇跡の始たる女宰よ、我等は爾の神聖なる(祭名)の祭を奇跡の泉と尊みて、之に伏拜して爾に祈る、生神女よ、我等を今世に於て諸病諸難より、來世に於て終なき苦より救ひ給へ。
光榮、今も、第八調。
我等皆生神女マリヤを歌はん、神の母よ、慶べ、智なる活ける梯よ、慶べ、焚かれざる棘よ、慶べ、至聖なる壺よ、慶べ、信德の華よ、慶べ、芽を生じたる杖よ、慶べ、黃金の香爐よ、慶べ、樹蔭繁き神の山たる童貞女よ、慶べ、始のエワの解脫よ、慶べ、神の寶座よ、慶べ、多憐なる華美よ、慶べ、女宰よ、慶べ。
大詠頌、幷に發放詞。
第三編 尊貴にして生命を施す十字架の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
今日信者の大數は喜ぶ、蓋救世主の十字架は四極に現れて、近づき難き光を以て穹蒼を照し、空中を聖にし、地の面を飾る、ハリストスの敎會は上より之に賜はりて、之を護る神聖にして奇妙なる十字架を尊みて、屬神゜の歌を以て之を崇め讚む。我等は其力に堅められて、主宰に就きて呼ぶ、世界を平安にして、我等の靈を照し給へ。
造物は喜びて祝ふべし、今日十字架は天より四極に輝き、地上の者を照して、散らされたる者を合す。今日天使の品位は人人と偕に祝ふ、蓋十字架を以て隔の籬は壞たれ、衆は一に合せられたり。十字架は日よりも耀きて、恩寵にて萬物を照し、信を以て之を尊む者を救ふ。
世界の終に日よりも盛に輝きて現れんとするハリストス王の帝笏たる尊き十字架は今明に四極に光る。此は人類を死より出し、地獄を破りて之を擄にし、惡鬼の傲慢を全く亾ぼし、救世主の復活を傳へて、主宰に呼びて、世界を平安にして、我等の靈を照し給へと言ふ者を救ふ。
光榮、今も、第八調。
ハリストス神よ、我等罪なる者は今日爾の尊き十字架に伏拜す。昔モイセイは己を以て之を預象して、アマリクを斃して勝ち、聖詠者ダワィドも爾の足凳に伏し拜むを命じて、之を示せり。我等は不當の口を以て、爾其上に甘じて釘せられし者を歌頌して祈る、主よ、盜賊と偕に我等を爾の國に入るに勝へさせ給へ。
聖入。本日の提綱。喩言三篇。
エギペトを出づる記の讀 十五章及十六章
モイセイはイズライリの諸子を紅海より導きて、スルの野に入りしに、彼等野を行くこと三日にして、飮まん爲に水を得ざりき。メッラに至りしが、メッラの水を飮むこと能はざりき、其苦きを以てなり、故に此の處はメッラ(苦)と名づけられたり。民はモイセイに怨言して曰へり、我等何を飮まんか。モイセイ主に籲べり、主は彼に一の木を示したれば、之を水に投ぜしに、水甘くなれり。彼處に神は民の爲に律例と規定とを立て、彼處に彼を試み、且曰へり、爾若し愼みて主爾の神の聲を聽き、其悅ぶ所を行ひ、其誡に耳を傾け、其悉くの律例を守らば、我は我がエギペト人に加へし病を一も爾に加へざらん、蓋我は主爾を醫す者なり。彼等エリムに至れり、其處に水の井十二、椶櫚七十株あり、彼等彼處に水の旁に幕を張れり。エリムより出でて、イズライリの諸子の會衆はシオンの野、卽エリムとシナイ山との間に在る處に來れり。
箴言の讀 三章
我が子よ、主の懲治を輕ずる勿れ、彼より責められて弱る勿れ、蓋主は愛する者を責め、凡そ納るる所の子を鞭つ。智慧を求めたる人、聰明を得たる人は福なり、蓋智慧を市ふは金銀の寶を市ふに愈る、此れ寶石よりも貴し、何の惡も之に敵する能はず、此れ凡そ之に近づく者に著明なり、都ての貴き物は之に比ぶるに足らず、其右の手には長壽あり、其左の手には富と榮とあり、義は其口より出で、律法と慈憐とは其舌に在り、其途は樂しき途なり、其諸途は皆和平なり。此れ凡そ之を執る者には生命の樹なり、之に倚る者は福なり。
イサイヤの預言書の讀 六十章
主是くの如く言ふ、イエルサリムよ、爾の門は常に啓かれ、晝も夜も閉されず、諸民の貨財の爾の中に攜へられ、其諸王の導かれて來らん爲なり。蓋爾に事ふるを欲せざらん諸民と諸王とは亡び、此くの若き諸國は全く荒らされん。リワンの光榮は爾に來り、松と杉と黃楊樹とは共に來りて、我が聖所の處を飾り、我は我が足を置く所を榮せん。爾を苦しめし者の諸子は服して爾に來り、爾を藐りし者は皆爾の足下に拜し、爾を主の城、イズライリの聖者のシオンと稱へん。爾曾て棄てられ、憎まれて、爾を過ぐる者なきに至りしが、之に代へて我爾を永遠の華美、世世の歡樂と爲さん。爾は諸民の乳を哺ひ、諸王の富を食ひ、而して我が主爾の救者、爾の贖罪者、イアコフの全能者たるを知らん。
挿句に讚頌、第二調。
言よ、敎會は爾の神聖にする水及び血を以て新婦の如く美しく飾られて、十字架の光榮を歌ふ。
句 主我が神を崇め讚め、其足凳に伏し拜めよ、是れ聖なり。
十字架と偕に戈、釘、及び其他ハリストスの生命を施す身を釘するに供せし者を擧げて伏拜せん。
句 神我が古世よりの王は救を地の中に作せり。
モイセイは十字形に手を擧げて、アマリクに勝ちし時、ハリストスの至淨なる苦を形れり。
光榮、今も、第一調。
ハリストスよ、太祖イアコフは爾の十字架を預象して、孫に福を降す時、己の手を其首に易へたり。救世主よ、我等今日此を擧げて籲ぶ、コンスタンティンに敵に勝つを賜ひし如く、我が皇帝に勝利を與へ給へ。
「主宰よ、今爾の言に循ひて。」聖三祝文。「天に在す」の後に讚詞。「主よ、爾の民を救ひ。」幷に發放詞。
早課
「主は神なり」に同上の讚詞、三次。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第六調。
主ハリストスよ、爾の十字架の木の樹てらるるばかりにして、死の基は震へり、蓋地獄が貪りて呑みたる者を慄きて出せり。聖なる者よ、爾は我等に爾の救を顯せり、我等爾を讚頌す、神の子よ、我等を憐み給へ。
光榮、今も、同上。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第六調。
今日預言者の言は應へり、蓋視よ、我等は爾主の足の立ちし處に伏拜す、獨人を愛する主よ、我等は救の木を獲て、罪惡の諸慾より釋かれたり、生神女の祈禱に因りてなり。
光榮、今も、同上。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱、
生命を賜ふハリストスよ、我等爾を讚揚して、爾が我等を敵の奴隷より救ひし聖なる十字架を尊む。
拔萃聖詠
主よ、我と争ふ者と争ひ、我と戰ふ者と戰ひ給へ。
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
木は曩に地堂に於て我を裸體にし、敵は食に因りて死を入れたり、十字架の木は地に樹てられて、生命の衣を人人に贈れり、全世界は凡の喜に滿てられたり。其擧げらるるを見て、我等人人は、信を以て聲を合せて神に籲ばん、爾の家は光榮に滿ちたり。
光榮、今も、同上。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱、第四調。
凡そ地の極は我が神の救を見たり。
句 新なる歌を主に歌へ、蓋彼は奇跡を行へり。
「凡そ呼吸ある者。」 福音経は巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
ハリストスの十字架、「ハリスティアニン」等の倚望、迷ふ者の導引、颶風に遭ふ者の投泊、戰に於ける勝利、世界の堅固、病者の醫師、死者の復活よ、我等を憐め。
尊貴にして生命を施す十字架の規程。グリゴリイ「シナイト」の作。イルモス二次、讚詞十二段。第四調。
第一歌頌
イルモス 「我が口を開きて。」
有能なる十字架よ、爾は使徒の譽、克肖者の力、信者の記號、成聖者及び致命者の光榮、凡そ爾を讚め揚ぐる者の勝利と保固なり。
至尊なる十字架よ、爾は四極の力、使徒の飾、致命者の固、病む者の健康、死者の復活、陷る者の興起なり。
十字架よ、我の爲に能力及び保固と爲り、我と戰ふ者に對して及び防衛と爲り、我の盾及び守護、保障及び勝利と爲りて、常に我を護りて覆へよ。
生神女讚詞
純潔なる者よ、爾が己の子の十字架に在るを見る時、哀の劍は爾の心を貫けり、爾は傷ましく哭きて呼べり、然れども亦十字架の力を讚榮し給へり。
共頌「モイセイは杖を以て十字架の縱を象りて。」
第三歌頌
イルモス 「生神女、生活にして盡きざる泉よ。」
至尊なる十字架よ、爾は克肖者の武器、ハリストスの兩刃の劍、信者の飾、病者の醫治及び扶助、死せし者の興起なり。
十字架よ、爾は敬虔の基、敎會の飾、惡鬼の滅亾、不虔者の敗壞、審判の日に於て敵の辱なり。
生命を施す十字架よ、爾は我の爲に保固と勝利、盾と壞られぬ墻、惡鬼を遠ざくる者と惡念を銷す者、及び我が智慧の守護と爲れ。
生神女讚詞
女宰童貞女よ、爾の子は十字架に釘せらるる辱と非義の死とを忍びたれども、不死の主として、擧げられて、惡敵の力を仆し給へり。
共頌「杖は祕密の預象として受けらる。」
坐誦讚詞、第八調。
我が救世主よ、昔イイスス ナワィンは奧密に十字架の形を預像せり、彼が手を十字形に舒べし時、爾神に逆ふ敵を斃すに至るまで日は停まれり、今は日爾が十字架に在るを見て晦みたり、爾は死の權を敗りて、全世界を己と偕に起し給へり。
光榮、今も、同上。
第四歌頌
イルモス 「光榮の中に神性の寶座に坐するイイスス神は。」
ハリストスの十字架、大なる武器、勝たれぬ勝ちよ、爾は我等に畫されて、三刃の劍として、幽暗の首領を斬る。
生命を施す十字架よ、爾の髙さは空氣中の君を擊ち、深さは淵の蛇を刺し殺し、廣さは畫されて、爾の力にて世の君を斃す。
主よ、爾は十字架に擧げられて陷りし者を起し、地上の性を升せて、神の寶座に坐せしめ給へり、十字架、大なる髙さ、天の梯よ、我が靈を諸慾の深處より速に升せ給へ。
生神女讚詞
至淨なる生神童貞女よ、爾の手を十字形に十字架に擧げられし者に舒べて、凡そ熱心に爾に禱る者の爲に今彼に祈禱を捧げ給へ。
共頌「主よ、我爾が攝理の祕密を聆き。」
第五歌頌
イルモス 「萬物は爾が神妙の光榮に驚かざるなし。」
十字架、諸德に登す天の梯よ、爾はハリストスの髙度及び光榮なり、神の記號、見ゆると見えざる世界の爲に同じく尊き者なり。
十字架、無量なる力の記號よ、爾は水を聖にし、空氣を潔め、凡の人を光照す、爾はハリストスの記號及び帝笏にして、諸敵を地に倒す者なり。
全能の十字架よ、無知に爾を憎みて誹る惡敵を斃せ、異邦民の驕を滅せ。嗚呼ハリストスを載する至聖なる十字架よ、爾の權能を以て我等を護れ。
生神女讚詞
萬衆の女王女宰よ、爾の產の權能にて十字架の力を謗る者の激昂を止め、我等衆に堅固と潔淨とを予へ、我が皇帝に佑助と勝利とを賜へ。
共頌「嗚呼ハリストス王及び主が懸りたる木。」
第六歌頌
イルモス 「神の信者よ、來りて、神の母の。」
十字架は衆人の復活、十字架は陷りし者の再興、諸慾の撲滅、肉體の禁制、十字架は靈の光榮及び永遠の光なり。
十字架は諸敵を滅し、不虔者に傷をつけて之を擄にし、惡鬼を遠ざくる者、十字架は信者の權力、敬虔の者の守護なり。
十字架は諸慾を殺し、惡念を退くる者、十字架は異邦人の迷を解き、惡神゜を防ぐ者なり。
十字架は上げられて、空中の惡鬼の群は墜ち、十字架は下げられて、不虔者皆戰く、十字架の力の電光の如きを見ればなり。
共頌「イオナは海の猛獸の腹の中に。」
小讚詞、第四調。
甘じて十字架に擧げられしハリストス神よ、爾が同名の新なる住處に爾の慈憐を賜へ、爾の力を以て我が皇帝を樂しましめて、彼に敵に勝たしめ給へ、彼は爾の援助として平安の武器、勝たれぬ旗を有てばなり。
同讚詞
第三重の天に樂園に擧げられて、道ひ難き神聖なる言、人の舌を以て語る能はざる所を聞きし者は、何をかガラティヤ人に達して書する、書を愛する者の讀みて知れるが如し、曰く、我に在りては唯主の十字架、主が其上に苦を受けて諸慾を殺しし者の外に誇る所なしと。我等衆も此の主の十字架を堅く有ちて誇りと爲す、蓋此の木は我等の爲に救なり、平安の武器、勝たれぬ旗なり。
第七歌頌
イルモス 「敬虔の者は造物主に易へて。」
我等は分離せず混淆せざる三者、惟一の神性たる、生れざる父、生れたる子、及び出づる聖神゜を祝讚して、歌を以て歌頌せん、我が先祖の神は崇め讚めらる。
三位なる神よ、爾の暮れざる光を以て我等の神靈の目を照して、人人に悟られぬ、諸天使に近づかれぬ爾の永在なる三光の華美を仰がしめ給へ。
讚美たる仁慈全能の神よ、爾の光の光線を以て吾が靈、跌きて恩寵の光より最深き暗に陷りたる者を照して、滅亾より引き上げ給へ。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、己の手を十字架の木に舒べ、我等の性を擧げて、敵の隊を殺しし主に向ひて、爾の手を十字形に舒べて、絕えず我等の爲に禱り給へ。
共頌「不虔なる苛虐者の威嚇。」
第八歌頌
イルモス 「生神女の產は敬虔の少者を。」
勝利者たる十字架よ、爾は敵に對して弓及び劍なり、恥を得ざる武器及び勝たれぬ力なり、爾はハリストスの苦の髙度なり、爾は其足凳なり、其國の記號、信者の權力なり。
生命を施す十字架よ、ハリストスが爾の上に釘せられしに因りて、爾は我等の陷りし性を起す者と爲れり、爾は神聖なる髙度、言ひ難き深度、無量の廣度にして、悟り難き三者の記號なり。
來りて、皆今口と靈と心とを以て主の十字架に接吻し、之に伏拜し、之を讚め揚げて、共に歌ひて呼ばん、十字架、大なる富、敎會の飾よ、慶べ。
三合格の十字架よ、爾は生命及び救の木、不死の木、智識の木、三重に愛すべき不朽の木、三者の記號なる尊き木なり。
共頌「聖三者と同數なる少者よ。」
第九歌頌
イルモス 「凡そ地に生るる者は聖神゜に照されて樂しみ。」
至りて愛すべき十字架よ、錄されし如く、誰か能く爾の行動と、異能と、奇跡とを述べん、爾は地の中に立てられて、死者を復活せしめ、世界を興して、神に升らしむ。
三重に福たる十字架、全能の木よ、爾は信者の記號と能力なり、ハリストスの大にして完全なる十字架よ、爾は使徒の譽、克肖者の固、致命者の力、諸王の勝利及び榮なり。
大名にして至福なる十字架よ、慶べ、至聖にして全能なる十字架よ、慶べ、我等の生命の守護者、主の讚美たる十字架よ、慶べ。
尊貴なる十字架よ、我が爲に靈體の保護者と爲れ、爾の記號を以て惡鬼を斃し、諸敵を退け、諸慾を制し、我に祝福と、生命と、能力とを與へよ、聖神゜の行動と至淨なる童貞女の尊き祈禱とに因りてなり。
共頌「生神女よ、爾は祕密なる樂園。」
光耀歌
十字架は全世界の守護、十字架は敎會の装飾、十字架は諸王の權柄、十字架は信者の堅固、十字架は天使の光榮、及び惡魔の苦悩なり。三次
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第一調。
尊き十字架は凡そ疑はざる信を以て之に伏拜する者の爲に天を開き、之に釘せられし主は愛を以て之を歌ふ者を無形軍の品位に合せ給ふ。
我等信を以て尊き十字架に伏拜して、其上に釘せられし主宰を歌ひ、彼の恩寵に由りて口と靈とを潔められ、其無形の光に照されて、彼を讚め揚げん。
昔モイセイは十字架の形を畫して、苦き水を甘くして、イズライリを救ひたり、我等衆信者は敬虔にして奧密に之を吾が心に畫して、常に其力にて救はる。
光榮、今も、第四調。
温柔なるダワィドに異邦人を服せしめん爲に助け給ひし主よ、吾が皇帝を援けて、十字架の武器を以て我が諸敵を斃し給へ。慈憐なる主よ、我等の上に爾の古の仁慈を現し給へ、衆が爾は實に神なり、又我等爾を恃みて、常に爾の至淨なる母に我等に大なる憐みの賜はらんことを祈る者が勝利を得るを知らん爲なり。
大詠頌、幷に發放詞。
聖體禮儀に眞福詞、規程の第三及び第六歌頌。
第四編 天軍首及び其他の無形軍の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
天軍首よ、爾等は三日光の神性の至りて光明なる前立者と現れて、上なる軍と偕に歡びて呼ぶ、聖なる哉爾父、聖なる哉同無原の言、聖なる哉聖神゜、惟一の光榮、惟一の國、惟一の神性及び能力や。
天使長ミハイル及びガウリイルよ、爾等の容貌は火の如く、美麗は神妙なり、爾等は萬有の造成主の命を行ひて、無形の性を以て極を騖す、能力に於て爾等は强き者と知られ、爾等の聖なる名に緣りて尊まるる聖堂を爾等醫治の泉と爲し給ふ。
錄されし如く、爾の使者を以て風と爲し、爾に役する者を以て火燄と爲す、主言よ、爾は天軍首ミハイル及び天使長ガウリイル、爾の命に從ふ者、敬畏を以て爾の光榮に三聖の歌を奉る者を爾の天軍の中に第一だいいちの者と顯し給へり。
光栄、第六調。
天軍の首長等皆我等と偕に喜べ、蓋爾等の前立者にして我等の轉達者たる大なる天軍首は、今日其尊貴なる聖堂に至榮に現れて、成聖を施す。故に我等職として彼等を歌頌して呼ばん、至大なる天使首よ、爾等の翼の庇廕にて我等を覆ひ給へ。
今も、生神女讚詞。
童貞女の會は皆我等と偕に喜べ、蓋我等の轉達者と代求者、庇護と大なる避所は今日其尊貴神聖なる聖堂に於て憂ふる者を慰め給ふ。故に我等職として彼を歌頌して呼ばん、至淨なる女宰生神女よ、爾の神聖なる轉達にて我等を覆ひ給へ。
聖入。本日の提綱。喩言三篇。
イイスス ナワィンの記の讀 五章
イイスス イエリホンの邊に在りし時、其目を擧げて觀しに、人彼の前に立ち、其手に拔きたる劍を持てり。イイスス就きて彼に謂へり、爾は我等の一人か、抑我等の敵の一人か。彼曰へり、我は主の軍の將にして、今此に來れり。イイスス面地に伏して、彼を拜して曰へり、君よ、爾の僕に何を命ずるか。主の軍將イイススに謂へり、爾の屨を爾の足より脫げ、蓋爾の立てる處は聖なり。イイスス是くの如く行へり。
士師記の讀 六章
彼の日マディアム民イズライリの諸子を壓したれば、彼等主神に呼べり。視よ、主の使來りて、エズリの子孫なるイオアスに屬するエフラファの橡の木の下に坐せり。時にイオアスの子ゲデオンはマディアム人より遁れん爲に、酒醡の中にて麥を打てり。主の使彼に現れて曰へり、剛勇の者よ、主は爾と偕にす。ゲデオン彼に謂へり、吾が主よ、若し主我等と偕にせば、胡爲れぞ斯の諸難は我等に及びたる、我等の先祖が主は我等をエギペトより引き出ししに非ずやと云ひて、我等に吿げたりし其諸奇蹟は安に在るか、今主は我等を棄てて、マディアム人の手に付せり。主の使彼に目を注ぎて曰へり、此の爾の力を以て往け、爾イズライリをマディアム人の手より拯はん、視よ、我爾を遣せり。ゲデオン彼に謂へり、主よ、我何を以てかイズライリを拯はん、視よ、我が族はマナッシヤの中に最卑き者、我は吾が父の家の中に最小き者なり。主は彼に謂へり、我爾と偕に在らん、故に爾マディアム人を擊つこと、一人を擊つが如くならん。ゲデオン彼に謂へり、若し我爾の目の前に恩を獲たらば、請ふ、徵を以て我と語る者の爾なるを知らしめよ、願はくは斯を離れずして、我が爾に返り、禮物を攜へて爾の前に供ふるに迨べ。主の使彼に謂へり、我止まりて爾の返るを待たん。ゲデオン往きて山羊の羔を調へ、麵一「エファ」を以て酵なき餅を製り、肉を筐に入れ、羮を壺に盛り、橡の木の下に攜へ出でて、之を進めたり。主の使彼に謂へり、肉と酵なき餅とを取りて、此の石の上に置き、之に羮を斟げ。乃是くの如く爲せり。主の使其手に在る杖の末を伸べて、肉と酵なき餅とに觸れたれば、火は石より出でて、肉と酵なき餅とを燬き盡せり、而して主の使は彼の目より離れたり。ゲデオンは此れ主の使なりと知りて曰へり、嗚呼主よ、主よ、我面を面に合せて主の使を見たり。主彼に謂へり、平安なれ、懼るる毋れ、爾死なざらん。ゲデオン彼處に主の爲に祭壇を築きて、之を主の平安と名づけたり。
イサイヤの預言書の讀 十四章
主是くの如く言ふ、全地は歡びて呼ぶ、―(第三巻百六十四頁二百五十四喩言をうつす)
挿句に讚頌、第一調。
神゜靈の軍の首長等、常に主宰の寶座の前に立てる者よ、世界に平安、我等の靈に大なる憐を賜はんことを主に祈り給へ。
句 爾は其使者を以て風と爲し、其役者を以て火燄と爲す。
上なる軍の首長、神聖なる會の前立者ミハイル、常に我等と偕に行きて、衆を惡魔の諸の危難より護る者は、今日我等を慶賀に聚め給へり。祭祀を愛する者及びハリストスを愛する者よ、來りて、諸德の花を採り、淨き思と平安なる良心とを以て天使首の會を尊まん、蓋彼は常に神の前に立ち、三聖の歌を詠ひて、我等の靈の救はれんことを祈る。
句 主の悉くの天使よ、彼を讚め揚げよ、其悉くの軍よ、彼を讚め揚げよ。
無形なる神靈の軍を司りて、三日光の光榮の煇煌を以て世界を照す天軍首よ、爾等は絕えざる聲を以て三聖の歌を詠ふ、故に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
光榮、今も、第八調。
軍長及び保護者にして、諸天使の元帥たる光榮なる天軍首よ、我等忠信に爾を歌頌して、爾に祈る者を凡の患難と憂愁、諸病と諸罪より免れしめ給へ、無形の者にして明に無形の事を見、主宰の光榮の近づき難き光を以て照されて、我等の爲に主に祈り給へ、蓋彼は仁愛に由りて人間を救はんと欲して、我等の爲に童貞女より身を取り給へり。
讚詞、第四調。
天軍の首長よ、我等不當の者は常に爾等に祈る、爾等の祈禱を以て、其無形の光榮の翼の庇廕にて我等を防ぎて、護り給へ、蓋我等熱切に俯伏して呼ぶ、上なる軍の首長として、我等を危難より救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に同上の讚詞、二次。
光榮、今も、生神女讚詞。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第六調。
ハリストスよ、天使の軍は爾の寶座の前に立ちて、人類の爲に祈る、彼等の祈禱に由りて衆人に平安を與へて、異邦民の强暴を制し給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾は天使首の言に因りて父及び聖神゜と同無原なる言を胎内に孕て、ヘルワィム、セラフィム、及び寶座より更に上なる者と現れ給へり。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第六調。
天使の衆軍よ、萬有の王の寶座の四周に在りて常に樂しみて、我等信を以て爾等を呼ぶ者を護りて、苦難より脫れしめ給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
永貞童女、言ひ難く爾の内に入りて、爾より出で給ひし神の爲に啓かれたる門よ、慶べ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
天使首と差役と諸天軍、ヘルワィムとセラフィム、主を讚榮する者よ、我等爾を讚揚す。
又は
天使首、差役、首領、權柄、寶座、主制、能力及びヘルワィム、畏るべきセラフィム、主を讚榮する者よ、我等爾を讚揚す。
拔萃聖詠
「我心を盡して爾を讚榮し、」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第六調。
神の光明なる天使及び天使首、恩寵の神聖なる寶座の前に立ちて、神の光より眞實の謙遜と誠の光照とを受くる者よ、在天の仁愛者と偕に我等を眷みて、世君の起す劇しき暴風の中に難を受け、幽暗の中に寢ぬる我等を援けん爲に來りて、我等を惡の魁たる敵の網より脫れしめ給へ、讚美たる者よ、我等皆爾の帲幪に趨り附けばなり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至善なる生神女、世界の轉達者、爾に趨り附く者の恃賴と、帲幪と、避所、獨祝福せられし者よ、爾が生みし仁愛なる神に無形軍と偕に我等の靈の凡の患難より救はれんことを熱切に祈り給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱、第四調。
爾は其使者を以て風と爲し、其役者を以て火燄と爲す。
句 我が靈よ、主を讚め揚げよ、主我が神よ、爾は至りて大なり。
「凡そ呼吸ある者。」 福音経は巻末に載す。
光榮 「憐深き主よ、天使首の祈禱に依りて。」
今も 「憐深き主よ、生神女の祈禱に依りて。」
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
ハリストスよ、爾の天使等、寅畏を以て爾の嚴なる寶座の前に立ち、常に爾の光に照さるる天上の爾の歌頌者、及び爾の旨の役者は、爾より下に遣されて、我等の靈に光照を施す。
規程、第六調。
第一歌頌
イルモス 人人よ、イズライリを奴隷より釋きたる我が奇異なる神に讚詠を獻りて、凱歌を歌ひて呼ばん、我等爾惟一の主宰を歌頌せん。
我等衆信者は上なる會の悉くの無形の首長等を司る造られざる三者を歌ひて呼ばん、聖、聖、聖なる哉神全能者や。
諸天使の造成主よ、爾は造成の始たる無形の者、爾の至淨なる寶座を繞れる會をして爾に呼ばしむ、聖、聖、聖なる哉神全能者や。
神が人體を取る祕密の實見者たるガウリイル、及び無形軍の前立者たるミハイルは、常に喜びて呼ぶ、聖、聖、聖なる哉神全能者や。
生神女讚詞
ハリストスよ、我爾の寬容の祕密に戰く、蓋爾は性に於て神にして、人の如く童貞女より生れんことを甘じ給へり、世界を敵の奴隷より救はん爲なり。
第三歌頌
イルモス 主よ、爾を畏るる畏を爾の諸僕の心に入れて、我等實に爾を籲ぶ者の爲に堅固と爲り給へ。
不死の主よ、爾は至髙き處に常に爾の前に立てる、能力の强き者を爾の至聖なる旨を行ふ者と爲し給へり。
ハリストスよ、爾が人體を取ること、及び尊き復活の祕密の實見者たる天使の首長等、我等の爲に祈る者を納れ給へ。
ハリストスよ、爾は慈憐なるに因りて、天使等を人人に守護者として添はしめて、爾の悅を爲す者の救に役する者と現し給へり。
生神女讚詞
神の聘女よ、爾は言ひ難く主及び救者を孕給へり、彼は我等實に爾を籲ぶ者を諸難より救ひ給ふ。
坐誦讚詞、第八調。
天軍の宰、神の光榮の畏るべき髙座の前立者たる天軍首ミハイル及びガウリイル、主宰の役者よ、悉くの無形の者と偕に常に世界の爲に祈りて、我等が審判の日に於て罪の赦、及び慈憐と恩寵とを獲んことを求め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我は惡しくして不法なる行の多きに因りて憂悶の淵に陷り、倦みて今望を失へり、女宰生神女よ、爾我を援け、爾我を救ひ給へ、蓋爾は罪なる者の潔淨と拯救なり。
十字架生神女讚詞
至淨なる童貞女よ、爾は潔き爾の血より身を取りて、悟り難く爾より生れし者が木の上に罪犯者の間に懸れるを見て、心傷み、母として哭きて呼べり、嗚呼、我が子よ、爾が己の造物を活かし給ふ爾の神聖なる定制は何ぞ言ひ難き、我爾の慈憐を歌ふ。
第四歌頌
イルモス 主よ、爾は爾の馬たる使徒に乘りて、爾の手に其轡を執れり、爾の乘るは、信を以て、主よ、光榮は爾の力に歸すと歌ふ者の爲に救と爲れり。
人を愛する主よ、爾は天使等に馬の如く乘りて、爾の手に其轡を執れり、爾の乘るは、常に主よ、光榮は爾の力に歸すと呼ぶ者の爲に救と爲れり。
人を愛する無原の主よ、爾の德は天使等を蔽ひ、地の極を爾の神聖なる讚美にて盈つ、故に地は彼等と偕に爾に呼ぶ、主よ、光榮は爾の力に歸す。
慈憐の深きハリストスよ、爾は人人の救の爲に出でて、爾の友たる天軍を呼び集む、爾の降臨は信を以て、主よ、光榮は爾の力に歸すと呼ぶ者の爲に樂と爲れり。
生神女讚詞
至りて潔き者よ、爾は性に超えて童貞女及び母と現れたり、蓋神亦人たるハリストスを生み給へり、彼に天使の軍は寅畏を以て呼ぶ、主よ、光榮は爾の力に歸す。
第五歌頌
イルモス 無知の夜より神を知る知識にて四極を照しし主よ、爾の仁愛の朝にて我を照し給へ。
ハリストスよ、天使の軍は變らざる望を以て常に髙きに、悉くの望の極なる爾に擧げられて、絕えず爾を讚榮す。
測り難きハリストスよ、爾は己の像に循ひて諸天使を造りて、性に藉りて靈智にして、爾の恩寵に藉りて不朽なる爾の威嚴の歌頌者と爲し給へり。
ハリストスよ、爾は己の役者を爾に近づくを以て惡に傾け難き者として護れり、蓋爾は仁慈の泉にして、宜しきに合ひて爾に務むる者に恩惠を賜ふ。
生神女讚詞
生命の守護者を生みし至りて無玷なる者よ、汚はしき慾に殺されたる我が靈を活かして、永久の途及び福たる生命に向はしめ給へ。
第六歌頌
イルモス 主よ、爾は獨イオナを捕の中に入れたり、我敵の網に捕はれたる者を、彼を淪亾より救ひし如く救ひ給へ。
主よ、爾は神に適ふが如く、爾の言を以て天の不死の軍を無より有と現して、光れる者と爲し給へり。
無形の者、眞に神聖なる天の幕の住者は、宜しきに合ひて造物主に務めて、神の至榮なる祕密の尊き實見者と爲れり。
無原なる神の子よ、無形の者の靈智なる軍は爾を萬有の造物主及び造成主として常に讚美讚榮す。
生神女讚詞
至淨なる者よ、爾は永遠に父と偕に至髙きに坐する主を己の手に抱くに勝ふる者と爲り給へり、潔き者よ、彼を我等爾の諸僕に慈憐なる者と現し給へ。
小讚詞、第二調。
神聖なる光榮の役者、諸天使の宰、人人の敎導者たる神の天軍首等よ、我等に益ある事と大なる憐とを求め給へ、爾等は無形の軍の首長なればなり。
同讚詞
慈愛なる不死の主よ、爾は其書に、天には一の悔い改むる人の爲に衆くの天使は喜ぶと云へり、故に獨罪なくして人の心を識る主宰よ、我等不法の中に在る者は常に毅然として爾慈憐なる主に祈禱して、我等不當の者を憐みて、傷感の情と赦免とを賜はんことを求む、無形の軍の首長は我等衆の爲に爾に祈ればなり。
第七歌頌
イルモス エウレイの少者は爐に在りて勇ましく燄を踐み、火を露に變じて籲べり、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
仁慈なる主よ、爾は天使等の物質ならざる性を光と顯せり、彼等は常に言ひ難き光に滿てられて呼ぶ、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
天使の萬萬は常に神の前に立ちて奉事し、其顏を見るに勝へずして呼ぶ、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
神よ、爾は己の實在の言を以て天使の性を造り、聖なる神゜を以て之を聖にして、三者を世世に崇め讚めんことを敎へ給へり。
聖三者讚詞
我等三位を思ひて、像り難き性、父、言、及び神゜を讚榮して呼ぶ、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 聖なる山に光榮を顯し、棘の中に火を以てモイセイに永貞童女の奧密を示しし主を歌ひて、萬世に崇め讚めよ。
我等は天使の度生に效ひ、思を髙きに騁せて、彼等と偕に神゜を以て歌頌して、主を歌ひて、萬世に崇め讚めん。
天上に慶賀する天使等は光榮の寶座を繞り、常に神の側に在りて、彼を歌ひて、萬世に崇め讚む。
常に髙きに役する者を以て無形の火燄と爲し、天使を以て風と現す聖三者に我等伏拜して、萬世に讚榮す。
生神女讚詞
生神女よ、天使及び天使首の萬萬が天上に戰きて前に立つ所の主を、爾は手に抱くに勝ふる者と爲れり、彼を萬世に讚榮する者の救はれんことを祈り給へ。
第九歌頌
イルモス 生神女よ、爾は性の法則に超えて、造成者及び主を孕て、世界の爲に救の門と爲り給へり、故に我等常に爾を崇め讚む。
ハリストスよ、我等爾言ひ難く天の者に地の者を合せ、天使等及び人人を一の敎會と爲しし主を常に崇め讚む。
諸天使と天使首、寶座、權柄と主制、首領と能力、ヘルワィムとセラフィムよ、生神女と偕に世界の爲に祈り給へ。
衆の轉達者と現るるミハイル及びガウリイルよ、愛を以て爾等の至りて悅ぶべき記憶を尊みて、熱信に歌頌する者を眷みて、諸の危難より救ひ給へ。
生神女讚詞
聖なる神の聘女よ、慶べ、信者の爲に世界の光を生みし者よ、慶べ、我等衆の城恒及び帲幪よ、慶べ、恩主たる神に我等の爲に常に祈り給へ。
光耀歌
火の狀なる役者の軍首ミハイルよ、爾は光の父より前立者の位を受けたり、故に無形の品位の中に第一だいいちの者として、至淨なる寶座の側に立ちて、其光榮の光を以て耀き給ふ。
生神女讚詞
無形者の品位は爾の產を尊む、蓋爾は獨地上の者を喜に盈て給へり。故に我等信者は爾純潔なる者を讚榮して、歌を以て崇め讚む、爾は幽闇に在る者に旭日の如く光を耀かしたればなり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第二調。
形而上の寶座を環れる神聖なる無形の軍、靈智なる者よ、爾等は火燄の口を以て宰たる神に三聖の歌を詠ふ、聖なる哉神、無原の父、聖なる哉勇毅、同無原の子、聖なる哉常生の者、同一性なる神゜、父及び子と共に讚榮せらるる主や。二次
主よ、天使の軍は無形の唇と神゜靈の口とを以て息めざる歌を爾の近づき難き神性に獻る、主宰よ、爾の光榮の役者たる潔き靈智者は爾を讚め揚ぐ、彼等と偕に無形なるミハイル、至りて美しきガウリイル、及び上なる軍の前立者たる天軍の諸長は今日我等の饗應者と爲れり。人を愛する主よ、彼等は我等に爾の近づき難き光榮に歌を詠はんことを命じ、且我が靈の爲に息めずして爾に祈る。
第四調
ハリストス神よ、ヘルワィム等は火燄の唇を以て爾を歌ひ、天使首の會は無形の口を以て默さずして爾を讚榮し、上なる軍の首長ミハイルは息めずして凱歌を爾の光榮に奉る、彼は今日我等を光明なる慶賀に聚めて、塵の唇を以て宜しきに合ひて讚美の歌を爾に捧げんことを勸む、蓋萬有は爾の讚榮に盈てられたり、爾は之に由りて世界に大なる憐を賜ふ。
光榮、第五調。
天使首よ、爾の恩寵の蔭ふ處には彼處より惡魔の力は逐はる、蓋墜ちたる晨の星は爾の光を見るに忍びず、故に我等爾に祈る、讚美すべき天軍首(某)よ、彼が我等に射る所の火箭を爾の轉達を以て滅して、我等を其諸の誘惑より免れしめ給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、我等信者は職として爾動なき城、壞れざる垣、堅固なる轉達、及び我等の靈の避所を讚美して、爾を讚榮す。
十字架生神女讚詞
昔牝羊は己の羔が宰の爲に往くを見て、熱切に從ひて、斯く彼に呼べり、吾が甘愛なる子ハリストスよ、何處にか往く、恒忍なる者よ、何ぞ斯く急ぐ、至愛なるイイスス、無罪の者、大仁慈なる主よ、我爾の婢に言を語げよ、吾が最愛すべき子よ、我奇異に爾を生みし者を默して遺す勿れ、爾は世界に大なる憐を賜ふ至りて仁慈なる神なり。
挿句に、光榮、第四調。
神の光の至りて明なる光線に輝かさるる天軍首よ、爾等は至髙きに純白なる光と現れて、無形の軍を照し、且世界に近づき難き神性の火を輝かす。故に又火燄の口を以て絕えず三聖の歌を詠ふ、聖、聖、聖なる哉我が神や、光榮は爾に歸す。
今も、生神女讚詞。
至淨なる生神女、萬衆の女王、正敎者の譽よ、異端者の驕を破りて、彼等爾の尊き聖像に伏拜せず、之を尊まざる者の面を辱かしめ給へ。
十字架生神女讚詞。
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脋の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
第五編 主の前驅預言者授洗イオアンの總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第八調。
福たる前驅イオアン、主宰の親しき友、イオルダンの水の中に手を以て彼の至淨なる頂上に觸れし者よ、爾の聖なる轉達を以て我が卑微なる靈に主を愛する愛を生長せしめ、我が諸慾の火を滅して、我を神の命を行ふに導き、我が心情を潔めて、爾を讚榮せしめ給へ。
妊まざる者の生產、潔淨なる母の出生、人人の装飾たる主の授洗者、讚美たる前驅イオアン、我が卑微なる靈の神聖なる守護者よ、爾の祈禱を以て我に慈憐を垂れしめて、我を蛇の惡謀及び攻擊より救ひ給へ。
至榮なる預言者よ、爾は神聖なる甘味に滿てられて、凡そ信を以て爾に來る者を喜ばしめて、彼等の靈體の感覺を樂しませ、彼等の諸病と諸憂とを解き、誘感と患難とを免れしむ。
光榮、第四調。
今日大なる前驅はエリサワェタの無結果の胎より出でて現れたり、此れ衆預言者より大なる預言者にして、他に斯くの如きはあらず、又起らざりき、蓋前驅たる燈凳には至りて光明なる光は隨ひ、聲には言、新婦を導く者には新娶者は隨へり。此れ選ばれたる民を主に備へ、水を以て潔めて聖神゜の潔に備ふる者、ザハリヤの萠芽、野の美しき養成、悔改の傳道師、諸罪の潔淨、地獄に在る者に死よりの復活を福音し、我等の靈の爲に祈る者なり。
今も、復活の生神女讚詞。
生神女よ、爾に因りて神の先祖と爲りし預言者ダワィドは、爾に大なる事を爲しし者に、爾の事を歌ひて呼べり、女王は爾の右に立てりと、蓋父なく爾より甘じて人の性を取りし神ハリストス、大にして裕なる憐を有つ主は、爾母を生命の中保者と現せり、是れ慾に朽ちたる己の像を改め、山の中に迷ひし羊を獲て、肩に置き、父の前に攜へ、己の旨に協はせ、之を天軍に合せて、世界を救はん爲なり。
聖入。本日の提綱。
イサイヤの預言書の讀 四十、四十一、四十五、四十八、五十四章
慰めよ、我の民を慰めよ、神之を言ふ、司祭等よ、イエルサリムの心に語り、呼びて彼に吿げよ、其服役の期已に終り、其罪已に釋かれたり、其諸の咎に因りて彼は主の手より倍して受けたりと。野に呼ぶ者の聲ありて云ふ、主の道を備え、其徑を直くせよ。シオンに福音する者よ、髙き山に登れ、イエルサリムに福音する者よ、爾の聲を强くせよ、聲を揚げて懼るる毋れ。我主神、我はイズライリの貧しき者に聽きて、彼等を棄てざらん、我山に川を開き、谷の中に泉を出し、荒野を池と爲し、乾ける地を水の源と爲さん。天は上に歡ぶべし、雲は義を滴らすべし、地は啓けて慈憐を生じ、義も共に產すべし。ワワィロンより出で、ハルデヤ人より逃れよ、歡の聲を以て之を宣べ、之を傳へよ、地の極に至るまで此の報信を弘めよ、主は其僕イアコフを贖へりと云へ。其彼等に曠野を行かしむる時、彼等渴かず、彼は石より彼等の爲に水を流し、磐を裂けば、水涌き出でたり。妊まず、生まざる者、樂しめ、產に苦しまざる者、聲を揚げて呼べ、蓋棄てられたる婦は、夫ある者に較ぶれば、更に多くの子あり。
マラヒヤの預言書の讀 三、四章
主全能者是くの如く言ふ、視よ、我我が使を爾の面前に遣し、爾に先だちて爾の道を備へしめん。爾等が尋ぬる所の主は其殿に來らん。其來る日には誰か堪へん、蓋彼は罏に在る火の若く、濯工の灰羮の若く來りて、金銀を鍊り且潔むるが若くに潔めん。彼は審判の爲に爾等に來りて、惡者及び姦淫者に對ひ、彼の名を以て僞の誓を爲す者に對ひ、傭僱の値を掠むる者、寡婦と孤子とを虐ぐる者、外人の訟を枉ぐる者に對ひ、彼を畏れざる者に對ひて、速に彼等を罪する者と爲らん、主全能者之を言ふ。蓋我主爾等の神は易らざるなり、爾等イアコフの諸子は法を離れて、之を守らざりき。故に我に歸れ、我も爾等に歸らん、主全能者之を言ふ。然らば萬民爾等を福なる者と稱へん、爾等我主が義者と不法者との別を見るを知らん。(以下、未邦訳)。
ソロモンの智慧書の讀 四、五章
義人は早く死すとも安息に居らん、(以下、未邦訳)、―(第三巻百三十一頁百三十喩言をうつす)
挿句に讚頌、第二調。
ハリストスの傳道師及び授洗者、神の使、使徒、致命者、預言者、前驅、燈、親しき友、諸預言者の封印、婦の生みし者の中に最尊き者、舊新の恩寵の中保者、言の明なる聲よ、爾の聖なる轉達を以て我等の祈禱を慈憐なる神に向はしめ給へ。
句 祝讚せらるる哉主、イズライリの神、蓋其民を眷みて、之に贖を爲せり。
福たる前驅よ、爾はハリストスの地を行くを見る時呼べり、見よ、神の羔、世の罪を任ふ者なり。授洗者よ、爾を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを彼に禱り給へ、爾は律法と恩寵との中保者として、實に彼の前に大なる勇敢を有てばなり。
句 子よ、爾も至上者の預言者と稱へられん。
主の光榮なる預言者よ、爾に禱る、急ぎて我を諸の誘惑より脫れしめ給へ、蓋殘酷なる惡鬼は我を攻めて戰ひ、爾の僕の靈を小き鳥の如く捕へんと欲す、至福なる者よ、終に至るまで我を遺す勿れ、彼等が爾は我の避所なりと知らん爲なり。
光榮、第一調。
神を示す聲、光の燈凳、主の前驅、ハリストスを以て證せられし諸預言者の中に第一だいいちの者、世界の爲に祈禱を爲す者よ、特に爾の牧群を記憶して、其害なく救はれんことを求め給へ。
今も、復活の生神女讚詞。
視よ、イサイヤの預言應ひて、童貞女は子を生めり、生みし後も生む前の如く童貞女なり、生れし者は神なるに因る、故に天性は改め易へられたり。嗚呼神の母よ、爾の諸僕が爾の堂に獻ぐる祈禱を棄つる勿れ、惠深き主を爾の手に抱きし者として、爾の諸僕を憐みて、我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
讚詞、第二調。
義人の記憶は讚美するに在り、爾には、前驅よ、主の證は足れり、爾は實に諸預言者よりも尊き者と現れたり、蓋傳へられし者を流水に洗するにも勝ふる者と爲れり。故に喜びて眞實の爲に苦を受けて、地獄に在る者にも、肉體に現れて世の罪を任ひ、我等に大なる憐を賜ふ神を福音せり。
光榮、今も、生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞、同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
今我等の爲にザハリヤの芽は生じ、野の飾、及び諸預言者の畛域は信者の念と意とを樂しましむ、蓋ハリストスの前驅、其降臨の僞なき證者は現れたり。故に我等は心を一にして屬神゜の歌を以て授洗者に呼ばん、眞實の預言者及び傳道師よ、我等の救はれんことを祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
神の聘女、ハリストス神の母よ、我等は爾の悟り難き產を讚榮して歌ふ、女宰生神女よ、我等は此を以て惡魔の誘惑と凡の危難より救はれて、熱心に爾に呼ぶ、獨讚美たる者よ、爾の牧群を憐み給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第二調。
至善なる主よ、爾は大なる仁慈に因りて爾の造物を救はん爲に、爾の降るを以て天を傾けて來り給へり、故に我等爾の畏るべき定制を歌ひて、爾に呼ぶ、ハリストスよ、獨慈憐なる主として、爾の前驅の祈禱に由りて、我等に諸罪の潔淨を與へ給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
「ハリスティアニン」等の熱切なる轉達者生神女よ、常に爾の子に祈りて、其大なる仁慈を以て爾母童貞女の祈禱に因りて、我等を戰ふ敵の凡の惡事及び殘害より救ひて、我等に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱、前驅の誕生に、
救世主の前驅イオアンよ、我等爾を讚揚して、爾が胎の荒れたる者よりする至榮なる誕生を尊む。
拔萃聖詠
祝讚せらるる哉主、イズライリの神 云々
前驅の降孕に、同上。
前驅の斬首及び聖首の發見に、拔萃聖詠、
神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり、云々
讚揚詞の末辞は 皆爾の尊貴なる斬首を尊む。
聖首の發見に 皆爾の尊貴なる聖首の發見を尊む。
前驅の會聚に 皆爾の至尊なる會聚を尊む。
多燭詞の後に坐誦讚詞、第五調。
胎内より神の預言者と顯れ、素妊まざる者より出でたる世界の光明なる燈、ハリストスの授洗者、及び勝利を得たる苦難者、前驅イオアンを歌を以て讚め揚げん、蓋彼は主に我等の靈を憐まんことを祈り給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
婚姻に與らざる聘女、至淨なる神の母、エワの悲を喜に轉ぜし者よ、我等常に爾を歌頌して讚榮す、爾我等を始の詛より解きたればなり、讚美たる生神女よ、今も絕えず爾の子及び神に我等を救はんことを祈り給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱。
子よ、爾も至上者の預言者と稱へられん。
句 「祝讚せらるる哉主、イズライリの神。」
「凡そ呼吸ある者。」 福音経は巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第一調。
預言者及び前驅イオアンよ、爾は神の羔及び言の傳道師と爲りて、未來の事を預言し、四極に宣べ傳ふ、視よ、神の羔、世の罪を任ひて、衆に大なる憐を賜ふ者なり。
規程は生神女の六段、幷に前驅の八段。第四調。
第一歌頌
イルモス 童貞女より生れし主よ、祈る、强き軍たる我が靈の諸慾を無慾の深處に沈め給へ、我が皷を以てするが如く、肉情を殺すに由りて凱歌を爾に歌はん爲なり。
前驅授洗者よ、爾は大なる日に先だつ星の如く、爾の光にて地を照し給へり、故に爾に呼ぶ、無數の罪に由りて甚しく昧まされて瞽と爲りたる我が心をも照し給へ。
福たる者よ、昔爾は誕生を以て妊まざる胎を解きたり、故に爾に祈る、慾の爲に荒れて結果せざる吾が靈を爾の祈禱を以て諸德の果を結ぶ者と爲し給へ。
至榮なる授洗者よ、爾はイリヤの能力を以て贖罪主に先だちて、彼の爲に途を備へたり、祈る、吾が靈の途を彼に向はしめて、爾の祈禱を以て之に凡の誘惑と諸慾の焔とを免れしめ給へ。
生神女讚詞
光れる雲よ、吾が靈の多くの暗き雲を爾の光明なる轉達を以て散じ給へ、我が爾より輝き出でたる日を見て、此の光に由りて暮れざる光に至らん爲なり。
第三歌頌
イルモス 强き者の弓は弱み、弱れる者は力を帶びたり、故に我が心は主の中に堅められたり。
福たる者よ、爾は凡の德を行ひ、凡の惡を心より憎み、人人に悔改の途を示し給へり。
爾は身を取りし言の大なる前驅と現れたり、故に爾に祈る、我に無知なる慾を免れしめて、我を無慾に導き給へ。
前驅よ、爾は尙身に居る時に無形の者の度生を爲し給へり、捧神者よ、之に效はん爲に、爾の祈禱を以て我等を堅め給へ。
生神女讚詞
母童貞女よ、犯罪に由りて不當の者となりたる世界は爾に由りて憐を蒙りたり、故に我等職として歌を以て歌頌して、爾を讚揚す。
坐誦讚詞、第一調。
ハリストスの前驅よ、爾はイリヤの如く野に居りたり、至福なる者よ、吾が心を堅め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる者よ、ダワィドは爾潔き童貞女を女王として傳ふ、故に我爾に祈る、我を天の國の嗣業と爲し給へ、我が爾を讚揚せん爲なり。
第四歌頌
イルモス 洪恩なる主よ、爾は己の像を愛するに因りて、爾の十字架に上りしに、異邦民は融けたり、人を愛する主よ、爾は我の堅固と美譽なればなり。
至榮なる前驅よ、我等は爾を至りて眞實なる言を以て世界に眞の春を預象する班鳩と知りて、爾を讚揚す。
前驅よ、我詭譎なる者の誘惑に害はれたる者を、舊新の中保者として全く改め給へ、我爾を歌ふ。
荒野に居りて無玷なる生命を送りし前驅よ、凡の罪過に由りて荒れたる吾が智慧を爾の神聖なる祈禱を以て淨め給へ。
生神女讚詞
童貞女よ、爾の子は我等の爲に潔淨及び贖罪として知られたり、傷感の情を以て爾を讚揚する我等の靈を救はんことを彼に祈り給へ。
第五歌頌
イルモス 仁慈なる主よ、爾の光を我等に遣し、罪過の闇より我等を解きて、爾の平安を賜へ。
ハリストスの授洗者よ、我諸慾の焔に焚かるる者を爾の祈禱を以て濕して、之に害せらるるなく護り給へ。
至福なる者よ、爾の聖なる右の手の下に父の神聖なる右の手、爾の聖にせられし轉達に由りて我等を詭譎者の手より救ふ者は洗を受けたり。
前驅よ、全世界は爾を避所と堅固なる帲幪、及び大なる城垣として有つ、爾の祈禱を以て我等を凡の患難より救ひ給へ。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、神は爾をイアコフの榮として愛して、爾を以て凡そ先に罪過に昧まされし者を飾り給ふ。
第六歌頌
イルモス 我海の深處に至り、多くの罪の暴風は我を沈めたり、慈憐の主よ、神なるに因りて、我が生命を深處より引き上げ給へ。
前驅よ、爾は流水の中に立ちて、衆人の罪を任ふ主宰に洗を授けたり、彼に我等の靈を憐まんことを絕えず祈り給へ。
前驅よ、爾は悔改の傳道師と現れたり、求む、有害なる罪に汚されて弱りたる吾が心に之を起さしめ給へ。
福たる者よ、爾は荒野に聲を揚げて、人人の靈に來り給ふ言を傳へたり、故に凡の敎會は默さざる聲を以て爾を讚揚す。
生神女讚詞
神の聘女よ、爾の畏るべき產に由りて律法の預象は明になれり、女宰よ、我等今其成就したるを見て、宜しきに合ひて爾を尊む。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば下の小讚詞を誦すべし。第八調。
前驅イオアンよ、我不當の者は爾眞に凡の聖人より大なる者の前に、凡の不法者より多く罪を犯す、然れども我爾に歌を捧げて求む、主の前に勇敢を有つ者として、我を諸の災禍より救ひて、爾に呼ばしめ給へ、恩寵の傳道師よ、慶べ。
同讚詞
神に賞せられし福たるイオアンよ、我喜を抱きて歌を爾に捧ぐるを始む、然れども爾を記憶して訝り、畏れて何の言を言ふを知らず。前驅よ、爾自ら我を堅めて、宜しきに合ふ言を與へ給へ、歡喜の現れし所以の者よ、慶べ、詛の亾びたる所以の者よ、慶べ、地の四極の敎師よ、慶べ、ハリストスの奇跡の傳道師よ、慶べ、天にまで至る髙き良心よ、慶べ、全地を潔むる廣き潔淨よ、慶べ、聖なる三者を見しに因りて慶べ、物質を輕ぜしに因りて慶べ、日を示す星よ、慶べ、天下を照す光體よ、慶べ、ハリストスを知らしし者よ、慶べ、サタナを惡みし者よ、慶べ、恩寵の傳道師よ、慶べ。
第七歌頌
イルモス 昔アウラアムの少者はワワィロンに於て爐の焔を踏みて、歌を以て呼べり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
凡そ婦の生みし者の中に大なる者と現れし預言者よ、爾の大なる祈禱を以て、我多く神の前に罪を犯しし者を大なる焔と永遠の幽暗より脫れしめ給へ。
我は果を結ばざる無花果と現れて、斫らるるを恐る、救世主の前驅よ、爾の轉達を以て我を固めて、果を結ぶ者と爲し給へ、我が爾を讚揚せん爲なり。
前驅イオアンよ、衆人の贖罪主に奉る爾の勇ましき祈禱を以て、熱心に爾に趨り附く者に向ひて起す所の凡の敵の暴風を鎮め給へ。
生神女讚詞
童貞女よ、靈と舌とを以て常に爾を讚榮する爾の諸僕を凶惡者の攻擊及び惡鬼の服役より脫れしめ給へ。
第八歌頌
イルモス 衆人の贖罪主全能者よ、爾は降りて、燄の中に敬虔を守りし者に露を注ぎて、歌はしめ給へり、悉くの造物は主を歌ひて崇め讚めよ。
前驅よ、我怠惰の眠に耽りて、惡の暗に昧まされたる者を爾の光明なる祈禱を以て起して、晝に在るが如く美しく諸德を行ふを得しめ給へ。
誘惑の暗は我を圍み、諸慾の暴風は我を擾す、前驅よ、我に手を授けて、爾の祈禱を以て吾が靈の舟を痛悔の港に導き給へ。
世界の罪過を任ふ者を河水の中に洗せし福たるイオアンよ、爾の祈禱の流を以て我が惡の淵を涸らし給へ。
前驅よ、爾は言ひ難く爾より洗を受けしイイススの上に聖神゜の臨むを見、彼の爲に證する父の聲を聞けり、彼に我等を救はんことを禱り給へ。
生神女讚詞
生神女純潔なる童貞女よ、我等の更新の泉として、我蛇の攻擊に由りて害はれし者を全く改め給へ、我が信と愛とを以て爾を讚揚せん爲なり。
第九歌頌
イルモス エワは不順を病みて、詛を入れたり、爾は、童貞生神女よ、己の產にて世界の爲に祝福の華を發けり、故に我等皆爾を崇め讚む。
主ハリストスは我が力我が歌なり、福たる前驅よ、彼に祈りて、我を諸慾と凡の惡鬼の攻擊とに勝たん爲に堅めて、神の旨を行ふを賜はんことを求め給へ、我が愛を以て常に爾を讚揚せん爲なり。
神聖なる前驅よ、爾はハリストスの神聖なる春を報ずる美しき班鳩、嘉き音の燕と現れたり、爾に祈る、我を靈を害する冬と罪の暴風より脫れしめんことを彼に祈り給へ。
神聖なる前驅よ、爾は母の胎内に喜び躍りて、童貞女より輝きし者を知らせたり、彼に祈りて、我を殺す肉慾の動を殺して、吾が心を喜に滿てんことを求め給へ、我が爾を歌はん爲なり。
生神女讚詞
善を愛する神を生みし善を愛する生神女よ、彼に祈りて、我を凡の惡より救ひ、彼を愛する心を燃し、我に肉體の逸樂を惡ましめんことを求め給へ、我が歌を以て爾を讚め揚げん爲なり。
光耀歌
福たる前驅授洗者よ、爾は年老いたる妊まざる者及び翁司祭より生れて、光榮の日の現るる前に晨の星の如く麗しく輝き出で、主が童貞女より人類の贖罪の爲に生るるを傳へ給へり、故に我等愛を以て歌頌して、爾の最尊き(祭名)に伏拜す。
生神女讚詞
至淨なる生神女よ、爾の子萬有の神を聖神゜に感ぜられて預言者は宣傳し、使徒は傳敎し、致命者は明に承け認めたり、彼等と偕に我等爾に因りて古の定罪を免れし者は爾を崇め讚む。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
婦の生みし者の中に最大なる前驅よ、神の前に勇敢を有ちて、絕えず彼に祈りて、熱信に爾を籲ぶ我等を反正せしめて、痛悔の心を與へんことを求め給へ、我等が救はれて、常に爾を歌頌せん爲なり。二次
母の胎内より預言者と名づけられし傳道師、前驅及び使徒よ、惡鬼に服して罪の奴隷と爲りし我を、勇毅なる軍士として、二の者より救ひ給へ、我が爾の亟なる佑助を傳へん爲なり。
ハリストスの福たる授洗者よ、聖神゜の箕として、吾が心より糠の如き風習を掃ひて、我が善行を麥の如く神の倉に斂め給へ、我が主宰の嘉く納れらるる糧と爲らん爲なり、爾の轉達に由りてなり。
光榮、第八調。
イオアンに馨香は適ひ、授洗者に美しき歌は適ふ、蓋彼は我等の救の始を傳へて、腹の内に躍り、野の中に悔改せよと呼べり、彼は王の軍士、恩寵の前驅なり、羔を示し、救世主に我等の靈の爲に祈り給ふ。
今も、生神女讚詞。
女宰よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の災禍と憂愁より救ひ給へ。
大詠頌、幷に發放詞。
聖體禮儀に眞福詞、規程の第三及び第六歌頌。
第六編 諸聖神父の會聚祭の總奉事
斯の奉事はパスハ後第七主日、又七月二十九日神品致命者聖アフィノゲンの記憶の後、又十月二十四日聖使徒フィリップの記憶の後に之を行ふ。
スボタの晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に讚頌、第六調。
主よ、爾は黎明の前に腹より生れたり、父より母なく世世の先なり。アリイは爾を造物と爲し、神として讚榮せず、狂暴を以て無知に爾造物主を諸造物に混じて、己の爲に永遠の火を蓄ふ。然れどもニケヤにありし會は爾を神の子、父及び聖神°と同座なる者として傳へたり。
救世主よ、孰か爾の衣を裂きたる、アリイなりと爾言へり、三者の同尊なる本原を截り分けたる者なり、彼は爾を三者の一と承け認めざりき、彼はネストリイにも生神女と言はざるを敎ふ。然れどもニケヤにありし會は爾を神の子、父及び聖神°と同座なる者として傳へたり。
光を觀ることを惡みたるアリイは罪の崖より墜ち、靈妙なる鈎にて其中は掻き裂かれて、强ひて悉くの臟腑と生命とを出だし、彼は其意旨と容態とを以て他のイウダと爲りたり。然れどもニケヤにありし會は爾を神の子、父及び聖神°と同座なる者として傳へたり。
無知なるアリイは至聖三者の惟一の本原を斷ちて、三の同じからず相合はざる性と爲せり、故に捧神なる諸神父は勇み集ひて、熱心に燬かれて、フェスワのイリヤの如く、屬神°の劍を以て、聖神°の彼等に諭ししに從ひて、不遜を敎へたる褻瀆者を斬る。
光榮、第六調。
我等今聖神°の奧密の角たる捧神なる諸神父、敎會の中に神學の調和したる歌を歌ひて、神性の惟一なる變易せざる三者を讚榮せし者、アリイを斃しし者、正敎者を防ぎ衛りし者、常に主に我等の靈の救はれんことを祈る者を讚め揚げん。
今も、生神女讚詞。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、云云
聖入。本日の提綱。
創世記の讀 十四章
アウラムは其親戚ロトの擄にせられしを聞きて、其家僕三百十八人を率ゐ、敵を追ひてダンにまで至り、爰に諸僕と偕に夜に乘じて彼等を攻め、彼等を破りて、ダマスクの左なるホワルまで彼等を追へり。斯くして凡のソドム人の馬を取り回し、己の親戚ロト、其悉くの所有、及び婦女と人民とを取り回せり。アウラムがホドロゴモル及び彼と偕に在りし王等を擊ち破りて歸れる時、ソドムの王はサワィンの谷、卽今の王の野に出でて、彼を迎へたり。時にサリムの王メルヒセデクは餅と酒とを攜へ出でたり、彼は至上なる神の司祭たりき、彼アウラムを祝して曰へり、アウラムは天地を造りし至上なる神に祝福せらるる哉、爾の敵を爾の手に付しし至上なる神は祝讚せらるる哉。
申命記の讀 一章
彼の日モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、我爾等の前に在る斯の地を爾等に與へたり、入りて之を嗣げ、此れ主が爾等の先祖アウラアム、イサアク、イアコフに誓ひて、之を彼等と其後の子孫とに與へんと云ひし地なり。彼の時我爾等に謂ひて曰へり、我一人にて爾等を任ずる能はず、主爾等の神は爾等を增加せり、視よ、爾等今日衆きこと天の星の如し。願はくは主爾等の先祖の神は爾等を增して、今より千倍ならしめ、又爾等を祝福せん、其爾等に言ひしが如し。我爾等の中より智慧及び思慮あり且つ練達なる人人を取りて、爾等を治めん爲に千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長と爲し、又爾等の士師の書記と爲せり。彼の時我爾等の士師に命じて云へり、爾等其兄弟の中の訴を聽き、此の人と彼の人との間を正しく審け、外來の人に於ても然せよ、人を視て審判すべからず、少き者にも大なる者にも聽くべし、人の面を懼るべからず、審判は神の事なればなり。
申命記の讀 十章
彼の日モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、天と諸天の天、及び地と凡そ其中に在る者は、皆主爾の神に屬す、然れども主は唯爾等の先祖を納れて、之を愛し、及び其後の裔たる爾等を萬民の中より簡べり、今日の如し。故に爾等心に割禮を行へ、復强項なる毋れ。蓋主爾等の神は此れ諸神の神、諸主の主、大にして權能ある、畏るべき神にして、人を偏り視ず、賄を受けず、外來の者と孤と寡との爲に審判を行ひ、外來の者を愛して、之に食物と衣服とを與ふ。爾等も外來の者を愛せよ、自らもエギペトの地に於て外來者たりし故なり。主爾の神を畏れ、彼のみに事へ、彼に著き、彼の名を以て誓へ、彼は爾の譽、彼は爾の神、爾が目の覩し所の此の大にして光榮なる事を爾の爲に行ひし者なり。
リティヤに本堂の讚頌。
光榮、第三調。
聖なる諸神父よ、爾等は使徒の傳の確實なる守護者たりき、蓋聖三者の一性なることを正しく敎へて、公會を以てアリイの褻瀆を除き、彼と共に亦聖神°に敵せしマケドニイを譴責し、ネストリイ、エウティヒイ及びディオスコル、サワェリイ及びセワィルを定罪せり。祈る、我等が彼等の迷を脫れて、信に玷なくして我が生命の護られんことを求め給へ。
今も、生神女讚詞。
爾は種なく聖神°に由りて、父の旨を以て、云云
挿句に八調經の讚頌。
光榮、第四調。
ニケヤの光明なる城に全世界より集まりたる捧神なる諸神父の周年の記憶を、我等正敎人の會は今敬虔の心を懷きて正しく祝ふ、蓋彼等は神聖の智識を以て狂妄なるアリイの神に逆ふ敎を斃し、公會を以て彼を公敎會より逐ひ、衆人に詳に神の子が神父と一性同永在にして、世世の先より居る者なるを承け認めんことを敎へ、信經の中に慎みて明に之を述べたり、故に我等も彼等の神聖なる定理に順ひて、堅く信じて、父と偕に子及び至聖神°、三位にして一性なる惟一の神に役む。
今も、生神女讚詞。
至りて玷なき者よ、爾が僕婢の祈禱を顧みて、云云
餅を祝福する時に讚詞。
生神童貞女よ、慶べよ、云云 二次
又諸聖神父の讚詞、第八調。
崇め讚めらるる哉ハリストス我等の神、光明として地上に我が諸神父を立て、彼等を以て我等衆を眞の敎に導きし者や、至りて慈憐なる主よ、光榮は爾に歸す。 一次
早課
「主は神なり」に主日の讚詞、二次。
光榮、諸聖神父の讚詞。
今も、生神女讚詞。
我等の爲に童貞女より生れ、十字架に釘うたるるを忍び、云云
カフィズマの後に八調經の坐誦讚詞。
規程は、復活の、イルモスと共に四段、十字架復活の、二段、生神女の、二段、又諸聖神父の、六段。聖にせられし全地の總主敎ゲルマン師の作。第六調。
第一歌頌
イルモス イズライリは陸の如く淵を踏み渡り、追ひ詰めしファラオンの溺るるを見て呼べり、凱歌を神に奉らん。
天よりするが如く、ニケヤより活ける父の言を普く轟かして、其諸敵を雷に殺されたる者と爲しし聖神父等は聖にせられし言を以て尊まるべし。
ハリストスは聖神父等を第二の公會に合せて、神°に逆ふ者の惡しき神°を聖神°を以て己の敎會より遠く逐ひ給へり。
公會の長座たるキリル、明に童貞女マリヤを神の潔き母と承け認めたる者はハリストスに逆ふネストリイの迷を斥けたり。
生神女讚詞
潔き者よ、爾は造られざる三者の一なるハリストスを二性二旨の者として生めり、彼は爾に由りて人人を諸天使と合せ給へり。
第三歌頌
イルモス 爾が信者の角を髙うし、我等を爾が承認の石に堅めし仁慈の主、吾が神よ、爾と均しく聖なるはなし。
無智なるアリイは造物の役者と爲り、マケドニイも亦憎むべき者と現れて、二人ながらエㇽリン人と同じく火のゲエンナに苦しむ。
ハリストスよ、爾は聖なる諸神父の聖にせられし七の公會を以て、七の燈の光を以てするが如く、尊き敎會を照して、迷の幽闇を遠く逐ひ給へり。
言よ、諸異端者の多種の瘡は爾の牧群を悩ます、然れども爾の靈智なる羊の牧者は敎を以て之を醫す。
生神女讚詞
至淨なる者よ、爾は造られざる三者の一を二性二旨の者として生み給へり、我等は彼の尊き像に伏拜して、恩寵に滿てらる。
復活の小讚詞及び同讚詞。
次に諸神父の坐誦讚詞、第四調。
福たる諸神父よ、爾等は誠に世界の爲にハリストスの眞實の至りて光りたる燈として地上に現れて、惡言の異端を涸らし、焦熱の褻瀆を滅せり、故にハリストスの成聖者として、我等の救はれんことを祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至りて讚美たる潔き童貞女よ、爾は己の神聖なる產を以て慾の中に朽ちて死したる地上の者の性を新にして、衆を死より不朽の生命に起し給へり。故に我等皆職として爾を讚揚す、爾の預言せしが如し。
第四歌頌
イルモス 尊き敎會は淨き心より主の爲に祝ひ、神に適ひて呼び歌ふ、ハリストスは吾が力と神と主なり。
救世主よ、爾の敵は騷ぎ、爾を惡む者は僅に首を擧げたれども、屬神°の角の聲に勝へずして、遽に墜ちたり。
日よりする二の日の如く、父より造られざる同無原なる子及び聖神°は輝きて二倍に光る、父は二の者の惟一なる原因として信ぜらる。
七の神°はハリストスに止まれり、イサイヤ之を言へり、七の公會にハリストスは父及び聖神°と偕に止まり給へり。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、爾は己の淨き血より身を取りし神を生み給へり、諸神父は彼を二性一位なる主として傳へたり。
第五歌頌
イルモス 至仁なる神の言よ、切に祈る、爾に朝の祈禱を奉る者の靈を爾が神の光にて照して、爾罪の暗より呼び出す眞の神を知らしめ給へ。
ハリストスの神聖なる葡萄の樹、エギペトより移されたる者を暗黑なる殘害者の野獸は始めて食らへり、然れども聖なる神父等の投石索にて遠く逐はれたり。
尊き神父等は神聖なる三光の輝にて智慧を照して、至尊なる三者の一なるハリストス主を二性二旨の者として傳へたり。
三者讚詞
嗚呼三者や、睿智なる諸神父に由りて、敎會は有形の世に在りて天上のセラフィムの如く常に爾に三聖の歌を奉りて、三位の中に爾の惟一なる神性を讚榮す。
生神女讚詞
潔き者よ、爾は己の子の母及び婢と爲れり、蓋爾より生れし者は爾の造成者として爾より先に在りき、我等は彼を二性の者と知りて、一位なる言として讚榮す。
第六歌頌
イルモス 誘惑の猛風にて浪の立ち揚がる世の海を觀て、爾の穩なる港に著きて呼ぶ、憐深き主よ、我が生命を淪亾より救ひ給へ。
諸神の神主は言を出して、全地を東より西に至るまで召し給へりと、ダワィドは先に歌ひて、諸神父の全地の公會を示せり。
主宰よ、神の智慧は七の柱を建てたり、是れ爾の敎會を聖にせられし諸神父の七の公會を以て諸の異端に動かされぬ者として護るなり。
恥はハリストスの二性の混合を漫に唱へしエウティフ及びディオスコルの面を蔽ふべし、蓋ハリストスは幻像ならずして、實體に地上の者の性を受けて、之を神成し給へり。
生神女讚詞
ネストリイはエウレイ人の暗き會の中に隱れ、其褻瀆の舌は斬らるべし、蓋童貞女マリヤは我等の爲に身を取りし神を生み給へり。
小讚詞、第八調。
諸使徒の宣傳と諸神父の定理とは敎會の爲に惟一の敎を固めたり、斯く敎會は天上の神學が織りたる眞實の衣を衣て、神の敎の大なる奧義を正しく解き、且讚榮す。
同讚詞
我等神の敎會が聲髙く宣傳して呼ぶを聞かん、渴く者は我に來りて、我が執る所の爵を飮むべし、此は智慧の爵、我眞實の言を以て此の飮料を斟めり、此反論に非らずして承認を注ぐ水なり、之を飮む今のイズライリは斯く宣ぶる神を見る、視よ、視よ、此れ我自なり、變らざる者なり、我は始の神なり、我其後にもあり、我の外一も他の神なしと、之を飮む者は飽くを得て、神の敎の大なる奧義を讚め歌はん。
第七歌頌
イルモス 神の使は潔き少者の爲に爐に露を出ださしめ、ハルデヤ人を焼く神の詔は苦しむる者に呼ばしめたり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
昔ダニイルはワワィロンの蛇を壞れり、諸神父の祈禱に因りてエギペトの殘忍の蛇たるアリイ、ハリストスの牧群を食ふ者は裂かれたり。
赦すべからざる不敬虔に燃ゆる狼たるマケドニイは人人を神成する神°、聖洗の浴盤を以て衆信者に原始の美しきを衣する主に抗敵せり。
ディオスコルと、エウティフと、鰐たるセウィル、ハリストスの二性を混合し混雜する三人は强暴を以て尊き三者に抗敵せり。
生神女讚詞
主宰よ、我等は爾の肉體の姿の聖像、又爾の母及び衆聖人の聖像に慎みて接吻して、尊敬が原像に歸するを正しく識る。
第八歌頌
イルモス ハリストスよ、爾は潔き者の爲に焔より露を注ぎ、義人の祭の爲に水より火を出せり、爾は一の望にて萬事を行ひ給へばなり、我等爾を世世に讚め揚ぐ。
一の根よりする二の芽の如く、子及び聖神°は輝けり、蓋父は惟一の原因なり、年に緣らざる者は年に緣らざる二位と同尊なる者なり。
父及び聖神°と一性なる言よ、爾は年に緣らずして無形の腹より輝けり、然れども我等の爲に惟一の生神女の年に緣る有形の腹に入り給へり。
神聖なる七數の公會の諸神父の屬神°の火に燃ゆる箭は敵なる異端者の冷やかなる心に刺されて、彼等を死に至らしめたり。
生神女讚詞
童貞女よ、我等は惟一のハリストスに於て二の位を承け認めず、又其二の性を混淆して合するなし、蓋爾の子及び造成主は一位にして二性なる者なり。
第九歌頌
イルモス 天使の品位すら見るを得ざる神は、人見る能はず、唯爾至淨の者に依りて人體を取りし言は人人に現れ給へり、我等彼を崇めて、天軍と偕に爾を讚め揚ぐ。
我が醇正なる敎、我等が信を以て此に於て洗せられし所の者の聖なる傳に一も加へ、或は之より除くべからず。斯の敎を變ずる者は實に詛の罰に服す。
我等皆心に歡喜を懷きて、聖にせられし公會の諸神父を尊まん、蓋彼等に由りて醇正なる敎の光を觀たり、彼等は衆を眞の敎に導く燈と現れたればなり。
我等は靈の爲に潔淨を求めて、敬虔に生を送ることを務めん、眞の敎の富を其諸子たる我等の爲に蓄へたる聖なる諸神父に與る者と爲らん爲なり。
生神女讚詞
神の母よ、神は爾の胎内より輝き出でて、人類を神成し、凡そ爾を常に眞の生神女と傳ふる者を其光榮を繼ぐに勝ふる者と爲し給へり。
光耀歌
我等今日神聖なる諸神父の記憶を祝ひて、爾に祈る、慈憐の至りて深き主よ、彼等の祈禱に因りて爾の民を諸の異端の害より脫れしめて、衆に父と言と至聖なる神°とを讚榮するに勝へさせ給へ。
生神女讚詞
神の宮よ、慶べ、樹蔭繁き山よ、慶べ、焚かれぬ棘よ、慶べ、光榮の寶座よ、慶べ、神聖なる筵よ、慶べ、純金の壺よ、慶べ、至りて光明なる燈よ、慶べ、輕き雲たる童貞女母マリヤよ、慶べ。
「凡そ呼吸ある者」に復活の讚頌四章、又諸神父の、四章。第六調。
尊貴にして至りて福たる諸神父は悉くの靈の知識を聚め、又神聖なる神°に照されて、尊き信經を錄し、其中に正しく使徒の敎に從ひて、明に神の言が之を生みし者と同無原にして、一性なることを敎ふ。二次
句 主我が先祖の神よ、爾は讚揚せられ、爾の名は世世に讚美讚榮せらる。
福音の敎及び敬虔なる傳の守護者且傳道師たる至福なる諸神父は聖神°の光照に照されて、簡短なる詞と多くの智慧とを以て神より賜はりたる醇正の敎を宣べ給へり。
句 我の聖者、祭を以て我と約を結びし者を我が前に集めよ。
ハリストスの眞の僕たる諸聖神父は義なる怒を起して、害を爲す狼を逐ひ、之を悔なき死罪ありて靈の愈されぬ者として、敎會より斥けたり。
光榮、第八調、ニコミディヤのゲオルギイの作。
聖なる諸神父の會は地の四極より集まりて、父と子と聖神°が一性なるを敎へ、神學の奧義を明に敎會に傳へたり、我等熱心に彼等を讚め揚げて云ふ、嗚呼神聖なる營、主の軍の武装したる兵士、無形の空の光れる星、奧密のシオンの堅固なる柱、天堂の芳しき花、言の黃金の口、ニケヤの令譽、世界の装飾なる者よ、我等の靈の爲に切に祈り給へ。
今も、生神童貞女よ、爾は至りて讚美たる者なり、云云
大詠頌。
聖三祝文の後に復活の讚詞のみ。聨禱並びに發放詞。
第一時課並びに最後の發放詞。時課には復活の讚詞、光榮、諸聖神父の、今も、時課の生神女讚詞。「天に在す」の後に復活の小讚詞。
――――――――――――――
聖體禮儀に眞福詞は八調經の、六段、又諸聖神父の、第三歌頌四段。聖入の後に讚詞、復活の、及び諸神父の。次に小讚詞、復活の、光榮、諸神父の、今も、生神女の本堂の、或は「ハリスティアニン等の辱を得ざる轉達」。
提綱は本調の、又諸祖の歌、第四調、主我が先祖の神よ、爾は讚揚せられ、爾の名は世世に讚美讚榮せらる。
使徒の誦讀は本日の、又諸神父の、エウレイ書三百三十四端。アリルイヤは本調の、又諸神父の、第一調「諸神の神主は言を出して地を召す」。句「我の聖者、祭を以て」。
福音經の誦讀は本日の、又諸神父の、イオアン五十六端。
領聖詞は「天よりを讚め揚げよ」。又諸神父の、「義人よ、主の爲に喜べ」。
第七編 預言者一人の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
潔き智慧を以て神元の光照の煇煌を受けし至尊なる(某)よ、爾は神の言の宣傳者、預象者、及び神聖なる預言者と爲り、聖神゜に動かさるる口と現れて、彼より爾に示さるる事を宣べ、衆民に賜はる救とハリストスの國とを傳へたり、求む、我等の靈を照して救はんことをハリストスに禱り給へ。
見神の恩寵と預言の恩賜とに輝き、神聖なる福樂を得たる神に感ぜられし(某)よ、爾は今至仁なる主の前に勇敢を得て、我等信を以て爾を讚め揚げ、爾を神に愛せらるる預言者として尊む者の爲に絕えず祈りて、我等を諸難より脫れしめて、吾が靈を救はんことを求め給へ。
不死なる神よ、爾は預言者(某)を實に生活の水を流す生ける雲と爲し、彼を遣して、豐に彼に爾全能者父及び爾より輝きし子と同一性なる至聖神゜を賜へり、此に緣りて彼はハリストス吾が神の救を施す降臨を預言し、衆民に救贖を宣傳せり。
光榮、今も、生神女讚詞。
我不當の者は我が怠惰と、煩悶と、無知とに由りて多くの罪の深處に陷りて、今失望に苦しめらる、至淨なる者よ、我が爲に扶助と潔淨、及び救と爲りて、我を善に還らしむる慰を我に與へ給へ。我爾に祈り、爾に求め、俯伏して信を以て爾に呼ぶ、願はくは我終に至るまで詭譎の者の喜と爲らざらん。
十字架生神女讚詞
母よ、我爾の子及び神、地を寄する所なくして水の上に懸け、萬物を造りし者が木に懸れるを見て、泣く毋れ、蓋我起きて光榮を獲、異能を以て地獄の國を破り、其力を滅し、縛られし者を、慈憐なるに因りて、其暴虐より脫れしめ、仁愛なるに因りて、吾が父の前に攜へん。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
ハリストスの傳道師たる預言者よ、爾は常に威嚴なる寶座を離れざれども、病者毎に臨みて其祈を聆く、至髙きに奉事すれども、世界に福を降す。遍く榮せらるる者よ、我が靈の爲に潔淨を求め給へ。
今も、生神女讚詞
我等信者は天使首の如く、天の宮及び實に封じたる門を歌はん、衆人の救世主ハリストス、生命を賜ふ主及び神が我等の爲に現れし緣由の者よ、慶べ、至淨なる女宰、「ハリスティアニン」等の倚賴よ、爾の手を以て殘虐者たる我が無神の諸敵を斃し給へ。
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾の釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奧密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて木に懸けられて死する。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞第六調を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱、及び喩言。巻末に載す。
挿句に讚頌、第二調。
至りて奇異なる預言者(某)よ、聖神゜の光は鏡に於けるが如く、爾の潔淨なる智慧に輝きて、神を識る智識にて世界を照し、神聖なる奧密を預象し、衆人に賜ふべき恩寵を徵せり。
句 爾メルヒセデクの班に循ひて司祭と爲りて世世に迄らん。
福たる(某)よ、爾は神の口と爲りて、不法を行ふ者を責め、嚴しき裁判を以て之を定罪し、義なる敎を宣べ、神の定制を傳へたり、故に我等爾の睿智なる言の成りたるを見て、宜しきに合ひて歌を以て爾を讚め揚ぐ。
句 司祭の中にモイセイ及びアアロンあり、彼の名を呼ぶ者の中にサムイルあり。
主宰の寶座の前に立ちて言ひ難き神の光榮を樂しみ、無形の世の華美を仰ぎて光に滿てらるる預言者(某)、神の悅を獲たる者よ、凡そ信を以て爾を尊む者を記念して、彼等の爲に諸罪の赦と靈の救とを求め給へ。
光榮、第一調。
神の寶座を繞る天軍は首として神の言ひ難き光榮を樂しみ、尊貴なる預言者は次ぎて之に與る恩寵を得たり、主が己の光照を以て其役者を照し給へばなり。
今も、復活の生神女讚詞。
視よ、イサイヤの預言應ひて、童貞女は子を生めり、生みし後も生む前の如く童貞女なり、生れし者は神なるに因る、故に天性は改め易へられたり。嗚呼神の母よ、爾の諸僕が爾の堂に獻ぐる祈禱を棄つる勿れ、惠み深き主を爾の手に抱きし者として爾の諸僕を憐みて、我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
天上の品位の歡喜、地上の人人の堅固なる轉達、至りて潔き生神童貞女よ、爾に趨り附く我等を救ひ給へ、我等神に次ぎて爾に恃賴を負はせたればなり。
十字架生神女讚詞
童貞女は爾が木に懸れるを見し時云へり、嗚呼子よ、劍は吾が心を貫けり、前にシメオンの預言せしが如し、然れども祈る、不死なる主宰よ、復活して、爾の母及び婢を榮せよ。
讚詞は奉事例に据る。もし奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第二調。
主よ、我等は爾の預言者(某)の記憶を祭りて、彼に賴りて爾に求む、我等の靈を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、讚詞の調に据る。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の聖詠誦文の後に坐誦讚詞、第三調。
神聖なる預言者の中に大なる(某)、神に感ぜらるる者よ、爾は聖神゜に照されて、言が人體を取ることを預傳へたり。故に我等は爾を預言者として敬みて讚揚し、今日爾の記憶を祝ひて、同心に爾に呼ぶ、睿智者よ、我等の靈を救はんことをハリストスに祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
神の恩寵を蒙れる女宰よ、爾に於て行はれたる畏るべき神の奧密は測り難く悟り難し、蓋爾は圍まれぬ者を孕みて、其爾の至淨なる血より身を取りしを生み給へり、潔き者よ、其爾の子たるに因りて、我等の靈を救はんことを常に彼に祈り給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第三調。
福たる(某)よ、爾は撫恤者の神聖なる樂器として、其恩寵を以て常に鳴らされ、預言者と爲りて、知らざることの顯見を宣べ、信を以て趨り附く者を照す、光榮なる者よ、ハリストス神に我等に大なる憐を賜はんことを祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
爾が實に生神女たることを預言者は傳へ、使徒は敎へ、致命者は承け認め、我等は信じたり、故に亦爾の言ひ難き產を讚め揚ぐ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
神の預言者(某)よ、我等爾を讚揚して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第六調。
至りて睿智なる預言者(某)よ、爾は智慧を汚穢より潔めて、之を聖神゜の光線を受くるに勝ふる神聖なる鏡と爲せり、今爾喜びて光照の泉に至り給へり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
神の母よ、爾は世世の先に父より母なく生れし神の子及び言を末の時に於て爾の潔き血より身を取りし者として夫なく生み給へり、我等に終の至らざる先に諸罪の赦の賜はらんことを祈り給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
爾メルヒセデクの班に循ひて司祭と爲りて世世に迄らん。
句 主我が主に謂へり、爾我が右に坐して、我が爾の敵を爾の足の凳と爲すに迄れ。
「凡そ呼吸ある者」
次に福音經。巻末に載す。
第五十聖詠の後に光榮、
憐深き主よ、預言者(某)の祈禱に依りて、我等の多くの罪を潔め給へ。
今も、「憐深き主よ、生神女の祈禱に依りて。」
次に「神よ、爾の大なる憐に因りて。」
讚頌第六調
「ハリストスの傳道師たる預言者よ。」「主よ爾に籲ぶ」の光榮に載す。
規程、第六調。
第一歌頌
イルモス イズライリは陸の如く淵を踏み渡り、追ひ詰めしファラオンの溺るるを見て呼べり、凱歌を神に奉らん。
預言者よ、我等は爾神の寶座の前に立つ者に祈る、信を以て爾の尊き記憶を歌ふ我等に光照を賜はんことを切に祈り給へ。
至りて睿智なる(某)よ、爾は聖神゜の光照と恩賜とを容るる神聖なる器と現れたり、故に我等信者は喜びて爾を讚揚す。
神に感ぜらるる者よ、預言者として救世主神の前に立ちて、今毅然として祈りて、我等信を以て爾を讚揚する者を恩寵の光線にて照さんことを求め給へ。
生神女讚詞
女宰よ、爾の聖なる腹より輝きし日は至りて明なる光にて全地を照す、我等は之に光照せられて、爾神の母を尊む。
第三歌頌
イルモス 爾が信者の角を髙うし、我等を爾が承認の石に堅めし仁慈の主、吾が神よ、爾と均しく聖なるはなし。
奇異なる者よ、神として一切を見る主は神に合ふが如く爾に明に將來の事を知り、成らんとする事を悟るを賜へり。
福たる者よ、爾は敬虔なる勇敢を以て爾の智慧を聖神゜に從はしめたり、故に神に感ぜらるるに勝ふる者と爲れり。
神の言を宣ぶる者よ、爾は聖神゜の恩賜の海より出づる奧義の水の河と爲れり。
生神女讚詞
視よ、萬世は信を以て、爾永遠の言を定期に於て神妙に身にて生み、生みて後亦童貞女に止まりし者を讚揚す。
坐誦讚詞、第六調。
至りて睿智なる預言者(某)よ、爾は智慧を汚穢より潔めて、之を聖神゜の光線を受くるに勝ふる神聖なる鏡と爲せり、今爾喜びて光照の泉に至り給へり。
光榮、今も、生神女讚詞。
我等默さず、心と口にて聖なる天使よりも聖にして、至りて光榮なる神の母を歌ひ、之を承け認めて生神女と爲す、其實に人體を取りし神を生みて、恒に我等の靈の爲に禱り給へばなり。
十字架生神女讚詞
皆來りて、我等の爲に十字架に釘せられし主を歌はん、蓋マリヤは彼が木の上に在るを見て云へり、爾は釘せらるるを忍べども、吾の子及び神なり。
第四歌頌
イルモス 尊き敎會は淨き心より主の爲に祝ひ、神に適ひて呼び歌ふ、ハリストスは吾が力と神と主なり。
福たる者よ、爾の預言に應ひて、萬有の主は我等に現れ、衆人を彼を知る智識に召して、奴隷より解き給へり。
爾は恩寵に照されて、唱へて曰へり、一の軛の下に首を屈めて服すべし、是れ信に順ひて主に役むることなり。
預言者として常に光の泉より發する光線に照さるる福たる者よ、愛を以て爾を歌ふ我等を照し給へ。
生神女讚詞
純潔なるマリヤ、無慾の泉を生みし母童貞女よ、我が思を擾す諸慾と患難の暴風とを我より退け給へ。
第五歌頌
イルモス 至仁なる神の言よ、切に祈る、爾に朝の祈禱を奉る者の靈を爾が神の光にて照して、爾罪の暗より呼び出す眞の神を知らしめ給へ。
福たる光榮なる預言者よ、爾の祈禱を以て我を不義より德に轉ぜしめ、諸慾の服役より解きて、敬虔なる行の光に向はしめ給へ。
爾は諸德の華美を以て己の靈を飾りて、之を聖神゜の光照を受くるに勝ふる者と爲せり、故に預言の恩寵に富める者と爲りたり。
爾は潔き度生を爲し、聖神゜の器と爲りて、神聖なる預言者と爲れり、故に見えずして悟らるる者を見るを得たり。
生神女讚詞
至淨なる者よ、預言者の言は多くの預象を以て爾の產を傳ふ、我等今此等の應ひしを見て、爾を眞の生神女と唱ふ。
第六歌頌
イルモス 誘惑の猛風にて浪の立ち揚がる世の海を觀て、爾の穩なる港に著きて呼ぶ、憐深き主よ、我が生命を淪亾より救ひ給へ。
光榮なる者よ、爾は聖神゜の光線を受けて、神聖なる預言の光照を鏡に於けるが如く世界の爲に輝かし、未來の事を現在の如く宣べたり。
シオンよ、歡びて祝へ、視よ、爾の王は來りて、己の神性の煇煌にて世界を照し、惡鬼の誘惑を辱かしめたり。
預言者よ、爾は聖神゜の力にて未來の事を見、爾の潔淨なる靈に鏡に於けるが如く神聖なる顯見の形象を受けたり。
生神女讚詞
讚美たる者よ、父の獨子は爾の胎内に於て塵の身に合せられ、一位二性の者として出でて、爾の潔き童貞を毀損なく護れり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第四調。
福たる預言者、光榮なる(某)よ、爾の潔き心は聖神゜に照されて、至りて光明なる預言を受くる處と爲れり、蓋爾は遠きにある事を目前に在るが如く見る、故に我等爾を尊む。
同讚詞
神に感ぜられたる(某)よ、爾は預言の恩寵に富める者と爲り、聖神゜に藉りて神に適ふが如く敎へられて、將來の事を知る智識を獲、衆にハリストスの降臨と諸民の救に召さるることとを預傳ふ。故に我等は爾の尊き記憶を祭り、愛を以て爾を歌ひ、熱心に讚揚して爾に呼ぶ、光榮なる者よ、ハリストス神に絕えず我等衆の爲に祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 神の使は潔き少者の爲に爐に露を出さしめ、ハルデヤ人を焼く神の詔は苦しむる者に呼ばしめたり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
預言者よ、爾の記憶は世界の爲に日の如く耀き、爾の預言の恩寵を以て我等を照して、信を以て同聲に歌はしむ、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
福たる者よ、爾は我等の爲に神智の雨を降らす光明なる雲と顯れたり、我等は斯の救を施す泉より潤されて呼ぶ、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
主より光照せられたる諸預言者は未來の事を預言し、神智を以て太初より有る言を知らしめて、我等をして此に歌はしむ、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
祝福せられし潔き童貞女、身にて神を生みし者よ、太初より有る言、萬衆に生命を賜ふ主は神聖なる旨に由りて人を喚び起さんと欲して、爾の胎に入り給へり。
第八歌頌
イルモス ハリストスよ、爾は潔き者の爲に㷔より露を注ぎ、義人の祭の爲に水より火を出せり、爾は一の望にて萬事を行ひ給へばなり、我等爾を世世に讚め揚ぐ。
神の言を宣べたる預言者よ、爾は全く己を全能者に委ねて、其定制に由りて奧密なる眞理を敎へられて、諸民を救に導く者と爲れり、故に我等爾を歌ふ。
神福なる者よ、爾を歌ふ者の爲に神に禱の歌を奉りて、我等を擾す患難を退け給へ、我等が爾神の言を宣べたる預言者を歌はん爲なり。
爾は凡そ幽暗に坐する者の爲に火の如く現れ、神聖なる光を以て之を照して、信を以て主を世世に歌はしむ。
生神女讚詞
至淨なる者よ、爾は生命を賜ふ神及び主を生みて、死の止め難き殘害を止めて、之を空しくし給へり、故に我等爾を世世に歌ふ。
第九歌頌
イルモス 天使の品位すら見るを得ざる神は、人見る能はず、唯爾至淨の者に依りて人體を取りし言は人人に現れ給へり、我等彼を崇めて、天軍と偕に爾を讚め揚ぐ。
至りて睿智なる(某)、神の預言者よ、爾温柔にして恩寵を以て光りたる者は終の後に温柔の者の地に入りて、諸天使の光明を觀る、故に我等信者は喜びて爾を讚揚す。
至榮なる者よ、我等は明に爾の預言の應ひしを見て、爾に賜はりたる恩寵と爾の智慧の潔淨とに驚き、爾の靈の神に肖たるを奇とす。
預言者(某)よ、爾は天使の品位、諸預言者と、太祖と、諸聖人との光る處に入りたり、今彼等と偕に欣ばしく祝ひ、我等の爲に主に祈りて、信を以て爾を讚め揚ぐる者の救はれんことを求め給へ。
生神女讚詞
至りて無玷なる神の母よ、古世より一も爾の如き者は賜はらざりき、蓋爾は獨衆人の中に竝なき神聖と潔淨とを有てり、故に爾より身を取りし神を受け給へり。
光耀歌
神智者よ、爾の慶賀の日に於て衆預言者は喜び樂しみて、爾の歡喜と神聖なる光榮とに與る、彼等と共に祈りて、爾を歌ふ者を救ひ給へ。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、爾の洪恩の注ぐを以て吾が靈の汚を洗ひ、我に常に淚を流して、我が諸慾の川を涸らすを得しめ給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第八調。
聖神゜に動かさるる尊き(某)の預言して云ひし如く、聖神゜は我等信者に注がれて、神聖なる奧義の悟を啓く、彼の感孚を受くる者は神聖なる光線と神の恩寵とに照されて預言す。二次
主宰よ、奇異なる(某)は神の言に滿てられて、爾の家より出づる泉の如く我等の靈に飮ませ、吾が心を樂しましむる甘味を滴らす。其神゜は至りて髙尙にして、彼は德に由りて神聖なる髙處に擧げらる。
光榮なる(某)よ、爾の預言者たる勇敢と爾の智慧の神に近づくとに因りて、我等信を以て爾の記憶を行ふ者に神の慈憐を垂れしめて、我等の爲に諸罪の赦と、大なる憐と、神聖なる樂に與ることとを求め給へ。
光榮、第四調。
神の言を宣べたる光榮なる(某)よ、爾は主爾の神救世主に於て喜びて、彼處の光照を受け、直に神の無形なる光に照されて樂しむ。我等信を以て爾の至りて欣ばしき記憶を行ふ者を爾の祈禱を以て諸の誘惑及び災禍より脫れしめ給へ。
今も、生神女讚詞。
ハリストス神の母、萬有の造成主を生みし者よ、我等衆を諸の患難より救ひて、爾に呼ばしめ給へ、吾が靈の獨の轉達よ、慶べ。
十字架生神女讚詞
純潔なる女宰はハリストスの殺されて、詭譎の者を殺すを見て、彼を其胎内より出でたる主宰として歌ひて泣き、彼の恒忍を奇として呼べり、至愛なる子よ、爾の婢を忘るる勿れ、仁愛なる主よ、遲はるなく我を慰め給へ。
第八編 一人の使徒の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第八調。
使徒よ、我等何を以て爾を稱へんか、天とせんか、爾神の光榮を顯したればなり、川とせんか、奧密に造物に飮ますればなり、星とせんか、敎會を照せばなり、爵とせんか、聖なる飮料を流せばなり。ハリストスの至りて親しき友、無形の者の同住者よ、我等の靈の救の爲に祈り給へ。
光榮なる使徒、神の實見者よ、爾の足、能く傳敎の道を履み、神聖なる睿智の廣きを以て諸敵の途を狭むる者は美し。福たる者よ、肉體に現れし言は爾を門徒と選びて、至榮の者と爲せり、彼に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
實に神の言を宣べたる使徒よ、爾は、諸敵に傷をつけて、傷つけられし靈に醫治を與ふる光れる矢としてハリストスより遣されたり。故に我等職として爾を讚揚して、今日爾の聖なる慶賀を行ふ、我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる者よ、我は幾千度我が諸罪の爲に痛悔を爲すを約したれども、我が耽りたる諸惡の風習は我を離れず、故に我は爾に呼び、俯伏して祈る、女宰よ、爾我を此くの如き惡逆より脫れしめて、救を得しむる善事に我を導き給へ。
十字架生神女讚詞
爾羔及び牧者を生みし牝羊は爾が木の上に在るを見て哭き母として爾に呼べり、至愛なる子よ、奈何ぞ爾は十字架の木に懸けられたる、恒忍なる言よ、奈何ぞ爾の手爾の足は不法者より釘せられたる、主宰よ、奈何ぞ爾の血を流したる。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
光榮なる使徒(某)よ、恩寵は爾の口より流れて、爾はハリストスの敎會の燈と爲りて、靈智なる羊に一體の三者、惟一の神性を信ずることを敎へ給へり。
今も、生神女讚詞
至淨なる生神童貞女よ、爾に趨り附く者は一も恥を蒙りて出づるなし、乃恩寵を求めて、有益なる願に應ふ恩賜を受く。
十字架生神女讚詞
純潔なる者は爾が十字架に懸けられしを見て、母として哭きて呼べり、吾が子及び吾が神、吾が甘愛なる產よ、如何ぞ爾は恥づべき苦を忍ぶ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞第六調を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱。使徒の喩言三篇、巻末に載す。
挿句に讚頌、第四調。
光榮なる使徒よ、爾はハリストスの名に因りて惡鬼の上に勝たれぬ權及び力を受けて、其暗黑の首領を逐ひ、地を周りて、日の如く之を照し、諸方に敎へて、先づハリストスの救を施す降臨を傳へ給へり。
句 其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。
(某)よ、爾は度生を神の律法に應はしめて、善なる人と爲り、本性と恩寵とに因りて、神の子と稱へられ、良善なる風習と潔淨なる智慧とに由りてハリストスの親しき門徒と爲りたり。
句 諸天は神の光榮を傳へ、穹蒼は其手の作爲を誥ぐ。
使徒(某)よ、爾は神の定制に因りて恩寵の器と爲り、異方言の恩賜を受けて、言と行とを以て諸民をハリストスを識る知識に導き、衆を照して、イイススの眞の神にして我等の靈の救主なるを讚揚せしめ給へり。
光榮、第二調。
使徒(某)よ、爾は地上の事を遺てて、ハリストスに從ひ、聖神゜に印證せられて、彼より亾ぶる異邦民の中に人人を神を識る光に導かん爲に遣され、神聖なる爾の勤勞を終へ、種種の苦難を經たる後に爾の靈をハリストスに付せり。至福なる者よ、我等に大なる憐を賜はんことを彼に祈り給へ。
今も、復活の生神女讚詞。
嗚呼新なる奇跡、古の悉くの奇跡に勝る者や、誰か夫なき母が萬物を有つ主を生みて、其手に抱くを知りたる、此の產は神の旨なり、至りて潔き者よ、爾が嬰児として己の手に抱きし主の前に母の勇を以て、我等爾を尊む者の靈を憐みて救はんことを常に祈り給へ。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
童貞女は善き果を結ぶ橄欖の樹として、爾生命の果を生ぜり、世界の爲に大にして豐なる慈憐の果を結ばん爲なり。
十字架生神女讚詞
イイススよ、婚姻に與らざる者は爾が十字架の木に釘せられしを見て、哭きて云へり、甘愛なる子よ、何爲れぞ我爾を生みし者を獨遺したる、無原なる父の近づき難き光なる者よ、亟に光榮を獲よ、爾の神聖なる苦を讚榮する者が神聖なる光榮を獲ん爲なり。
讚詞は奉事例に据る。もし奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第三調。
聖なる使徒(某)よ、仁慈なる神に祈りて、我等の靈に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、讚詞の調に据る。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第二調。
ハリストス神よ、光榮なる使徒は漁して、地の四極に爾と父と聖神゜とに伏拜するを敎へたり、獨仁慈にして人を愛する主よ、彼に由りて爾の敎會を堅めて、信者に爾の祝福を降し給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女永貞童女よ、我等は爾に依りて神の性に與る者と爲れり、蓋爾は我等の爲に身を取りし神を生み給へり、故に我等皆職として敬虔に爾を讚め揚ぐ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
光榮なる使徒(某)よ、義の日ハリストスは爾を光線として出して、全地を照せり、凡そ信を以て爾の聖なる記憶を行ふ者を爾は己の神聖なる祈禱にて輝かし、神聖なる暮れざる光にて照し給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
爾を賴む者の恥を得ざる倚賴、獨性に超えて身にてハリストス我等の神を生みし者よ、聖使徒と偕に彼に祈りて、世界に諸罪の潔淨、我等衆に終の先に度生の更新を賜はんことを求め給へ。
附唱
聖なる使徒(某)よ、我等爾を讚揚して、爾がハリストスの福音の爲に受けし苦難勤勞を尊む。
拔萃聖詠
「諸天は神の光榮を傳へ。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
光榮なる使徒よ、爾は神の言の網を以て靈智なる魚を取りて、之を初物として我等の神に獻げ、ハリストスの創を衣んと欲して、彼の苦に效ふ者と爲れり。故に我等集まりて、職として至りて欣ばしき爾の記憶を尊みて、同心に爾に呼ぶ、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等は天の門と約匱、至聖なる山、光れる雲、焚かれぬ棘、靈智なる樂園、エワの赦たる者を歌はん、彼は全世界の大なる器にして、其中に世界の爲に救と古の諸罪の赦とは行はれたり。故に我等彼に呼ぶ、敬虔に爾の至聖なる產に伏拜する者に罪過の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。
句 諸天は神の光榮を傳へ、穹蒼は其手の作爲を誥ぐ。
「凡そ呼吸ある者」
次に福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
聖神゜の恩寵を蒙りて聖にせられたる使徒の會の共與者と爲りし(某)よ、爾は昔天より迅しき風の中に降りたる火の舌を受けて、異邦民の棘たる無神を焚き給へり。傳道師よ、ハリストス神に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
規程、第八調。
第一歌頌
イルモス 人人よ、イズライリを奴隷より釋きたる我が奇異なる神に讚詠を獻りて、凱歌を歌ひて呼ばん、我等爾惟一の主宰を歌頌せん。
爾を榮して己の門徒と爲しし主宰の前に最髙きに立てる(某)、奇異なる使徒よ、吾が靈を照して、爾の神聖なる記憶を歌はしめ給へ。
使徒よ、ハリストス獨義なる主は、其義なる定制を以て爾に豐なる恩賜を與へて、爾を己の至りて光明なる門徒と爲し給へり。
使徒よ、爾は天より爾に降りし聖神゜の光線を受けて、火の如き言を有つ者と爲りて、凡の多神の迷を焚き給へり。
生神女讚詞
救世主よ、爾は婚姻に與らざる至聖至潔なる童貞女の腹に入り、人の性を衣て、死と朽壞とに屬する我を不死不朽の者と爲し給へり。
第三歌頌
イルモス 主の如く聖なるはなく、神の如く義なるはなし、萬物彼を歌ひて云ふ、主よ、爾の外に義なる者なし。
聖なる使徒(某)よ、爾は直に救世主より天上の光照を受けて、人體を取ることの神聖なる奧密を明に識り給へり。
奇異なる使徒よ、無原にして實在なる言は爾己の役者を豐に神性の恩寵の輝ける光にて照し給へり。
至榮至福なる使徒よ、爾は聖神゜の光照と行動とに燃されて、耀ける矢の射らるるが如く、ハリストスより遣されて、爾の敎を以て世界を照し給へり。
生神女讚詞
生神女よ、預言者は爾を豫象して純金の燈凳と爲せり、蓋爾は暮れざる光たるハリストス我等の神、神性の光線にて世界を照す主を己の手に載せ給へり。
坐誦讚詞、第三調。
使徒(某)よ、爾は救を施す命を受けて、聖神゜の光照を以て多神の幽暗を拂ひ、信者の心を照し給へり。睿智者よ、ハリストス神に我等に大なる憐を賜はんことを祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
人は救を得る處に義に合ひて趨り附く、生神女よ、爾の如き避所、我等の靈を蔽ふ者は亦何處にかあらん。
十字架生神女讚詞
生神女よ、我等は爾の子の十字架を能力の杖として得て、此を以て諸敵の驕を破り、愛を以て絕えず爾を讚め揚ぐ。
第四歌頌
イルモス 言よ、預言者は樹蔭繁き山たる惟一の生神女より爾が身を取らんと欲するを神妙に見て、畏れを以て爾の能力を讚榮せり。
福音の恩賜の寶藏にして、恩寵に滿てられたる至福なる(某)よ、爾は世界の光、全地の鹽と爲り給へり。
奇異なる者よ、爾は世俗の諸事を捨てて、無形の光を觀るを得、其役者と爲りて、之を人類の中に耀かし給へり。
生を施す主の門徒と爲りし者よ、爾が豐に受けたる永久の生命の力を以て我等の内に棲む罪を殺し給へ。
生神女讚詞
至淨なる童貞女より我等の身を受けし主宰よ、爾は本性に由りて父と均しき者にして、人性に由りて人人と均しき者と爲り給へり。
第五歌頌
イルモス 無知の夜より神を知る知識にて四極を照しし主よ、爾の仁愛の朝にて我を照し給へ。
神の實見者よ、爾の舌は爾が樓に在りて愛を以て受けたる聖神゜の火と合せられたり。
(某)よ、爾は最髙き居處に居る髙き主に合へる髙くして大なる敎を我等に傳へたり。
爾は潔き智慧と潔淨なる心とを神の前に有ちて、智識にて悟られぬ神を身を取りし主として見るを得たり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾の產に由りて古の律法は熄み、恩寵は榮え、義は耀けり。
第六歌頌
イルモス 光を衣の如く衣る慈憐の深きハリストス我が神よ、我に光明の衣を予へ給へ。
光榮なる使徒よ、爾はハリストスの門徒及び友として、熱切に主神全能者の爲に勤勞し給へり。
救世主は己の仁慈の行動を以て爾に權を與へて、爾を神聖なる奇跡を行ふ者と爲し給へり。
ハリストスの讚美たる使徒(某)よ、爾は傳敎の神聖なる恩寵に飾られて、萬有の上にある神より賜ふ一般の救を世界に福音し給へり。
生神女讚詞
純潔なる者よ、爾を生神女と承け認めざる不虔者の口は塞り、其面は恥に蔽はるべし。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第四調。
使徒(某)よ、敎會は爾を至りて光明なる星として得て、爾の賜ふ多くの奇跡にて照さる。故に我等ハリストスに呼ぶ、大仁慈なる主よ、信を以て爾の使徒の記憶を尊む者を救ひ給へ。
同讚詞
水の性を造りし主よ、我に言の流を與へ給へ、爾の言にて地を固めし慈憐なる主よ、吾が心を固め給へ、光を衣の如く衣る大仁慈なる主よ、吾が思を照し給へ、我が爾の使徒の尊貴に合ふことを宣べて歌はん爲なり。
第七歌頌
イルモス エウレイの少者は爐に在りて勇ましく燄を踐み、火を露に變じて籲べり、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
神の傳道師、大なる熱心を有ちし(某)よ、爾は今主宰の寶座の前に立ち、ハリストスの役者として榮冠を冠りて呼ぶ、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
言の對談者たりし者よ、爾は彼と共に祝ひ、至上の國に與る者と爲りて呼ぶ、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
神の言を宣べたる聖なる使徒よ、爾は智慧に滿てられ、恩寵に照され、和平の美しきに飾られて呼ぶ、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
生神女讚詞
昔蛇は詐を以て原祖を樂園より逐ひ出せり、爾は、神の母よ、彼等を喚び還せり、至淨なる者よ、爾の腹の果は祝福せられたり。
第八歌頌
イルモス 樂器は鳴らされ、無數の人はデイラの像に伏拜するに、三人の少者は順はずして、主を歌ひて、萬世に讚榮せり。
爾福音する者の足は美し、爾ハリストスの光榮を唱ふる者の舌も美しくして、呼ぶことを敎へたり、主を歌ひて萬世に讚め揚げよ。
爾は耀ける華美に飾られ、奇跡の光を放ちて、人人に祝讚せらるる救主を知らしめて、呼ぶことを敎へたり、主を歌ひて萬世に讚め揚げよ。
聖なる門徒、實に天の奧密に敎へられたる使徒よ、爾は世界を周りて、髙聲にハリストスの敎の言を唱へ、言ひ難き恩寵を傳へて呼べり、主を歌ひて萬世に讚め揚げよ。
生神女讚詞
神の母童貞女よ、智慧は爾の產を悟る能はず、言は之を言ひ出す力なし、蓋爾は我等が萬世に讚め揚ぐる神を孕みて生み給へり。
第九歌頌
イルモス 潔き童貞女よ、我等爾に依りて救はれし者は爾を實に生神女と承け認めて、無形の軍と偕に爾を崇め讚む。
使徒(某)よ、爾は聖神゜の火を受け、神聖なる光に輝きて、四極に現れて、之を照し給へり、故に我等爾を崇め讚む。
神の實見者よ、爾は全く己を神に委ねて、彼と體合するを得たり、今信と愛とを以て爾を讚め揚ぐる我等の爲に彼に祈り給へ。
至福至尊なる神の實見者よ、我等爾の記憶を祭りて常に祈る、ハリストスの使徒として有つ勇敢を以て爾の轉達にて我等を諸罪の暴風より救ひ給へ。
生神女讚詞
我等は爾人人に現れたる衆の救の轉達者、神妙なる潔淨の煇煌にて世界を照しし者を歌を以て崇め讚む。
光耀歌
使徒(某)よ、爾は己の美しき足の途を天に向はしめ、彼處に登りて、喜びて三者の前に立ち、父の内に子及び聖神゜を仰ぎ見る、故に我等信を以て爾の至りて神聖なる記憶を祭る。
生神女讚詞
我畏るべき詰問の時を思ひて、我が惡事の多きに因りて畏れて慄く、祈る、至淨なる童貞女よ、爾の熱切なる祈禱を以て我を助けて、我に救を與へ給へ、爾は欲する所能せざるなければなり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
至妙至福なる(某)よ、爾の夫子は一切に於て爾の智識を照して、彼の悟り難き神性を傳ふる尊き使徒と爲せり、故に爾は彼の指麾に從ひて、恩寵の網を以て人人を淪亾の深處より引き出し給へり。二次
神の奧義を宣ぶる至福なる(某)、ハリストスの實見者、使徒の飾なる者よ、聖神゜は火の狀を以て爾に降りて、爾を神聖なる光を受くる者と爲せり、故に爾は無神の幽暗を拂ひて、爾の至りて睿智なる言の光照にて世界を照し給へり。
實在の眞實の光榮なる門徒、神の言を宣ぶる睿智者よ、爾は傳道の光照を以て無知の幽闇に坐する者を照して、其信に由りて主宰及び神の子となるを顯し、自ら夫子の苦と死とに效ひて、復其光榮を嗣ぐ者と爲れり。
光榮、第二調。
使徒(某)よ、爾は地上の事を遺てて、ハリストスに從ひ、聖神゜に印證せられて、彼より亾ぶる異邦民の中に人人を神を識る光に導かん爲に遣され、神聖なる爾の勤勞を終へ、種種の苦難を經たる後に爾の靈をハリストスに付せり。至福なる者よ、我等に大なる憐を賜はんことを彼に祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
神の母よ、我が盡くの恃を爾に負はしむ、我を爾の覆の下に守り給へ。
十字架生神女讚詞。
無玷なる牝羊は己の羔が人として甘じて屠殺に牽かるるを見し時、哭きて言へり、仁愛なるハリストスよ、何爲れぞ爾を生みし我を今子なき者と爲さんと欲する、然れども萬衆の贖罪主よ、我は智慧と言とに超ゆる爾の至大なる仁慈を歌頌して讚榮す。
第九編 二人或は多人の使徒の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
至福なる門徒よ、爾等は人體を取りし言の實見者及び證者として讚揚せらる、蓋爾等は光る電の如く世界に現れ、神靈の山の如く甘味を滴らし、常に流るる樂園の河の如く分れて、神聖なる水を以て異邦の諸敎會に飮ます。
至福なる聖にせられし奧密者よ、爾等は屬神゜の光照を耀かす光線として全世界に遣されて多くの奇跡異能を顯し、ハリストスの機密の役者と爲り、神の錄したる恩寵の石板にして、神より敎へられたる法を載する者と爲りたり。
漁者は智者の驕慢と辯論者の雄辯とを辱かしめて、神の智慧の敎、救の眞理、恩寵の機密を宣ぶる福音者と爲りて、人人を永遠の福樂、諸天使と偕にする歡喜、神の光榮に與る者と爲せり。
光榮、今も、生神女讚詞。
暮れざる日を耀かしし者よ、慶べ、神聖なる悟を啓きし智慧よ、慶べ、地の四極を照しし光線よ、慶べ、實に諸善諸德に滿てらるる者よ、慶べ、永遠の光の燈凳よ、慶べ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
若し之あらば、自調。光榮、第八調。
救世主の門徒よ、爾等は全地を周りて之を照し、爾等の敎を以て偶像の迷を稈の如く焚き、異邦民を無智の深處より出して、神を識る智識に攜へて救へり。今ハリストスに祈りて、審判の日に於て我等に慈憐を垂れんことを求め給へ。
今も、生神女讚詞
至淨なる生神童貞女よ、爾に祈る者の聲を容れて、我等に諸罪の赦を賜はんことを絕えず主に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
主よ、日は爾義の日が木の上に懸けられしを見て光線を隱し、月は光を暗に變じ、爾の至りて無玷なる母は心刺されたり。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞第八調を誦すべし。
天の王は人を愛するに因りて地に現れ、人と偕に在せり、蓋淨き童貞女より身を取り、人の性を有ちて生れし者は、二の性にて一の位ある獨子なり、故に我等彼が實に全き神及び全き人なるを傳へて、ハリストス吾が神を承け認む、夫を識らざる母よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に祈り給へ。
聖入。本日の提綱。使徒の喩言、巻末に載す。
挿句に讚頌、第六調。
神學者及び見神者たる門徒よ、爾等は神の大なる祕密の役者と爲り、醫治の恩寵を受けて、衆人の諸病を醫し給ふ。
句 其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。
見神者たる主の使徒よ、爾等は我等の靈の爲に大なる避所と帲幪なり、惡神゜を遠ざくる者なり、故に我等常に爾等を尊む。
句 諸天は神の光榮を傳へ、穹蒼は其手の作爲を誥ぐ。
至聖至福なる使徒よ、信を以て爾等を讚め揚ぐる者を凡の禍と罪、惡鬼の毒害と服役より救ひ給へ。
光榮、第四調。
使徒よ、爾等は神の定制に因りて恩寵の器と爲り、異方言の恩賜を受けて、言と行とを以て諸民をハリストスを識る智識に導き、衆を照して、イイススの眞の神にして我等の靈の救主なるを讚揚せしめ給へり。
今も、復活の生神女讚詞。
至りて玷なき者よ、爾の諸僕の祈禱を顧みて、堪へ難き攻擊を我等より退け、諸の愁苦を我等より遠ざけ給へ、我等は爾を一の堅固なる恃むべき錨として有ち、爾の轉達を得たればなり。女宰よ、願はくは我等爾を呼ぶ者は恥を蒙らざらん、遄に我が切なる祈を應へ給へ。蓋我等中心より爾に籲ぶ、女宰、衆人の佑助と、歡喜と、庇護と、我等の靈の拯救なる者よ、慶べ。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
生神女よ、我等爾を倚賴及び轉達と有ちて、諸敵の惡謀を懼れざらん、爾我が靈を救ひ給へばなり。
十字架生神女讚詞
至聖なる女宰よ、爾言ひ難く爾より輝き出でし言が不法者より定罪せられし者として十字架に擧げられ、手と足とに釘うたれ、酢と膽とを飮ませられ、脅を刺されたるを見し時、シメオンの言ひし如く、劍は爾の心を貫きて、爾哭き號びて、母として呼べり、甘愛なる子よ、此れ何の新なる祕密ぞや。
讚詞、第三調。
聖なる使徒等よ、仁慈なる神に祈りて、我等の靈に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、讚詞の調に据る。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
聖神゜を受けし使徒の會は至上なる神より奧密に世界に遣されて、罪惡の奴隷に苦しむ者を解き、三位にして一性なる神を傳へ、エムマヌイルが神妙に人體を取りしことを智慧を以て錄せり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
童貞女よ、我等爾をモイセイが見たる焚かれぬ棘、神の山、聖なる雲、潔き幕、神に悅ばるる筵、髙き王の宮、光明なる過られぬ門として歌ふ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
主の使徒、天の祕密者よ、爾等は輝く光線たる神聖の傳道の敎を以て星の如く地の四極を照し給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等信者は爾生神女を苦難に遭ふ者の確なる保護、我等を助けて神の前に轉達する者、我等を朽壞より救ふ者として讚め揚ぐ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
ハリストスの聖なる使徒等、己の敎を以て全世界を照し、四極を率ゐてハリストスに就かしめし者よ、我等爾を讚揚す。
拔萃聖詠
「諸天は神の光榮を傳へ、穹蒼は其手の作爲を誥ぐ。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第三調。
撫恤者の神聖なる角よ、救の言の氣を噓きて、世界に唱へ、迷の幽暗の中に眠る者を起して、神を知る智識に導き給へ、神聖なる光の使徒等よ、我等の靈の救はれんことをハリストス神に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
神の性に離れずして、爾の腹の中に肉體と爲り、神たるを變ぜずして人と爲りし惟一の主は、生れし後にも爾母童貞女を生るる前の如く純潔なる者として護り給へり、熱切に彼に大なる憐を我等に賜はんことを祈り給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。
句 諸天は神の光榮を傳へ、穹蒼は其手の作爲を誥ぐ。
「凡そ呼吸ある者」
次に福音經、一人の使徒と同じ、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
ハリストスの敎會に使徒の最尊き祭、我等衆の救を助くる者は至れり、故に我等祝ひて彼等に呼ぶ、幽暗に在る者に神靈の日の光線を施しし燈よ、慶べ、神聖なる敎の動なき基たる使徒等、ハリストスの友、貴き器よ、慶べ、見えずして我等の中に來りて、歌を以て爾等の祭を讚め揚ぐる者に無形の賜を施し給へ。
規程、第四調。
第一歌頌
イルモス 古のイズライリは足を濡らさずして海の紅の淵を渡り、野にてモイセイの十字形の手にてアマリクの力に勝てり。
ハリストスよ、使徒の會を歌はんことを望む我に、彼等の祈禱に因りて、神として至聖神゜の光線と爾の睿智の光とを與へ給へ。
ハリストスよ、見神者たる爾の尊き使徒等は爾の力と恩寵とに堅められて、諸敵の力を破れり。
主宰よ、光榮なる使徒等は爾の名に因りて醫治を施して、異邦人の群を爾の智識を以て執へ、爾の光を以て照せり。
至榮なるハリストスの使徒等は天の睿智に敎へられて、熱心の傳道を以て不虔なる智者の多辯を愚と爲したり。
生神女讚詞
至淨なる童貞女母よ、爾は至聖なる三者の一位を生めり、彼は父の善旨と至聖神゜の行動とに因りて、爾より我等に肖たる身を取りて現れ給へり。
第三歌頌
イルモス ハリストスよ、爾の敎會は爾の爲に樂しみて呼ぶ、主よ、爾は我が能力と避所と堡障なり。
ハリストスの傳道師よ、爾等は地上に天の尊き敎を福音し、火の舌を以て之を證して傳へ給へり。
主宰よ、爾は己の門徒を四極の爲に爾の光榮を傳ふる靈智なる天と爲し給へり。
睿智者よ、爾等は天に錄され、ハリストスの同住者と現れて、今愛を以て爾等を尊む者を護り給へ。
生神女讚詞
至淨なる者よ、最髙きに在す主は我等の中に居りたり、蓋爾より種なく身を受けて現れ給へり。
坐誦讚詞、第八調。
光榮なる使徒よ、爾等は神の言の網を以て靈智なる魚を取りて、之を初物として我等の神に獻げ、ハリストスの創を衣んと欲して、彼の苦に效ふ者と爲れり。故に我等集まりて、職として至りて欣ばしき爾等の記憶を尊みて、同心に爾等に呼ぶ、愛を以て爾等の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
我等萬族は爾童貞女、女の中に獨種なく身にて神を生みし者を讚揚す、蓋神性の火は爾の内に入り、爾は造成者及び主を幼児として乳にて養ひ給へり、故に天軍及び我等人類は宜しきに合ひて爾の至聖なる產を讚榮して、同心に爾に呼ぶ、ハリストス神に祈りて、信を以て爾の至聖なる產に伏拜する者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
牝羊は羔及び牧者幷に贖罪主を十字架の上に見て、泣き號びて、悲しく呼びて曰へり、恒忍なる主よ、世界は爾に由りて贖罪を獲て喜び、我は爾が大仁慈に由りて釘せらるるを忍ぶを見て、心燬くが如し、慈憐の淵及び盡ききざる泉よ、慈憐を垂れて、信を以て爾の神聖なる苦を歌ふ者に諸罪の赦を與へ給へ。
第四歌頌
イルモス 敎會は爾義の日が十字架に擧げられしを見て、竝び立ちて正しく呼べり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
神聖なる使徒の宣傳の言は火の如く全地を過りて、多種の迷を焚き、恩寵を以て敬虔者の會を照せり。
神を顯す光體たる主の門徒は恩寵の光線と傳道の光照とを以て昧みたる無神の世界を照せり。
至りて讚美たる者よ、爾等は神靈の日の聖なる光線に照され、日の如く世界の中に輝きて、神聖なる光を以て迷の黑暗を拂ふ。
言よ、爾の實見者は爾の十字架を能力の杖と有ちて、生命の鹹海を切りて、馬の如く多神の水を亂す。
生神女讚詞
ハリストスよ、爾諸王の王を載する活ける天たる至淨なる童貞女、諸德にて輝ける者は今生神女として讚美せらる。
第五歌頌
イルモス 我が主よ、爾は光、信じて爾を崇め歌ふ者を闇き無智より引き出す聖なる光にして、世界に來り給へり。
主よ、爾は神聖にして睿智なる爾の役者を世界の中に光と爲して、爾暮れざる光を衆に知らしめ給へり。
使徒よ、爾等は明に凡の德を修めて、惡鬼の諸の惡計の網を破り給へり。
使徒よ、爾等は火の舌を以て傳へて、神性の惟一に於て我等の爲に三位の煇煌を顯し給へり。
生神女讚詞
神の聘女よ、我等は爾を敵に對して勝たれぬ武器と有ち、爾を堅固及び我等の救の倚賴として獲たり。
第六歌頌
イルモス 憐に由りて爾の脅より流れし血にて惡魔の祭の血より淨められし敎會は爾に呼ぶ、主よ、讚揚の聲を以て爾を祭らん。
救世主よ、爾は睿智と異能とを以て己の門徒を固め、彼等をエㇽリンの空辯より最强き者と爲して、其迷を爲す敎を破り給へり。
救の泉より豐に流るる睿智の神聖なる河は敎會の悉くの谷を救の水にて滿てたり。
至りて讚美たる者よ、爾等は活ける星と現れて、光る光線を以て凡の昏き迷を散じて、神を知る智識の光照を輝かせり。
生神女讚詞
嗚呼、神の母よ、諸王の王は爾が純善完美なる鴿の如く、最麗しき谷の百合花の如きを見て、爾の内に入り給へり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第四調。
主の睿智なる使徒よ、爾等はハリストスの葡萄の枝と現れ、諸德の房を生じて、我等の爲に救の酒を流す、我等之を飮み、樂に盈てられて、爾等の尊き記憶を祭る、求む、今我等の爲に大なる惠と諸罪の赦との賜はらんことを祈り給へ。
同讚詞
見神者たる主の使徒よ、爾等は萬有の主宰の門徒として、爾等の祈禱の網を以て我が卑微なる靈、惡鬼の謀の網に執はれたる者を諸罪の深處より引き出し給へ、我吾が生命の餘日を潔く過ぎて、愛を以て爾等を歌ひ、爾等が昧まされたる者を照して、敬虔に聖三者を尊まんことを敎へて、地上に送りし無玷なる度生を讚榮せん爲なり。
第七歌頌
イルモス アウラアムの少者はペルシヤの爐に在りて、㷔よりも强く敬虔の愛に爇かれて呼べり、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
至仁なる主よ、爾は本性の神にして、己の門徒を子と爲し、愛を以て父の嗣業を嗣ぐ者と爲して、爾神及び主宰と偕に常に居るを得しめ給へり。
言よ、爾は己の神聖なる門徒に智慧の富、心の廣き、舌の爽なるを賜ひて、彼等を四極に天國の福音を傳へん爲に遣し給へり。
使徒よ、爾等は神の光の雲と現れて、衆の爲に生活の水を降らして呼ぶ、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
至淨なる者よ、爾は神の光榮に飾られて、古世より獨神の言を孕みたる母童貞女と現れ給へり、純潔なる女宰よ、爾は女の中に祝福せられたり。
第八歌頌
イルモス ダニイルは獅子穴に在りて手を伸べて、獅子の口を閉し、敬虔の篤き少者は德を帶び、火の力を消して呼べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
ハリストスの神聖にして睿智なる使徒の會は聖神゜の火を以て惡鬼の多種の拜まるる所を稗の如くに燬き、信者の心を照して呼べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
我等同心にハリストスの神聖なる門徒、我等の爲に神の命を轟かしし使徒、信者の港なる者、人類の一般の恩者、救世主の役者を尊まん。
我等は最尊くして大なる諸德の器、人類の初物、傳道の角、不朽の生命の流、神の發せし電、醫治の泉、福音者の美しき足を尊まん。
生神女讚詞
圓滿なる者は我等の爲に卑微なる者と爲れり、我等が其圓滿に與らん爲なり、蓋神の聘女マリヤよ、圍まれぬ者は父の懷を離れずして、爾の至淨なる胎に入りて、身を取り給へり、故に我等皆爾を崇め讚む。
第九歌頌
イルモス 童貞女よ、手にて斫られざる隅石ハリストスは、爾斫られざる山より斫り分けられて、離れたる性を合せ給へり、故に我等樂しみて、爾生神女を崇め歌ふ。
主宰より諸罪の縲絏を解く權を受けし見神者よ、慈憐を以て爾等を歌ふ者の諸罪を潔めて、之に救を得しめ給へ。
光榮なる使徒よ、爾等は樓に在りて實體に爾等に現れし聖神゜の光照を受けて、髙き敎を傳ふる力に滿てられたり、故に今宜しき合ひて讚美せらる。
ハリストスは爾等逝世せし己の友に凋まざる榮冠を與へ、神の光榮を見るを賜ふ、彼に今悉くの敎會を救はんことを祈り給へ。
生神女讚詞
母童貞女よ、言にて萬有を飾りたる主は肉體を以て來らんと欲して、獨爾を衆人より至聖なる者と見て、爾の内に入りて、爾を眞の生神女と爲し給へり。
光耀歌
人人よ、來りて、神聖なる歌を以てハリストスの使徒、敎の宣傳者を歌はん、彼等はハリストスに我等の靈の爲に祈り給へばなり。
生神女讚詞
至聖至潔なる女宰、獨婚姻に與らざる童貞女、我等の恃賴と拯救なる者よ、爾より生れし我等の神に世界を誘惑と、災禍と、憂愁より救はんことを祈り給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第八調。
主よ、爾は撫恤者の光照を以て爾の使徒を照して、之を燈と爲し、爾の睿智の無形の光を以て敎を堅むる者と爲し給へり、故に主宰よ、我等爾の言ひ難き仁愛に伏拜す。二次
主よ、使徒の祈禱に因りて、爾の牧群を守りて、諸敵の誘惑に悩まされぬ者と爲し給へ、蓋爾は仁慈仁愛の主として、尊き血を以て之を惡敵の奴隷より救ひ給へり。
神聖なる使徒、聖三者の前に立つ者、我等の靈の爲に祈禱する者よ、爾等は尊き石として、敎會の基に置かれて、神を識る確なる智識を以て全地を照し給へり。
光榮、第四調。
至りて讚美たる者よ、爾等は翼ある鷲として全地を巡りて、恩寵に由りて尊き敎を播き、迷の稗を拔きて、豐なる實を生ぜり、無形の倉は之を受けて、世世に不死なる耕作者の爲に護る。
今も、生神女讚詞。
生神女よ、我等爾を倚賴及び轉達と有ちて、諸敵の惡謀を懼れざらん、爾我が靈を救ひ給へばなり。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
第十編 一人の成聖者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第六調。
捧神者よ、爾は聖神゜の聖なる傅膏を受けて、全く聖にせられ、至榮なる眞の成聖者として、常に欣ばしく至聖所に入り、神元の光照に照されて、聖機密の恩寵に與り、毅然として我等の靈の爲に祈り給ふ。
常に記憶せらるる至福なる成聖者(某)よ、爾の度生は諸德の光に輝きて、爾は信者を照し、迷の闇を散じたり、眞の光明なる日と現れたればなり、今爾は暮れざる光の輝く處に入り、聖神゜の恩寵に因りて晝の子と爲り給へり、故に我等爾の神聖にして光明なる記憶を敬虔に行ひて、愛を以て尊む。
至榮にして神智なる成聖者(某)、愛を以て爾の記憶を尊む者の祈禱者よ、爾の靈は常に神に進み、信に飾られて、光明なる者と現れたり、睿智なる神父、輝く燈よ、爾は朽壞と死とに屬する身に在りて不朽を獲んことを務めて、無形者の光照を得、諸慾に與らざる者と爲りて、無慾に飾られたり。
光榮、今も、生神女讚詞。
律法の成就よ、慶べ、聖なる三者の宮、不朽なる聘女よ、慶べ、萬有の王の神聖なる乘輿よ、慶べ、無形の火の熾炭を鉗の如く爾の手にて執りし者、新なる樂園、鎖したる園、神聖にして至りて光明なる筵、無垢の雌鴿、至上者の寶座、神の無形なる榻、聖神゜の臨みたる少女よ、慶べ。
十字架生神女讚詞
昔無垢なる牝羊及び無玷なる女宰は己の羔が十字架に擧げらるるを見し時、母として哭き、驚きて呼べり、甘愛なる子よ、斯の新にして神妙なる顯見は何ぞ、如何ぞ恩を知らざる民は爾萬衆の生命をピラトの裁判に付して、死に定むる、言よ、我爾の言ひ難き寬容を歌ふ。
若し之あらば、自調。光榮、第八調。
克肖なる神父よ、爾の諸德の果は信者の心を樂しませたり、蓋孰か爾の至極の謙遜、爾の忍耐、貧者に對する厚情、艱難に遭ふ者に對する慈憐を聞きて驚かざらん、成聖者(某)よ、爾は衆人を宜しきに合ひて敎へたり。今爾は凋まざる榮冠を冠れり、我等の靈の爲に祈り給へ。
今も、 生神女讚詞
生神童貞女よ、爾の庇廕は屬神゜の醫治なり、我等之に趨り附きて、靈の諸病より救はるればなり。
十字架生神女讚詞
子よ、我は爾萬衆に警醒を與ふる者が木の上に寢ねたるを見るに忍びず、然れども此れ昔犯罪の果に因りて淪亾の眠に寢ねたる者に神聖なる救の警醒を賜はん爲なりと、童貞女は哭きて言へり、我等彼を讚め揚ぐ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞第八調を誦すべし。
天の王は人を愛するに因りて地に現れ、人と偕に在せり、蓋淨き童貞女より身を取り、人の性を有ちて生れし者は、二の性にて一の位ある獨子なり、故に我等彼が實に全き神及び全き人なるを傳へて、ハリストス吾が神を承け認む、夫を識らざる母よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に祈り給へ。
聖入。本日の提綱。成聖者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句に讚頌、第八調。
成聖者(某)よ、爾は神靈の光の光線、敎會の燈、成聖者の装飾、修道士の修齋の度生の眞なる模範、我等の保護者と現れて、我等の靈を殘害者なる敵より解き給ふ。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
成聖者(某)よ、爾は神より大なる權を受けて、爾の祈禱に因りて、凡そ信を以て爾に趨り附く者より惡鬼の大數を逐ひ、其害を退け給ふ。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
我等如何に宜しきに合ひて大なる成聖者(某)を歌はん、彼は尊き智慧、神を顯す光、我等を照す者、神聖なる智識を與ふる者、深き奧密を敎ふる者なり、我等皆同心に言はん、諸神父の神父(某)よ、慶べ。
光榮、第八調。
成聖者(某)よ、爾は善き牧者、熱切なる敎師なり、我等常に爾を讚め揚げて呼ぶ、神は爾を以て己の敎會を飾り、爾の肉體、多年地の中に隱れたる者をも不朽の者として己の民に顯せり。故に爾を讚め揚げて、爾の記憶を尊む者の爲に絕えず祈りて、我等の靈の爲に諸罪の赦と救とを求め給へ。
今も、復活の生神女讚詞。
聘女ならぬ童貞女、言ひ難く身にて神を孕し者、至上なる神の母よ、爾の諸僕の祈禱を受け給へ、衆に諸罪の潔淨を予ふる純潔なる者よ、今我等の冀願を納れて、我等皆救はれんことを祈り給へ。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
女宰よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の災禍と憂愁より救ひ給へ。
十字架生神女讚詞
主宰イイススよ、童貞女爾の母は爾が甘じて十字架に釘せられ、苦を受くるを見て呼べり、哀しい哉甘愛なる子よ、爾の慈憐を以て爾は人類の不能を醫す醫師、朽壞より救ふ者にして、如何ぞ非義に傷つけらるるを忍ぶ。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
事實は爾を牧群の爲に信仰の則、温柔の模、節制の敎師と顯せり、故に爾は卑きを以て髙きを得、貧しきを以て富を得たり、成聖者神父(某)よ、ハリストス神に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
成聖者よ、爾は萬有の主宰ハリストスの役者と爲りて、人人を敎へ、聖洗を以て彼等を照し、神の誡を行ふに導き給へり、我等皆爾を眞實の傳道師、成聖者、及びハリストスの役者と稱ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
聘女ならぬ潔き生神童貞女、信者の獨の轉達及び帲幪よ、我等衆倚賴を爾に負はしむる者を災害と憂愁と甚しき誘惑より脫れしめ、少女よ、爾の神聖なる祈禱を以て我等の靈を救ひ給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
成聖者(某)よ、爾は少き時より爾の十字架を任ひて、敬虔にハリストスに從ひ、節制を以て肉の念を枯らせり、此に因りて成聖者の座に坐して、主宰及び其至淨なる母の光榮を顯せり、故に神福なる者よ、主宰は種種の恩賜を以て爾の柩を飾り給へり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
永在の神を生みし純潔なる童貞女、獨衆に歌はるる者よ、成聖者と共に常に神に祈りて、我等信と愛とを以て職として爾を歌ふ者に未だ終らざる先に諸罪の赦免と生命の改新とを賜はんことを求め給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
成聖者神父(某)よ、我等爾を讚揚して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「萬民之を聽け、全地に居る者皆之に耳を傾けよ。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
克肖なる成聖者(某)よ、爾は肉慾を制して、神に肖たる成聖者と現れ、爾の牧群を神妙に治めて、洗禮を以て之を照し、惟一の神を三位に讚榮することを敎へたり、故に信を以て神の正敎會及び爾の不朽體の柩に來る者に逝世の後にも醫治を流し給ふ。ハリストス神に祈りて、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に罪過の赦を賜はんことを、求め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等は天の門と約匱、至聖なる山、光れる雲、焚かれぬ棘、靈智なる樂園、エワの赦たる者を歌はん、彼は全世界の大なる器にして、其中に世界の爲に救と古の諸罪の赦とは行はれたり。故に我等彼に呼ぶ、敬虔に爾の至聖なる產に伏拜する者に罪過の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱、第四調。
我が口は睿智を出し、我が心の思ひは智識を出さん。
句 義人の口は睿智を言ひ、其舌は義を語る。
「凡そ呼吸ある者」
成聖者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
神の嗣、ハリストスの友、主の役者たる聖(某)よ、爾の度生は爾の名に適へり、蓋白髪と偕に智慧は光り、爾が面の麗しきは靈の順良を證し、言の慎やかなるは温柔を顯せり。爾の生命は光榮なり、寢も聖者と偕に在り、我等の靈の爲に祈り給へ。
規程、第六調。
第一歌頌
イルモス イズライリは陸の如く淵を蹈み渡り、追ひ詰めしファラオンの溺るるを見て呼べり、凱歌を神に奉らん。
成聖者よ、爾神の役者として、天上の品位と偕に神の前に立ちて、熱切に我等の爲に祈り給へ、我等が爾の祈禱に因りて永遠の福を受けん爲なり。
福たる神父(某)よ、爾は主より尊き福音に勤めん爲に選ばれて、心を盡して睿智なる敎を以て人人を養ひ給へり。
神の睿智なる成聖者、神福なる(某)よ、爾は神の睿智に富まされ、心より活ける言を流して、諸慾に因りて荒れたる人人の靈を濕し給へり。
生神女讚詞
潔き者よ、預言者の聖にせられし會は遠くより爾を神の眞の母とならんとする者にして、ヘルワィム及び一切の造物より髙き者なりと示したり。
第三歌頌
イルモス 爾が信者の角を髙うし、我等を爾が承認の石に堅めし仁慈の主、吾が神よ、爾と均しく聖なるはなし。
福たる神父よ、爾は神聖なる甘味を爾の口より滴らし、無神の苦き滴を涸らして、神智の飮料を以て敬虔者に飮ませ給へり。
成聖者神父(某)よ、爾は神の定にて預定せられて、我等の爲に祭として己を捧げし神に無血の祭を獻ずる成聖者と爲り給へり。
至榮至尊なる成聖者(某)よ、爾の尊き體の置かるる柩は神の樂園の如く芳しき香を放ちて、信者を馨らす。
生神女讚詞
至淨なる者よ、爾の產の言ひ難き深處を人の智慧は測る能はず、蓋神は仁慈に因りて己を卑くして、爾の胎内に於て全く我を新にし給へり。
坐誦讚詞、第四調。
福たる克肖者よ、爾は醇正にハリストスの敎會を牧し、諸異端の稗を斥けて、今最髙き處に居り給ふ。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神童貞女、獨潔く、獨祝福せられし者よ、我等は爾より身を取りし者を父の言、ハリストス我等の神なりと知れり、故に絕えず爾を歌ひて讚め揚ぐ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者よ、爾は己の子が木の上に擧げられしを見て、母の心裂かれて、泣きて呼べり、哀しい哉吾が永久の光よ、如何ぞ隱れたる。
第四歌頌
イルモス 尊き敎會は淨き心より主の爲に祝ひ、神に適ひて呼び歌ふ、ハリストスは吾が力と神と主なり。
聖にせられし神父(某)よ、爾は聖神゜に盈てられて、人人より惡神゜を遠ざけ、爾の屬神゜の敎を以て彼等を篤信の者と爲し給へり。
爾は造られざる惟一者が三位に分るれども、分離なく混淆なきを敎へて、爾の聖にせられし神學を以て敬虔者を照し給へり。
爾は先節制と勤勞とを以て肉の念を殺して、神聖なる成聖者及び三者の前に至りて聖にせられし轉達者と爲り給へり。
生神女讚詞
至淨なる神の母よ、爾に因りて原母の詛は解かれたり、爾我等の爲に成聖の泉、永在の生命を生みたればなり。
第五歌頌
イルモス 至仁なる神の言よ、切に祈る、爾に朝の祈禱を奉る者の靈を爾が神の光にて照して、爾罪の暗より呼び出だす眞の神を知らしめ給へ。
爾は神の至りて聖にせられし成聖者として、慎みて神の事を行ひ、最潔き思を以て潔き事に觸れて、神の無玷なる役者と現れたり。
偶像の役者たりし者は爾の尊き敎に由りて神の役者と爲れり、爾彼等を不當なる事より救ひて、神全能者の當然なる役者と現れたり。
克肖者よ、爾は恩寵に召されて、爾の言の力を以て拜偶像の無神を破り、神の恩寵を以て荒れたる人人の心を豐に實を結ぶ者と爲し給へり。
生神女讚詞
夫に與らざる神の聘女マリヤよ、爾は奇異なる爾の產の後にも前の如く童貞女に止まれり、蓋生れし者は神にして、己の旨を以て一切を變化する主なり。
第六歌頌
イルモス 誘惑の猛風にて浪の立ち揚がる世の海を觀て、爾の穩なる港に著きて呼ぶ、憐深き主よ、我が生命を淪亾より救ひ給へ。
至りて聖にせられし神父よ、爾の舌は聖神゜に銳くせられて、神の指麾に由りて、迅書者の筆の如く敬虔の者の心に恩寵の言を書し給へり。
聖にせられし神父、至りて完全なる(某)よ、爾は神靈の至聖所に入るが如く神聖なることを學びて、聖神゜に由りて三者の光を以て信者を完全ならしめ給ふ。
至尊なる成聖者よ、爾は己の敎の流にて不虔者の敎の濁りたる流を塞ぎ、和平の川と爲りて、信者の會に敬虔を飮ましめ給へり。
生神女讚詞
神の恩寵を蒙れる純潔なる少女よ、言は種なく爾の腹に入りて、完全なる人と爲り、神に適ひて獨自ら知るが如く、人性を新にし給へり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
神聖なる雷、屬神の角、信の扶植者、異端の斷絕者、三者の役者、大なる成聖者(某)よ、常に諸天使と偕に神の前に立ちて、絕えず我等衆の爲に祈り給へ。
同讚詞
我不當の者は怠惰に由りて堕落し、死の寢に寢ねたり、求む、神父(某)よ、善き牧者として我を起して、甚しく我を苦しむる吾が諸慾を眠らせ給へ、我が起きて爾の光明なる慶賀を歌はん爲なり、蓋全地の主宰は宜しきに合ひて爾を至りて忠信なる僕及び睿智なる敎師とし、友及び奧密者とし、其傳の家宰及び傅膏を汚なく守りし者として榮し給へり。睿智なる者よ、絕えず我等衆の爲に祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 神の使は潔き少者の爲に爐に露を出さしめ、ハルデヤ人を焼く神の詔は苦しむる者に呼ばしめたり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
睿智者よ、爾は神の指麾に由りて屬神゜の恩寵に照され、導く星と爲りて、人人を照して歌はしむ、吾が先祖の神は崇め讚めらる。
聖にせられし者よ、爾は德行に耀きて、至聖なる殿と爲り、造られざる三者を爾の内に居らしめて呼ぶ、吾が先祖の神は崇め讚めらる。
爾は神聖なる警醒を以て目より眠を拂ひて、光明なる天使より神の光照を受けて、信者の爲に柱及び扶助と爲り、眞の成聖者と爲り給へり。
生神女讚詞
至淨なる者よ、像られぬ者として父の懷に坐する主は、アダムの救の爲に爾より身を取りて、像らるる者として爾の懷に坐し給ふ。
第八歌頌
イルモス ハリストスよ、爾は潔き者の爲に㷔より露を注ぎ、義人の祭の爲に水より火を出せり、爾は一の望にて萬事を行ひ給へばなり、我等爾を世世に讚め揚ぐ。
福たる者よ、爾は己の卑きを以て傲慢なる蛇を卑くし、己の潔き思を以て神に上げられたり、故に我等爾を尊みて、ハリストスを世世に讚め揚ぐ。
睿智なる神父(某)、捧神なる成聖者よ、爾は身を取りし言を傳へ、拜偶像の不虔を逐ひて、人人を奴隷の迷より救ひ給へり。
神父よ、爾は己の度生を爾の主宰の度生に似たる者と爲し、言を度生に似たる者と爲して、屬神゜の日に滿てられて、天上の安息の處に移り給へり。
生神女讚詞
神の恩寵を蒙れる讚美たる少女よ、我等は爾の產に由りて始の詛より救はれて、ガウリイルに效ひて爾に呼ぶ、衆人の救の緣由なる者よ、慶べ。
第九歌頌
イルモス 天使の品位すら見るを得ざる神は、人見る能はず、唯爾至淨の者に依りて人體を取りし言は人人に現れ給へり、我等彼を崇めて、天軍と偕に爾を讚め揚ぐ。
成聖者よ、爾は温柔善良なる者にして、温柔の者の地に入り、諸德に輝き、善行に光りて、天上の軍と偕に居り給ふ。
克肖者よ、爾は神の光榮を仰ぎ、諸天使の光照、太祖と致命者と使徒との華麗を見て、彼等と偕に仁愛なる主に祈りて、我等爾を讚め揚ぐる者に諸罪の赦と生命の更新とを賜はんことを求む。
爾は成聖者の寶座を飾り、諸天使に效ひて生命を送り、牧群に醇正の敎を授けて、之を敬虔に養ひ、完全なる人人を神に進めて、今天上の光榮を蒙りて、諸天使と偕に喜ぶ。
生神女讚詞
童貞女よ、天の滴は雨の如く爾の胎内に降りて、迷の流を涸らし、衆人に不朽を注げり、神の恩寵を蒙れる者よ、爾に賴りて贖罪は賜はりたり。
光耀歌
今日光明なる慶賀は嚴に行はる、神の顏の前に光榮の光の中に立てる成聖者(某)よ、爾の記憶を讚め揚ぐる我等を憶ひ給へ。
生神女讚詞
至淨なる者よ、我等爾より生れしハリストスと偕に釘せらるる者は神及び爾に恃賴を負はしむ、彼に奉る爾の祈禱を以て我等を終に至るまで害せらるるなく護り給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第八調。
克肖なる神父(某)よ、爾は神智の梯を登りて、神に近づき、子たる恩賜を得て、醫されぬ諸病を醫し、惡鬼を遠ざけ給ふ。故に我等爾の記憶を祭りて、歡の心を以て己の役者を榮せしハリストスを讚榮す。二次
奇異なる神父(某)よ、爾は智慧の光に照されて、諸慾の激浪の海を鎮め、無慾の淨き翼にて飛び、言ひ難く度り難き華麗の處に至りて、常に爾を讚め揚ぐる我等の爲に祈り給ふ。
神福なる(某)よ、爾は諸神父の神父、神品職の楷式、貞潔の規範、修道士等の模範、敎會の固、愛の燈、善德の寶座、奇跡の泉、火を噴く舌、甘味を流す口、聖神゜の器、靈智の樂園なり。
光榮、第六調。
三重に福たる克肖者、至聖なる神父、善き牧者、牧師長ハリストスの門徒、己の生命を羊の爲に捐てし讚美たる成聖者(某)よ、今も爾の祈禱を以て我等に大なる憐を賜はんことを祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の靈の救の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
童貞女母は十字架の側に立ち、己の子が甘じて苦を受くるを見て、彼を讚榮せり。
第十一編 二人或は多人の成聖者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
至尊にして讚美たる成聖者よ、爾等は光明なる星の如く世界を飾り、光線を以て之を照して、正敎の定理を固め、異端の闇を拂ふ。信を以て爾等の至尊なる記憶を行ふ者が朽壞及び艱難より救はれんことを祈り給へ。
至福なる捧神者よ、爾等は光を施す日と現れて、屬神の輝を以て全地を照し、神の命の光線を四極に放ちて、童貞女より輝きし者の力に由りて、信者の心を照して、諸異端の闇を拂ひ給ふ。
至福なる者よ、爾等は定理の杖を以て神靈の狼をハリストスの敎會より逐ひ、靈智なる堡嶂を以て四方より之を繞らして、之を全うし動なき者としてハリストスに捧げたり。彼に祈りて、信を以て爾等の至尊なる記憶を行ふ者が朽壞及び艱難より救はれんことを求め給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
至聖なる神の聘女よ、爾の祈禱を以て吾が卑微なる靈を諸罪と、定罪と、死より脫れしめ、終の至らざる先に痛悔と淚の流とを以て我を潔められたる者と爲し、詰問の日に於て我に諸聖人の會の受けし義とせらるることを得しめ給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
神の人人及び忠なる僕、主の役者、慈愛を蒙れる者、選ばれたる器、敎會の柱及び堅固、國の嗣よ、我等の爲に主に籲びて默す毋れ。
今も、 生神女讚詞
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の靈の救の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾の釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奧密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて木に懸けられて死する。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞第六調を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱。成聖者の喩言、巻末に載す。
挿句の讚頌、第一調。
屬神゜の祕密者、靈智なる神の箛、神聖なる鑑、聖にして火舌なる成聖者、金水の敎を我等に流す者を今日宜しきに合ひて讚め揚げん、我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給へ。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
信仰の則、神聖にして有能なる智慧、金水の川、至りて光明なる尊き燈、聖三者の軍士、聖神゜の恩寵の居處、動かざる柱、敎會の堅固なる神父等を宜しきに合ひて歌を以て讚め揚げん。
句 爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悅ばん。
聖神゜の器、神聖なる雷の箛、傳道の電、大く輝ける燈、神に依りて光を施す至福なる成聖者よ、爾等を尊む我等の爲にハリストスに祈りて、我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
光榮、第六調。
我等今日聖神゜の祕密の箛たる捧神なる神父等を讚め揚げん、彼等は敎會の中に神學の諧和の歌、惟一にして變易せざる三者、永在の神性を歌へり、彼等は諸異端を破壞する者、正敎者の爲に戰ふ者、且恒に主に我等の靈に憐を蒙らしめんことを祈る者なり。
今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾は實の葡萄の枝、我等の爲に生命の果を結びし者なり、女宰よ、爾に祈る、聖使徒と共に我が靈の憐を蒙らんことを祈り給へ。
十字架生神女讚詞
昔童貞女は童貞者門徒と偕に主の釘せらるる時 木の側に立ちて、泣きて呼べり、嗚呼哀しい哉、衆に苦なきを賜ふハリストスよ、如何ぞ苦を受くる。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
我が先祖の神、常に爾の寬容に由りて我等に行ふ主よ、爾の仁慈を我等より離さずして、彼等の祈禱に因りて我が生命を平安に治め給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
我等敎會の王たる飾として主の成聖者、定理の盡きざる寶藏なる者を讚め揚げん、蓋彼等は此を以て我等に性の合一にして位の分れたる聖三者を尊まんことを敎へ給へり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
神の恩寵を蒙れる至聖なる童貞女よ、我等信を以て爾慈憐なる者に就きて、爾の熱切なる保護を求むる者を憐み給へ、爾は至上なる神の仁慈の母として、爾の母たる祈禱を以て常に衆を覆ひて、救はんことを能すればなり。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第三調。
神智なる成聖者よ、爾等は敎會の柱たり、正敎の奪はれぬ富と現れ、潔淨を以て爾等の生命を輝かし、聖三者の敎を説き給へり、克肖なる神父等よ、ハリストス神に我等の靈の救の爲に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
神の性に離れずして、爾の胎内に身を取りて、神人と生れし惟一の主は、爾母を產の後にも產の前の如き純潔なる童貞女として護り給へり、彼に熱切に大なる憐を我等に賜はんことを祈り給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
大なる成聖者よ、我等爾等を讚揚して、爾等の聖なる記憶を尊む、爾等は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「萬民之を聽け、全地に居る者皆之に耳を傾けよ。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第四調。
睿智なる全地の敎師等、行と言とを以て地上に神を榮せし者は、我等の救の轉達者として、今日讚揚せらるべし。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
患難に遇ふ者の勝たれぬ轉達者たる生神女、爾を賴む者の熱切なる保護者よ、我を諸難より救ひ給へ、爾は衆人の扶助者なればなり。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱、第四調。
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
成聖者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
克肖なる諸神父よ、爾等の諸德の風聲は全地に傳はる、爾等は惡鬼の群を破り、潔淨を以て天使の生命に效ひて、其品位に至り、天に於て己の勤勞の賞を獲たり。主の前に勇敢を有ちて、我等の靈の爲に平安を求め給へ。
規程、第八調。
第一歌頌
イルモス 我等其民をして紅の海を過らせし主に歌はん、彼獨嚴に光榮を顯したればなり。
世界の中に光れる睿智なる成聖者よ、爾等は萬有の王の神聖なる命を行ひしを以て耀く、故に我等ハリストスを歌はん、彼光榮を顯したればなり。
信者よ、我等至大至尊なる成聖者を尊まん、蓋彼等は世界の中に敬虔の光を以て耀き、不虔の暗を拂へり。
捧神なる聖にせられし傳道師等よ、諸天使と偕に萬有の王の前に立ちて、爾等の記憶を行ふ我等に諸罪の潔淨を賜はんことを祈り給へ。
生神女讚詞
永遠に父より生るる無原の言を孕みて、身を取りし者として言に超えて生みたる至淨なる者よ、我等が諸難より救はれんことを切に祈り給へ。
第三歌頌
イルモス 始に智慧にて天を堅め、地を水の上に建てしハリストスよ、爾が誡の石に我を堅め給へ、爾獨人を慈む主の外に聖なる者なければなり。
克肖なる捧神者よ、爾等は眞の節制と倦まざる祈禱とを以て諸德の最髙き城邑に登れり、彼處に常に主宰の光榮の中に樂しむ。
克肖なる成聖者よ、神の前に勇敢を有つ者として、我等信を以て爾等の記憶を歌ふ者の救はれんことを祈り給へ。
克肖者よ、爾等は敬虔の範の敎師、神の睿智なる言及び眞實の傳道師として、諸異端に對して勝利を獲たり。
生神女讚詞
神の母潔き童貞女よ、我等皆爾を神の寶座及び天として歌ふ、蓋爾より眞實たるイイススハリストスは我等の救の爲に現れ給へり。
坐誦讚詞、第二調。
福たる諸神父よ、爾等は實に節制の尊き器、敬虔の奪はれざる富と現れて、度生を以て世界の中に耀き、爾等の助を求むる者に豐に之を賜ふ。克肖者よ、ハリストス神に大なる憐を我等に賜はんことを祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
人は救を得る處に義に合ひて趨り附く、生神女よ、爾の如き避所、我等の靈を蔽ふ者は亦何處にかあらん。
十字架生神女讚詞
生神女よ、我等は爾の子の十字架を能力の杖として得て、此を以て諸敵の驕を破り、愛を以て絕えず爾を讚め揚ぐ。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が攝理の祕密を聆き、爾の作爲を悟り、爾の神性を讚榮せり。
我等皆歌を以て睿智なる成聖者を讚め揚げて言はん、捧神なる諸神父よ、我等の救はれんことを熱切に祈り給へ。
神福なる者よ、我等は爾等を實に敬虔の範の傳道師及び扶植者、醇正の敎の敎師及び成聖者と有ちて、歌頌と詩賦とを以て爾等を讚め揚ぐ。
主の克肖なる成聖者、敎導師及び養育者よ、我等信者は歌頌と詩賦とを以て爾等の聖にせられし記憶を祭る。
生神女讚詞
聘女ならぬ聘女、婚姻に與らざる潔き童貞女、ハリストス神の母よ、爾を歌ふ者の靈を救はんことを絕えず彼に祈り給へ。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙に興きて爾に籲ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず。
神智なる者よ、爾等は敬虔の香料を塗られて牧師と爲れり、故に我等皆爾等を捧神なる成聖者として尊む。
光榮なる神智者よ、爾等は勤勞と祈禱とを以て使徒に效ふ者と爲りて、敎會の人人を養ひ給へり。
見神者たる諸神父よ、爾等は熱心者イリヤ及び見神者モイセイに效ひて、諸異端の首長等を辱め給へり。
生神女讚詞
信者皆來りて、天使と偕に同心に祝福せられし者を萬有の王を生みし女王として尊まん。
第六歌頌
イルモス 光を衣の如く衣る慈憐の深きハリストス我が神よ、我に光明の衣を予へ給へ。
福たる諸神父よ、爾等は己の神聖なる敎を以て敎會の光榮を盛に顯して、諸異端を根より絕やし給へり。
光榮なる者よ、爾等は敬虔の光體として、敎の純美なるを以て全地に輝きて、神の言にて諸異端を昧まし給へり。
克肖者よ、爾等は舌と言とを武器と爲して、異なる敎を悉く斬り、衆人の爲に聖三者の定理を明に説き給へり。
生神女讚詞
ハリストス神よ、爾は童貞女より生れて、世界を照し給へり、爾に祈る、仁愛なる主として、我をも我が諸罪より救ひて、我が生命を治め給へ。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第八調。
成聖者よ、敎會は爾等を歌ひて、德行の敎師、神品職の飾として讚榮す、求む、爾等の祈禱に由りて、愛を以て爾等を尊む者に德を行ふ力を與へて、諸の誘惑より救ひ給へ、爾等は勝たれぬ者なればなり。
同讚詞
神聖なる成聖者よ、爾等は敬虔の川と現れて、爾等の敎の流を以て全地に飮ませ、奇跡の雨を以て其汚を洗ひ、宜しきに合ひて永遠の福樂の嗣と爲り給へり。故に我等今日集まりて、歌を以て敬虔に爾等を尊み、信を以て爾等に呼ぶ、ハリストス神に絕えず我等衆の爲に祈り給へ、爾等は勝たれぬ者なればなり。
第七歌頌
イルモス 太初に地を基づけ、天を言にて固めし主、我が先祖の神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
眞の神聖なる成聖者を爾の群の牧者と爲しし我が先祖の神は崇め讚めらる。
爾等は諸慾の燄を滅して、恩寵を以て敬虔者の靈を濕して呼ばしめたり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
節制と、警醒と、眞の信とを以て勤勞せし成聖者よ、我等衆を憶ひ給へ。
生神女讚詞
我等の爲に童貞女より生れて、世界を敵より救ひし我が先祖の神は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 聖なる山に光榮を顯し、棘の中に火を以てモイセイに永貞童女の奧密を示しし主を歌ひて、萬世に讚め揚げよ。
成聖者神父よ、爾等はモイセイに效ひて無慾の山に登り、靈智なる恩寵の黑暗に入りて法を受けたり、故に我等ハリストスを世世に讚め歌ふ。
克肖者よ、爾等はハリストスの民を牧して、エギペトの迷を逃れ、慾に耽りたるワワィロンを避け、上なるシオンに入りて、世世の居處を得たり。
神の成聖者よ、爾等は恩寵の香料を塗られて、言と行とに敬虔を守りて聖務を盡せり、故に爾等は聖三者を惟一の性に於て萬世に讚め揚ぐ。
生神女讚詞
聖なる童貞女の腹に入りて、此を以て言ひ難く舊きアダムを新にし給ひし主を歌ひて、萬世に彼を讚め揚げよ。
第九歌頌
イルモス 山に於て立法者に火及び棘の中に預象せられたる、我等信者の救を爲す永貞童女の產を、默さざる歌を以て崇め讚む。
無慾と信、望と愛とを以て我等に永遠の生命の言を傳へし睿智なる成聖者よ、我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
至尊なる成聖者よ、爾等は聖神゜の杖を以て人人を牧し、神の敎會より神の敵たる諸異端を逐ひ給へり、故に我等歌を以て爾等を讚め揚ぐ。
福たる成聖者諸神父よ、我等皆歌頌と詩賦とを以て默すなく爾等を敎會の光體として讚め揚げ、宜しきに合ひて爾等の不朽體の柩を尊む。
生神女讚詞
不朽の常に流るる泉よ、慶べ、日の光明なる雲よ、慶べ、神性の輅よ、慶べ、成聖の匱よ、慶べ。
光耀歌
日の光線よりも盛に耀ける燈、光の原因たる三者及び三日の惟一者より神妙に燃されたる捧神なる神父等を我等崇め讚めん。
生神女讚詞
生神童貞女よ、我等は默さざる歌を以て爾を讚揚す、蓋爾は三者の一位を胎内に宿して、變易せざる永在の言を神聖なる手に抱き給へり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第六調。
諸使徒及び敎師等に由りて恩寵は力を顯し、信は堅固になり、我等衆は神を識る智識に滿てられて、救に富まされたり。二次
主よ、爾は己の成聖者を天の奧密と、人の學問と、恩寵の賜とに滿たし、彼等に凡の異端の言に勝つ力を與へて、彼等を奇異なる者と爲し給へり。
睿智なる全地の敎師等、行と言とを以て地上に神を榮せし者は、我等の救の轉達者として、今日讚揚せらるべし。
光榮、第六調。
善い哉、善にして忠なる僕等、ハリストスの葡萄園の善き工人よ、爾等は終日の苦勞をも忍び、爾等に託せられし「タラント」をも益せり、又爾等より後に來りし者を猜まざりき、故に天の門は爾等の爲に啓かれたり。聖なる敎師等よ、主宰ハリストスの歡樂に入りて、我等の爲に祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾は實の葡萄の枝、我等の爲に生命の果を結びし者なり、女宰よ、爾に祈る、聖使徒と共に我が靈の憐を蒙らんことを祈り給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は爾が十字架に懸けられしを見し時、母として泣きて呼べり、吾が子及び吾が神、吾が甘愛なる產よ、如何ぞ爾は恥づべき苦を忍び給ふ。
第十二編 一人の克肖者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
克肖にして尊貴なる者は神の耀ける燈として、度生の麤笨の斗の下に敢て隱るるなし、乃仁愛なる主は彼を髙き奇蹟の峯に置き給ふ。ハリストスよ、彼の祈禱に由りて、爾の民に大なる憐を賜へ。
至尊なる者よ、爾は神聖なる行の犂に手を著けて、常に之に勞して、後を顧みることをせざりき、乃身を取りし神ハリストスの國に當る者と爲れり、我等の靈の救の爲なり。
睿智なる者よ、爾は肉體の小舟に乘り、溫柔なる神゜の穩なる氣に由りて輙く生命の海を度り、値貴き眞珠を見て、爾の所有を鬻ぎて之を買ひ、之を己に藏めて、其神聖なる華美を以て樂しめり。
光榮、今も、生神女讚詞。
吾が思は不潔、口には詐あり、行は悉く汚らはし、我何をか爲さん、如何ぞ審判者に遇はん、女宰童貞女よ、爾の子造成者及び主に祈りて、獨慈憐なる者として、痛悔に於て我が神゜を受けんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝牛は犢が木の上に甘じて釘せらるるを見て、悲しみ泣きて呼べり、哀しい哉、最愛すべき子よ、恩を知らざるエウレイの會は何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、何ぞ我を子なき者として遺す。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
我等の神父(某)よ、爾は神の像に從ひて有つ所を殘なく守り、禁食を以て智慧を有害の諸慾を制する司と立てて、神の肖に從ひて有つ所の力に應じて進歩せしめたり、蓋勇ましく性を節して、下なる者を上なる者に從はしめ、肉體を神゜に服せしめたり、故に爾は野の住者にして、修道士の敎師、善途を行く者の嚮導師、德行の端正なる軌範と現れたり。今天に在りて、鏡の朦朧は散じたれば、明に聖三者を仰ぎ見て、直に信と愛とを以て爾を尊む者の爲に祈り給ふ。
今も、生神女讚詞。
「生神女よ、爾は實の葡萄の枝。」
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾が十字架に釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奧密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて木に懸けられて死する。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
「至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん」。
聖入。本日の提綱、克肖者の喩言、巻末に載す。
挿句に讚頌、第一調。
捧神者克肖なる(某)、我が靈の祈禱者よ、日よりも明なる爾の祭は至りて、信を以て爾に來る者を照して、不死を薫らせ、靈に醫治を流す。
奇蹟者(某)よ、爾は節制の轡を以て體の慾情を制し、地に在りて天の事に熱中し、肉體の一切の望を神゜に服せしめたり。故に今天の第宅に住ひて、我等の靈の爲に祈り給へ。
句 神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。
福たる克肖者(某)よ、爾は諸德の基を置きて、舊き人を其慾と偕に脫ぎ、實にハリストスを衣たり、故に敵の衆軍を退けて、修道士等の敎導師と爲れり。我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
光榮、第八調。
我等の神父(某)よ、修道士の大數は爾を敎導師と尊む、爾の途に由りて實に直く行くことを知りたればなり。福たる哉爾、ハリストスに服從して、敵の力に勝ち、天使等と對話する者、克肖者及び義者の友と爲りし者や、彼等と偕に主に我等の靈の憐を蒙らんことを祈り給へ。
今も、復活の生神女讚詞。
「聘女ならぬ童貞女、」巻末に載す。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
潔き童貞女、言の門、我が神の母よ、我等の救はれんことを祈り給へ。
十字架生神女讚詞
子よ、我は爾萬衆に警醒を與ふる者が木の上に寢ねたるを見るに忍びず、然れども此れ昔犯罪の果に因りて淪亾の眠に寢ねたる者に神聖なる救の警醒を賜はん爲なりと、童貞女は哭きて言へり、我等彼を讚め揚ぐ。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第八調。
克肖なる神父(某)よ、神の像に由る者は爾の内に確に救はれたり、蓋爾は十字架を任ひてハリストスに從ひ、過ぎ易き者たる肉體を輕じ、不死の者たる靈のことに熱中するを行を以て敎へたり。故に爾の神゜は諸天使と偕に喜ぶ。
光榮、 今も、 生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
至福なる(某)よ、爾は主の召に從ひて、世及び世の美しきを悉く棄て、熱切に野の辛苦を忍びて、勇ましく惡鬼の隊を退け給へり。、故に我等常に歌を以て熱信に爾の記憶を讚め揚ぐ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至りて讚美たる潔き童貞女よ、爾は己の神聖なる產を以て地上の者の諸慾に由りて朽ちたる死すべき性を新にして、衆を死より不朽の生命に起し給へり。故に我等皆職として爾を讚揚す、爾の預言せしが如し。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
我等歌を以て主の修齋者を尊まん、蓋彼は節制と眞に堅固なる忍耐とを以て諸慾の悉くの攻擊に勝ち、戰ふ敵及び其凡の傲慢を大く辱かしめ、今は主に我等の靈を憐まんことを祈り給ふ。
光榮、今も、生神女讚詞。
潔き永貞童女よ、爾の胎孕の奇跡は悟り難く、產の狀は言ひ難しと知られて、我が智慧を驚かし、思を訝らしむ。生神女よ、爾の光榮は衆に顯れたり、我等の靈の救の爲なり。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
克肖なる神父(某)、修道士の敎師、天使等の對話者よ、我等爾を讚美して、爾の聖なる記憶を尊む。
拔萃聖詠
「我切に主を恃みしに、彼我に傾きて」。
多燭詞の後に坐誦讚詞、第一調。
聖にせられし神父、克肖者の飾よ、爾は肉體を殺すを以て諸慾の發生を悉く葬りて、死の後に終なき生命を得たり。故に今日ハリストスの敎會は爾の尊き記憶を祭る。
光榮、今も、生神女讚詞。
婚姻に與らざる祝福せられしマリヤ、失望せし人人の避所、神の居處たる童貞女よ、我等常に無道に傾きて、至仁なる主を怒らす者を痛悔の道に向はしめ給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
成聖者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
第一歌頌
イルモス イズライリは乾ける地の如く水を過り、エギペトの禍を免れて籲べり、我が救主及び神に歌はん。
克肖者よ、爾は善き風習に飾られて、少き時よりハリストスに就き、節制を以て肉體の慾を殺して、生命に移り給へり。
睿智なる神父よ、爾は神の言と法とを行ふ者と爲りて、神聖なる恩賜と奇跡とに滿てられ、衆に豐に其光線を放ち給へり。
克肖者よ、爾はハリストスの異能に堅められて、敵の權と力とを斃し、勝利の報賞として尊敬を受けて、奇跡を輝かし給ふ。
睿智者よ、爾は無垢なる良心を有ち、心の目を以て神を仰ぎたり、故に彼は爾の祈禱を聞きて、爾を克肖者と偕に算へ給へり。
生神女讚詞
至淨なる童貞女よ、爾に祈る、我が肉體の慾と我が智慧の不當なる思とを制して、我智慧にて迷ひし者を直き途に向はしめ給へ。
第三歌頌
イルモス 主よ、爾は爾に趨り附く者の固、爾の昧まされし者の光なり、我が神゜は爾を歌ふ。
克肖なる睿智者神父よ、爾は全く全能者に屬して、惡鬼の悉くの害毒を免れ給へり。
爾は謙遜の髙きに飾られて、爾の勝れたる行を以て至りて傲慢なる者を地に倒し給へり。
睿智なる神父よ、爾は肉體に在りて、爾の言の謙遜を以て不虔者の髙ぶれる首を低くし給へり。
睿智なる者よ、爾は神の力を爾を助くる者と有ちて、奇異なる者として奇跡を流し、諸病を逐ひ給ふ。
生神女讚詞
純潔なる者よ、造物主は爾の胎内に入りて肉體を取り給へり、信を以て爾を歌ふ者に恩を施さん爲なり。
坐誦讚詞、第四調。
至榮なる神父(某)よ、爾は肉慾の思を制し、卑きことを髙きに服せしめ、齋を以て惡鬼の姦計を破りて、爾の諸德の光を以て世界の中に日の光線の如く輝けり、故に我等爾を讚め歌ふ。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、爾は我等「ハリスティアニン」の爲に破られす牆なり、蓋我等は爾に趨り附きて害なくして止まり、復罪を犯せば、爾を祈禱者として有つ。故に感謝して爾に呼ぶ、恩寵を蒙れる者よ、慶べ、主は爾と共にす。
十字架生神女讚詞
無玷なる童貞女、ハリストス神の母よ、爾が己の子及び神の甘じて釘せらるるを見し時、劍は爾の至聖なる靈を貫けり。至りて讚美たる者よ、我等に諸罪の赦を賜はらんことを絕えず彼に祈り給へ。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が攝理の祕密を聆き、爾の作爲を悟り、爾の神性を讚榮せり。
至榮なる者よ、爾は己の靈を聖神゜の殿と爲して、天上の軍と偕に上なる國の嗣と爲り給へり。
克肖者よ、爾は爾に就く者の多病の苦を常に醫す、蓋主より奇跡異能を行はん爲に恩寵を受け給へり。
神父よ、爾は神の家に最美しき植物として生長し、諸德に飾られ、奇跡の果にて馨る。
生神女讚詞
屬神゜の田なる永貞童女よ、爾は畝よりするが如く一切の造物を養ふ穗として萬物の神を生じ給へり。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙に興きて爾に籲ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず。
至榮なる者よ、爾は潔められたる智慧を以てハリストス萬物の神の言ひ難き華麗を仰ぎ見る。
神父よ、イリヤが車に於ける如く、爾は諸德に由りて聖神゜に扶けられて天に登り給へり。
神父よ、爾は節制と潔淨とを以て爾の體を狭めて、天上の廣き居處に至り給へり。
生神女讚詞
醫師たるハリストスを生みし純潔なる女宰よ、我が病める智慧の昏昧を醫し給へ。
第六歌頌
我禱を主の前に灌ぎ、我が憂を彼に吿げん、我が靈は惡に滿ち、我が生命は地獄に近づきたればなり、我イオナの如く祈る、神よ、我を淪亾より救ひ給へ。
神福なる者よ、爾の聖にせられし祈禱に由りて詭譎なる蛇は殺されて、休徵を爾に求むる者は其凶惡より解かる、蓋爾は神の至りて光明なる忠信の役者と知られたり。
聖にせられし神父よ、爾は勤勉の犂を以て爾の靈を耕して、睿智にして其内に諸德の繁き實を生ずる種子を播きて、多種の醫治の善く實りたる穗を刈り給へり。
克肖なる神父よ、爾は聖神゜の異能に扶けられて、敵の權と力とを斃し、勝利の報賞として尊敬を受けて、奇跡を輝かし給ふ。
生神女讚詞
至淨なる少女よ、主は、其欲せし如く、爾と共に在りて、爾の轉達に因りて我等衆を詭譎なる者の權より救ひ給へり、故に今我等萬族は職として爾を讚揚す。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
我等の神父(某)よ、爾は靈の潔淨を以て神妙なる武具と爲し、絕えざる祈禱を戈として固く執りて、惡鬼の軍を刺し給へり、求む、我等衆の爲に絕えず祈り給へ。
同讚詞
克肖者よ、爾はハリストスの神聖なる誡を愛して、此の世の樂を惡み、熱切にハリストスに就きて、屬神゜の煇煌 を以て四極を照す燈と爲れり。故に我俯伏して爾に祈る、我が靈の目を照して、爾の勤勞と修齋と警醒、涕淚と辛苦と肉體の疲勞、爾が今樂しむ所の福たる來世の生命の爲に忍耐せし者を歌はしめ給へ、求む、我等衆の爲に絕えず祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 昔ワワィロンに於てイウデヤより來りし少者は、聖三の信を以て、爐の㷔を蹈みて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
神父よ、爾は堅固なる智慧を以て修齋の勤勞を經、神聖なる謙遜を以て髙ぶれる智慧を卑くして歌へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
神父よ、爾は神の家に最美しき植物として生長し、諸德に飾られ、奇跡の果にて馨る。
爾は己の心を照して、聖にせられし神父等の會の首長と爲り、衆を敎へ、導き、神の旨を行はしめて歌へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
童貞女よ、爾は新なる嬰児たる無原の言を生みて、罪に由りて古びたる我等を新にして、歌ふを敎へたり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 神を傳ふる少者は爐の中に㷔を蹈みて歌へり、主の造物は主を崇め讚めよ。
神聖なる居處の嗣たる神父よ、爾は天使の如く生を送れり、故に爾の神゜は諸天使と偕に喜ぶ。
睿智にして奇異なる神父よ、爾は立ち返るなくして天に導く神聖なる途を行きて、終に至るまで惡に引く途を避け給へり。
神父よ、爾の靈の内に入りたる恩寵に因りて人の内に棲む不潔なる惡鬼は逐はる。
生神女讚詞
童貞女よ、爾は汲み盡くされぬ水なり、我等衆は之より飮み、恩寵に滿たされて、靈と體とを聖にせらる。
第九歌頌
イルモス 凡の者は神の言ひ難き寬容の事、如何に至上者が甘じて肉體を取るまでに降りて、童貞女の腹より人と爲りしかを聞きて、恐れざるなし、故に我等信者は至淨なる生神女を崇め讚む。
神父よ、爾の尊き柩は神の神゜に由りて饒に醫治を流し、爾に來る者の永き苦を瘳し、殘忍なる惡鬼を逐ひ、信者を起して爾の光明なる功勞を讚揚せしむ。
克肖なる(某)よ、爾は己の功勞の大なるを以て我等の爲に大なる日の如く輝きて、地の四極を照し、死して光より限なき光に移り給へり。故に我等爾に呼ぶ、神智なる神父よ、我等の思を照し給へ。
睿智にして福たる神父(某)よ、神救世主が大に爾を榮せしに由りて、鐵械を負ひし爾の忍耐の體は之に觸るるを以て醫し難き苦悩を醫す、爾は、奇異なる克肖者よ、己の善行に因りて榮せられたればなり。
讚美たる我等の神父よ、爾は修齋者の谷の中に芳しき花として咲き、諸德と奇跡とに因りて百合花の如く信者の靈を薫らせたり、故に克肖者よ、我等より惡臭の諸慾を逐ひ給へ。
生神女讚詞
讚美たる潔き童貞女よ、常に諸罪と多くの世俗の累とに昧まされたる吾が心を照して、我を諸敵の悅と爲るに任す勿れ、我が爾を讚榮して、愛を以て爾を歌はん爲なり。
光耀歌
神父よ、爾はダワィドの言ふ所の椶櫚の如く繁りて、至聖神゜の居處に現れたり、彼は爾を全地に光榮なる者と爲し給へり。克肖なる(某)よ、我等{r信しんを以て爾の至尊なる記憶を貴む者の爲に常にハリストスに祈り給へ。
生神女讚詞
生神童貞女よ、我等默さざる歌を以て爾を讚美す、蓋爾は聖三者の一を生みて、變易なき永在の言を爾の神聖なる手に抱き給へり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第六調。
至福なる捧神者(某)よ、爾は一切の肉體の念を神゜に從はせ、嚴正なる齋に固められて、爐に試みられたる黃金の如く光れる者と現れ、至聖神゜の居處と爲りて、修道士の大數を集めて、爾の敎訓を以て、天に登らしむる梯に於てするが如く、彼等を諸德の髙きに登せ給へり。求む、我等常に爾の聖にせられし記憶を尊む者を記念して、我等の靈の救はれんことを祈り給へ。二次
至榮なる(某)よ、今日爾の光明なる大に祝ふべき記憶は輝き、修齋者の大數、克肖者の會を呼び集めて、天使等が人人と偕に三位に伏拜せらるる我が神を讚め揚ぐるを致す。故に我等は爾の聖軀の聖にせられし柩に趨り附き、豐に醫治の恩賜を受けて、爾に榮冠を冠らせしハリストス、我が靈の救主を讚榮す。
至福なる捧神者神父(某)よ、爾は預言者の言へる如く、淚を以て褥を滌ひ、爾の目に寐ね、瞼に眠るを容さずして、爾が愛せしハリストスに中心に熱望を顯し、修道士等の模範と爲りて、凡の德を修め給へり。故に我等爾を榮せしハリストスを崇め讚めて、爾を讚揚す。
光榮、第二調。
克肖なる神父(某)よ、爾は幼少より務めて諸德を習ひ、聖神゜の器と爲りて、彼より奇跡を行ふ力を受け、人人に斯の世の逸樂を輕ぜんことを敎へ給へり。我等の神父よ、今爾最麗しく神性なる光に輝かされて、我等の意念をも照し給へ。
今も、生神女讚詞。
神の母よ、我が盡くの恃を爾に負はしむ、我を爾の覆の下に守り給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者よ、爾は萬有の造成主が十字架に擧げらるるを見て、多くの辱を忍びて、泣きて言へり、至聖なる主、吾が子及び吾が神よ、如何ぞ爾は己の造物を尊くせんと欲して、身にて辱を忍ぶ、仁愛なる主宰よ、光榮は爾の大なる慈憐及び謙遜に歸す。
若し挿句に光榮あらば、之を誦せよ。今も、晩課の生神女讃詞、或は十字架生神女讃詞。
第十三編 二人或は多人の克肖者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第八調。
克肖にして神智なる諸神父よ、爾等は信を以て爾等の殿に來りて、助を求むる者に慈憐を以て傾きて、瞽者に光を、病む者に醫治を、跛者に健康を賜ふ、蓋我等衆信者は爾等を扶助者及び轉達者として得たり、故に爾等を崇め讚む。
克肖にして尊貴なる諸神父よ、爾等は諸德の車に乘りて、神の前に升りて、勝利の尊敬を受け、我等に於ける慈憐として柩に藏めたる爾等の體を遺して、醫治を流し、惡鬼を逐ひ給ふ、故に我等は讚美たる諸神父を崇め讚む。
福たる者よ、爾等は修齋者の會に加はりて、修齋の度生に飾られたり、故に今天上の居處に諸天使の歡ぶ處に在り勇敢を有ちて、我等の靈の爲に平安を求め給へ。
今も、生神女讚詞。
潔き生神童貞女よ、主に祈りて、爾の祈禱に由りて我等の靈に諸罪の赦と、平安と、大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
純潔なる生神女よ、爾は我等の生命が木に懸れるを見て、母として泣きて呼べり、吾が子、吾が神よ、愛を以て爾を歌ふ者を救ひ給へ。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
克肖なる諸神父よ、爾等の諸德の風聲は全地に傳はる、爾等は惡鬼の群を破り、潔淨を以て天使の生命に效ひて、其品位に至り、故に天に於て己の勤勞の賞を獲たり。主の前にて、神の光に耀かされて樂しみ給ふ。地上に愛を以て爾等を讚揚して、爾等の聖なる祭を行ふ者を記念し給へ。
光榮、 今も、 生神女讚詞
吾が思ひは不潔、口には詐あり、行は悉く汚らはし、我何をか爲さん、如何ぞ審判者に遇はん、女宰童貞女よ、爾の子造成者及び主に祈りて、獨 慈憐なる者として、痛悔に於て我が神゜を受けんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝牛は犢が木の上に甘じて釘せらるるを見て、悲しみ泣きて呼べり、哀しい哉最愛すべき子よ、恩を知らざるエウレイの會は何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、何ぞ我を子なき者として遺す。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱。克肖者の喩言、巻末に載す。
挿句の讚頌、第四調。
神智者よ、爾等は朽つる人を脫ぎて、ハリストスを衣たり、故に常に聖神゜の恩寵に照されて、光れる星の如く世界の爲に輝き給ふ。常に信を以て爾等の尊き記憶を行ふ者が朽壞と患難より救はれんことを祈り給へ。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
今福樂を受け、神の光に照されて、永遠の生命を嗣ぎたる神智者よ、爾等に趨り附く者を災禍と、諸の誘惑と、凡の苦悩より救ひ給へ、爾等は神の前に勇敢を得、且眞にハリストスに似たる愛を有てばなり。
句 神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。
至りて奇異なる捧神者、三者の軍士よ、爾等は勇敢なる智慧を以て斯の世の君と戰はん爲に己を備へ、堅固なる力を以て之を斃して、勝利の榮冠を獲たり、故に我等恩寵に照されて、爾等の神聖にして光明なる記憶を行ふ。
光榮、第八調。
克肖なる諸神父よ、爾等は世上の華美と暫時の逸樂とを深く惡み、修道士の度生を愛して、天使等の對話者と爲り、全地の最光明なる燈として、奇跡を以て日の如く輝き給ふ。祈る、我等衆爾等の聖なる記憶を行ふ者を記念せよ、蓋我等は爾等の諸子、爾等の敎に養はるる羊群なり、爾等を扶助の爲に呼びて、爾等に由りて平安と大なる憐とを得んことを求む。
今も、復活の生神女讚詞。
聘女ならぬ童貞女、言ひ難く身にて神を孕し者、至上なる神の母よ、爾の諸僕の祈禱を受け給へ、衆に諸罪の潔淨を予ふる純潔なる者よ、今我等の冀願を納れて、我等皆救はれんことを祈り給へ。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
聖なる童貞生神女よ、我爾の庇廕に趨り附く、我爾に倚りて救を得んことを知る、爾は、潔き者よ、我を援くるを能くすればなり。
十字架生神女讚詞
主宰イイススよ、童貞女爾の母は爾が甘じて十字架に釘せられ、苦を受くるを見て呼べり、哀しい哉甘愛なる子よ、爾は人類の不能を醫す醫師、爾の慈憐を以て衆を朽壞より救ふ者にして、如何ぞ非義に傷つけらるるを忍ぶ。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
我が先祖の神、常に爾の寬容に由りて我等に行ふ主よ、爾の仁慈を我等より離さずして、彼等の祈禱に因りて我が生命を平安に治め給へ。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の聖詠誦文の後に坐誦讚詞、第四調。
ハリストスの眞實の至りて光明なる燈よ、爾等は己の敎を以て世界を輝かせり、神の言を宣べたる諸神父よ、爾等は不虔なる誹謗者の諸異端を亾し、褻瀆者の炎の如き强暴を滅したり、故にハリストスの役者として衆を照し給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
純潔なる童貞女、永在の神を生みし獨讚美たる者よ、克肖者と偕に絕えず彼に祈りて、我等信と愛とを以て職として爾を歌ふ者に終の至らざる先に諸罪の赦と生命の更新とを賜はんことを求め給へ。
第二の聖詠誦文の後に坐誦讚詞、第八調。
捧神なる諸神父よ、爾等はハリストスの爲に肉體を忌みて、人人の屬神゜の敎導師と爲り、奧密の敎の言を聽きて、修道士等の模範と現れ、勇ましく諸慾を踏みて、惡鬼の姦計を盡く滅せり。愛を以て爾等の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを常に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
少女よ、視よ、爾が預言せし如く、萬族は爾を讚榮す、蓋爾は萬有の造成主の宮及び神聖なる殿と爲れり、至上者は其内に入りて、肉體を衣給へり、我等を救はん爲なり。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
克肖なる諸神父、修道士の敎師、天使等の對話者よ、我等爾等を讚美して、爾等の聖なる記憶を尊む。
拔萃聖詠
「我切に主を恃みしに、彼我に傾きて。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
福たる者よ、爾等は己の智慧を神聖なる望に馳せし時、下に引く一切の思念を棄て、野に居りて、諸德の美しき花を發き、諸慾の荊棘を絕し、爾等の勤勞の果を生長せしめたり、故に天に在りて奪はれざる富の禾束を刈り給へり。克肖なる諸神父よ、信を以て爾等の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
恩寵を滿ち被むる者よ、凡の造物、天使の會、及び人の族は爾に因りて喜ぶ、爾は聖にせられし宮、靈智なる地堂、童貞女の譽なり、神は爾より身を取り、世世の先より在す我等の神は嬰児と爲り給へり、蓋爾の胎を寶座と爲し、爾の腹を天より廣き者と爲せり。恩寵を滿ち被る者よ、凡の造物は爾に因りて喜ぶ、光榮は爾に歸す。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
句 「神を其聖所に讚め揚げよ。」
克肖者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
地に於ては天使、天に於ては神の人、世の美しき飾、德を望む者の敎導師、修齋者の譽たる大なる諸神父を尊まん、蓋彼等は主の宮に植えられ、柏香木の如く野に榮えて、聖を以て義を以て靈智なるハリストスの羊群を繁殖せしめたり。
規程、第二調。
第一歌頌
イルモス 人人よ、來たりて、海を分ちて、エギペトの奴隷より引き出しし民を過らせしハリストス神に歌を歌はん、彼光榮を顯したればなり。
睿智なる者よ、爾等は神性の三日光の光照に耀かされ、光體と現れて、信を以て爾等の光明なる記憶を尊む者を照し給ふ。
爾等は全く己を造成主に委ね、屬神゜の望を傾けて彼の前に注げり、故に屬神゜の恩寵を受け給へり。
恩寵の光に輝かさるる克肖者よ、信を以て爾等の記憶を祭る者を照して、爾等の祈禱を以て罪の闇より逃れしめ給へ。
生神女讚詞
身にて身なき者を生みし至淨なる神の母よ、爾の神聖なる祈禱の注ぐを以て我等の體と靈との汚を洗ひ給へ。
第三歌頌
イルモス 木を以て罪を殺しし主よ、我等を爾の中に堅めて、爾を畏るる畏を我等、爾を歌ふ者の心に植ゑ給へ。
克肖者よ、爾等は淚の流を靈に飮ませて、之を善く果を結ぶ者と爲し、諸の德を生じて、奇跡を顯し給へり。
至尊なる者よ、爾等の神聖なる殿は醫治を爲して、人人の諸病を逐ひ、彼等の思を堅めて、爾等の功勞を讚揚せしむ。
克肖者よ、爾等は節制を武器と爲して、勇ましく敵と戰ひ、之に勝ちて、惡鬼の驕を仆し給へり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾の胎内より至榮にして大なる日は輝き出でて地上を照せり、克肖者の會は其光と温とにて育てられたり。
坐誦讚詞、第四調。
克肖にして神智なる諸神父よ、爾等は節制に由りて無難に生命の海を渡りて、無慾の神靈の港に着き給へり。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、童貞と產とは性と言とに超えて爾の内に合せられたり、蓋爾は身を取りし神、我等の靈の救主を生み給へり。
十字架生神女讚詞
至淨なる者よ、爾は木の上に爾の子の擧げられしを見て、母として心裂けて呼べり、哀しい哉吾が永久の光よ、何處にか隱れたる。
第四歌頌
イルモス 人を愛する主よ、我爾の光榮なる攝理を聞きて、爾の悟り難き能力を讚榮せり。
爾等はハリストスの謙遜を愛する者として、無慾を以て擧げられて、惡鬼の盡くの驕を卑くし給へり。
克肖者よ、爾等は東より出づる日の如く輝きて、奇跡の光線を以て普天下を照し給ふ。
克肖者よ、爾等は己の祈禱を香爐の香氣として見ざる所なき主に捧げたり、主は之を嘉く納れらるる者として受けて、爾等を榮するを喜び給へり。
生神女讚詞
至淨なる者よ、克肖者の會と凡の信者の靈とは爾を讚揚す、蓋爾は智慧と言とに超えて神の言を生み給へり。
第五歌頌
イルモス 光を賜ひ、世世を造りし主よ、爾の誡の光の中に我等を導き給へ、我等爾の外に他の神を識らざればなり。
至榮なる者よ、爾等は獨ハリストスを愛する愛に靈を委ね、務めて神の誡を行ふ者と爲りて、多くの奇跡の恩寵を受け給へり。
爾等は良善温柔にして、敵の惡計を盡く滅し、常に慈憐なる者と現れて、獨大慈憐なる主より眞の救の恩寵を受け給へり。
爾等は常に善行と、祈禱と、齋とを勤めて、聖神゜の能力に由りて無慾を衣、肉體の念を制し給へり。
生神女讚詞
新なる歌を主に歌へ、婚姻に與らざる童貞女の腹より神に合う如く輝き出でたる者の名を歌へよ、彼は己の母を信者の爲に堅固なる倚賴及び轉達と爲し給へり。
第六歌頌
イルモス 我罪の淵に溺れて、爾が憐の量り難き淵に呼ぶ、神よ、我を淪喪より引き上げ給へ。
克肖なる諸神父よ、爾等は我等の爲に十字架に釘せられし主に役して、爾等の大なる功勞を以て惡鬼の面を辱かしめて、之に勝ち給へり。
克肖なる諸神父よ、爾等は良善なる風習を得て、恩主たる神より豐に賜を受けて、之を求むる者に與へ給ふ。
諸神父よ、爾等は屬神゜の恩賜に滿てられて、惡神゜に勝ち、睿智なる者として己を全く神に委ね給へり。
生神女讚詞
己の產を以て克肖なる神父の會を照しし童貞女、無慾の泉なる者よ、吾が靈の諸慾を醫し給へ。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
神智なる克肖者よ、爾等は足を濡らさずして多くの激浪を濟り、爾等の淚の流の中に無形の敵を沈め給へり。奇跡の恩賜を受けて、絕えず我等衆の爲に祈り給へ。
同讚詞
克肖者よ、爾等の諸德の最多きは美しき園に滿つる花の如し、爾等は齋と祈禱とに由りて樂園に於けるが如く榮えて、己の許多の苦勞と聖なる汗との芳ばしきを以て衆を薫らせ給ふ。勤勞を以て奇妙に憂なき生命に移り、勝利の榮冠を冠りて、絕えず我等衆の爲に祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 黃金の偶像がデイラの野に奉事せられし時、爾の三人の少者は神に逆ふ命を顧みずして、火の中に投げられ、涼しくせられて歌へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
克肖者よ、爾等は己の祈禱の武器を以て惡鬼に勝ち、天より恩寵を受けて、諸病を醫し、惡神゜を逐ひて、醫されし者に呼ばしむ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
讚美たる睿智なる諸神父よ、爾等は己の肉體を神゜に服せしめて、凡の節制を守り、善行を行ひ、天に於けるが如く度生し、潔き良心を有ちて歌へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
福たる者よ、爾等は眞實の道を履みて、神聖なる安息に進み、神の恩寵に蔭はれて、惡鬼の誘惑を避けて呼べり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、曩にエデムの門を守りし劍は齋を以て戰ふ敵を斃しし衆の前より退きたり、故に彼等常に呼ぶ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 昔シナイ山に於て棘の中にモイセイに童貞女の奇跡を預め示しし者を尊み歌ひ、崇め讚めて、萬世に讚め揚げよ。
至榮なる諸神父よ、爾等の淚の滴は罪の火を滅して、我等衆爾等に趨り附く者の凡の慾を溺らす奇跡の川を成せり。
諸神父よ、爾等は堅き信と望、眞の愛と心の慈憐、善き忍耐と謙遜と全き善良、及び屬神゜の敎訓の言を有てり。
睿智なる者よ、爾等は善き戰を戰ひて、凡の敵の惡謀に勝ち、生命の終に榮冠を獲て、悉くの克肖者に加はりたり、我等は彼等と偕に爾等を尊みて、ハリストスを世世に讚め揚ぐ。
生神女讚詞
世界に救の原因を現しし神の母よ、我を救へ、我を不潔なる諸慾の惶擾及び凡の敵の攻擊より脫れしめ給へ、我が萬世に爾を讚榮せん爲なり。
第九歌頌
イルモス 食に緣りて甚しく朽壞に陷りしアダムを、言ひ難き智慧を以て改めん爲に神より來りし神言、我等の爲に測り難く聖なる童貞女より身を取りし主を、我等信者は同心に歌を以て崇め讚む。
諸神父よ、視よ、爾等善く馳すべき程を盡しし者の爲に天國は啓かれたり、爾等は諸天使の見る所を見る、爾等を尊くせし神は爾等に勤勞の賞として尊敬を與へ給へり、故に聖なる諸神父よ、我等は爾等を讚揚す。
神福なる捧神者よ、爾等は傷感の情を以て神に奉事して、惡鬼の姦計を滅し、彼等に傷はれし者を改め給へり、故に我等熱信に爾等を讚揚して、爾等の不朽體の柩に伏拜す。
克肖なる捧神者諸神父よ、爾等は思を上に神に馳せて、地の事を棄て、爾等の勤勞と撓まざる節制との爲に天の事を受け給へり、故に我等爾等を尊む。
生神女讚詞
主よ、我を憐み、爾が審判する時に我を憐みて、火に定むる毋れ、爾の憤を以て我を責むる毋れ、ハリストスよ、爾を生みし童貞女と、天使の軍と、克肖者の會とは之を爾に祈る。
光耀歌
諸神父よ、爾等はダウィドの言ふ所の椶櫚の如く繁りて、至聖神の居處と現れ、全地に光榮なる者と爲り給へり。克肖者よ、我等信を以て爾等の至尊なる記憶を貴む者の爲に常にハリストスに祈り給へ。
生神女讚詞
生神童貞女よ、我等默さざる歌を以て爾を讚美す、蓋爾は聖三者の一を生みて、變易なき永在なる言を爾の神聖なる手に抱き給へり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
福たる克肖者よ、爾等の至りて嚴なる記憶は日の如く最明に光りて、爾等の德行の光線を耀かし、爾等の奇跡の光にて信者の感覺を照す。我等は欣ばしく祝ひて、爾等を讚め揚げて、熱心に爾等の至りて嚴なる記憶を讚揚す。二次
至榮なる聖神父等よ、爾等は地上に天使の如く度生して、節制と、警醒と、死の念とを以て己の肉體を抑制し、常に髙尙なる望を以て天上に升りて、實に隅石たるハリストスに邇づきたり。
奇異なる克肖の諸神父よ、爾等は節制と熱切なる祈禱とを以て肉慾を制し、淚の流を以て詭譎なる蛇を溺らし、他人より多く神の悅を獲たり。故に仁愛なるイイスス、我等の靈の救主は天の恩賜を以て爾等を飾り給へり。
光榮、第八調。
克肖なる諸神父よ、爾等は晝夜主の法を思念して、活ける樹の如く植ゑらるるを得、爾等の苦勞の果として榮冠を受けたり。勤勞者を賞する神の前に勇を有ちて、我等の爲にも赦罪と大なる憐とを求め給へ。
今も、生神女讚詞。
女宰よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の災禍と憂愁より救ひ給へ。
十字架生神女讚詞
言よ、至淨なる者は爾が身にて十字架に懸れるを見て、心裂かれて泣きて呼べり、至愛なる主イイスス吾が子よ、何處にか隱るる、ハリストスよ、我爾を生みし者を獨として遺す毋れ。
若し挿句に光榮あらば、之を誦せよ。今も、晩課の生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
第十四編 一人の致命者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第一調
至尊至福なる睿智者よ、爾は直き心を以て圍まれぬ神を悟り、疑なく之を信じ、其救の誡を守り、忍耐を以て勇ましく苦を受けて、動なき國を得たり。
至尊なる者よ、爾は己の尊き血にて地を聖にし、不法にして惡鬼に捧げらるる汚らはしき血を廢して、爾の首に不朽の榮冠を受け給へり。故に我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを祈り給へ。
至尊なる致命者(某)よ、我等慎みて爾の聖にせられし戰鬪と功勞とを讚榮す、爾は此を以て諸天使の同住者、悉くの受難者の共與者と爲り給へり。彼等と偕に祈りて、我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
哀しい哉我は諸罪を以て智慧と靈と體とを汚して、如何にか爲らん、何をか爲さん、如何ぞ勝へ難き焔と永遠に解かれぬ縲絏とを脫れん。嗚呼純潔なる者よ、爾の子に祈りて、我に終の前に赦免を賜はんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
牝羊たる無玷の女宰は己の羔が十字架に在りて姿容もなく威嚴もなきを見て、哭きて言へり、嗚呼甘愛なる者よ、爾の威嚴は何處にか隱れたる、美しき貌は何處にかある、吾が至愛なる子よ、爾の姿容の輝ける恩寵は何處にかある。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
今日全地は受難者の光明に照され、神の敎會は花に飾られて、爾に、致命者(某)よ、呼ぶ、ハリストスの役者及び熱切なる轉達者よ、爾の諸僕の爲に息めずして祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の靈の救の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞。
昔無垢なる牝羊及び無玷なる女宰は己の羔が十字架に擧げらるるを見し時、母として哭き、驚きて呼べり、甘愛なる子よ、斯の新にして神妙なる顯現は何ぞ、如何ぞ恩を知らざる民は爾萬衆の生命をピラトの裁判に付して、死に定むる、言よ、我爾の言ひ難き寬容を歌ふ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱。致命者の喩言、巻末に載す。
挿句の讚頌、第四調。
神智なる(某)よ、殘酷なる苛虐者が爾の善く忍ぶ身を多種の甚しき苦に付ししに、爾は將來の賞と不死の榮とを望みて、ハリストスを諱まず、偶像を祭らずして、他人の身に於ける如く苦を忍び給へり。
句 義人は繁ること椶櫚の如く、髙くなることリワンの柏香木の如し。
爾は鐵搭にて裂かれ、石にて擊たれ、鐵にて傷つけられ、劍にて斬らるるに、爾の靈を靈智の石の上に堅く立てしに由りて、動きなく止まれり、故に天使の會に合せられて、暮れざる光に輝かさるるを得たり。
句 彼等は主の宮に植ゑられて、我が神の庭に榮ゆ。
光榮なる(某)よ、爾の不朽體は望む者の爲に醫治の恩賜を流し、苦痛と諸病とを溺らし、惡鬼の群を逐ひ、信者の心を濕して、諸德の神聖なる果と敬虔の明悟とを生ず。
光榮、第六調。
致命者を愛する者皆來りて、敬虔の心を抱きてハリストスの受難者、馳すべき程を盡しし光榮なる(某)を讚榮せん、蓋彼は蛇の首を碎き、己の血にて地を聖にし、地上より永遠の居處に移り、全能者の手より功勞の尊貴を受けて、我等の靈の爲に潔淨と大なる憐とを求む。
今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾は實の葡萄の枝、我等の爲に生命の果を結びし者なり、女宰や爾に祈る聖使徒と共に我が靈の憐を蒙らんことを祈り給へ。
十字架生神女讚詞。
至淨なる者は爾が十字架に懸けられしを見し時、母として泣きて呼べり、吾が神、吾が甘愛なる子よ、如何ぞ爾は恥づべき苦を忍び給ふ。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
主よ、爾の致命者(某)は其苦に由りて爾我が神より不朽の榮冠を受けたり、蓋爾に堅められて、苛虐者を斃し、惡鬼の不能なる强暴をも破れり。彼の祈禱に由りて、我等の靈を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
至りて福たる致命者(某)よ、爾は地上の軍職を厭ひ、天上の光榮を慕ひて、苦難及び殘虐の死を忍べり。故に我等今日爾の至聖なる記憶を祭りて、讚美をハリストスに奉る。 二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等皆爾神の母、產の後にも實に童貞女と現れし者に祈り、愛を以て爾の仁慈に趨り附きて、爾の慈憐を求む、蓋我等罪なる者は爾獨至りて潔き者を轉達者として有ち、爾を誘惑の中に極救として獲たり。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
至尊なる(某)よ、爾は誠に馳すべき程を盡して、苛虐者の悉くの力に勝ち、全能者の手より榮冠を受けて、諸天使の共與者と爲り給へり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
生神童貞女、獨潔く、獨祝福せられし者よ、我等は爾より身を取りし者を父の言ハリストス吾が神なりと知れり、故に絕えず爾を歌ひて崇め讚む。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
聖なる致命者(某)よ、我等爾を讚揚して、爾がハリストスの爲に忍びし尊貴なる苦を尊む。
拔萃聖詠
「神は我等の避所なり、能力なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第四調。
ハリストスの勝たれぬ軍士、勇ましく諸敵に勝ちし者、大なる奇跡を以て輝きし受難者(某)を我等皆常に熱切に讚め揚げん、蓋彼は信を以て趨り附く者の爲に醫治を流して、甚しき苦難を退け、憂の中に在る人人を援け給ふ。 二次
光榮、今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、爾は我等「ハリスティアニン」の爲に破られぬ墻なり、蓋我等は爾に趨り附きて害なくして止まり、復罪を犯せば、爾を祈禱者として有つ。故に感謝して爾に呼ぶ、恩寵を蒙れる者よ、慶べ、主は爾と偕にす。
品第詞、第四調の第一倡和詞
提綱
義人は繁ること椶櫚の如く、髙くなることリワンの柏香木の如し。 句 彼等は主の宮に植ゑられて、我が神の庭に榮ゆ。
「凡そ呼吸ある者」
致命者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
今日全地は受難者の光明に照され、神の敎會は花に飾られて、爾に致命者(某)よ、呼ぶ、ハリストスの役者及び熱切なる轉達者よ、爾の諸僕の爲に息めずして祈り給へ。
規程、第五調。
第一歌頌
イルモス 强き手にて戰を亡ぼすハリストスは馬と騎者とを紅の海に落し、凱歌を歌ふイズライリを救ひ給へり。
神福なる者よ、勝たれぬ受難者として勇ましく神の寶座の前に立ちて、爾の祈禱を以て熱心に爾の聖なる受難を祭る者を守り給へ。
至榮至福なる聖致命者よ、爾は己の靈の内に存する活ける水を有ちて、救世主の恩寵に堅められて、凶惡の濁りたる流を涸らし給へり。
神福なる者よ、爾は神の力に堅められて、敵の驕を破るを得て、光明なる勝利者及び天上の城邑の住者と爲り給へり。
生神女讚詞
至聖至淨なる女宰よ、我不當なる者の上に爾の慈憐を顯して、熱切に爾の子に祈り給へ、我が爾の祈禱に因りて永遠の火を免れん爲なり。
第三歌頌
イルモス 己の詔にて虛しき處に地を固め、保ち難く重き者を懸けしハリストス、獨仁慈にして人を愛する主よ、爾が誡の動かざる石に爾の敎會を堅く立て給へ。
光榮なる睿智者よ、爾は不潔の諸慾を退けて、神聖なる潔淨を以て神に近づき、彼より光照を受けて、光の行爲を行ふ者として光の子と爲り給へり。
神福なる捧神者致命者(某)よ、爾は地上の軍職と大なる光榮とを空しき者と爲して、ハリストスの軍士となり、致命者の會に加はりて樂しみ給ふ。
奇妙にして尊榮なる者よ、爾は己の足を平和の途に向はしめて、神の國に、樂園の廣きに、永遠の安息に入り給へり。
生神女讚詞
潔き女宰よ、爾は萬物の主宰及び造成主を生みて、ヘルワィムとセラフィムより最尊き者と顯れ給へり、故に我等萬族は職として爾を讚揚す。
坐誦讚詞、第五調。
睿智者よ、爾は諸德の光明に輝き、受難の光に飾られて、日よりも盛に光照して、信を以て爾の光明なる記憶を行ふ者を實に照し給ふ。至榮なる受難者(某)よ、爾の不朽體に伏拜する者を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
潔き永貞童女よ、爾の胎孕の奇跡は悟り難く、產の狀は言ひ難しと知られて、我が智慧を驚かし、思を訝らしむ。生神女よ、爾の光榮は衆に顯れたり、我等の靈の救の爲なり。
十字架生神女讚詞。
神の恩寵を蒙れる者よ、爾の子の十字架にて偶像の迷は悉く虛しくなり、惡鬼の力は踐まれたり、故に我等信者は職として常に爾を歌ひて崇め讚め、實に生神女と承け認めて爾を讚榮す。
第四歌頌
イルモス ハリストスよ、アウワクムは先知の目にて爾が神妙の謙遜を悟り、戰きて爾に呼べり、爾の民を救ひ、爾の膏つけられし者を救はん爲に來り給へり。
至福至榮なる睿智者よ、爾は主に於ける愛と望とを以て飾られ、致命者として輝きて、諸天使の同住者と爲り給へり。
神福なる睿智者よ、爾は窘逐せられ、一切を奪われて、萬有の主宰たる神の爲に動かされず撓まされざる者と止まり給へり。
光榮なる者よ、爾は善き戰を戰ひて、致命者の華美に飾られ、見えざる華美に移りて、爾の勤勞の尊き果を收め給へり。
生神女讚詞
純潔なる女宰よ、上に父と分れざる子、獨仁慈にして人を愛する主は、大なる慈憐に因りて、下に我等の爲に爾より身を取り給へり。
第五歌頌
イルモス 光を衣の如く衣る者よ、我爾に朝の祈を奉りて爾に呼ぶ、ハリストスよ、我が昧まされし靈を照し給へ、爾は獨仁慈の主なればなり。
致命者よ、爾は全能者の法に堅められて、不法の者の勸を退け、法の爲に苦を受けて、不朽の榮冠を獲給へり。
睿智者よ、爾は己の血の流にて迷の熾炭を滅したり、今は神の恩寵に因りて醫治の水を流して、諸病の焔を滅し給ふ。
睿智なる致命者よ、爾は弱き肉體に在りて凶惡なる蛇を滅し、恩寵に因りて其多くの惡謀を破るを得たり。
生神女讚詞
至りて無玷なる童貞女、身にて無慾の泉たるハリストス神を生みし者よ、爾に祈る、我が身の諸慾、靈を滅す者を殺し給へ。
第六歌頌
イルモス 主宰ハリストスよ、靈を壞る颶風に荒らさるる慾の海を鎮めて、我を淪亾より援け給へ、爾は仁慈の主なればなり。
ハリストスの致命者(某)よ、爾は不法者の裁判の前に立ちて、ハリストスの爲に裁判せられ、勇ましく迷を責めて、之を絕し給へり。
ハリストスの睿智なる致命者よ、爾は苦の中に神聖なる華美に飾られたり、故にハリストスは爾を光照して、不朽の者と爲し給へり。
至福なる者よ、爾は己の血にて地を聖にし、聖なる靈にて天に輝きて、致命者の會を樂に滿て給へり。
生神女讚詞
至りて無玷なる童貞女よ、預言者は聖神゜に敎へられて、爾を門と預見せり、身を取り給ふ神は之を過りて、復閉されたる者として遺し給へり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
受難者(某)よ、爾は光明なる星と顯れて、世界に日たるハリストスを知らせ、爾の光線を以て一切の迷を消し、我等に光を施して、絕えず我等衆の爲に祈り給ふ。
同讚詞
神よ、我に歌を與へ給へ、我が調子善く歌ひて、爾の勇敢なる受難者、睿智なる致命者(某)の功勞を尊みて讚め揚げん爲なり、彼は苦の中に勝利者と顯れ、敬虔に於て大なる者と爲り、致命者の會に輝けり、其中に在りて彼は大數の天使と偕に常にハリストスを歌頌し、上より神の光照を受けて、絕えず我等衆の爲に祈り給ふ。
第七歌頌
イルモス 尊まるる先祖の主は燄を滅し、少者を涼しくせり、彼等は心を合せて、神よ、爾は崇め讚めらると歌へばなり。
睿智なる受難者よ、敬虔の民は多くの苦を受けたる爾の體を移して、感謝の心を抱きて歌へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
福たる者よ、爾は神の恩寵に因りてエㇽリンの祭を壞り、甘じてハリストスの爲に苦難を受け、苦の時に肉體の縲絏を解かれて、安息に移り給へり。
讚美たる受難者よ、爾は血を流す苦を車として之に乘り、喜びて天上の安息の處に上り給へり。
生神女讚詞
純潔無玷なる童貞女よ、爾は凡そ爾を性に超えて爾の腹より身を取り給ひし神を生みし母と承け認むる者の爲に光榮及び堅固なり。
第八歌頌
イルモス 少者は爐に在りて爾萬物を造りし主の前に全世界の詠隊と爲りて歌へり、悉くの造物は主を歌ひて、萬世に崇め讚めよ。
睿智者よ、爾は窘逐の中に死し、上なるイエルサリムを嗣ぐ者と爲りて、絕えず歌ふ、悉くの造物は主を歌ひて、萬世に彼を崇め讚めよ。
福たる者よ、爾は多くの哀に遇ひし後、今哀なき處に居りて、彼處に呼ぶ、悉くの造物は主を歌ひて、萬世に彼を崇め讚めよ。
致命者よ、爾は神の全能の力に因りてエㇽリンの迷と凶惡なる理論とを破りて、萬有の主宰より不朽の榮冠を受くるに堪ふる者と爲り給へり。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、大仁慈なる言は爾より身を取りて、人人に合せられたり、至聖なる者よ、彼に祈りて、吾が肉身の慾を殺して、我が靈を救はんことを求め給へ。
第九歌頌
イルモス イサイヤ祝へよ、童貞女は孕みて、子エムマヌイル、神及び人なる者を生めり、其名は東、我等彼を崇めて、童貞女を讚め揚ぐ。
信者よ、來り集まりて、今日ハリストスの至福なる聖致命者(某)の聖にせられし慶賀を行はん、彼は苦の中に神の力に因りて衆くの敵に勝ちたればなり。
光榮なる者よ、爾は受難の神聖なる華美に飾られて、爾の血に由りて火の車に乘るが如く樂しみて天に升り、彼處に在りて我が救世主の言ひ難き華美を仰ぎ給ふ。
至りて讚美たる受難者よ、爾はハリストスの光明なる軍士及び勇敢なる致命者と爲りたり、故に今上なる國に居りて、神妙に勝利の榮冠を冠り給へり。
生神女讚詞
幽暗に居る者の爲に光照たるハリストスを生みし至聖なる童貞女、凡そ爾を歌ふ者の敎導師よ、我が昧みたる靈を照して、我に生命に送る途を行かしめ給へ。
光耀歌
至榮なる受難者(某)よ、爾は輝ける日の如く奇跡の光線を以て衆人を導き給ふ、故に我等は爾の記憶を行ひて求む、墓より復活せし主に我等衆を諸難より救はんことを祈り給へ。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、爾の權能の帲幪を以て我等爾の諸僕を常に敵の惡謀に悩まされぬ者として護り給へ、我等獨爾を患難の中に避所として獲たればなり。
「凡そ呼吸ある者」の讚頌、第四調。
致命者(某)よ、人人は歌頌と詩賦とを以て爾の尊貴なる記憶を崇め讚む、蓋此は美しき者、光を施し、光榮と恩寵とに飾られたる者として輝けり、故に今天軍は祝ひ、致命者は使徒と偕に苦の功德を讚め揚げて、爾を榮せし救世主ハリストス我が神を歌ふ。彼に我等の靈を救ひて照さんことを祈り給へ。二次
(某)よ、爾はハリストスの全備の武具を衣て、爾を尋ねざる者に現れたり、爾ハリストスの爲に心を燃して、靈を害する虛しき諸神の迷謬を辱しめて、其時不法の者に呼べり、我はハリストス我が王の軍士なり、猛獸も、刃輪も、其他の苦も、我を吾がハリストスの愛より離すこと能はず。彼に我等の靈を救ひて照さんことを祈り給へ。
戴冠者(某)よ、爾は多種の刑具、種種の苦難、懼るべき栲問の器を顧みずして、致命者として敬虔の馳すべき程を盡せり、故に我等は歌の華を以て爾の至りて光明なる記憶に冠らせ、信を以て爾の尊き不朽體に接吻す。主宰ハリストス我が神の寶座の前に立てる者として、絕えず我等の靈を救ひて照さんことを祈り給へ。
光榮、第一調。
致命者の譽なる(某)よ、爾は肉體の誘惑に對して光明なる勝利を得たるに因りて、爾の熱心は普く讚榮せらる。福たる者よ、勝利者として、今信を以て爾の記憶を尊む者を罪の堕落より起し給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、慶べ、爾は天の王、我等の靈の救主及び光照者を生みたればなり。
十字架生神女讚詞
牝羊たる無玷の女宰は己の羔が十字架に在りて姿容もなく威嚴もなきを見て、哭きて言へり、嗚呼甘愛なる者よ、爾の威嚴は何處にか隱れたる、美しき貌は何處にかある、吾が至愛なる子よ、爾の姿容の輝ける恩寵は何處にかある。
若し挿句に光榮あらば、晩課の挿句の光榮を誦せよ。今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
第十五編 二人或は多人の致命者の總奉事
晩課
「主や爾に籲ぶ」に讚頌、第四調
讚美たる者よ、爾等は聖神に照されて、世君と戰はん爲に己を備へ、神の助に因りて進みて、勇ましく其惡計に勝ちたり。故に我等今日爾等の至りて光明なる記憶を行ひて、職として讚美を以て爾等の苦を尊む。
聖なる者よ、爾等は傷と諸の苦とに己を付して、靈動なく止まり、燈の如く屬神°の熱に燃えて、恩寵を以て信者の心を照し給へり。故に凡の族、凡の齢は爾等の聖なる記憶を祭りて、歌を以て主を讚榮す。
救世主の勇敢なる致命者よ、爾等は己の奇跡の光にて衆造物を照し、信を以て爾等に趨り附きて爾等の保護を求むる者より種種の苦難と憂愁との暗を逐ひ給ふ。故に受難者よ、我等は信を以て爾等の聖にして光明なる慶賀を行ふ。
光榮、 今も、 生神女讚詞
女宰よ、我惡鬼の攻擊に因りて滅亾の穴に墜されし者を起して、諸德の石の上に堅め、敵の惡謀を破りて、我に爾の子我等の神の命を行ふを得しめ給へ、我が審判の日に於て赦罪を得ん爲なり。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
若し之あらば自調。光榮、第三調。
ハリストス神よ、爾の致命者の互の兄弟の愛は如何に善、如何に美なる、蓋肉體の生產に因りて兄弟たらざりし者に惟一の信は兄弟の愛を含めて、血を流すに至るまで之を守ることを敎へたり。ハリストス神よ、彼等の祈禱に因りて我等の靈を救ひ給へ。
今も、 生神女讚詞
生神女、爾に祈る衆人の轉達者よ、我等爾に因りて勇を得、爾を以て誇と爲す、我が悉くの倚賴は爾に在り、爾より生れし者に爾の不當なる諸僕の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
純潔なる童貞女よ、爾より生れし者が木の上に懸けられしを見て、爾呼びて云へり、吾が至愛なる子よ、爾人類を飾り給ひし者の光明なる華麗は何處にか隱れたる。
若し多燭詞を以て祭を行はば、今も、復活の生神女讚詞「至尊き者よ、我等如何で爾が神人を生みしに驚かざらん。」
聖入。本日の提綱。致命者の喩言三編、巻末に載す。
挿句に讚頌、第四調
光榮にして讚美たる受難者よ、爾等は最明なる星の如く神聖なる光を以て地の四極を照し、惡鬼の昧と、害を爲す諸慾と、患難とを退く。故に我等今日集まりて、爾等の光明にして光を施す聖なる慶賀を讚め揚ぐ。
句 義人は呼ぶに、主は之を聽き、彼等を悉くの憂より免れしむ。
神妙にして睿智なる受難者は聖にせられし歌を以て尊まるべし、蓋彼等は勇ましく諸敵の前に造られざる三者を傳へ、血の流にて多神の迷を滅して、凋まざる光榮を獲たり。
句 義人には憂多し、然れども主は之を悉く免れしめん。
至福にして大名なる致命者は不法なる王の靈なき諸神に伏拜して尊敬を歸すべき不法の命を睿智を以て辱かしめて、法の爲に苦を忍耐し、勝利の榮冠を冠りて、世界の爲に祈り給ふ。
光榮、第六調。
致命者を愛する人人よ、來りて、神より榮冠を受けたる致命者の隊、ハリストスの爲に屠られし無玷の犠牲たる聖にせられし選ばれたる軍の至りて尊き記憶を行ひて、彼等に呼ばん、無神の諸敵の殘忍を破りて、爾等の祈禱を以て敬虔の民を凡の患難より救ひ給へ。
今も、 生神女讚詞
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の靈の救の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
無玷なる神の聘女は彼より生れし者の定罪せられて十字架に釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、光榮は爾の恒忍及び爾の慈憐に歸す。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第一調。
人を愛する主よ、祈る、爾の爲に苦を受けし諸聖人の受難に由りて、我等の悉くの病を醫し給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
神聖なる致命者、ハリストスの軍士よ、爾等は最大なる星として、常に尊き敎會の穹蒼を照して、信者を輝かし給ふ。二次。
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる童貞女よ、我等爾の帲幪の下に趨り附く者の祈禱を納れて、人を愛する主に爾の諸僕を救はんことを絕えず祈り給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
奇異なる受難者よ、爾等は勇敢なる心を以て苦を忍び、火と水とを過りて、救の廣きに至りて、天の國を嗣ぎたり、睿智なる大致命者よ、其中に在りて我等の爲に神聖なる祈禱を捧げ給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
女宰生神女よ、我等感謝の心を抱きて爾を歌ひ、熱切に爾の慈憐を求めて、呼びて云ふ、至聖なる童貞女よ、急ぎて爾の諸僕を見ゆると見えざる敵及び凡の苦難より救ひ給へ、爾は我等の保護者なればなり。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
聖なる致命者よ、我等爾を讚揚して、爾等がハリストスの爲に忍びし尊貴なる苦を尊ぶ。
拔萃聖詠
「神は我等の避所なり、能力なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
福たる聖受難者よ、爾等は敵に縛られ、曳かれて獄に閉され、永く其中に在りて、信に守られて害を受けざりき、劍に由りて肉體より解かれて、神聖なる愛を以てハリストスに繫がれたり、故に光體の如く世界に輝きて、聖神゜の恩寵を以て衆を照し給ふ。愛を以て爾等の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等萬族は爾童貞女、女の中に獨種なく身にて神を生みし者を讚揚す、蓋神性の火は爾の内に入り、爾は造成者及び主を幼児として乳にて養ひ給へり、故に天軍及び我等人類は宜しきに合ひて爾の至聖なる產を讚榮して、同心に爾に呼ぶ、ハリストス神に祈りて、信を以て爾の至聖なる產に伏拜する者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
義人は呼ぶに、主は之を聽く。
句 義人には憂多し、然れども主は之を悉く免れしめん。
「凡そ呼吸ある者」
致命者の福音經。
第五十聖詠の後に讚頌、第二調。
嗚呼、祭を愛する者よ、來りて、受難者の記憶に於て主の前に喜ばん、來りて、熱切に歌ひて、ハリストスの受難者、偶像の迷を亾して、裁判所の中に勇ましくハリストスを傳へし者を讚め揚げん。嗚呼至福なる大受難者よ、我等の靈の爲に絕えず祈り給へ。
若し四十人の致命者ならば、下の提綱を誦せよ。
我等は火と水との中に入りしに、爾我等を引き出して安息に入れ給へり。
句 銀を鍊るが如く、爾我等を鍊り給へり。
讚頌、第二調。
ダワィドは聖詠の中に預言者として呼べり、我等は火と水との中に入りしに、爾我等を引き出して安息に入れ給へりと、ハリストスの致命者よ、爾等は實體に言を行ひて、火と水とを過りて、天の國に入り給へり。故に四十人の受難者よ、我等の大なる憐を賜はんことを祈り給へ。
規程、第五調。
第一歌頌
イルモス 我等は、民に足を濡らさずして海を渡らしめ、ファラオンを其全軍と偕に溺れしめし救世主神、獨彼に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
信者よ、我等敬みてハリストスの軍士及び受難者を迷を滅しし光明なる勝利者として歌ひて、凱歌を神に奉らん、彼光榮を顯したればなり。
受難者よ、爾等は地上に勇ましく勤勞して、苦を忍び、天上に榮冠を受けて、同心に凱歌を主に奉る、彼光榮を顯したればなり。
爾等は信を以て靈を一に合せて、迷を退け、榮冠を冠る勝利者と現れて、同心に凱歌を主に奉る、彼光榮を顯したればなり。
生神女讚詞
至淨なる神の母よ、父の懷を離れずして爾より身を取りし神に、其造りし物を凡の患難より救はんことを絕えず祈り給へ。
第三歌頌
イルモス ハリストスよ、爾の十字架の力にて我が思慮を堅め給へ、我が爾の救を施す升天を歌ひ讚めん爲なり。
軍士よ、爾等はハリストスの智慧に飾られて、爾の血の流の中に不虔なる敵を溺らし給へり。
讚美たる致命者よ、爾等は己の肉體を殘酷なる甚しき苦に付して、信を以て神聖なる嗣業を受け給へり。
受難者よ、爾等は苦しむる者の命に因りて石を投ぐるを以て碎かれて、堅く敬虔の敎を守り給へり。
生神女讚詞
純潔無玷なる者よ、爾の胎内より出でし主に諸致命者と偕に常に祈りて、爾を歌ふ者を惡魔の誘惑より救はんことを求め給へ。
坐誦讚詞、第四調。
ハリストスの勇敢なる軍士は善き戰を戰ひて、血の流の中に凶惡なる敵を全く溺らせり。彼等は石にて碎かれ、劍にて斬られ、火にて焚かれ、水の中に投げられて、嚴に戴冠者と爲れり、故に尊まれて、熱心に讚榮せらる。
光榮、今も、生神女讚詞。
女宰生神童貞女よ、我等爾の諸僕は感謝の心を抱きて、常に默さずして爾の慈憐を歌ひ、呼びて云ふ、至聖なる童貞女よ、急ぎて我等を見ゆると見えざる敵及び凡の患難と困苦より脫れしめ給へ、爾は我等の保護者なればなり。
十字架生神女讚詞
童貞女及び牝羊は彼より種なく生れし羔が十字架に在りて、戈にて刺さるるを見て、哀の矢に刺されて、傷ましく呼べり、此の新なる奧密は何ぞ、如何ぞ爾は生命の惟一の主として死する、然らば陷りし原祖を起して、復活し給へ。
第四歌頌
イルモス 我十字架の力の風聲、天堂が是にて啓かれしを聞きて籲べり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
受難者の會は神を愛する心を守り、救世主の恩寵に堅められて、神に逆ふ敵に勝ちたり。
ハリストスの受難者の神の召したる隊は神に逆ふ不虔なる敵の大數に勝ちて歌へり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
受難者は獄に在りて邇づき難き光を觀、神の力に堅められて、多神の偶像の迷の幽暗を散じたり。
生神女讚詞
童貞女よ、至上者の能は爾を蔭ひて、爾を樂園と爲せり、生命の樹たる中保者及び主は其中に在す。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙に興きて爾に籲ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず。
致命者は聖神゜の言に養はれて、言なき偶像を虛しくせり。
受難者よ、爾等は光を施す星、又香氣を放つ信の華なり。
讚美たる聖致命者よ、爾等は至上者の田の穗にして、苦の鐮にて刈らるる者なり。
生神女讚詞
生神女よ、爾が生みし主に絕えず祈りて、熱切に爾を歌ふ我等の靈の救はんことを求め給へ。
第六歌頌
イルモス 主よ、淵は我を圍み、鯨は我の爲に柩となれり、惟我爾人を愛する者に籲びしに、爾の右の手は我を拯ひ給へり。
致命者は樂しみて呼べり、仁愛なる主宰よ、爾の手に我等の靈を受けて、之を安息せしめ給へ、我等獨爾大仁慈なる主を愛すればなり。
人を愛する主よ、爾の致命者の會は馳すべき程を盡して、諸天使の同住者と爲りて、今我等の靈の救はれんことを祈る。
致命者の光榮、致命者の華麗、致命者の神に選ばれたる會よ、爾等に趨り附く我等衆の救はれんことを熱切に祈り給へ。
生神女讚詞
無玷なる童貞女よ、爾の種なき胎孕の奇跡は、何の言か述ぶるを得る、蓋爾は慈憐に由りて我等に來りし神を孕み給へり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
神聖なる致命者よ、爾等は輝ける光體と現れて、奇跡の光を以て衆造物を照し、諸病を解き、深き暗を常に拂ひて、ハリストス神に絕えず我等衆の爲に祈り給ふ。
同讚詞
神福なる致命者、美しき會、光明にして神聖なる光體よ、爾等は常に大なる光の前に立ちて、彼處より發する神性の暮れざる光照に照され、且神成せられて、信を以て爾等の聖なる記憶を行ふ者を照し、諸慾の幽暗と、患難と、凡の惡より脫れしめて、絕えず我等衆の爲に祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 火の爐の中に歌へる少者を救ひ給ひし我が先祖の神は崇め讚めらる。
ハリストスよ、爾の受難者は爐に在りて呼べり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
受難者は三者の光に照され、樂しみて己の靈を付して歌へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
榮冠を冠れる受難者よ、樂を以て神の前に立ちて、我等の爲に彼に祈り給へ。
生神女讚詞
生神女よ、我等は爾を我が救として祈る、爾より身を取りし主に我等の爲に祈り給へ。
第八歌頌
イルモス 世世の前に父より生れし子及び神、末の時に童貞女母より身を取りし者を、司祭等は歌へ、人人は萬世に崇め讚めよ。
我等信者の祈願は致命者に適ふべし、然らば我等は彼等の嗣業に與る者と爲りて、ハリストスを歌ひて、世世に彼を崇め讚めん。
恒忍なる受難者の會は心の喜を以てハリストスより美しき榮冠を受けて、樂しく歌ひて、世世に彼を崇め讚む。
讚美たる者よ、爾等は己の血の流に染みて、天に於て世世にハリストスと偕に王と爲りて、敬虔に歌ひて、世世に彼を崇め讚む。
生神女讚詞
潔き生神女よ、爾はヘルワィムより上なる者と現れたり、彼等の上に坐する主を爾の腹に宿したればなり、我等地上の者は無形の者と偕に彼を讚榮して、世世に崇め讚む。
第九歌頌
イルモス 爾悟り難く解き難く神の母と爲り、時の中に於て時に緣らざる主を言ひ難く生みし者を、我等信者は心を一にして崇め讚む。
至榮なる致命者よ、爾等はハリストスの爲に苦を忍び給へり、今彼の前に立ちて、衆人の救の爲に祈り給へ。
勝たれぬ者よ、爾等は堅固なる力を以て迷の固を破りて、今天の居處に諸天使と偕に居るを得たり。
至尊なる者よ、爾等は致命者の法に合ふ風習を以て傲慢なる苛虐者に勝ちて、義に合ふ榮冠を受け給へり。
生神女讚詞
生神女ハリストス神の母よ、慶べ、爾が生みし主に諸致命者と偕に祈りて、信を以て爾を歌ふ者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
光耀歌
受難者よ、爾等は光明なる樂園の居處に上げられて、多種の苦にて織られたる輝ける衣を衣て、造物主の寶座の前に立ちて、衆人の爲に熱切に祈り給ふ。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、爾の權能の帲幪を以て我等爾の諸僕を常に敵の惡謀に悩まされぬ者として護り給へ、我等獨爾を患難の中に避所として獲たればなり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第八調。
ハリストスの讚美たる致命者よ、爾等は窘逐者の强暴と苦しき死とを無きが如くなして、勇敢と智慧とを以て己を戰の爲に備へ、勝利の光榮を蒙りて、衆義人に加へられたり、彼等と偕に我等常に爾等を讚美讚揚す。二次
ハリストスの至福なる致命者よ、爾等は甘じて己を屠宰に付して、爾等の血を以て地を聖にし、逝世を以て空氣を照して、今天に、暮れざる光の中に住ひて、常に我等の爲に神に祈り給ふ。
ハリストスの勝たれぬ致命者よ、爾等は苦の炎を恩寵の神聖なる露に由りて難なく歴て、静なる水の邉に居るを得て、勝利の榮冠を受け給へり。故に我等今日欣ばしく爾等の聖なる記憶を祭りて、ハリストスを讚榮す。
光榮、第八調。
爾等はハリストスの軍士と爲りて、地上の美しき諸事を棄て、十字架を肩に任ひ、多種の苦を以て彼に從ひて、諸王と多くの窘逐者との前に彼を諱まざりき。天使等は勝利の冠にて爾等の首を飾り、爾等は勇ましき靈を以て樂しみて大なる宮に入り給へり。故に衆人の救主の前に勇を有ちて、我等の靈の爲に祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
我等は天使首ガウリイルの聲を以て言はん、神の母、世界の爲に生命を賜ふハリストスを生みし者よ、慶べ。
十字架生神女讚詞。
主よ、日は爾義の日が木に懸けられしを見て、光線を隱し、月も光を幽暗に變じ、純潔なる爾の母は心裂かれたり。
若し挿句に光榮あらば、之を誦せよ。今も、晩課の生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
第十六編 一人の神品致命者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第一調。
至福なる神智者(某)よ、爾は己の血の紅にて爾の聖にせられし神聖なる祭服を飾れり、蓋敬虔を以て力より力に、光榮より光榮に移り給へり。今我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを祈り給へ。
至尊なる神言者よ、爾前には全く法に合う司祭にして、無血の祭を神に獻じ、後には至りて眞なる致命者にして、血を流し、嘉く納れらるる祭として、己の身をハリストスに獻じ給へり、彼に爾を歌ふ者の爲に祈り給へ。
神智なる父よ、爾は己の敎と戒とを以て敎へ又戒めて、且顯に己を模範と爲して、致命者の軍をハリストスの許に攜へ給へり、彼等と偕に祈りて、我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、我諸罪の海に荒らされて、爾の至淨なる祈禱の穩なる港に趨り附きて、爾に呼ぶ、至りて無玷なる者よ、爾の權能の手を爾の僕に伸べて、我を救ひ給へ。
十字架生神女讚詞
潔き母よ、爾は己の子及び神の十字架の側に立ち、其恒忍を見て、哭きて云へり、嗚呼哀しい哉甘愛なる子、神の言よ、胡爲れぞ此の非義なる苦を受くる、此れ人類を救はん爲なり。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
福たる(某)よ、爾は終に至るまで全く法に合ふ司祭たりき、蓋神聖なる言ひ難き機密の聖務を行ひて、ハリストス神の爲に血を流し、己を嘉く納れらるる祭として獻じ給へり。故に彼の前に勇を有ちて、熱切に祈りて、我等信と愛とを以て爾の至尊なる記憶を行ひ、之を尊む者の諸の誘惑と、災禍と、憂愁より救はれんことを求め給へ。
生神女讚詞
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の靈の救の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾の釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奧密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて木に懸けられて死する。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱。成聖者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第六調。
至榮至福なる(某)よ、爾は己の血を以て爾の聖にせられし衣を赤にして、聖なる者と爲りて至聖所に入り、苦に飾られ輝きて、常に神成せられしことを樂しみ、諸天使の同住者と爲り給へり。故に我等爾を尊みて、愛を以て爾の聖なる慶賀を祭る。
句 義人は繁ること椶櫚の如く、髙くなることリワンの柏香木の如し。
克肖なる睿智者(某)よ、爾は鐵索にて縛られ、尊き傷にて飾の如く覆はれて、躓なく天上の城邑に至らしむる途を行き、其内に眞の勝利者、勝たれぬ致命者、及び至りて聖にせられし聖務者として入りて、諸天使と共に熱切に神聖なる歌頌を歌ふ、聖、聖、聖なる哉 一性の三者や。
句 彼等は主の宮に植ゑられて、我が神の庭に榮ゆ。
福たる神品致命者(某)よ、敎會は爾の聖にせられし功勞を上に升す梯として得て、爾に依りて動なく殘忍なる狼に悩まさるるなく護られて、爾の諸德を傳へ、爾がハリストスの爲に法に遵ひて忍びし苦を崇め讚む。
光榮、第四調。
尊榮にして福たる(某)よ、爾は神妙に血に蔽はれて、天の敎會に入り、聖三者の前に立ちて、彼處より發する光照を蒙りて盛に輝き給ふ。故に我等今日爾の光明なる記憶を行ひて、靈の感覺を照す。
今も、復活の生神女讚詞。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
人人の無數無量なる不法を慈憐を以て滌ふ點滴たるハリストスを生みし至淨なる童貞女よ、至聖神゜の雨にて我が智慧を濕し、我が慾の流を涸らし、爾の祈禱を以て我に生活の喜の泉に與るを得しめ給へ。
十字架生神女讚詞
主よ、牝羊及び爾の母は爾が十字架に釘せられしを見る時、訝りて呼べり、至愛なる子よ、此の顯見は何ぞ、不信不法なる會、爾の多くの奇跡を樂しみし者は斯く爾に報いたるか、主宰よ、光榮は爾の言ひ難き寬容に歸す。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
神品致命者(某)よ、爾は使徒の風習に遵ひ、其寶座を繼ぎて、神に感ぜらるる者として眞實の言を傳へ、善行に輝くを以て人人を天に導けり、故に苦に付されて、血を流し給へり。ハリストス神に我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第三調。
克肖なる神父よ、爾は信の承認を以て拜偶像の無神を責め、敎の海にて迷の不正を滅し、神聖なる全燔と爲りて、奇跡を以て四極を照し給ふ、我等に大なる憐を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。 二次
光榮、今も、生神女讚詞。
言の神聖なる幕と爲りし獨至淨なる童貞女母、潔淨を以て諸天使に超えたる者よ、我衆人に超えて塵と爲りて、肉體の諸罪に汚されし者を爾の祈禱の神聖なる水を以て潔めて、我に大なる憐を與へ給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
克肖なる神言者(某)、光明なる致命者の譽よ、爾は日の光線の如く顯れて、爾の敎を以て明に全世界に輝き給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
童貞女母よ、爾の至淨なる手を伸べて、爾を恃みて、爾の子に、ハリストスよ、爾の慈憐を衆に施せと呼ぶ者を覆ひ給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
神品致命者(某)よ、我等爾を讚揚して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「萬民之を聽け、全地に居る者皆之に耳を傾けよ。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
福たる(某)よ、爾は全能の力に導かれ、十字架の帆に送られて、輙く生命の暴風を度りて、實に神聖なる港に至り、諸德の貿易を爲し、多くの利を獲て、之を萬有の主宰に攜へて、彼より善い哉善なる僕よと、其次の言を聽けり。故にハリストス神に祈りて、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる生神女よ、我見ゆると見えざる敵に因りて多種の誘惑に陷り、我が無數の罪過の暴風に打たれて、吾が堅固なる保護及び帲幪たる爾の仁慈の港に趨り附く。故に至淨なる者よ、種なく爾より身を取りし主に、絕えず爾に祈る爾の衆僕の爲に熱切に祈りて、宜しきに合ひて爾の光榮を歌頌する者に諸罪の赦を賜はんことを常に求め給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
神品致命者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第四調。
我等の爲に苦を忍びて苦なきを流しし主の聖にせられたる受難者(某)よ、爾は靈を諸慾より潔めて、聖神゜の聖にせられし器と爲れり、此に由りて聖なる傅膏を受けて、成聖者と爲り、人人の神智なる敎導師と爲り、勝たれぬ致命者と爲り給へり。
規程、第二調。
第一歌頌
イルモス 人人よ、來りて、海を分ちて、エギペトの奴隷より引き出しし民を過らせしハリストス神に歌を歌はん、彼光榮を顯したればなり。
ハリストスの光に照さるる至榮至福なる神品致命者(某)よ、爾の祈禱を以て我の昧まされたる靈を照し給へ、我が爾を歌頌せん爲なり。
神父よ、爾は救の傳道の光照を以て爾の潔き心を清き鏡の如く輝かして、衆の爲に光線を放ち給へり。
爾は齋を以て諸慾の起を止め、節制を以て望を治め、種種の功勞を以て無慾の髙きに登り給へり。
生神女讚詞
童貞女よ、我等は爾より種なく身を取りし者を萬物及び萬世の先より在す神なりと知れり、故に爾を眞の生神女として崇め歌ふ。
第三歌頌
イルモス 木を以て罪を殺しし主よ、我等を爾の中に堅めて、爾を畏るる畏を我等、爾を歌ふ者の心に植ゑ給へ。
爾は先に節制を以て己を潔めて、苦に因りて、致命者の良心に合ひて、己を完全なる犠牲としてハリストスに捧げ給へり。
爾は聖にせられし生命、聖なる言、神聖なる行を以て升りて、心の路を神を見ることに向けたるに、爾之を獲給へり。
克肖者よ、爾は救世主の誡と神智とを以て爾の智慧を治めて、ハリストスの敎の勝たれぬ軍士と爲るに勝ふる者と現れたり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾は實在の不死を生みて、我等の智慧より死の狀を掃ひ、爾の產を以て我等の爲に不朽の衣を織り給へり。
坐誦讚詞、第三調。
神品致命者よ、爾は聖神゜に照されて、牧師の勇敢と睿智とを以て苛虐者の殘酷を辱め、迷の海を濟りて、神聖なる港に到り給へり。克肖なる神父よ、我等に大なる憐を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
人は救を得る處に義に合ひて趨り附く、生神女よ、爾の如き避所、我等の靈を蔽ふ者は亦何處にかあらん。
十字架生神女讚詞
生神女よ、我等は爾の子の十字架を能力の杖として得て、此を以て諸敵の驕を破り、愛を以て絕えず爾を讚め揚ぐ。
第四歌頌
イルモス 人を愛する主よ、我爾の光榮なる攝理を聞きて、爾の悟り難き能力を讚榮せり。
睿智なる神品致命者よ、爾は神聖なる全燔及び潔き祭として救世主に捧げられたり。
克肖者よ、爾はハリストスの牧群を神を識る智識の光に導きて、無神の黑暗を逐ひ給へり。
神父よ、爾は神品致命者として、爾の汗の流を以て無神の深處を涸らし給へり。
生神女讚詞
惟一の實在なる光を生みし至淨なる者よ、爾の光を以て我が昧まされたる靈を照し給へ。
第五歌頌
イルモス 光を賜ひ、世世を造りし主よ、爾の誡の光の中に我等を導き給へ、我等爾の外に他の神を識らざればなり。
福たる者よ、眞の睿智なるハリストスは爾熱心に彼を愛せし者に富と輝ける光榮、壽命の長きと不朽の生命を賜へり。
爾は敎の杖を以て諸異端の迷を逐ひ、愛の結合を以て爾の牧群を合一にし、望と信とを以て之を害なく護り給ふ。
爾は節制を以て逸樂を退けて、絕えざる祈禱と、敬虔と、神に升らしむる謙遜とを糧と爲して、爾の靈を飽かせ給へり。
生神女讚詞
潔き者よ、我等皆爾を轉達者と堅固なる恃賴、能力と帲幪、垣牆及び天の國に渡す橋として獲たり。
第六歌頌
イルモス 我罪の淵に溺れて、爾が憐の量り難き淵に呼ぶ、神よ、我を淪喪より引き上げ給へ。
爾は祭を捧ぐる者及び祭と爲りて、信の爲に己を祭として神に獻じて、彼の前に汚なく爾の聖務を守り給へり。
神言者よ、爾は全世界の爲に死して、獨神の爲に生き、ハリストスに移りて、不朽の生命を獲給へり。
克肖者よ、爾は今地上より終なき光榮に移りて、我が不當なる靈の諸慾を爾の祈禱の潔むる力にて醫し給へ。
生神女讚詞
全世界の罪を任ふハリストスを生みし純潔無玷なる童貞女よ、爾の諸僕の爲に絕えず諸罪の赦を求め給へ。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第四調。
神智者よ、爾は成聖者として敬虔に度世して、苦の途を過り、爾の牧群を防ぎ衛りて、偶像の祭を絕し給へり。故に我等爾を尊みて、熱切に爾に呼ぶ、我が神父(某)よ、爾の祈禱を以て常に我等を患難より救ひ給へ。
同讚詞
我等は信と愛とを以て今日聖にせられし受難者の記憶に集まりて、歌を以て彼を讚め揚げん、彼より恩寵を受けて樂しまん爲なり、蓋彼は致命者とし、忠信なる成聖者及び保護者として、熱心に彼に禱る者の靈を諸慾諸難より救ひ給ふ。故に我等彼に呼ぶ、我が神父(某)よ、爾の祈禱を以て常に我等を患難より救ひ給へ。
第七歌頌
イルモス 黃金の偶像がデイラの野に奉事せられし時、爾の三人の少者は神に逆ふ命を顧みずして、火の中に投げられ、涼しくせられて歌へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
神智なる神父よ、爾は睿智と諸德とを滿てられたる爵と現れて、傳道を以て爾の牧群を呼び集め、髙尙なる度世を以て之を治め、之と偕に呼ぶ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
至福なる神父よ、爾は尊き度世を爲して、彼處の宮に至り、諸天使と偕に居りて、彼等と共に喜ぶ。故に我等爾を尊みて、勇を以て呼ぶ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
爾は幸なり、爾は福を獲たり、蓋今義人の軍、致命者の群、睿智なる使徒の會の在す處に居りて、彼等と偕に呼ぶ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
生神女讚詞
婚姻に與らざる至淨なる童貞女よ、爾は獨萬有を其智慧にて造りし神の母と識られたり。故に我等敬虔に爾に呼びて言ふ、身にて神を生みし者は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 火の爐の中にエウレイの少者に降りて、燄を露に變ぜし神を、造物は主として歌ひて、萬世に崇め讚めよ。
至福なる者よ、爾は敬虔にハリストスの奧密なる聖務を行ひて、自らも靈智なる羊として血を流し、嘉く納れらるる祭として獻げられたり。
睿智者よ、爾は聖にせられし職の衣を爾の德行にて飾りて、貞潔の則、節制の鍳、祈禱の敎師、痛悔の嚮導師、度世の模範と現れたり。
吿解は其果を見すべし、果を結ばざる無花果樹は枯るるに定められたればなり、吾が靈よ、詛を畏れよ、ハリストスを受けて、之に德行の果を獻ぜよ。
生神女讚詞
威嚴なる轉達者よ、爾の諸僕の聲を退くる毋れ、聖なる童貞女よ、我等衆を凡の患難と困苦より脫れしめ給へ、爾の母たる祈禱は神の慈憐を我等に降せばなり。
第九歌頌
イルモス 食に緣りて甚しく朽壞に陷りしアダムを、言ひ難き智慧を以て改めん爲に神より來りし神言、我等の爲に測り難く聖なる童貞女より身を取りし主を、我等信者は同心に歌を以て崇め讚む。
神父よ、爾は節制の火を以て敵の種種の箭を焚き、潔淨の熾炭を以て肉慾の泥を涸らして、彼處にある眞の光照にて盛に照されたり。
奇異なる神父よ、爾の光明なる記憶は輝きて、敬虔に之を行ふ者の靈を照して、彼等を神の光に與る者と爲す、神智者よ、我等歌を以て宜しきに合ひて之を崇め讚む。
神父よ、我等信者は爾が戰を終へて、神の手より榮冠を受け、勝利の尊貴を獲て、神の光に滿てらるる者なるを信じて、爾をハリストスの前に熱切なる祈禱者として進む。
生神女讚詞
童貞女言の母よ、我等信者は爾、我等の爲に神の實在の生命及び義の日を輝かしし者を、生神女及び我等の轉達者として、歌を以て同心に崇め讚む。
光耀歌
福たる者よ、爾は縛り及び釋く權を有つ神゜品致命者として、爾の祈禱を以て我が惡の縲絏を解き、我を神の愛に結びて、其國に與る者と爲し給へ。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、罪に因りて昧みたる吾が靈を照して、爾の轉達を以て我を永遠の㷔及び幽暗より脫れしめ給へ、我が樂しみて爾の偉大なるを讚美せん爲なり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
神゜品致命者(某)よ、聖神゜の恩寵は爾に輝きて、明に爾を照せり、之に由りて爾は諸慾の夜を逃れて、無慾の日に至り、自ら潔くして至りて潔き光に合せられたり。其中に居りて、神父よ、信を以て爾の記憶を歌ふ者を忘るる勿れ。 二次
神゜品致命者(某)よ、爾は慕ふべき天の恩寵を己の内に有ちて、地上の諸事を顧みざりき、故に無形の者の如く、永在の福樂を樂しまんと欲して、受難者の度生を擇び、淚を以て諸慾の濁りたる泉を涸らし、靈を養ふ穗を濕して、之を生長せしめたり。
受難者(某)よ、爾は體を傷に付し、火に委ね、靈を勝たれぬ愛にて仁愛なる主、人類の爲に十字架の苦を受けし者に向けて、之とに結合するを以て堅められたり。故に致命者の華美、成聖者の装飾、天使等の對話者爲り給へり。
光榮、第四調。
神゜品致命者(某)よ、爾は實繁き葡萄の樹の如く、美しき橄欖樹の如く主の庭に植ゑられたり、爾の受難に因りて主は爾に降福し、爾は上なるシオンの安寧を視て、衆聖人と偕に神聖なる喜を以て樂しみ給ふ。讚美たる者よ、爾の祈禱を以て我等を之に與る者と爲し給へ。
今も、 生神女讚詞
至淨なる童貞女、萬有の女王、正敎者の譽よ、異端者の驕を破りて、爾の尊き聖像を尊まず、之に伏拜せざる者の面を辱かしめ給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
若し挿句に光榮あらば、其晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第十七編 二人或は多人の神品致命者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第一調。
光榮なる役者よ、爾等は成聖者の衣を實に美しく致命の血にて飾り、之に美しく飾られて、諸天使と偕に造物主の前に立ち給へり。我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを彼に祈り給へ。
爾等は實に神に感ぜらるる器として我等に現れて、聖書の言ひ難き神の奧密を傳へ、偶像の無知を論破して、衆をハリストスに攜へ給へり。我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを彼に祈り給へ。
睿智なる者よ、爾等は神智の言を以て人人を無智より引き出して、彼等を救はれし者として、父より輝きし言、生れ給ひしハリストス我等の神に攜へ給へり。我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを彼に祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
讚美たる潔き童貞女よ、モイセイは前知者の目にて燃えれども焚かれぬ棘の中に爾に於ける祕密を見たり、蓋神性の火は爾の腹を焚かざりき。故に我等爾に禱る、我が神の母として、世界の爲に平安と大なる憐とを求め給へ。
十字架生神女讚詞
神の言よ、牝羊及び無玷なる爾の母は爾の十字架の側に立ちて、哭きて呼べり、哀しい哉吾が子よ、如何ぞ爾十字架の上に死する、哀しい哉吾が甘愛なる光、衆人に超えて美しき者よ、爾の華美の姿は今何處にか隱れたる。
若し之あらば、自調。光榮、第八調。
暫時の度生より遷りし光榮なる神゜品致命者よ、爾等は七倍擊たれ、鐵搭にて裂かれ、ハリストスの爲に十字架に釘せられしに、火も、種種の傷も、劍も爾等の堅固なる靈を弱めざりき、爾等は惡鬼の力を踐み給へり。神に召されたる者よ、我等の靈を救はんことをハリストス神に祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
聖なる童貞生神女よ、我爾の庇廕に趨り附く、我爾に倚りて救を得んことを知る、爾は、潔き者よ、我を援くるを能すればなり。
十字架生神女讚詞
主宰イイススよ、童貞女爾の母は爾が甘じて十字架に釘せられ、苦を受くるを見て呼べり、哀しい哉甘愛なる子よ、爾は人類の不能を醫す醫師、爾の慈憐を以て衆を朽壞より救ふ者にして、如何ぞ非義に傷つけらるるを忍ぶ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
天の王は人を愛するに因りて地に現れ、人と偕に在せり、蓋淨き童貞女より身を取り、人の性を有ちて生れし者は、二の性にて一の位ある獨子なり、故に我等彼が實に全き神及び全き人なるを傳へて、ハリストス吾が神を承け認む、夫を識らざる母よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に祈り給へ。
聖入。本日の提綱。致命者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第四調。
光榮なる神゜品致命者よ、爾等は至りて光明なる星として、無形に敎會の穹蒼に輝きて、衆造物を照し、功勞の光と奇跡の光照とを以て幽暗を逐ひ給ふ。故に我等今日樂しみて、爾等の光を施す聖なる記憶を行ふ。
句 爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悅ばん。
使徒と同尊なりし至りて睿智なる司祭首よ、爾等は燃ゆる心を抱きて、無神なる苛虐者の殘酷を畏れず、乃勇ましく救世主を傳へて、多種の苦を忍びたり。故に今天上の賞を受け給へり。
句 神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。
福たる司祭首よ、爾等は尊き奉事と無玷なる祭とを主宰ハリストスに獻じて、又受難者と爲りて己を完全なる燔祭として主に捧げ給へり。彼に祈りて、信を以て爾の尊き記憶を行ふ者を患難及び朽壞より救はんことを求め給へ。
光榮、第四調。
勝たれぬ致命者、讚美たる成聖者、神智なる諸神父よ、爾等は全世界の燈、神の敎會の動なき柱、敎の範、敬虔の者の敎導師、諸異端の絕滅者、我等の靈の光明なる敎師、諸天使の對話者、聖三者の軍士と爲り給へり。
今も、生神女讚詞。
讚美たる潔き生神女よ、我が慾に耽りたる情の汚を洗ひ、罪に緣る其悉くの傷と膿とを淨め、我が動き易き智慧を治め給へ、我不當なる卑しき爾の僕が爾の力と大なる保護とを讚め揚げん爲なり。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
我が先祖の神、常に爾の寬容に由りて我等に行ふ主よ、爾の仁慈を我等より離さずして、彼等の祈禱に因りて、我が生命を平安に治め給へ。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第八調。
克肖なる神智者よ、爾等は睿智の海を窮め、屬神゜の深處を宣べ、三者の惟一の神性を傳へ、諸天使の品位と其光照の奧密とを錄せり、故に又地上の成聖者の職を盡して、惟一の成聖の泉に升せられたり。神品致命者よ、ハリストス神に祈りて、愛を以て爾等の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。 二次
光榮、今も、生神女讚詞。
靈智なる日の雲、神聖なる光の黃金の燈凳、無玷無垢純潔なる女宰よ、祈る、諸慾の闇に昧まされたる吾が靈を無慾の光線にて照し、我が汚れたる心を傷感の流、痛悔の淚にて洗ひ、我が行ひの泥より我を潔め給へ、我が愛を以て爾に呼ばん爲なり、生神女永貞童女よ、我に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ、我爾の僕が爾を恃賴とすればなり。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
克肖なる神゜品致命者よ、爾等は使徒の言を以て己の智慧を照して、善く信者の會を牧し、我等の爲に生神童貞女より身を取りて、光榮を以て復活せし主を窘逐者の前に承け認めて、潔き祭として造成主及び王に捧げられたり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
潔き永貞童女よ、爾に趨り附く者の爲に熱切にして勝たれぬ轉達者、堅固にして恥を得ざる恃賴、垣牆と、帲幪と、港なる者よ、諸天使と偕に爾の子及び神に祈りて、世界に平安と、救と、大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
ハリストスの神品致命者よ、我等爾等を讚揚して、爾等の聖なる記憶を尊む、爾等は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「萬民之を聽け、全地に居る者皆之に耳を傾けよ。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第一調。
神品致命者よ、爾等は己の勤勞を以て神智の果を生長せしめて、敎の耜を以て無神を根より絕し、恩寵の香料を塗られて、善く人人を牧し、法に遵ひて苦を受けて、ハリストスより二倍の尊榮を獲給へり。光榮は爾等に力を賜ひし主に歸す、光榮は爾等に榮冠を冠らせし主に歸す、光榮は爾等を以て衆に醫治を賜ふ主に歸す。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至聖なる童貞女よ、仁慈に因りて身を取りし造成主を抱きたる爾の神聖なる手を彼に伸べて、我等を諸の誘惑、諸慾及び患難より救はんことを祈り給へ、蓋我等は愛を以て爾を崇め讚めて呼ぶ、光榮は爾の内に入り給ひし主に歸す、光榮は爾より出で給ひし主に歸す、光榮は爾の產を以て我等を救ひ給ひし主に歸す。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
聖人の死は主の目の前に貴し。句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
神品致命者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第四調。
互に兄弟たる致命者よ、爾等はハリストスの敎會の柱として、無神の垣を壞り、死の至らざる先に諸異端の暴風を鎮め給へり、今我等の靈の爲に祈り給ふ。
規程、第四調。
第一歌頌
イルモス 古のイズライリは足を濡らさずして海の紅の淵を渡り、野にてモイセイの十字形の手にてアマリクの力に勝てり。
神の光に輝かさるる光榮なる者よ、敬虔に此の爾等の光明なる欣ばしき祭を讚榮する者を諸慾の黑暗より脫れしめ給へ。
ハリストス王よ、不虔者は爾の受難者及び役者に辱かしめられたり、矢を彼等に射て、己の凶惡なる棘を空しくしたれども、彼等の力を折くこと能はざりき。
爾等は屬神゜の活水に盈てられ、之を甚しき無神の旱に由りて弱りたる者に飮ませて、彼等を救を施す聖なる泉に向はしめ給へり。
生神女讚詞
至淨なる者よ、爾の神妙なる產に由りて原祖の犯罪は解かれて、大聲にて爾を讚め揚ぐる者は始の如く樂園に入るを得たり。
第三歌頌
イルモス ハリストスよ、爾の敎會は爾の爲に樂しみて呼ぶ、主よ、爾は我が能力と避所と堡障なり。
神゜品致命者よ、爾等は無形に撫恤者の火に燃されて、勇を以て甚しき迷の熱を滅し給へり。
光榮なる者よ、爾等は神゜の光を以て深き幽闇に在る者を聖洗の光照に攜へ給へり。
聖なる者よ、爾等は苦の火に鍊られたる黃金、致命者の受難の印を押されたる者と現れたり。
生神女讚詞
純潔至淨なる童貞女よ、爾は人人を敵の虐待より救ふ有能の神を生み給へり。
坐誦讚詞、第三調。
讚美たる致命者、全世界の燈よ、爾等は傅膏を以て聖にせられて、人人の爲に神智なる牧師と爲り、潔き羊として屠られて、羔の如く屠られたる言 牧師長に捧げられたり。故に我等愛を以て爾等の神聖なる記憶を祝ふ。
光榮、今も、生神女讚詞。
我等の避所及び力、世界の有能の助たる生神女、獨祝福せられし者よ、爾の祈禱を以て爾の諸僕を凡の危難より覆ひ給へ。
十字架生神女讚詞
生神女よ、我等は爾の子の十字架を能力の杖として得て、此を以て諸敵の驕を破り、愛を以て絕えず爾を讚め揚ぐ。
第四歌頌
イルモス 敎會は爾義の日が十字架に擧げられしを見て、竝び立ちて正しく呼べり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
聖にせられし致命者の會は歌はるべし、彼等は聖職の恩寵と苦難とに飾られて、樂しみて歌頌す、主よ、光榮は爾の力に歸す。
捧神なる神父等よ、爾等は神の奧密を敎へられて、實に聖と義とを以て民を牧し、苦を以て己の聖なる生命を終へ給へり。
聖使徒及び預言者の恩賜に飾られたる神゜品致命者の神聖なる會は樂しみて呼ぶ、主よ、光榮は爾の力に歸す。
生神女讚詞
生神女よ、我等は神の言に敎へられて、爾に於ける諸預言の應へるを見て、爾に呼ぶ、無玷なる童貞女よ、慶べ、我等は爾の產に由りて救を得たり。
第五歌頌
イルモス 我が主よ、爾は光、信じて爾を崇め歌ふ者を闇き無智より引き出す聖なる光にして、世界に來り給へり。
爾等は睿智なる傳道の神聖なる光線を以て迷の黑暗に坐する者に恩寵の光を輝かし給へり。
爾等は今面を合せてハリストスを覿て、言ひ難き光を樂しむ、我等の爲に彼に祈り給へ。
爾等はハリストスの敎を滿てたる神の河にして、迷の流を塞ぎて、信者の智慧に飽くまで飮ませ給へり。
生神女讚詞
生神女よ、主は萬族の中より獨爾を選び、爾より身を取りて、人類を神成し給へり。
第六歌頌
イルモス 憐に由りて爾の脅より流れし血にて惡魔の祭の血より淨められし敎會は爾に呼ぶ、主よ、讚揚の聲を以て爾を祭らん。
主よ、爾の聖者の會は勇毅と睿智、義と祈禱と貞潔とを以て生命を送りて、今爾の爲に喜ぶ。
神聖なる諸預言者に效ひし勇敢なる聖者よ、爾等は永遠の生命の望に堅められて、肉體の寸斷せらるるを樂しみて忍び給へり。
屬神゜の法に養はれたる睿智者よ、爾等は不法の者に救を施す法を進めて、彼等を聖敎の光に攜へ給へり。
生神女讚詞
至淨なる神の聘女童貞女よ、樂園に於て生命より死に墜されたるアダムは爾が生命を施す產に由りて不死を獲たり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第三調。
神品致命者よ、我等今日集まりて、歌を以て爾等を靈智なる日の暮れざる光として讚め揚げん、蓋爾等は無智の幽暗に在る者に輝きて、衆を起して敬虔の髙きに召し給へり。故に我等爾等に呼ぶ、衆修齋者の基よ、慶べ。
同讚詞
イイスス ハリストス、生命を施す主よ、神聖なる華麗を我に耀かして、我に爾の成聖者を歌頌せしめ給へ、蓋彼等は爾の爲に死に至るまで勤勞して、勇ましく敵の力を破り、神に悖る不虔を責め、十字架の力に堅められて、宜しきに合ひて爾より光榮を受けたり。故に我等は彼等に呼ぶ、衆修齋者の基よ、慶べ。
第七歌頌
イルモス アウラアムの少者はペルシヤの爐に在りて、焔よりも强く敬虔の愛に爇かれて呼べり、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
神智なる者よ、爾等は聖職の香料に聖にせられ、又神聖なる致命の血に輝きて、兩ながら宜しきに合ひて讚榮せられて呼ぶ、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
讚美たる者よ、爾等は地上の思を美しく整へ、至淨なる光榮の髙きに擧げられて呼ぶ、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
光榮なる神品致命者よ、爾等は敵の惡謀を知りて、迫害者の悉くの誘惑を斥けて歌へり、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
童貞女よ、地に暗を天に雲を衣せ給ひし主は爾の血より死に屬する肉體を衣て、人人に不死の光榮の衣を衣せ給ふ。
第八歌頌
イルモス ダニイルは獅子穴に在りて手を伸べて、獅子の口を閉し、敬虔の篤き少者は德を帶び、火の力を消して呼べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
神品致命者よ、爾等は種種の肉體の苦に付されて、凡そ生命なき諸神に役する者の爲に不朽の生命を求め得たり。彼等は救はれて、常に爾等と偕に呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
神品致命者よ、爾等は無形なる葡萄の房にして、今醫治の酒を流し、凡そ信を以て爾等を讚め揚ぐる者の心を樂しませて呼ばしむ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
神品致命者の柩は世界の爲に奇跡を流して、凶惡なる魔鬼の迷はす幻像を逐ひ、實體の醫治を與へて呼ばしむ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
生神女讚詞
至淨なる者よ、永在の主は爾より生れて、人として見られ、二性にして二の行爲 二の意旨を有ち給へり。我等信を以て彼に歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
第九歌頌
イルモス 童貞女よ、手にて斫られざる隅石ハリストスは、爾斫られざる山より斫り分けられて、離れたる性を合せ給へり、故に我等樂しみて、爾生神女を崇め歌ふ。
皆來りて、聖なる神品致命者の聖にせられし記憶を行ひて、屬神の歌を以て大聲に彼等を尊まん、彼等は吾が大仁慈なる神に我等の爲に禱り給へばなり。
爾等は言に慰められて、靈の一切の汚を潔め、苦に因りて皮の衣を脫ぎて、救の美しき衣服を衣給へり。
人人は聖なる受難者の記憶に集まりて、勇ましく苦を受けて惡の魁を斃しし勇敢なる神品致命者を歌頌して、恩寵を受く。
生神女讚詞
萬物を其手に持ち給ふハリストスを己の手に抱きたる至淨なる者よ、其爾の子たるに因りて彼に祈りて、我を敵の惡計より脫れしめて、仁慈の淵に圍みて救はんことを求め給へ。
光耀歌
今最著しき日は我等に至れり、此れ聖使徒の聖にせられし後任者、又捧神なる傳道師、及び勝たれぬ致命者の記憶なり、我等皆信を以て祈りて之を行はん。
生神女讚詞
讚美たる少女よ、爾は父の大なる議事の使者たるハリストス光榮の王を生み給へり、神品致命者は彼の十字架を傳へて、諸民を照し、之に爾生神女を讚榮して、爾の產に伏拜することを敎へたり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
聖なる傅膏及び致命の血に由りて神に近づきし至榮なる神品致命者よ、爾等は萬象の花、神靈の華美、睿智の峯、義の鑒、信の範、完全なる正直、諸敎會の飾なり。二次
受難者の光榮、致命者の装飾、神智なる神品致命者よ、爾等は堅き信を有ちて、勇ましく己を種種の苦に付して、桎梏と縲絏、裸體と獄、火と嚴寒、無數の傷及び死を忍び給へり。
光榮なる致命者よ、爾等は多種の苦に因りて死の狀を脫して、不朽の衣を衣、今天に居りて、常に神の寶座の前に立ち給ふ。故に我等信を以て爾等の至りて光明なる記憶を祭りて、爾等の不朽體の柩に伏拜す。
光榮、第八調。
克肖者よ、爾等は成聖者にして忠信なる牧師と現れ、致命者にしてハリストスの爵を飮みたり、故に兩ながらハリストスの悅を得たる者として、今光の中に居りて、天上の役者と偕に我等衆の爲に彼に祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
我等は天使首ガウリイルの聲に效ひて言はん、慶べよ、神の母、世界の爲に生命を賜ふ主ハリストスを生みし者や。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝牛は犢が木の上に甘じて釘せらるるを見て、悲しみ泣きて呼べり、哀しい哉最愛すべき子よ、恩を知らざるエウレイの會は何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、何ぞ我を子なき者として遺す。
若し挿句に光榮あらば、其晩課の讚頌を誦せよ。
今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
第十八編 一人の克肖致命者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第六調。
我等信者は睿智なる修齋者の功勞及びハリストスの軍士の苦難を職として讚め揚げて、主に呼ばん、ハリストス神よ、彼の祈禱に由りて我等を凡の患難より救ひ給へ。
克肖なる神父(某)、勝たれぬ軍士、爾を讚め揚ぐる者の爲の祈禱者よ、爾劇しき苦の暴風を經たる勇敢なる者に神より大なる平安は賜はりたる。
睿智にして捧神なる致命者よ、爾は法に遵ひて苦を忍びて、萬有の造成主神の爲に宮と爲り、敎會の爲に燈、克肖者の爲に飾と爲り給へり。
光榮、今も、生神女讚詞。
潔き生神童貞女よ、主に祈り給へ、彼が爾の祈禱に由りて我等の靈に諸罪の赦と、平安と、大なる憐とを賜はん爲なり。
十字架生神女讚詞
純潔なる生神女よ、爾は我等の生命が木の上に懸れるを見る時、母として哭きて呼べり、吾が子吾が神よ、愛を以て爾を歌ふ者を救ひ給へ。
若し之あらば、自調。光榮、第五調。
克肖なる神父よ、爾は己の目に寐ね、己の瞼に眠るを容さずして、靈と體とを諸慾より潔め、己を備へて聖神゜の居處と爲すに至れり、故にハリストスは父と偕に來りて、爾の内に住居を爲し給へり。一性なる三者の恩寵を受けたる大なる傳道師克肖者よ、我等の靈の爲に祈り給へ。
今も、 生神女讚詞
生神童貞女よ、我等信者は職として爾を讚揚し、爾を讚榮す、爾は我等の靈の爲に堅固なる城邑、壞られぬ垣、有能の轉達者及び避所なり。
十字架生神女讚詞
童貞女母、至福なる少女は昔己の羔が十字架に擧げられしを見て、哭きて呼べり、嗚呼吾が子よ、本性の不死なる神にして如何ぞ死する。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
昔紅の海にて婚姻を知らざる聘女の象記されたり、彼處にはモイセイ、水を分つ者、此處にはガウリイル、奇跡に務むる者なり、彼の時イズライリは足を濡らさずして深處を步み、今童貞女は種なくしてハリストスを生めり、海はイズライリの涉りし後元のまま過られず、玷なき者はエムマヌイルを生みし後元のまま玷なし、永遠にして最永遠なる者人となりて現れし神よ、我等を憐み給へ。
聖入。本日の提綱。致命者の喩言、巻末に載す。
挿句の讚頌、第一調。
讚美たる(某)よ、爾の度生は諸德を積むに在りき、故に信者は爾の敎に從ひて、歌を以て熱切にハリストスを崇め讚む、斯の敎の世界に堅められんことを聖神゜の前に立ちて祈り給へ。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
神に感ぜらるる致命者(某)よ、爾の度生は地上に天使と侔しき者と現れ、爾の表信は天上に馨香の祭及び芳しき香爐として捧げられたり。今我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことを祈り給へ。
句 神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。
至榮なる(某)よ、爾は諸慾に勝つ者と爲りて、迫害者に勝てり。福たる者よ、爾は戴冠者と偕に祝ひて、凡そ爾の記憶を行ふ者を記念して、今我等の靈に平安と大なる憐とを賜はんことをハリストスに祈り給へ。
光榮、第四調。
克肖致命者(某)よ、爾は聖神゜の助に因りて、勝たれぬ軍士として、信の武器を以て惡敵に勝ち、無形の暗き軍を滅し、法に遵ひて爾の戰を終へて、衆受難者及び克肖者の會と偕に榮冠を冠り給へり。
今も、生神女讚詞。
ハリストス神の母、萬有の造成主を生みし者よ、我等を凡の危難より脫れしめ給へ、我等皆爾に呼ばん爲なり、我が靈の惟一の轉達よ、慶べ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第八調。
克肖なる神父(某)よ、神の像に由る者は爾の内に確に救はれたり、蓋爾は十字架を任ひてハリストスに從ひ、過ぎ易き者たる肉體を輕じ、不死の者たる靈のことに熱中するを行を以て敎へたり。故に爾の神゜は諸天使と偕に喜ぶ。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
爾は地上の過ぎ易き逸樂を顧みず、世の華麗と暫時の樂とを忌みて、野に居ることを愛せり、此に由りて致命者及び修齋者の會に加へらるるを得たり、爾の諸僕を救はんことを彼等と偕に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
女宰よ、ヘルワィムの座に坐し、父の懷に居る主は聖なる寶座に於けるが如く爾の懷に坐し給ふ、蓋神は人體を取りて、實に萬民の上に王と爲り給へり。我等今思を全うして彼を歌ふ、爾の諸僕の救はれんことを彼に祈り給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第八調。
福たる(某)よ、爾は齋を以て授洗イオアンの風習及びフェスワのイリヤの德に效ひて、無形の者の如く度生し、諸天使と偕に聖三者を讚榮して、勇ましく惡鬼の攻擊に勝てり、故に又神妙に受難の功を立てて、盛にハリストス神の光榮を輝かし給へり。彼に祈りて、愛を以て爾の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等萬族は爾童貞女、女の中に獨種なく身にて神を生みし者を讚揚す、蓋神性の火は爾の内に入り、爾は造成者及び主を幼児として乳にて養ひ給へり、故に天軍及び我等人類は宜しきに合ひて爾の至聖なる產を讚榮して、同心に爾に呼ぶ、ハリストス神に祈りて、熱切に爾の光榮を歌ふ者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
克肖致命者(某)、修道士の敎師、天使等の對話者よ、我等爾を讚美して、爾の聖なる記憶を尊む。
拔萃聖詠
「我切に主を恃みしに、彼我に傾きて。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第四調。
福たる(某)よ、爾は齋に於て鍊達し、受難に於て輝きて、爾の功勞を以て信者を照し給へり、故に我等皆同心に爾を崇め讚む。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
爾を賴む者の恥を得ざる倚賴、獨性に超えて身にてハリストス我等の神を生みし者よ、聖なる克肖致命者と偕に彼に祈りて、世界に諸罪の潔淨、我等衆に終の先に度生の更新を賜はんことを求め給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
克肖致命者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第八調。
克肖なる神父(某)よ、爾は神の像に從ひて有つ所を殘なく守り、ハリストスの敎に從ひて得たる所を忍耐を以て敵に譲らず、迫害者の恐嚇を畏れずして、屬神゜の劍を以て之を殺せり。故に克肖なる受難者よ、神の前に勇敢を得て、爾を尊む者を凡の患難より救ひ給へ。
規程、第六調。
第一歌頌
イルモス イズライリは陸の如く淵を蹈み渡り、追ひ詰めしファラオンの溺るるを見て呼べり、凱歌を神に奉らん。
克肖なる受難者よ、我が靈を世俗の誘惑と我を攻むる諸慾より護りて、我に平安にして爾の記憶を讚美するを得しめ給へ。
至福なる克肖者(某)よ、爾は受難者として受難の榮冠を受けて、地より和平の世界に、光及び眞の生命に移されたり。
至尊なる克肖致命者よ、爾は血の流にて苦の㷔を滅し、信者の靈を濕して、永遠の生命の望を生ぜしめ給へり。
生神女讚詞
神を容るる幕、容れ難き言を爾の腹に容れて、之を生みし潔き者よ、我を攻むる諸惡の劇しき暴風より我を援け給へ。
第三歌頌
イルモス 爾が信者の角を髙うし、我等を爾が承認の石に堅めし仁慈の主、吾が神よ、爾と均しく聖なるはなし。
至福なる受難者、克肖なる吾が神父よ、爾は神の力に堅められて、勇ましく己を迫害者に付して、種種の苦痛と苦難とを忍び給へり。
勤勞する者の大なる扶助者ハリストスは爾に能力を與へて、迷を破り、妄に誇りて空しく騷ぐ敵を辱かしむるを得しめ給へり。
克肖なる大受難者(某)よ、爾の美しき足は苦の途に入りて、惡敵の首を碎きたり。
生神女讚詞
我等は昔イアコフが見たる地より天の髙きに至る神聖なる梯、及び主宰の宮たる潔きマリヤを歌はん。
坐誦讚詞、第四調。
福たる(某)よ、爾は三重にして三の洗禮を以て洗せられたり、此れ水と火と聖神゜とを以てせしなり、卽第一に淚を以てし、第二に節制と、多くの功勞と、天使に侔しき度生とを以てし、第三に潔き羊として屠られて、ハリストス吾が神に捧げらるるを以てせり。彼に絕えず我等の靈の救はれんことを祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾の聘定者及び保護者イオシフは爾の種なき降孕に於て性に超ゆることを見て驚きしに、思の中に羊の毛に降りし雨、火に焚かれざる棘、芽を出したるアアロンの杖を納れて、司祭等の前に證して呼べり、童貞女は生みて、產の後に復童貞女に止まる。
十字架生神女讚詞
子よ、爾が甘じて十字架に釘せらるる時、爾の苦の戈にて衆くの心の念は露れ、吾が靈は刺さる、誰か我の涕泣と肉身の苦痛とを見ん、誰か爾が眞の神たるを悟らん、言よ、我爾の慈憐を歌ふ、爾は此に由りて釘殺を忍び給ふ。
第四歌頌
イルモス 尊き敎會は淨き心より主の爲に祝ひ、神に適ひて呼び歌ふ、ハリストスは吾が力と神と主なり。
至福なる者よ、爾は神の言に堅められ、己を害なく守りて、法に遵ひて齋し、法に遵ひて苦を受け、法に遵ひて榮冠を冠り給へり。
克肖者よ、爾は迷に從ふに忍びずして、睿智者として喜びて神智に就き、無形の光を受けて燈と現れたり。
(某)よ、爾は甘じて屠られて、聖にせられし祭として爾の爲に屠られたる主に獻ぜられて、天に錄されたる冢子と偕に安息して樂しみ給ふ。
生神女讚詞
無玷なる者よ、爾は產の後に產の前の如く童貞女に止まれり、蓋神言、爾の轉達に由りて我等を朽壞より救ふ主を生み給へり。
第五歌頌
イルモス 至仁なる神の言よ、切に祈る、爾に朝の祈禱を奉る者の靈を爾が神の光にて照して、爾罪の暗より呼び出だす眞の神を知らしめ給へ。
敵は勇敢なる致命者の多くの忍耐の武器に傷つけられ、其足に踐まれて、辱かしめられて笑と爲れり。
至尊なる致命者よ、爾は迫害者の惡謀を退け、良善温柔にして、血を流して生命を終へて、不朽の榮冠に飾られたり。
克肖なる(某)よ、爾の勤勞を助け、迫害者に對して爾を堅め給ひし我等の惟一の神は致命者の榮冠を爾に冠らせ、修齋者の尊貴を以て爾を榮し給へり。
生神女讚詞
神の聘女なる童貞女よ、神を見し預言者の會は遠くより爾の神聖なる產の言ひ難き奧密を悟りて、聖にせられし徵を以て爾を豫象せり。
第六歌頌
イルモス 誘惑の猛風にて浪の立ち揚がる世の海を觀て、爾の穩なる港に著きて呼ぶ、憐深き主よ、我が生命を淪亾より救ひ給へ。
聖にせられし我が神父よ、爾は生命を施す主の手に導かれて、度生の水を無難に濟り、熱切なる祈禱を以て迫害者の命令を其中に溺らし給へり。
克肖者よ、爾は小き者を大なる者に易へて、己を苦に付して、エワを誘ひし蛇を神゜にて殺し給へり。
(某)よ、爾を誘はんと欲せし惡謀者は爾の言の力を忍ぶ能はずして、殘酷に爾を縲絏と、創傷と、苦しき死とに付せり。
生神女讚詞
童貞女母よ、視よ、今主は言ひ難き慈憐に因りて爾の潔き血より身を取り、罪の外全く人人と侔しくなりて、我等の救を行ひ給へり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
我等は至榮なる(某)を熱切にして熟練したる修齋者、敬虔なる野の住者、甘じて難を受けし尊き致命者として、歌を以て宜しきに合ひて讚め揚げん、彼は蛇を踐みたればなり。
同讚詞
至福なる(某)、克肖なる受難者よ、爾は主の苦に效ひ、彼の爲に死して、偶像の虛しき迷を滅さんことを熱望して、勇ましく諸敵と戰ひ、彼等の惡謀と惡計とを破りて、尊敬の榮冠を受け給へり。故に我等信を以て爾の帲幪の下に趨り附きて、爾に呼ぶ、見ゆると見えざるとの敵より我を救ひ給へ、爾は蛇を踐みたればなり。
第七歌頌
イルモス 神の使は潔き少者の爲に爐に露を出さしめ、ハルデヤ人を焼く神の詔は苦しむる者に呼ばしめたり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
福たる睿智者よ、爾は肉體を惜しまずして、之を苦に付し、火に焚かれて、少者の歌を歌へり、吾が先祖の神は崇め讚めらる。
克肖者よ、惡鬼は爾が修齋者及びハリストスの致命者たるを知りて、唯爾の名を呼ぶを以て逐はる、蓋爾は熱切に歌ふ、吾が先祖の神は崇め讚めらる。
至福なる(某)よ、全能者の旨に因りて爾に終は吿げられたり、故に爾は更に大なる齋に己を委ね、光榮より光榮に移りて、萬有の神たるハリストスの爲に殺されたり。
生神女讚詞
至淨なる童貞女、我怠惰に耽りたる者を起して、善行を行はしめ、常に我に抏敵して、惡しき思を以て我を誘ふ敵に對して我を堅め給へ。
第八歌頌
イルモス ハリストスよ、爾は潔き者の爲に㷔より露を注ぎ、義人の祭の爲に水より火を出せり、爾は一の望にて萬事を行ひ給へばなり、我等爾を世世に讚め揚ぐ。
至榮なる者よ、爾は修齋の德を備へられ、受難の傷に飾られて、勝利を賜ふ主の前に立ちて、彼より勝利の尊榮を受け給へり。
至榮なる(某)よ、爾は全能者を愛する愛に燃えて、敵の髙ぶれる首を仆し、爾の熱望に由りて神を受けて、世世に己の内に居らしめ給ふ。
神福なる致命者、克肖なる(某)よ、我に神の慈憐を得しめて、爾を尊みて爾の帲幪の下に趨り附く者を諸の誘惑及び災禍より脫れしめ給へ。
生神女讚詞
神の過りし聖なる山よ、慶べ、聖にせられし奧密の發露、畏るべき風聲、仰ぎ難き顯見よ、慶べ、陷りし者の興起たる童貞女よ、慶べ。
第九歌頌
イルモス 天使の品位すら見るを得ざる神は、人見る能はず、唯爾至淨の者に依りて人體を取りし言は人人に現れ給へり、我等彼を崇めて、天軍と偕に爾を讚め揚ぐ。
神智なる我が神父(某)よ、爾は至極の華麗及び甘味に至り、神に近づきて、無形の者と偕に歌ふ、聖、聖、聖なる哉全功全能の三者や。
克肖なる(某)よ、爾は捕ふる網を逃れて、天に適ふ華麗の中に寢りて、致命者の軍に合せられたり、今無形の者と偕に我等衆の爲に祈り給へ、我等が爾を讚美せん爲なり。
爾はハリストスの能力及び權を恃みて、惡鬼の抏敵に勝ち、上なる港に着きて、美しく飾られ、盛に神の光に照さる。
生神女讚詞
母童貞女よ、我等は爾の產の測り難き奇跡を悟るを得ずして、寗緘默を以て之を讚榮し、爾女の中に獨純善無玷にして至福なる者を歌頌せん。
光耀歌
克肖なる(某)よ、爾は先づ受難に因りて善く試みられ、次に齋を以て神聖なる程を盡して、天に升りてハリストスの前に立ち給ふ。神父よ、熱心に爾を歌ふ者の爲に祈り給へ。
生神女讚詞
言ひ難き歡喜たる主を生みし至淨なる童貞女よ、我等衆眞の恩寵たる爾を尊む者を天の歡喜に與らしめ給へ、我等靈を全うして爾に呼ぶ、祝讚せらるるマリヤよ、爾の諸僕を忘るる毋れ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第六調。
光榮なる克肖者よ、爾は致命者の血を以て聖にせられし衣を赤にして、宜しきに合ひて至聖所に入り給へり、彼處は言ひ難き光の處、神の光榮の處、慶賀する者の聲のある處なり。睿智なる(某)よ、爾に致命者の勝利と萎まざる榮冠、永遠の光榮と樂園の居處を賜ひし主に勇敢を以て我等の靈の爲に祈り給へ。二次
光榮なる受難者、睿智なる(某)よ、受難の激浪も、暗き獄の裏に爾を隱す永き閉鎖も爾の靈を動かさざりき、卽爾は神に悅ばるる受難者として、虛妄の暗の内に苦しむ者の中に在りて、彼等の爲に光として輝き、彼等を聖洗の浴盤に因りて、救の產を以て光の子と爲し給へり。
克肖致命者(某)よ、誰か宜しきに合ひて爾の德を顯さん、何れの口か能く爾の受難と忍耐とを言ひ出さん、蓋爾は斯の二を以てハリストスの悅を爲し給へり。今多くの勇敢を有つ彼の役者として、我等の靈を救はんことを祈り給へ。
光榮、第二調。
來りて、歌を以てハリストスの受難者を讚め揚げん、彼は世界の爲に美しき百合花、神の樂園に開きたる花、正敎者の無垢なる羊、潔淨の模範、信の固、節制の光榮と現れたり、故に彼は天國の不朽の榮冠を受けたり。
今も、生神女讚詞。
神の母よ、我が盡くの恃を爾に負はしむ、我を爾の覆の下に守り給へ。
十字架生神女讚詞
潔き童貞女よ、爾は耕作せられずして胎内に宿しし實れる葡萄の房が木の上に懸かれるを見し時、哀しみて哭きて呼べり、吾が子よ、慈憐なる恩主として、我爾を生みし者に緣りて、甘味を滴らして、其神聖なる慰を以て諸慾の醉を盡く醒まし給へ。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第十九編 二人或は多人の克肖致命者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第八調。
克肖者よ、爾等は大に勵みて、勇ましく迫害者の攻擊を忍び、愛に緣りて劍の下に生命を付して、致命の榮冠を冠り、宜しきに合ひて諸天使と偕に歡ぶ。爾等の忍耐は大にして、恩賜は更に大なり。我等の靈の爲に禱り給へ。
聖にして勇敢なる者よ、爾等は敬虔に生を送りて、致命者の功勞を立てたり、蓋勇ましく苦を厭はずして、齋を以て體を聖にし、愛を以て血を流せり、此の二に由りて爾等の困苦の榮冠を冠らん爲なり。我等の靈の救はれんことを禱り給へ。
ハリストスの克肖なる致命者よ、爾等は善く戰ひ、暫時の生命を重ぜずして、甘じて勇ましく肉體の念を踐みたり、斯くハリストスの爲に生命を終へて、宜しきに合ひて諸天使と共に住ひ給ふ。故に我等は爾等の記憶を尊みて祈る、我が靈が憐を蒙らんことを主に禱り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
不當なる靈よ、爾は聊も痛悔に傾かず、惡者を待つ火を懼れずして、誰にか似る者と爲りたる、起きて、獨速に助くる者を呼びて禱れ、童貞女母よ、我を詭譎の者の網より脫れしめんことを爾の子我等の神に禱り給へ。
十字架生神女讚詞
牝羊は羔が甘じて十字架の木の上に舒べられしを見て、母として哀、哭きて呼べり、吾が子よ、此の驚くべき顯見は何ぞ、恒忍なる者よ、萬衆に生命を施し、地上の者に復活を賜ふ主にして、如何ぞ殺さるる、吾が神よ、我爾の大なる寬容を讚榮す。
若し之あらば、自調。光榮、第八調。
克肖なる諸神父よ、爾等は天使と等しき生を送りて、修齋と節制とを以て體を制し、之を神゜に服せしめて、主の戒を行ふ者と爲れり、斯く始の像の華美を守りて、齋の勤勞を修め、苦の勲功を立てて、二倍の榮冠にて飾られたり。我等の救はれんことを熱切に救世主に禱り給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、爾の庇廕は屬神゜の醫治なり、我等之に趨り附きて、靈の諸病より救はるればなり。
十字架生神女讚詞
主よ、種なく爾を生みし者は爾の十字架の前に立ちて、母として哭きて云へり、哀しい哉吾が子、神靈の日、目を照す光線よ、如何ぞ吾が目より隱れたる、全能者よ、起きて、凡そ爾を眞の神及び人と承け認むる者に爾の光を輝かし給へ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
天の王は人を愛するに因りて地に現れ、人と偕に在せり、蓋淨き童貞女より身を取り、人の性を有ちて生れし者は、二の性にて一の位ある獨子なり、故に我等彼が實に全き神及び全き人なるを傳へて、ハリストス吾が神を承け認む、夫を識らざる母よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に祈り給へ。
聖入。本日の提綱。克肖者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第八調。
主よ、爾の克肖なる致命者は無形者に似る者と爲りて、祈禱と節制とを以て肉體の諸慾を逐ひ、奇跡を以て輝き、衆人の心を照せり。彼等の祈禱に由りて爾の民に大なる憐を與へ給へ。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
克肖なる致命者は誠實なる熱心を顯して、アリイ及びネストリイの異端を全く滅し、正敎の者の保護者と爲りて、衆人より光榮を受けたり。ハリストスよ、彼等の祈禱に因りて爾の民に大なる憐を與へ給へ。
句 神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。
克肖なる致命者よ、爾等は節制の動かざる星と顯れて、修道者の靈を照し、惡鬼の幽暗を逐ひ給へり。故に逝世の後に讚美せられて、凡そ爾の聖なる記憶を行ふ者の救はれんことを禱り給ふ。
光榮、第六調。
ハリストス我が神の克肖なる致命者よ、爾等福なり、爾等は克肖なり、義を愛して恩寵を承けしに因る、致命者なり、劍は爾等をハリストスの愛より離さざりしに因る、故に爾等は喜ぶ、天には爾等の報賞多ければなり。
今も、生神女讚詞。
至淨なる生神童貞女よ、爾に趨り附く者は一も恥を得て爾より出づるなし、卽恩寵を求めて、益ある求に適ふ賜を受く。
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾の釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奧密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて懸けられて、木の上に死する。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
我が先祖の神、常に爾の寬容に由りて我等に行ふ主よ、爾の仁慈を我等より離さずして、彼等の祈禱に因りて、我が生命を平安に治め給へ。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
爾等は地上の過ぎ易き逸樂を顧みず、世の華麗と暫時の樂とを忌みて、野に居ることを愛せり、此に由りて致命者及び修齋者の會に加へらるるを得たり、爾等の諸僕を救はんことを彼等と偕に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
女宰よ、ヘルワィムの座に坐し、父の懷に居る主は聖なる寶座に於けるが如く爾の懷に坐し給ふ、蓋神は人體を取りて、實に萬民の上に王と爲り給へり。我等今思を全うして彼を歌ふ、爾の諸僕の救はれんことを彼に祈り給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第八調。
福たる(某)よ、爾等は齋を以て授洗イオアンの風習及びフェスワのイリヤの德に效ひて、無形の者の如く度生し、諸天使と偕に聖三者を讚榮して、勇ましく惡鬼の攻擊に勝てり、故に又神妙に受難の功を立てて、盛にハリストス神の光榮を輝かし給へり。彼に祈りて、愛を以て爾等の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等萬族は爾童貞女、女の中に獨種なく身にて神を生みし者を讚揚す、蓋神性の火は爾の内に入り、爾は造成者及び主を幼児として乳にて養ひ給へり、故に天軍及び我等人類は宜しきに合ひて爾の至聖なる產を讚榮して、同心に爾に呼ぶ、ハリストス神に祈りて、熱切に爾の光榮を歌ふ者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
克肖なる諸致命者、修道士の敎師、天使等の對話者よ、我等爾等を讚美して、爾等の聖なる記憶を尊む。
拔萃聖詠
「我切に主を恃みしに、彼我に傾きて。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
光明なる諸神父よ、爾等は明に三者の光に輝かされて、逸樂の深き暗を棄て、神聖なる行を以て信者の心を照す燈と爲り、齋と苦とを以て福たる者と現れたり。故に我等は今日爾等の光を施す尊貴なる記憶を尊みて、同心に呼ぶ、神を傳へし至榮なる者よ、愛を以て爾等の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に禱り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
讚美たる者よ、爾は造物主の純潔なる聘女とし、贖罪主の夫に與らざる母とし、撫恤者を承くる器として、我自ら知りて不法の汚はしき居處及び惡鬼の玩弄と爲りし者を速に其惡計より脫れしめて、諸德の光明なる居處と爲し給へ。光を施す不朽なる童貞女よ、我が慾の雲を散じて、爾の祈禱を以て我を上の晩れざる光に與らしめ給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
克肖致命者の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第四調。
克肖なる致命者よ、爾等は輝ける光線にて己の靈を照し、ハリストスを己の心に有ちて、諸德を以て地上を装飾し、晩れざる日の如く異邦民を照して、致命者の華美を以て我等を飾り給ふ。
規程、第四調。
第一歌頌
イルモス 古のイズライリは足を濡らさずして海の紅の淵を渡り、野にてモイセイの十字形の手にてアマリクの力に勝てり。
至福なる者よ、爾等は齋に由りて光明なる者と爲り、爾等の血を流すに由りて神の光榮を輝かす燈と現れたり、故にハリストスの修齋者及び致命者と偕に喜び給ふ。
睿智者よ、爾等は先に己の淚の海に無形のファラオンを溺らし、後に血の流の中に之を沈めて、淪亾に付し給へり。
克肖なる諸神父よ、爾等は修齋者の生命を送りて、ハリストスの爲に屠られたり、我等は致命者を讚め揚げて、贖罪主我が神に歌はん、彼光榮を顯したればなり。
生神女讚詞
生神童貞女よ、本性にて萬有の内に容れられぬ主は爾の内に入り、慈憐に由りて地上の者と爲り給へり、其言ひ難き仁慈に緣りて地上の者を救はん爲なり。
第三歌頌
イルモス ハリストスよ、我等は智慧と能力と富裕とを以て誇るにあらず、乃爾、父と一性なる智慧を以て誇る、人を愛する主よ、爾の外に聖なる者なければなり。
福たる者よ、爾等は謙卑の心を以て神の悅を得、劍にて斬られ仆されて、敵の髙慢を仆し給へり。
睿智にして克肖なる致命者よ、爾等は未來の永生を仰ぎて、下に引く所の暫時なる朽つべき諸事を棄てたり、故に讚美せらる。
救世主よ、捧神者は爾の權能を誇と爲して、勇ましく惡敵の軍に勝ち、爾の爲に命を致して、二倍の功勞を顯しし者として榮冠を冠れり。
生神女讚詞
至聖なる神の言を生みし至淨なる者よ、我等爾無玷なる童貞女を讚美する者の靈と體とを聖にし給へ。
坐誦讚詞、第四調。
克肖なる者よ、爾等は地上に旅客及び寄寓者と顯れて、野に幕を張り、熱切に勤勞して、諸德の衣にて裸體を飾り、ハリストスの苦に效ふ者と爲りて、屠殺を忍び給へり。
光榮、今も、生神女讚詞。
我等罪なる賤しき者は今熱心にして生神女に趨り附き、伏し拜み、痛悔して心の底より籲ばん、女宰よ、我等を憐みて助けよ、我等多くの罪の爲に亾ぶるに因りて速に至り給へ、爾の諸僕を空しく返す勿れ、我等獨爾を賴とすればなり。
十字架生神女讚詞
童貞女及び牝羊は己より種なく生れし羔が十字架の上に戈にて刺されたるを見て、哀の矢に刺され、痛く哭きて呼べリ、此の新なる奧密は何ぞ、獨生命の主にして如何ぞ死する、求む、復活して、陷りし原祖を起し給へ。
第四歌頌
イルモス 敎會は爾義の日が十字架に擧げられしを見て、竝び立ちて正しく呼べり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
至福なる者よ、爾等は肉體の慾に服從せずして、敵を服從せしめ、劍にて殺されて、共に喜びて不死の生命に移されたり。
己の旨に由りて節制を以て死の先に己を殺しし克肖者よ、爾等は死の後にも生きんことを信じて、不法者より强ひて劍を以て殘酷に殺されたり。
諸神父よ、爾等は不法者より劍を以て殺されて、此の生命より離れたれども、出づる前に甚しき困苦を忍びて、已に世の爲に死者と爲り給へり。
生神女讚詞
永遠の神は童貞女より人體を取り、新なる嬰児と現れて、人類を新にし給ふ、我等彼に呼ばん、主よ、光榮は爾の力に歸す。
第五歌頌
イルモス 我が主よ、爾は光、信じて爾を崇め歌ふ者を闇き無智より引き出す聖なる光にして、世界に來り給へり。
爾等は美しき樂園と現れて、生命の樹たる主を爾等の中に有てり、彼は爾等の血を潔き祭として受け給へり。
捧神者よ、爾等は血の滴を淚に交へて、其流の中に凶惡なる蛇を沈め給へり。
福たる者よ、爾等は神の華麗を見るを得て、勤勞及び困苦に易へて永遠の樂を受け給へり。
生神女讚詞
潔き神の聘女よ、爾は言と智慧とに超えて神を生み、生みて後にも生む前の如く童貞女に止まり給へり。
第六歌頌
イルモス 憐に由りて爾の脅より流れし血にて惡魔の祭の血より淨められし敎會は爾に呼ぶ、主よ、讚揚の聲を以て爾を祭らん。
爾等は齋を以て世情より解かれ、受難の死を以て肉體より解かれて、主宰の過ぎ去らぬ華麗に召されたり。
爾等は髙尙なる度生を以て山の如く現れて、諸山と凡の造物とを滅さんと欲する者をハリストスの力に由りて己の足下に仆し給へり。
勇敢なる聖神父等よ、爾等は節制と勤勞とを以て肉體を制し、血を流してハリストスに捧ぐる祭と爲して、法に合ひて榮冠を受けたり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾に禱る、爾の眠らざる祈禱を以て我が諸慾の息まざる暴風を眠らせ、我に罪の重き眠を以て寢るを許す勿れ。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
神智なる克肖致命者よ、爾等は足を濡らさずして多くの浪を度り、爾等の淚の流の中に無形の諸敵を深く沈めて、奇跡の恩賜を受けたり。我等衆の爲に絕えず禱り給へ。
同讚詞
克肖なる致命者よ、爾等は生を施す死の狀を以てハリストス神の苦に效ひて、先には善なる齋に於て、後には受難に於て地上に肉體を殺せり、故にハリストスは致命者及び克肖者と同族なる爾等に二倍の榮冠を冠らせ、爾等の爲に天の居處、爾等が今喜びて樂しむ永遠の處を備へたり。求む、我等衆の爲に絕えず禱り給へ。
第七歌頌
イルモス アウラアムの少者はペルシヤの爐に在りて、焔よりも强く敬虔の愛に爇かれて呼べり、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
爾等は諸德の光線を以て光り、聖にせられし受難を以て輝きて、暮れざる光に移り、晝の子と爲り給へり。
聖なる者よ、爾等は甘じて世俗の逸樂を離れ、肉體を以て神妙に人人に現れし主に屬する者と爲りて、未來の不朽なる福樂を獲給へり。
捧神なる諸神父に受難者の程を終へしめて、彼等を爾の天の國に與る者と現しし神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
昔「マンナ」を納るる壺は爾己の腹に生を施す「マンナ」を納れし者を實に明に預象せり、至りて無玷なる女宰よ、爾は女の中に祝福せられたり。
第八歌頌
イルモス ダニイルは獅子穴に在りて手を伸べて、獅子の口を閉し、敬虔の篤き少者は德を帶び、火の力を消して呼べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
修齋の德に飾られたる克肖なる致命者の大なる會は今日衆を以て彼等を讚め揚ぐる會と爲し、且彼等と偕にハリストスを歌はしむ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
爾等は羔の如く立ちて、苛虐者の劍にて斬られ、屠られし言に完全なる祭として獻げられ、冢子の居處に現れて歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
克肖者よ、爾等は體と靈とを主に奉りて、節制と修齋との功勞を立て、血の流を以て迫害者の惡の海を涸らして歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
生神女讚詞
神の恩寵を蒙れる潔き者よ、爾に緣りて始の樂園は復開かれ、始に定罪せられたる人は其中に入れられ、實に神成せられて呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
第九歌頌
イルモス 童貞女よ、手にて斫られざる隅石ハリストスは、爾斫られざる山より斫り分けられて、離れたる性を合せ給へり、故に我等樂しみて、爾生神女を崇め歌ふ。
皆來りて、聖にせられし克肖なる諸神父、敬虔を以て野に及び洞に居り、勇敢を以て苦を受けし者を大聲に讚め揚げん。
修齋者受難者よ、爾等の勤勞は讚美たる哉、爾等の戰、此を以て詭譎者を斃しし者は奇妙なる哉、爾等の苦、法に遵ひて之を受けて、此に因りて榮冠を冠りし者は奇異なる哉。
爾等の聖なる記憶は爾等がハリストスの爲に盡しし勤勞の光線にて輝き、全能なる聖神゜の恩寵に因りて衆人の心を照す。
生神女讚詞
至淨なる女宰よ、ヘルワィム等は言ひ難く彼等の上に坐し給ふ言、萬物より上なる主が幼児として爾の母たる手に抱かるるを見て驚く。
光耀歌
諸神父の譽、致命者の光榮たる奇異なる克肖致命者の大數の神父等よ、爾等は節制の勤勞を以て惡の魁たる蛇を全く殺し、終に至りて致命の榮冠を受け給へり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾の產の智慧に超ゆる至榮なる奇跡は凡の天使と人人の智慧とを驚かす、爾は童貞女にして生み、生みて後前の如く童貞女に止まり給へり、嗚呼神妙なる奧密、嗚呼奇異にして至榮なる產や。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
我等は欣ばしく睿智なる致命者、克肖なる諸神父を歌はん、蓋彼等はハリストスの命に從ひて、凡の汚らはしき奉事を廢し、聖を以て敬虔を以て神に役事し、勇敢にして迫害者の面前に惟一の神及び主を承け認めて、上より榮冠を受けたり。
讚美たる者よ、爾等は下に引く度生の逸樂と榮華とを暫時の者として遺て、ハリストスの華麗に熱して彼に著き、芳しき花の如く榮え、不朽の國の榮冠にて美しく飾られたり。
偶像の汚らはしき迷を勇ましく棄てて、迫害者の無智を辱かしめし者よ、爾等は世を厭ひて、世より上なる者と現れ、冢子の敎會に合せられて、神の前に立ちて、諸天使と偕に絕えざる歌を歌ふ。
光榮、第六調。
福たる克肖致命者よ、爾等は潔淨の衣にて飾られ、神聖なる祈禱にて照され、童貞女より生れしハリストスの己の内に居るを有ちて、此の世の愛に心を奪はれず、肉慾の逸樂に己を委ねざりき、乃勇ましく火の中に入りて、神聖なる火を以て暫時の苦しむる火を滅し給へり。求む、我等も地獄の永遠の火を免れん爲に祈り給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の靈の救の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
救世主よ、潔き童貞女爾の母が至りて不法なる人人の非義に爾を木に釘するを見る時、シメオンが預言せし如く、其靈は劍にて刺されたり。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十編 一人の致命女の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
光榮なる致命女、讚美たる(某)よ、爾は童貞の華麗及び致命の血を以て爾の靈を飾りて、己を造成主に委ね、彼に實に無玷の者として永遠に護られ、此に由りて天使首及び天使の軍、幷に使徒、預言者、致命者の會と偕に歡びて祝ふ。
童貞女よ、爾は刃輪に繫がれ、猛獸に裂かれ、火と水とに投ぜられて、聖神゜に藉りて爾の心を堅固にし、勇ましく幽暗の魁を血の流の中に沈めて、靈智なる婚筵の宮に升り、受難を結納として爾の新娶者に捧げたり。
讚美たる(某)よ、爾は新娶者ハリストスの血に聖にせられて、爾の血を以て肉體の衣を飾りたり、斯の二に照されて、彼の光明なる婚筵の宮に入るを得たり。彼に禱りて、信を以て爾の最尊き記憶を行ふ者が亾滅と諸の禍より救はれんことを求め給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる少女よ、我爾を主に眠らざる祈禱を捧ぐる者として禱る、我が不當なる靈の諸害を眠らせ、激浪を鎮め、我が憂ふる心を慰め、我の智慧に恩寵を降し給へ、我が宜しきに合ひて爾を讚榮せん爲なり。
十字架生神女讚詞
爾を生みし牝羊は爾羔及び牧者が木の上に在るを見し時、哭きて母として爾に謂へり、至愛なる子、恒忍なる主よ、如何ぞ爾は十字架に懸けられたる、言よ、如何ぞ爾の手と足とは不法の者より釘せられたる、主宰よ、如何ぞ爾の血を流したる。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
勝たれぬ受難女及び致命女たる童貞女(某)は諸德を妝はれ、潔淨の油と受難の血とに飾られ、欣ばしく燈を執りて、救世主の右に立ちて彼に呼べり、ハリストス神よ、我爾の香料の香を聞きて趨れり、爾を愛する愛に刺されたればなり、天の新娶者よ、我を退くる勿れと。全能の救世主よ、彼の祈禱に由りて爾の仁慈を我等に被らせ給へ。
今も、 生神女讚詞
至淨なる生神童貞女よ、爾に趨り附く者は一も恥を得て爾より出づるなし、卽恩寵を求めて、益ある求に適ふ賜を受く。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は爾が十字架に懸れるを見て、母として哭きて呼べり、吾が子及び吾が神、吾が甘愛なる產よ、如何ぞ爾は恥づべき苦を忍ぶ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞第六調を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱。致命者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第四調。
神智にして光榮なる致命女よ、爾は雄雄しき心を以て迫害者の驕、强暴者の殘酷に抗敵せり、世世に過ぎ去らぬ將來の福の樂を預見したればなり、爾は地より天の宮に移り、凱旋の會に加はりて、之を獲給へり。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
福たる者よ、爾は己の新娶者たるハリストスの言ひ難き華麗と其國の榮華とを觀るに勝ふる者と爲り、爾の勇ましき苦の傷に飾られて、宜しきに合ひて福の泉に近づきたり、此に由りて豐に神聖なる樂と不死の光榮とを獲給へり。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
至榮なる者よ、畏るべき恐嚇も、婦女の弱きも、飢も、傷も、爾が致命者の勇敢に效ふを妨げざりき、爾は熱切なる心を以て種種の苦を忍び給へり、此に由りて天の宮に入り、恩寵の冠に飾られて、爾の造成主の前に立ち給ふ。
光榮、第五調。
多くの苦を忍びたる尊き致命女(某)よ、光榮の王ハリストスは爾の童貞の華美を慕ひて、爾を無玷なる新婦として己に聘定せり、蓋己の旨を以て爾の德に力を與へ、爾を諸敵と苦難とに勝たれぬ者と爲し、傷ましき創痍と殘酷なる苦とを忍びたる爾に二倍の榮冠を冠らせて、爾を妝はれたる女王として己の右に立て給へり。彼に禱りて、爾を歌ふ者に救と、生命と、大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、我等信者は爾を讚美し、職として爾動かされぬ城邑、壞られぬ垣墻、我等の靈の堅固なる轉達者及び避所を讚榮す。
十字架生神女讚詞
昔至福なる童貞女は己の羔の十字架に擧げられしを見て、哭きて呼べり、嗚呼吾が子よ、如何ぞ爾は本性の不死なる神にして死する。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第四調。
イイススよ、爾の牝羊(某)は大なる聲を以て呼ぶ、吾が新娶者よ、我爾を愛し、爾を尋ねて苦しみ、爾と偕に十字架に釘せられ、死に於ける洗を以て爾と偕に葬られ、爾の爲に難を受く、爾に緣りて王たらん爲なり、爾の爲に死す、爾と偕に生きん爲なり、求む、愛を以て爾の爲に屠られし我を無玷なる祭として享け給へと。彼の祈禱に因りて、仁慈なる主として我等の靈を救ひ給へ。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
神智なる尊き致命女(某)よ、爾は敬虔を以て全能者に服從して、不虔なる迫害者に服從せず、獄に閉さるることと劇しき苦とを勇ましく忍耐して、神に移り給へり。爾の記憶を行ふ我等の爲に禱り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
爾に趨り附く者の熱切にして勝たれぬ轉達者、堅固にして恥を得ざる恃賴、垣墻と帲幪と湊なる潔き永貞童女よ、諸天使と偕に爾の子及び神に祈りて、世界に平安と救と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
尊貴なる(某)よ、爾は聖神゜の露を以て苦の火を滅して、神聖なる無形の光に移り、爾の福たる逝世の後に醫治の流を注ぎて、屬神゜の力を以て諸慾の燃ゆるを遏め給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾の諸僕の禱を納れて、我等を凡の患難より救ひ給へ、爾はハリストス救世主、我が靈の贖罪主を生みたればなり。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
ハリストスの致命女(某)よ、我等爾を讚揚して、爾がハリストスの爲に忍びし尊貴なる苦を尊む。
拔萃聖詠
「神は我等の避所なり、能力なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第四調。
自由にハリストスに來り、諸德を以て心を飾りたる(某)を我等信者の大數は宜しきに合ひて歌はん、蓋彼は迫害者の强暴を辱かしめて、不法の者の中に日の如く輝き、逝世の後に地上の者の爲に神聖なる國及び力と現れたり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
天使の福音に因りて爾の胎内に言を受けて、身を取り給ひし神エムマヌイルを生みたる生神女よ、我等の靈の爲に禱り給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
「凡そ呼吸ある者」
致命女の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。卽「主よ爾に籲ぶ」の光榮。
至淨なる少女よ、我爾を主に眠らざる祈禱を捧ぐる者として禱る、我が不當なる靈の諸害を眠らせ、激浪を鎮め、我が憂ふる心を慰め、我の智慧に恩寵を降し給へ、我が宜しきに合ひて爾を讚榮せん爲なり。
規程、第八調。
第一歌頌
イルモス 我等其民をして紅の海を過らせし主に歌はん、彼獨嚴に光榮を顯したればなり。
讚美たる少女は奇跡を以て天上の軍と地上の會とに彼を歌頌することを勸む。
讚美たる者よ、萬有の主宰は爾の最美しき心の華麗を慕ひて、爾に天上の宮に入るを得しめ給へり。
致命女よ、爾は畏るるなく己を多種の創痍と、痛傷と、苦とに付せり、爾を助けて堅むる救世主の恩寵を有ちたればなり。
生神女讚詞
至淨なる生神女よ、我等は爾身を取りし永在の神の言を性に超えて生み給ひし者を歌ふ。
第三歌頌
イルモス 主よ、爾は爾に趨り附く者の固、爾は昧まされし者の光なり、我が神゜は爾を歌ふ。
讚美たる者よ、爾は勇敢なる靈を有ち、裁判所に現れて、敵を勇敢なき者として之に勝ち給へり。
爾の華美の内に玷なく、爾の靈の内に汚なきに由りて、ハリストスは爾を新婦として、不朽なる宮に入れ給へり。
ハリストスの讚美たる致命女(某)よ、爾の祈禱を以て吾が靈の傷を醫し、我が生命の暴風を鎮め給へ。
生神女讚詞
聘女ならぬ聘女よ、我等衆「ハリスティアニン」は爾を我が避所及び垣墻として獲て、黙すなく爾を讚頌す。
坐誦讚詞、第八調。
ハリストスの讚美たる致命女よ、爾の血の流は不虔者を溺らす洪水と爲り、爾は恩寵の雨を以て常に靈智の田を濕して、其内に信の穗を生長せしめ、死の後にも爾は神妙に生命を養ふ雨雲と顯れ給へり。讚美たる受難女(某)よ、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に禱り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
我等萬族は爾童貞女、女の中に獨種なく身にて神を生みし者を讚揚す、蓋神性の火は爾の内に入り、爾は造成者及び主を幼児として乳にて養ひ給へり、故に天軍及び我等人類は宜しきに合ひて爾の至聖なる產を讚榮して、同心に爾に呼ぶ、ハリストス神に祈りて、熱切に爾の光榮を歌ふ者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
牝羊は羔、牧者、及び贖罪主の十字架に在るを見て、哀しみて呼び、痛く哭きて言へり、爾に緣りて贖罪を受くる世界は喜び、吾が心は爾の大なる仁慈に由りて忍ぶ所の十字架の苦を見て燬かる。恒忍なる主、仁慈の淵、及び汲み盡くされぬ泉よ、慈憐を垂れて、信を以て爾の神聖なる苦を歌ふ者に諸罪の赦を與へ給へ。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が攝理の祕密を聆き、爾の作爲を悟り、爾の神性を讚榮せり。
致命女よ、爾は己を神の睿智の無玷なる鏡と爲して、受難女の間に金色の燈として耀き給へり。
勝たれぬ致命女(某)よ、爾は闇黑なる惡鬼に祭を捧げざりき、敬虔の爲に生を施す死を受けんことを肯じたればなり。
無玷なる者よ、爾は他の致命者と同じく痛傷に與らざるが如き身を有ちて、神を愛するの熱きに由りて創痍を感ぜざる者と止まれり。
生神女讚詞
神よ、爾獨罪なき者として、爾を生みし者の祈禱に因りて、我等の諸罪を潔め、爾の世界を平安ならしめ給へ。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙に興きて爾に籲ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず。
爾は光と世との相敵するを見て、世の君たる惡鬼を愛する欲せざりき。
致命女(某)よ、至りて凶惡なる者は惡計を以て爾の神聖なる力を弱めんと謀りて、哂と爲れり。
讚美たる者よ、爾の祈禱を以て我に光照と平安とを與へて、我が甚しく亂れたる心を治め給へ。
生神女讚詞
生神女よ、我等は爾を產の後に童貞女と歌ふ、爾は身にて世界の爲に神を生みたればなり。
第六歌頌
イルモス 光を衣の如く衣る慈憐の深きハリストス我が神よ、我に光明の衣を予へ給へ。
光榮なる者よ、爾は女の身の中に靈の雄雄しき思を有ちて、猛獸と諸の苦とを意とせざりき。
勝たれぬ致命女よ、爾は害せられずして、迫害者の髙慢に勝ちて、勝利の榮冠を受け給へり。
至榮なる者よ、新娶者たる主は爾を德行の者、華麗の者、尊貴の者、童貞の光に輝く者として、己の許に攜へ給へり。
生神女讚詞
獨福音の言に緣りて言を身にて生みし者よ、祈る、我等の靈を敵の網より脫れしめ給へ。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
髙名なる童貞女致命女(某)よ、我等衆信者は爾の至尊なる堂を靈を醫す處として獲て、大聲を以て爾に呼ぶ、ハリストス神に絕えず我等衆の爲に禱り給へ。
同讚詞
我等集まりて、致命を以てハリストスの新婦と爲りし(某)を宜しきに合ひて尊まん、彼の祈禱に因りて、靈を害する諸事、及び疫病、地震、水難、火難等の禍を免れ、平安に生を送りて、古世より神の悅を得たる諸聖人と偕に光の中を行き、且彼等と偕に歌ひて、救世主よ、爾は凡そ信を以て彼を讚め揚ぐる人人の上に爾の仁慈を奇妙に顯せりと唱ふるを得ん爲なり。故に我等彼に呼ぶ、絕えず我等衆の爲に禱り給へ。
第七歌頌
イルモス 昔ワワィロンに於てイウデヤより來りし少者は、聖三の信を以て、爐の㷔を蹈みて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
神聖なる致命者の智慧に超ゆる勇氣は現れたり、蓋萬有の造成主は、苦の中に、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらると呼ぶ者に造物を服せしむ。
髙名なる少女は聖神゜に因りて迫害者の空言の口を塞ぎ、至りて不法なる者の驕を仆して、敬虔に歌へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
昔克肖なる三人の少者は爐を燃しし諸僕を焚きたり、今神智なる者は三者を歌ひ諸僕を捕へて、先祖の神を歌はしめたり、神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
救世主よ、爾は我等の救を行はんと欲して童貞女の胎内に入り、之を世界の轉達者と爲し給へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 天使の軍の歌ふ所の天の王を崇めて、萬世に讚め揚げよ。
女の中に至福なる者は至上者より報賞の恩寵を蒙りて、ハリストスを萬世に歌ひて崇め讚む。
爾は新郎に於ける思にて堅められ、熱切に肉體を死に付して、萬世に生き給ふ。
新郎は奧密に至淨なる新婦に爐の中に來りて、父の惠に因りて聖神゜の露を以て彼を救ひて、世世にハリストスを歌はしむ。
生神女讚詞
童貞女よ、爾に助を求めて、爾を世世に歌ひて讚め揚ぐる者を棄つる勿れ。
第九歌頌
イルモス 爾至上の神の婚姻に與らざる母、爾智慧に超えて言に因りて眞の神を生みし者、至淨なる軍より髙き者を、我等默さざる讚美を以て崇め讚む。
讚美たる致命女よ、活ける血の流るるは上より爾に賜はりたる不朽の生命の徵なり、蓋爾は汲む者の爲に醫治の盡きざる泉と現れたり。
神智なる者よ、死が性の法に由りて爾に觸れたるに、爾は生を施す死の狀を衣、爾の最尊き身を脫ぎて、不朽に活き給ふ。
髙名なる(某)よ、我等皆爾を衆を照す日の光線とし、ハリストスの至りて美しき新婦とし、潔淨を愛する班鳩とし、實の繁き橄欖樹とし、香しき杉とし、選ばれたる鴿として讚め揚ぐ。
生神女讚詞
婚姻に與らざる聘女、香料の器、天の雨を降らす神聖なる輝ける雲を胎内に承けし至りて潔き童貞女、眞の神の母よ、我等爾を崇め讚む。
光耀歌
(某)よ、爾は諸德を以て新婦の如く飾られ、受難を以て新郎に聘定せられ、選ばれたる者として、童貞の燈を執り、光明なる宮の中に入りて、今輝きて、世世に存在する主と偕に王たり。
生神女讚詞
嗚呼至淨なる童貞女よ、我等衆罪なる者は爾を轉達として有つ、爾の母たる祈禱を以て、爾の子を我等の爲に寬容なる者と爲し給へ。
「凡そ呼吸ある者」に自調の讚頌、第三調。
我等信者は敬虔に行はるる受難者の慶賀を見て、議定に於て奇異なる我等の神に感謝の歌を奉らん、蓋彼は女の性に敵の力の見えざる攻擊に勝つを賜ひ、致命女の柔弱の中に己の神聖なる力を顯して、彼の祈禱に由りて我等の靈を救ひ給ふ。二次
ハリストスの讚美たる致命女(某)は其受難の血を以て眞實を盈つる爵を備へて、常に之を敎會に進め、睿智の聲を以て敎會の諸子を呼び集めて言ふ、復活を證する飮料、惡敵を逐ひ、諸慾を潔め、敬虔の靈を養ふ者を斟みて、救世主に呼べ、屬神゜の甘味の流を我等に飮ましめし主よ、我等の靈を救ひ給へ。
生を施すハリストスの血、贖罪の日に於て神の諸僕に印せらるる者を形り、且救世主の永在の光榮を示す所の致命者の泉より我等に流れたる聖なる血を我等尊みて、樂しき心を以て呼ばん、爾の聖者の中に榮せらるる主よ、爾の至榮なる受難女の祈禱に因りて我等の靈を救ひ給へ。
光榮、第六調。
至尊なる(某)よ、爾は受難の程を行きて、迫害者の勸を避け、智なる童貞女として燈を執りて、爾の主の庭に入り、勇敢なる致命女として肉體の苦を醫す恩寵を受け給へり。求む、爾を歌頌する我等をも神に奉る爾の祈禱を以て靈の諸病より救ひ給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の靈の救の爲に祈り給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は爾が十字架に懸れるを見て、母として哭きて呼べり、吾が子及び吾が神、吾が甘愛なる產よ、如何ぞ、爾恥づべき苦を忍ぶ。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十一編 二人或は多人の致命女の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
聖なる童女等は天性の法に緣りて結合せられ、造成主を愛する愛に緣りて强く堅固にせられて、信を以て肉體の結を解かれ、不能なる敵を雄雄しく己の足下に踐みて、勝利の尊榮にて光明に飾られ、無形なる婚筵の宮に入りて喜び給ふ。
至尊なる者等は信の眼を以て新郎の最美しきを仰ぎて、火と、多種の苦と、死とを忍び、種種の傷に飾られて、彼に合せられたり。故に仁愛なるイイスス、我等の靈の救主は多くの恩賜を彼等に冠らせ給へり。
美善なる童女等よ、爾等は不朽の童貞、尊き童貞をハリストスに獻げて、十字架の力と雄雄しき心とを以て無神の驕と迷とを破り給へり。故にハリストスの諸敎會は爾等の光明にして至榮なる記憶を祭る。
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる少女よ、我爾を主に眠らざる祈禱を捧ぐる者として禱る、我が不當なる靈の諸害を眠らせ、激浪を鎮め、我が憂ふる心を慰め、我の智慧に恩寵を降し給へ、我が宜しきに合ひて爾を讚榮せん爲なり。
十字架生神女讚詞
爾を生みし牝羊は爾羔及び牧者が木の上に在るを見し時、哭きて母として爾に謂へり、至愛なる子、恒忍なる主よ、如何ぞ爾は十字架に懸けられたる、言よ、如何ぞ爾の手と足とは不法の者より釘せられたる、主宰よ、如何ぞ爾の血を流したる。
若し之あらば、自調。光榮、第八調。
凡の舌は動きて至榮なる致命女を讚美すべし、凡の族と年齢、衆少者と處女はハリストスの大致命女に讚歌を捧ぐべし、蓋彼等は法に遵ひて戰ひ、女の柔弱を退けて、迫害者なる敵を斃し、受難の勞苦の爲に天の神妙なる榮冠に飾られて、其新郎及び神に祈りて、我等に大なる憐みを賜はんことを求め給ふ。
今も、 生神女讚詞
女宰よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の災禍と憂愁より救ひ給へ。
十字架生神女讚詞
言よ、至淨なる者は爾が身にて十字架に懸れるを見て、心裂かれて泣きて呼べり、至愛なる主イイスス吾が子よ、何處にか隱るる、ハリストスよ、我爾を生みし者を獨として遺す毋れ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
天の王は人を愛するに因りて地に現れ、人と偕に在せり、蓋淨き童貞女より身を取り、人の性を有ちて生れし者は、二の性にて一の位ある獨子なり、故に我等彼が實に全き神及び全き人なるを傳へて、ハリストス吾が神を承け認む、夫を識らざる母よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に祈り給へ。
聖入。本日の提綱。致命者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第四調。
天使の品位は爾等の心の勵と、神聖なる愛と、受難とに大に驚きたり、如何にして爾等は勇ましく戰ひ、見えざる敵を斃して、生を施す手より宜しきに合ひて嚴に勝利の榮冠を受けたる。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
恩寵に聖にせられし受難女よ、爾等は燃える心を以て空しき㷔を滅して、ハリストスの爲に死し、靈の燈を滅さるるなく守りて、天の宮にハリストスの許に入り給へり。故に我等皆敬虔に爾等の記憶を歌頌す。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
讚美たる受難女よ、爾等は多くの苦を忍びて後に、病なき處に移りて、隱れざる光に入り、光明なる歡喜と永遠の神聖なる樂とを得たり。故に我等は爾等を讚美して、今日爾等の聖なる慶賀を行ふ。
光榮、第四調。
讚美たる者よ、爾等は下に引く度生の逸樂と榮華とを暫時の者として遺て、ハリストスの華麗に熱して、苦を以て彼に著き、芳しき花の如く榮え、不朽の國の榮冠にて美しく飾られたり。
今も、生神女讚詞。
滅されぬ燈、義なる王の寶座たる至淨なる女宰よ、我等の靈の救はれんことを禱り給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第一調。
靈智なる牝羊、奇異なる者よ、爾等は馳すべき程を盡し、信を守りて、受難に因りて羔及び牧者たるハリストスに攜へられたり、故に我等今日欣ばしき靈を以て爾等の聖なる記憶を行ひて、ハリストスを崇め讚む。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
常に記憶せらるる福たる受難女よ、爾等は神聖なる愛の火に燃えて、聊も物質の火の觸るるに由りて悩まされず、迷を焚き盡して、殘酷に曳かれて終を受け、光榮を得給へり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
婚姻に與らざる祝福せられしマリヤ、失望せし人人の避所、神の居處よ、我等常に惡なる無道に迷ひて、至仁なる主を怒らしむる者を痛悔の道に向はしめ給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
生を施す主の新婦たる童貞女、信の爲に戰ひし者よ、天上の軍の無形の品位は爾等の大なる忍耐に驚きたり、蓋爾等は他人の身に於けるが如く苦を受け、脛と節とを壞られ、苦しき死を忍びて、婦女の柔弱を以て反離者たる蛇を破り給へり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾の聘定者及び保護者たるイオシフは性に超える爾の種なき胎孕に驚きて、念を羊の毛に降りし雨、火に焚かれざる棘、芽を出だしたるアアロンの杖に注ぎて、司祭等に向ひて證して呼べり、童貞女は生む、生みて後復童貞女に止まる。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
ハリストスの致命女よ、我等は爾等を讚揚して、爾等がハリストスの爲に忍びし尊貴なる苦を尊む。
拔萃聖詠
「神は我等避所なり、能力なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
致命女童女等よ、爾等は神に適ふが如く主の新婦と爲りて、禮物として彼に血と屠殺とを捧げ、宜しきに合ひて神聖なる婚筵の宮に入るを得て、常に言ひ難き光照に滿てらる。故に我等敬虔に爾等の聖なる尊き記憶を行ひ、救世主を讚榮して熱信に呼ぶ、愛を以て爾等の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に禱り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
ハリストスよ、爾の無形なる軍、爾の前驅、使徒、預言者、致命者と衆聖人、及び夫に與らざる至善なる爾の母生神女の祈禱に由りて慈憐を垂れて、我等に爾の光の中を行かしめ、爾の大なる仁慈に由りて爾の國に入るを得しめ給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
「凡そ呼吸ある者」
致命女の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第四調。「讚美たる者よ、爾等は下に引く度生」挿句の光榮に載す。
讚美たる者よ、爾等は下に引く度生の逸樂と榮華とを暫時の者として遺て、ハリストスの華麗に熱して、苦を以て彼に著き、芳しき花の如く榮え、不朽の國の榮冠にて美しく飾られたり。
規程、第四調。
第一歌頌
イルモス 我が口を開きて、聖神゜に滿てられ、言を女王母に奉り、樂しみ祝ひ、喜びて其奇迹を歌はん。
致命女よ、爾等先には齋を以て、後には血を流す受難を以て强く惡敵と戰ひ給へり、故に我等信を以て爾等の記憶を尊む。
克肖なる致命女よ、爾等は我等の爲に十字架と死とを忍びし主を愛する愛に刺されて、身の柔弱を忘れて、彼の後に從ひ給へり。
至尊なる致命女よ、爾等は受難の武器を以てエㇽリンの祭壇と惡鬼の軍とを斃して、活ける全燔として天上の敎會に獻げられたり。
生神女讚詞
純潔なる者よ、童貞女等は爾の胎内より輝き出でたる主の恩寵に堅められて、殘酷なる苦に己を付して後、喜びて爾に從ひて主の前に攜へられたり。
第三歌頌
イルモス 强き者の弓は弱み、弱れる者は力を帶びたり、故に我が心は主の中に堅められたり。
爾等は神より强き力に堅められて、戰ふ敵の力を踐みたり、故に勝たれぬ勝利者として光榮を獲給へり。
ハリストスの神聖なる力に因りて猛獸の口は無能と爲り、神智なる者は害なく救はれて、光榮を神に歸せり。
救世主の受難者よ、爾等は睿智と恩寵とを以て靈を照し、神の力に堅められて、迫害者の激しき怒を畏れざりき。
生神女讚詞
我等は眞正に悟りて、爾純潔なる者を眞の神の母と傳ふ、蓋爾に緣りて造成主は我等と合せられたり。
坐誦讚詞、第一調。
讚美たる致命女よ、我等は爾等を奇跡の泉として獲て、饒に壮健を汲みて、爾等の苦と、神聖なる熱心と、勇ましく受けたる創痍と、功勞とを歌ひ、爾の奇異なる記憶を行ひて、我等の神を讚榮す。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の患難より救ひ給へ、爾はハリストス救世主、我等の靈の贖罪主を生みたればなり。
十字架生神女讚詞
至淨なる者よ、我等衆爾の轉達を有ちて、爾の祈禱に因りて諸難より救はれ、爾の子の十字架を以て諸方に護られて、職として敬虔に爾を崇め讚む。
第四歌頌
イルモス 光榮の中に神性の寶座に坐するイイスス神は、輕き雲に乘るが如く、朽ちざる手に抱かれ來りて、ハリストスよ、光榮は爾の力に歸すと呼ぶ者を救ひ給へり。
奇異なる者よ、爾等は多種の苦、肉體の創痍、百體の壞らるること、火に焼かるることを忍びしに因りて、天の居處を嗣ぎて、生命の樹の果を樂しみ給ふ。
天の軍は福たる致命女の功勞を奇とせり、如何にして女の性を以て童貞女より輝きし主の力に堅められて、敵に勝ちたる。
ハリストスの堅忍なる新婦よ、爾等は世の虛しきを悉く棄てて、靈を全うして獨神に己を捧げたり、故に齋の勤勞と受難とを忍び給へり。
生神女讚詞
至りて無玷なる者よ、昔預言者の言ひし事に應ひて、雨が羊の毛に降りし如く、主は爾の胎内に降りしに、爾は彼を二性の者として生み給へり、我等彼に呼ぶ、ハリストスよ、光榮は爾の力に歸す。
第五歌頌
イルモス ハリストスよ、不虔の者は爾の光榮を見ざらん、惟我等は夜より寤めて、爾神の獨生子、父の光榮の煇煌、人を愛する主を崇め歌ふ。
爾等は無玷なる牝羊の如く、欣ばしき祭の如く、完全なる禮物、嘉く納れらるる全燔としてハリストス眞の牧者に捧げられたり。
致命女よ、爾等は十字架と、死と、自由なる苦とを忍びて、死の力を滅しし主に效ふ者と爲りて、體にて殺され、靈にて活ける者と爲り給へり。
神智なる者よ、爾等は多くの身體の中に惟一の智慧を有ちて、鐵搭にて裂かれ、火に焚かれて、萬衆の惟一の主イイススを承け認めたり。
生神女讚詞
獨至りて無玷なる童貞女、神主宰、恩寵を以て先に離れたる者を合せし主を生みし者よ、諸慾の穴に陷りたる我を起して、我を治め給へ。
第六歌頌
イルモス 憐に由りて爾の脅より流れし血にて惡魔の祭の血より淨められし敎會は爾に呼ぶ、主よ、讚揚の聲を以て爾を祭らん。
原母は先に誘惑を以て彼を樂園より逐ひ出しし蛇の壞られて、女の足に踐まるるを見て、熱切に悅ぶ。
爾等は法に遵ふ苦に齋を加へ、不朽に靈の新郎に合せられて、今樂しき靈を以て天の宮に居り給ふ。
髙く揚げらるる苦の浪は致命者の舟を沈むる能はざりき、蓋此等は强き手に導かれて、神聖なる港に到れり。
生神女讚詞
神の母よ、我等は爾の言の應へるを見て、更に多く爾及び爾を大なる者とせし主を崇め讚む、蓋實に今萬族は爾を讚揚す。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
我等ハリストスの受難女の記憶を祭りて、信を以て助を求め、衆を凡の憂より救はんことを禱りて呼ぶ、己の旨に合ひて彼等を榮せし我等の神は我等と偕にす。
同讚詞
ハリストスの致命女よ、我等は爾等を奇跡の泉として獲て、饒に壮健を汲みて、爾等の苦と、神聖なる熱心と、勇ましく受けたる創痍と、功勞とを尊み、爾等の奇異なる記憶を行ひて呼ぶ、己の旨に合ひて彼等を榮せし我等の神は我等と偕にす。
第七歌頌
イルモス 火の中に爾がアウラアムの少者を救ひ、義の審判を被れるハルディヤ人を滅しし讚美たる主、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
ハリストスの牝羊よ、爾等は心の眼を救を賜ふ神及び王に注ぎて、惡敵の軍に遇ひ、雄雄しく之に勝ちて呼べり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
致命女よ、爾等は全き望を獨主宰に屬し、世界の榮華を夢の如く見て呼べり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
我等は倦むべからず、視よ、婚筵の宮は啓かれたり、彌勇みて立たん、蓋ハリストスは手を伸べて榮冠を賜ふ、我等の身を惜しむべからずと、勇敢なる致命女は裁判所に在りて呼べり。
生神女讚詞
恩寵を蒙れる潔き者よ、爾の祝福せられたる腹の果は祝讚せらる、天の軍と人人の會とは彼を祝讚す、我等を始の詛より解きたればなり。
第八歌頌
イルモス 生神女の產は敬虔の少者を爐の中に守れり、其時に預め徵され、今已に應ひし此の產は全世界に勸めて爾に歌はしむ、造物は主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
爾等は受難の血を流すを以て、罪に由りて朽ちたる人を實に脫ぎて、光明なる衣を衣て歌へり、造物は主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
讚美たる致命女よ、爾等は無神の夜を過りて、無形の日の至りて光明に輝く光の中に在りて、靈を一にして歌ふ、造物は主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
致命女よ、爾等は牝羊の如く、無垢なる牝牛の如く、神の牝鴿の如く、自由なる祭の如く、無玷の禮物として造成主に獻げられて、同心に歌ふ、造物は主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
生神女讚詞
至淨なる神の聘女、獨婚姻に與らざる者よ、受難者たる女等は芳しき香料たる爾の獨生の子、爾の胎内より輝き出でし主を慕ひて、爾の後に趨りて、實に爾と偕に王となりて、ハリストスを世世に歌ひ讚む。
第九歌頌
イルモス エワは不順を病みて、詛を入れたり、爾は、童貞生神女よ、己の產にて世界の爲に祝福の華を發けり、故に我等皆爾を崇め讚む。
至榮なる致命女は泉よりするが如く、求むる者に醫治の滴を注ぎ、病の苦を鎮め、惡鬼の軍を逐ひ、神を愛する者の心を沾して、善行の果を繁く結ばしむ。
神の聘女よ、爾等は擧げられて、敵に對して力を受け、諸天使に似たる者と爲りて、樂園に礙なく生命の樹の果を樂しみ、萬善の泉の傍に在りて、世界の爲に祈り給ふ。
受難女よ、爾等の記憶は恩寵の神聖なる光に輝きて、爾等を讚め揚ぐる者の思を照す。
生神女讚詞
睿智の居處、活ける寶座及び門たる至りて潔き童貞女よ、爾の大なるは智慧に超ゆ、故に女等は爾を女王として愛し、童女等は爾の後に從ひて主の前に攜へられたり。
光耀歌
捧神者よ、爾等は新郎の華麗を見んことを望みて、悉くの妨害に勝ちて彼に至り、死に屬する身に在りて不死を證し給へり、故に宜しきに合ひて讚美せらる。
生神女讚詞
ハリストスよ、爾光榮を以て世界を審判せん時、我を宥め給へ、爾を生みし者と、爾の尊き致命女との祈禱に由りて、我が諸慾の幽暗を散じ給へ、爾は至善にして大仁慈なる主なればなり。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
血の流にて己を飾りたる童貞女、讚美たる致命女よ、爾等は華麗の最美しきハリストス我等の神に不朽に合せられたり、彼は爾等の無玷なる童貞を不朽なる婚筵の宮、天の居處、手にて造られざる殿に護り給ふ。二次
讚美たる致命女、三者の爲に戰ひし者よ、爾等は柔弱なる身と健全なる智慧とを有ちて、神゜の力を以て惡の魁たる昔の蛇に勝ちて、その力の弱きを顯したり、故に勝利の榮冠を受け給へり。
讚美たる受難者よ、爾等は百體寸斷せられ、火に焚かれ、鐵搭にて割かれ、木に懸けられ、劍にて斬られて、ハリストスを諱まざりき。故に大なる致命女とし、三者の爲に戰ひし者として勝利の榮冠を受け給へり。
光榮、第二調。
無玷の度生を爲しし神智なる致命女よ、爾等は神の光照を懷き、神の力を衣せられて、裁判所に立ちて、迫害者の命を拒み、辯者の空言を辱かしめ、無神の敵を殪して勝利を得給へり。
今も、生神女讚詞。
神の母よ、我が盡くの恃を爾に負はしむ、我を爾の覆の下に守り給へ。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝羊は己の羔が人の如く甘じて屠宰に牽かるるを見て、哭きて云へり、ハリストスよ、爾は我爾を生みし者を今子なき者と爲さんとす、萬衆の贖罪主よ、何ぞ之を爲したる、然れども人を愛する主よ、我智慧と言とに超ゆる爾の至大なる仁慈を歌頌して讚榮す。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十二編 一人の克肖女の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第八調。
齋の勤勞を忍びたる尊き母(某)よ、爾は靈體の諸病を醫し、神゜を以て汚鬼を逐ひ、凡そ憂ふる者の爲に轉達する恩寵を受け給へり。故に爾の祈禱を以て衆の爲に醫治と大なる憐とを求め給へ。
奇異にして克肖なる母(某)よ、爾の不朽體の柩は信を以て來りて、爾の助を求むる瞽者に見ることを、凡の病者に愈ゆることを流す。故に爾の祈禱を以て我等の爲に大なる憐を求め給へ。
神福なる尊き(某)よ、爾は近者の於ける矜恤を行ひ、醇正の敎を守り、神を愛する愛を抱きたり、故に聖神゜の恩寵は爾の内に息へり。求む、爾の祈禱に由りて、信を以て爾を讚美する者を護り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる者よ、我等哀の中に在る者は爾我等の轉達者に祈る、爾の諸僕に全く亾ぶるを許す勿れ、嗚呼至聖至潔なる生神女よ、急ぎて我等を今の怒及び憂より救ひ給へ、爾は我等の爲に垣墻及び勝たれぬ助なればなり。
十字架生神女讚詞
主宰イイススよ、童貞女及び爾の母は爾が十字架に釘せられ、甘じて苦を受くるを見て呼べり、哀しい哉吾が甘愛なる子、人性の不能を醫す醫師、爾の慈憐を以て衆を滅亾より救ひ給ふ主よ、如何ぞ爾は非義の傷を忍ぶ。
若し之あらば、自調。光榮、第二調。
克肖女よ、爾は節制の劍を以て靈の誘及び體の慾を斷ち、齋の勤勞を以て意念の諸罪を消し、爾の淚の流を以て野に盈てて、我等の爲に痛悔の果を生じ給へり、故に我等は爾の記憶を祭る。
今も、 生神女讚詞
生神童貞女よ、爾の諸僕を災禍より救ひ給へ、我等皆爾を破られぬ墻及び轉達として、神の次に爾に趨り附けばなり。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝羊は己の羔が人の如く甘じて屠宰に牽かるるを見て、哭きて云へり、ハリストスよ、爾は我爾を生みし者を今子なき者と爲さんとす、萬衆の贖罪主よ、何ぞ之を爲したる、然れども人を愛する主よ、我智慧と言とに超ゆる爾の至大なる仁慈を歌頌して讚榮す。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
恩寵來りて、法律の影は去れり、蓋燃ゆる棘の焚けざりし如く、童貞女は生みし後も永く童貞女なり、焔の柱の代りに義の日は出でて光る、モイセイの代りに我が靈の救者ハリストスは現れたり。
聖入。本日の提綱。克肖者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第一調。
(某)よ、爾は實に諸神父の光榮を慕ひて、不朽の光榮を愛せり、故に逸樂に離れて、爾の肉體を凡の勤勞に委ね給へり、今は勤勞の賞を受けて、ハリストスと偕に王たり。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
(某)よ、爾は新郎ハリストスの嚴なる華麗を慕ひて、多種の善行に由りて彼に聘定せられんと欲して、節制の勤勞を以て己を飾り給へり、故に今彼と偕に其婚筵の宮に王たり。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
至尊なる者よ、爾は神聖なる港に進みて、己の靈の舟を逸樂に由りて沈めらるるなく、奧密の貨物に滿てて、穩に世の騷擾の浪を濟り給へり。
光榮、第六調。
奇異なる者よ、今日爾の聖にせられし慶賀は日よりも盛に輝きて、幽闇の中に在る靈を照し、惡鬼の暗を逐ふ。
今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾は實の葡萄の枝、我等の爲に生命の果を結びし者なり、女宰よ、爾に祈る、聖使徒と共に我が靈の憐を蒙らんことを祈り給へ。
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾の釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奧密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて木に懸けられて死する。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第八調。
克肖なる母(某)よ、神の像に由る者は爾の内に確に救はれたり、蓋爾は十字架を任ひてハリストスに從ひ、過ぎ易き者たる肉體を輕んじ、不死の者たる靈のことに熱中するを行を以て敎へたり。故に爾の神゜は諸天使と偕に喜ぶ。
光榮、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
克肖なる(某)よ、爾は節制の功勞を修めて、雄雄しく惡謀者を斃し、忍耐を以て敬虔に生を度りて、神に移り、今凡そ慎みて爾の聖なる慶賀を行ふ者の爲に祈り給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
純潔なる母童貞女よ、我に痛悔の光線を輝かして、我が無量の惡の暗を散じ、我が心の邪なる思を拂ひ給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
克肖なる(某)よ、爾は肉體を其情(じょう)と偕に十字架に釘して、爾の全き愛を爾の不朽なる新郎ハリストスに捧げたり、故に榮冠を受け、天使の品位に加へられて、爾を尊む者の爲に熱切に彼に禱り給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
罪の暴風と不當なる思の惶擾とは我を煩はす、純潔なる童貞女よ、仁慈なる者として慈憐を垂れて、我に援助の手を伸べ給へ、我が救はれて爾を崇め讚めん爲なり。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
克肖なる母(某)よ、我等爾を讚美して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「我切に主を恃みしに、彼我に傾きて。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
神より預選せられたる母よ、爾は生命の湊に導かれて、穩に度生の暴風を度り、諸天使と偕に贖罪主を歌頌して、絕えず我等の爲に禱る、ハリストスが我等に恩寵と慈憐とを賜ひて、爾が勤勞を以て集めし牧群を護らん爲なり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
天使に由りて世界の歡喜を受けし者よ、慶べ、爾の造成者及び主を生みし者よ、慶べ、神の母と爲るに堪へし者よ、慶べ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
「凡そ呼吸ある者」
克肖女の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第二調。「主よ爾に籲ぶ」の光榮に載す。
克肖女よ、爾は節制の劍を以て靈の誘及び體の慾を斷ち、齋の勤勞を以て意念の諸罪を消し、爾の淚の流を以て野に盈てて、我等の爲に痛悔の果を生じ給へり、故に我等は爾の記憶を祭る。
規程、第八調。
第一歌頌
イルモス 昔奇跡を行ふモイセイの杖は、十字形に擊ちて、海を分ち、車に乘りて追い來るファラオンを沈め、徒步にて逃るるイズライリ、神を讚め歌ふ者を救ひ給へり。
神福なる(某)よ、爾は齋を以て敬虔に度生して、諸慾を斷ち、貞潔の德に輝きて、潔き言に聘定せられて、生命に導く其跡に從ひ給へり。
光榮なる克肖女(某)よ、爾は神聖なる諸神父の敎に從ひ、熱切に彼等の風習に效ひて、肉體なき者の如く、節制と、潔淨と、貞潔と、眞の謙遜とを以て生を送り給へり。
生神女讚詞
我等は神聖なる壺及び生命の糧を載する筵、耕作せられざる田、聖なる山たる生神童貞女を歌を以て讚榮せん。
第三歌頌
イルモス 主、天の穹蒼の至上なる造成者、敎會の建立者、冀望の極、信者の固、獨人を愛する者よ、我を爾の愛に堅め給へ。
(某)よ、爾は全能者の選ばれたる新婦と爲りて、天の輝ける宮に入り、醫治の河を注ぎて、我等の諸慾の流を涸らし給ふ。
爾は大仁慈に由りて人體を取りしハリストスを愛する愛に熱して、生を施す彼の言に從ひて、世上の一切の榮華を忌み給へり。
福たる(某)よ、爾は德の金色の翼を獲て、淨き鴿の如く天の髙きに飛び上り給へり。
生神女讚詞
神の恩寵を蒙れる至淨なる童貞女よ、人類は爾の胎内より言ひ難く人體を取りし主の恩寵に因りて救はれたり、故に我等爾を尊みて、敬虔に讚揚す。
坐誦讚詞、第四調。
克肖女よ、爾は齋の聖なる功勞の美しきに飾られたる者と現れて、ハリストスの無玷なる新婦として彼と偕に不朽の宮に入りて、彼の華麗を樂しみ給ふ。求む、愛を以て爾を歌ふ我等が凡の患難より救はれんことを祈り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
純潔無玷にして婚姻に與らざる童貞女、獨 時に由らざる子及び神の言を時の内に生みし者よ、彼に神聖尊貴なる使徒、致命者、預言者、克肖者と偕に祈りて、我等に潔淨と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
至りて無玷なる童貞女、ハリストス神の母よ、爾が己の子及び神の甘じて十字架に釘せらるるを見し時、劍は爾の至聖なる靈を貫きたり、祝福せられし者よ、我等に諸罪の赦を賜はんことを絕えず彼に禱り給へ。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が攝理の祕密を聆き、爾の作爲を悟り、爾の神性を讚榮せり。
克肖女(某)よ、爾の光明なる慶賀は聖神゜の光にて輝きて、信を以て爾を歌ふ我等の靈を照す。
主宰を知らざる者は爾の神聖なる奇跡に由りて之を知り、之を信ずる者と爲りて、迷の暗を棄てたり。
(某)よ、爾は潔く肢體を殺すことと節制の勤勞とを禮物としてハリストスに捧げて、其賞として天の國と永遠の樂とを受け給へり。
生神女讚詞
我等の卑くなりたる性を髙く上げし主を生みたる至淨なる者よ、髙ぶりて度生する我を卑くして救ひ給へ。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙に興きて爾に籲ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず。
母(某)よ、爾は潔く造物主に向ひて擧げたる爾の手を以て敵の驕を斃し給へり。
母よ、至上者は爾の右の手を取りて、爾を己の天上の樂に導き給へり。
最尊き(某)よ、爾は齋を以て狭き路を過りて、樂園の廣きに至り給へり。
生神女讚詞
至淨なる神の母よ、爾を生神女と承け認めざる者は爾より生れし光を見るを得ざらん。
第六歌頌
イルモス 光を衣の如く衣る慈憐の深きハリストス我が神よ、我に光明の衣を予へ給へ。
最尊き(某)よ、爾は肉體の動を殺し、大に諸慾を制して、今無慾の光明なる處に居り給ふ。
光榮なる者よ、爾は救世主の像に伏拜する風習を得て、爾の行と言とを以て彼の救の敎を守り給へり。
至榮なる母(某)よ、ハリストスは爾を信を以て爾に求むる者の爲に生命の雨を降らす雲と爲し給へり。
生神女讚詞
至淨なる者よ、爾の子は我等の爲に肉體と成りたれども、神性の華麗を以て衆人より最美し。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
克肖なる者よ、爾は主を愛するに因りて世俗の安樂を厭ひ、齋を以て爾の神゜を照して、勇ましく猛獸に勝てり、求む、爾の祈禱を以て諸敵の驕を破り給へ。
同讚詞
我が神よ、我に言の流を與へ、我が智慧を讚美の泉と爲し、我が舌に福を降し給へ、我が爾の恩寵の榮冠にて飾られたる爾の牝羊を歌はん爲なり、蓋若し爾親ら宜しきに合ふ言を我に與へずば、如何ぞ我貧しき者は言と行とに富める者に禮物を捧ぐるを得ん、故に我に其功勞を讚揚せん爲に力を與へ給へ、蓋彼は勇ましく猛獸に勝てり、求む、彼の祈禱に由りて諸敵の驕を破り給へ。
第七歌頌
イルモス エウレイの少者は爐に在りて勇ましく燄を踐み、火を露に變じて籲べり、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
克肖女(某)よ、爾は朽つべき榮華を顧みずして、目を注ぎて、彼處にある報賞及び光、神の過ぎざる光榮と、華美と、神聖なる居處とを見給へり。
爾は朽つべき世を天上の老いざる生命に、暫時の樂を永在の樂園に、肉體の聘定者を天の新郎に易へ給へり。
(某)よ、爾は神を愛する心を得て、肉體と共に諸天使に似たる者と爲りて、熱切に警醒して歌へり、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
生神女讚詞
童貞女よ、爾は我が多くの惡が我に及ぼしし憂を見る、求む、我を火燄より脫れしめ給へ、蓋我呼ぶ、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 神を傳ふる少者は爐の中に焔を蹈みて歌へり、主の造物は主を崇め讚めよ。
母よ、爾は潔淨の光に飾られ、潔き生命に輝きて、爾の新郎ハリストス我等の神の前に立ち給ふ。
克肖女よ、不朽にして柩に藏められたる爾の聖軀は人人の種種の病を醫し、惡鬼の害を逐ふ。
克肖なる母(某)よ、爾は聖にせられし祭、光明なる禮物として、馨しき香爐の如く、萬有の主宰ハリストス我等の神に捧げられたり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾は言に超えて不朽なる言、我等を凡の朽壞より救ふ主を生み給へり、故に我等信を以て爾を崇め讚む。
第九歌頌
イルモス 凡の者は神の言ひ難き寬容の事、如何に至上者が甘じて肉體を取るまでに降りて、童貞女の腹より人と爲りしかを聞きて、恐れざるなし、故に我等信者は至淨なる生神女を崇め讚む。
爾は新郎の無形なる華麗を慕ひ、潔く彼を愛して、熱切に呼べり、爾は何處にか息ふ、何處にか群を牧する、願はくは我爾の許に息ひ、爾の光の中に樂しみて、爾の仁慈を崇め讚めん。
福たる(某)よ、爾は己の靈の中に睿智と、謙遜と、神聖なる温柔、神に於ける疑なき信と、望と、愛とを有ちて、徹夜の祈禱を以て彼に近づきたり、故に彼處にある光照に照されて輝き給ふ。
最尊き克肖女(某)よ、今日人人集まりて、爾の此の聖なる慶賀を大なりとせし主を讚美を以て崇め讚む、新郎ハリストスの前に立ちて、此の慶賀に於て爾を記憶する我等を記憶し給へ。
生神女讚詞
童貞女より生れて、產の後に爾を生みし者を不朽に護りし神よ、坐して我が行を審判せん時、我を宥め給へ、仁慈にして人を愛する神として、我が不法と諸罪とを顧みること勿れ。
光耀歌
人人に恥を蒙らする誘惑者を免れて、其謀の無智なるを顯しし克肖女(某)、貞潔者の華麗、修道女の装飾なる者よ、爾は靈と體とには童女にして、智慧と信に於ては男子なり。
生神女讚詞
潔き者よ、我に靈智なる樂の日を輝かし給へ、蓋爾は幽暗に在る者の光及び生命なり、萬衆の女宰として凡そ欲する所を行ふを能するに因りて、衆人を凶惡者の誘惑より、憂ふる者を諸の禍より救ひ給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
(某)よ、爾は齋の勤勞を以て肉體の動揺を靈に服せしめ、ハリストスに從ひて、修齋女の中に入り、淚の神聖なる雨を以て逸樂の望を滅し、造成主を愛する愛を盛に燃し給へり。二次
嗚呼睿智なる(某)よ、爾は靈の潔淨に由りて聖神゜の殿と爲りて、衆くの人人を靈を益する齋の功勞に導き、彼等を救はれたる者と爲して、之を結納として主宰に攜へ給へり、彼等と偕に我等信を以て爾を尊む。
嗚呼(某)よ、少女は爾の敎に從ひて、新郎及び主を愛し、神゜を以て肉體の柔弱を堅め、敬虔に諸慾を制して、爾と偕に天上の神聖なる宮に入れられて、常に樂しむ。
光榮、第八調。
嗚呼至榮なる奇跡や、蓋爾は全く己を神に委ねて、齋の勤勞を以て肉慾に勝ち、節制を以て惡鬼を踐み、熱切なる淚を以て神聖なる愛を養ひて、全能者の新婦と爲り給へり。
今も、生神女讚詞。
我等は天使首ガウリイルの聲に效ひて言はん、慶べよ、神の母、世界の爲に生命を賜ふ主ハリストスを生みし者や。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は爾が身にて木の上に懸れるを見し時、心裂かれ、泣きて呼べり、言、至愛なるイイスス、我が子及び主よ、如何ぞ爾隱れたる、ハリストスよ、我爾を生みし者を獨遺す勿れ。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十三編 二人或は多人の克肖女の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第一調。
爾等は上より輝く光線の如く、無形の光を以て世界を照し、幽暗を散じ、惡鬼の凶惡なる軍を逐ふ、故に我等は爾等の光明にして神聖なる慶賀を祭る。
最尊き者よ、爾等は樂園の華麗を見て、豐に之に養はれて、世界の爲に神聖なる智慧の不朽の花を生じたり、我等今日屬神゜の愛を以て之に與りて、凡の靈の善果を結ぶ。
最尊き者よ、爾等は修道女の度生を以て衆人の爲に日の如く輝きて、修齋者の大數を飾り給へり、故に彼等と偕に榮せられ、神聖なる光榮を樂しみて我等の救はれんことを祈り給ふ。
光榮、今も、生神女讚詞。
神の母よ、我諸罪の海に荒らさるる者は爾の至淨なる祈禱の穩なる港に着きて呼ぶ、純潔なる者よ、爾の權能の右の手を伸べて、爾の僕を救ひ給へ。
十字架生神女讚詞
視よ、昔我に預言せられし如く、吾が子ハリストスよ、戈は吾が心を貫きたり、是れ我が爾地上の諸子より最美しき者が甘んじて盜賊と偕に犯罪者の如く十字架に懸けられたるを見し時なり。
若し之あらば、自調。光榮、第八調。
爾等は淚の流を以て肉慾の燃ゆるを滅し、神聖なる熱心を起して、ハリストス王を愛して、潔く彼に合はせられたり。故に今天上の宮に入りて、仁愛なる主に爾等を尊む者の爲に禱り給へ。
今も、 生神女讚詞
女宰よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の災禍と憂愁より救ひ給へ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
聖入。本日の提綱。克肖者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第四調。
克肖女よ、爾等は生命に導く細き路を行き、穩なる風に由りて世を度り、勇ましく惡鬼の攻擊を退けて、修齋女の譽と爲れり、故に天の國を嗣ぐ者と爲りて、絕えず言ひ難き華麗を樂しみ給ふ。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
爾等の至りて光明なる生命は諸天使を驚かし、惡鬼の軍を恐れしめ、信者の會を美しく飾りて、常に之にハリストスの天上の居處に往く路を示す。求む、信を以て爾等の最尊き記憶を行ふ者の朽壞及び患難より救はれんことをハリストスに祈り給へ。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
克肖女よ、爾等は野に居りて、心と思とを獨神に捧げ、日日に歌頌と讚美とをハリストスに奉りて、大なるモイセイの如く山上に登り、見えざる敵に勝ちて、聖神゜の潔き器と爲り給へり。
光榮、第四調。
克肖女よ、少女等は新郎たる主を愛して、彼の敎に從ひ、神゜を以て肉體の柔弱を堅めて、敬虔に諸慾を制し、爾等と偕に天上の宮に入れられて、常に樂しむ。
今も、生神女讚詞。
滅されぬ燈、義の王の寶座たる至淨なる女宰よ、我等の靈の救はれんことを禱り給へ。
十字架生神女讚詞
母よ、我爾の子及び神、地を寄する所なく水の上に懸けて、萬物を造りし者が木の上の懸れるを見て、泣く毋れ、蓋我起きて光榮を獲、異能を以て地獄の國を破り、其力を滅し、慈憐の者として、俘擄を其惡業より救ひ、人を愛する者として之を吾が父の許に攜へん。
克肖女の讚詞、第二調。
光榮なる者よ、爾等は地上の婚姻を忌みて、熱切なる愛を以てハリストスの新婦と爲り、諸德の功勞に生長して、不朽の髙きに登り、靈の美しく善行の富める者にして、修道女の柱及び範と爲り給へり。求む、愛を以て爾等の記憶を祭る我等の爲に絕えず禱り給へ。
光榮、 今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第三調。
聖にして福たる克肖女よ、爾等は世の榮華を棄てて、朽つべき富を過ぎ去らぬ常住なる者に易へたり、故に我等は諸聖人と偕に爾等の聖にせられし記憶を讚榮慶賀して、爾等の祈禱に由りて大なる憐を得んことを求む。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
神の恩寵を蒙れる女宰よ、爾に於て行はれたる畏るべき神の奧密は量り難く悟り難し、蓋爾は限られぬ者を孕み、之を爾の至淨なる血より身を衣たる者として生み給へり。潔き者よ、彼に其爾の子たるに因りて、我等の靈の救はれんことを常に禱り給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
福たる克肖女よ、爾等は節制を以て己の生命を飾り、肢體を殺して敵の誘惑に勝ち、野の住者にして、世界の爲に靈智なる燈と顯れたり。求む、主に我等の靈を憐まんことを禱り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等信者は爾を港と垣墻と、避所、倚賴と、帲幪、及び熱切なる轉達者として得て、爾に趨り附き、慎みて呼び、熱心に禱る、生神女よ、爾を賴む者を憐みて、諸罪より救ひ給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
克肖なる母等よ、我等は爾等を讚美して、爾等の聖なる記憶を尊む、爾等は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「我切に主を恃みしに、彼我に傾きて。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
福たる者よ、爾等は警醒して隱なる祈禱を爲し、聖書を樂しみ、主の十字架を任ひて、節制を以て彼に從ひ、蛇の悉くの誘惑に勝ちて、ハリストスに呼べり、天の新郎よ、爾我等の爲に固と爲り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等の爲に童貞女より生れ、十字架に釘うたるるを忍び、神なるに依りて死にて死を滅し、復活を顯しし仁慈なる主よ、爾の手にて造りし者を棄つる勿れ、慈憐の主よ、爾が人を愛する愛を顯して、我等の爲に祈禱する所の爾を生みし生神女を受け給へ、我が救主よ、望を失へる人人を救ひ給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
「凡そ呼吸ある者」
克肖女の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第八調。
爾等は淚の流を以て肉慾の燃ゆるを滅し、神聖なる熱心を起して、ハリストス王を愛して、潔く彼に合はせられたり。故に今天上の宮に入り、仁愛なる主に爾等を尊む者の爲に禱り給へ。
「主よ爾に籲ぶ」の光榮に載す。
規程、第八調。
第一歌頌
イルモス 昔奇蹟を行ふモイセイの杖は、十字形に擊ちて、海を分ち、車に乘りて追い來るファラオンを沈め、徒步にて逃るるイズライリ、神を讚め歌ふ者を救ひ給へり。
克肖女よ、爾等は柔弱なる身を以て强き敵を斃し、神に合せられて、我等衆に救の力を賜はんことを禱り給ふ。
爾等は新郎の華麗を愛して、彼に就きて、生命に導く彼の後に從へり、故に敵たる蛇を斃し給へり。
克肖女よ、爾等は齋の勤勞を以て肉體の華美を凋ませ、爾等の靈を飾りて、新郎ハリストスと偕に光明なる宮に入り給へり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾の腹は仁慈に由りて現れんと欲せし主の爲に光明なる宮と爲れり、彼は爾より身を取りて出でて、衆を神智の光にて照し給へり。
第三歌頌
イルモス 主、天の穹蒼の至上なる造成者、敎會の建立者、冀望の極、信者の固、獨人を愛する者よ、我を爾の愛に堅め給へ。
尊貴神福なる者よ、爾等は肉體の美しきを顧みず、過ぎ易き榮華を夢の如く見て、謙遜と齋とを以て神を尋ね給へり。
克肖女の聖軀は耀きて、信を以て之に趨り附く者に醫治を與ふ、蓋彼等は主の自由なる苦に效ひて、救の泉より恩寵を汲みたり。
爾等は世と肉の念とを棄てて、節制と勤勞とを以て至淨なる新郎ハリストスを獲たり、彼は爾等に天の宮及び神聖なる樂を賜ふ。
生神女讚詞
至淨なる童貞女よ、昔聖なる預言者の聖にせられし角は預爾を知らせて、光を放つ門、活ける巻軸、之に言が言に超えて手に由らずして錄されたる者と爲せり。
坐誦讚詞、第四調。
光明尊貴なる克肖女よ、爾等はハリストスの十字架を肩に任ひ、修齋の行を以て忠信に彼に從ひて、凡その修齋女の爲に範と現れたり。神聖なる勤勞を以て天上の國を嗣ぎたる者よ、我等の靈の救はれんことを絕えず禱り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神童貞女、獨祝福せられし者よ、我等は爾より身を取りし者を父の言ハリストス我等の神なりと知れり、故に絕えず爾を歌ひて崇め讚む。
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾無原なる父より生れし主を末の時に身にて生みし者は爾が十字架に懸れるを見て呼べり、哀しい哉至愛なるイイスス吾が子よ、如何ぞ爾諸天使より神として讚榮せらるる者は今不法なる人人より甘じて十字架に釘せらるる、恒忍なる主よ、我爾を歌ふ。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が攝理の祕密を聆き、爾の作爲を悟り、爾の神性を讚榮せり。
克肖なる女等は節制を以て肉體の華美を凋ませて、己の至愛なる新郎の至淨なる華麗を仰ぎ給ふ。
聖にせられし女等よ、爾等は靈の眶より眠を拂いて、節制を以て肉體の動揺を眠らせ給へり。
克肖女よ、聖神゜の光に輝ける爾等の光明なる慶賀は信を以て爾等を尊む我等の靈を照す。
生神女讚詞
主よ、克肖女は爾至淨なる童貞女より身を取りし者を慕ひ、爾を愛する神聖なる愛に刺されて、爾の香料の香氣逐ひて趨れり。
第五歌頌
イルモス 隱れざる光よ、何ぞ我を爾の顏より退けし、外の闇は憐なる我を掩へり、祈る、我を返して、我が途を爾の誡の光に向はしめ給へ。
最尊き者よ、爾等は聖神゜の力に藉りて諸病を解き、爾等の奇跡の至榮なる光線を以て病の幽暗を逐ひ、信者を天の國の大なる光に導く。
尊榮神福なる者よ、爾等は世の爲に殺されて、不死の生命を嗣ぎ、齋の油を以て爾等の燈を滅されぬ者と守りて、神聖なる宮に入るを得たり。
福たる者よ、爾等は暫時にして朽つべき生命を意とせずして、屬神の愛に縛られて、唯天の新郎に至るを重ぜり、故に今義人等の居住のある處に居り給ふ。
生神女讚詞
至淨なる者よ、神の言 神は爾を童貞女と護りて、甘じて爾の婚姻に與らざる胎内に入りて、人と見られたり、少女等は彼を慕ひて、齋と光明なる度生とを以て彼に從へり。
第六歌頌
イルモス 我禱を主の前に灌ぎ、我が憂を彼に吿げん、我が靈は惡に滿ち、我が生命は地獄に近づきたればなり、我イオナの如く祈る、神よ、我を淪亾より引き上げ給へ。
聖にせられし女等よ、爾等は節制と謙遜の心、警醒と矜恤、智慧と信、幷に全き愛を獲て、神の殿及び奇跡の盡きざる泉と爲り給へり。
尊貴にして奇異なる者よ、爾等は我等の爲に地に降りて地上に首を枕する處なかりし主を愛するに因りて、度生の逸樂を疎じ、齋の勤勞を忍べり、故に彼は爾等を天に其光明なる宮に受け給へり。
最尊き者よ、爾等は多くの警醒を以て靈を害する諸慾を眠らせ、宜しきに合ひて義なる眠に眠りて、世界の爲に禱り給ふ。
生神女讚詞
童貞女よ、我爾を神の前の轉達者と我が生命の堅固なる守護者、及び禍の患を解き、惡鬼の攻擊を逐ふ者と知りて、常に祈る、我が諸慾の害より我を救ひ給へ。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
爾等は齋を以て己の肉體を疲らせ、眠らざる祈禱を以て造成主に己の罪の爲に、其全き赦を獲んことを祈りしに因りて、神聖なる赦免と天國とを受けて、ハリストス神に我等衆の爲に禱り給ふ。
同讚詞
淵を閉し及び之を啓き、水を雲の中に騰せて、雨を地の面に與ふる神よ、爾我が果を結ばざる靈に口を啓かん爲に調和したる言語を、吃る舌に明なる言を賜へ、我が宜しきに合ひて爾の克肖女、爾が親ら榮せし者を歌ふを得ん爲なり。蓋彼等は爾の爲に此の世の美しき諸事を顧みず、己の身を疲らせ、爾の力を以て惡魔に勝ち、爾より忍耐の榮冠を受けて、今衆聖人と偕に天に爾の前に立ちて、絕えず我等衆の爲に禱る。
第七歌頌
イルモス 昔ワワィロンに於てイウデヤより來りし少者は、聖三の信を以て、爐の焔を蹈みて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
克肖女は愛に緣りて朽つべき榮華を不朽の光榮に易へて、常に之を樂しみ、歡び祝ひて歌ふ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
爾等は最明なる星と現れて、爾等の功勞の光を以て信者の靈を照して歌はしむ、我が先祖の神は崇め讚めらる。
爾等は醫治の川と現れて、諸慾の海を溺らし、我が先祖の神は崇め讚めらると歌ふ者を救ひ給ふ。
生神女讚詞
神の母よ、我が不當なる靈を罪の縲絏より解きて、神の完全なる愛に繫ぎ給へ、我が信を以て爾を讚榮して、世世に歌はん爲なり。
第八歌頌
イルモス 爾の誡に熱中せし少者は、爾の恩寵に因りて、窘迫者及び火㷔に勝つ者と爲りて籲べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
童女等よ、爾等は無智なる諸慾を智慧に服せしめ、靈を全うして新郎たる言に合せられて歌へり、悉くの造物は主を崇めて、世世に彼を讚め揚げよ。
聖にせられし童女等よ、爾等は世の爲に釘せられ、神聖なる愛に刺されて、逸樂の食を以てエワを害せし者を節制の矢を以て殺して、ハリストスを世世に讚め歌ふ。
尊貴なる克肖女よ、爾等は意念を以て無知なる慾情を服せしめて、無玷の者として新郎たる言の新婦と爲りて歌ふ、悉くの造物は主を崇めて、世世に彼を讚め揚げよ。
生神女讚詞
爾の淨き血より身を取りしイイススを生みたる至淨なる童貞女母よ、爾は衆童女を集めて、彼等と偕に歌ふ、悉くの造物は主を崇めて、世世に彼を讚め揚げよ。
第九歌頌
イルモス 潔き童貞女よ、我等爾に依りて救はれし者は爾を實に生神女と承け認めて、無形の軍と偕に爾を崇め讚む。
美麗にして妙音なる班鳩、美しくして清淨を好む燕よ、爾等は主宰の許に天の華麗なる處に攜へられたり。
爾等は天上の品位に合せられ、選ばれたる者の會の中に入りて、愛を以て我等の爲に仁慈なる神に禱り給ふ。
克肖女の記憶は日の如く世界に輝きて、信者の思を照し、常にハリストスを讚揚せしむ。
生神女讚詞
光の器たる童貞女よ、諸慾に昧まされたる吾が靈を照して、爾の祈禱を以て我を外の幽暗より脫れしめ給へ。
光耀歌
至りて尊き克肖女よ、愛を以て禱りて爾等の記憶を行ふ者を神贖罪主に奉る爾等の祈禱を以て凡の患難より救ひ、我聊爾等を歌頌せし者にも靈の汚を洗ひ給へ。
生神女讚詞
童貞女よ、我等の爲に爾の子仁愛なる神に禱るを息むる勿れ、蓋我等信を以て爾を讚榮する者は恃賴を爾に負はしめ、爾の轉達を以て諸難と諸慾、諸罪と諸病より救はる。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
克肖女よ、爾等不朽に己の童貞を守り、清淨無垢に生を送り、恩寵を蒙りて、ハリストスの戒を行ひ、地及び之に屬する事を舎てて、彼に從へり。故に仁愛なるイイスス我等の靈の救主は爾等に天及び天に屬する事を賜へり。二次
克肖女よ、爾等は睿智を愛し、靈の不死を尊み、神に奉事せんと欲して、其悅を獲ん爲に常に警醒して、己を凡の罪の汚より護れり。故に無垢無玷の者として天の新郎の前に立ち給へり。
讚美たる者よ、ハリストスは爾等を己の克肖者とし、矜恤なる者とし、神に愛せらるる者として榮せしに因りて、爾等の光明なる面は死せし後にも輝く、蓋爾等は地上に諸天使と侔しき生を送りて、光明なる度生を以て神の悅を獲給へり。
光榮、第一調。
克肖なる女等よ、爾等は肉體に屬する事を一切慮らずして、節制と勤勞とに由りて天の居處に登れり、其内に爾等が愛する所の言ひ難き華麗を樂しみ給ふ。
今も、生神女讚詞。
聖なる生神童貞女よ、慶べ、全地の潔き轉達者、滅されぬ燈、容れられぬ者の容れ處、壞たれぬ殿よ、慶べ、全世界の罪を任ひし神の羔を生みたる者よ、慶べ。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝羊童貞女は爾が十字架に擧げられたるを見し時、哭きて呼べり、吾が甘愛なる子よ、此の新にして神妙なる顯見は何ぞや、如何ぞ爾萬物を手に有つ者にして、身にて木の上に釘せらるる。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十四編 一人の克肖致命女の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第八調。
讚美たる致命女(某)よ、爾は節制を以て肉慾に勝ち、受難を以て敵たる蛇を殺せり。爾の苦にて諸天使を驚かし、爾の功勞にて人人を樂しませし修道女の飾、貞潔の器なる者よ、我等の靈を救ひて照さんことを禱り給へ。
光榮なる者よ、我等何を以て爾を稱へんか、爾は童貞の美しきを以て輝けるハリストスの新婦、上なるイエルサリムの選ばれたる女、諸天使の同住者及び對話者、無形の宮に樂しめる者なり。大受難女(某)、修道女の飾よ、我等の靈を救ひて照さんことを禱り給へ。
爾は不法なる窘迫者より齒の折かるること、手足及び乳房の斷たるること、寸斷せらるることを忍び、新郎の華麗を仰ぎて、性に超ゆる苦を忍耐し給へり。大受難女(某)、ハリストスの不朽なる新婦よ、我等の靈を救ひて照さんことを禱り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる者よ、何者か爾の慈憐より奇異なるあらん、爾は病む者を醫し、諸慾より援け、戰ふ者の無慙なる攻擊を退け、爾を歌ふ者を爾の祈禱を以て諸難より救ひ、其憂を解き給ふ。童貞女よ、我等の靈を救はんことを禱りて、爾の諸僕に天上の歡喜を獲しめ給へ。
十字架生神女讚詞
牝羊は羔が甘じて十字架の木に伸べられたるを見し時、母として哀しみ、哭きて呼べり、吾が子よ、此の驚くべき顯見は何ぞ、萬衆に生命を與ふる主にして、人人に復活を賜ふ恒忍なる者よ、如何ぞ殺さるる、吾が神よ、我爾の大なる寬容を讚榮す。
若し之あらば、自調。光榮、第二調。
我等は歡喜の聲を以て聖詠を唱へて、克肖致命女(某)を歌はん、蓋彼は偶像の迷に勝ち、戰ふ敵を勇ましく己の足下に仆せり、故に終りて後飛びて天に登り、首に榮冠を冠りて呼ぶ、我が新郎よ、我爾を慕ひ、爾を愛し、爾の爲に我が身を苦に付せり、樂しむ者の居る所の尊き居處に入らん爲なり。
今も、 生神女讚詞
祝讚せらるる生神女よ、我等は倚賴を爾に負はせたり、願はくは我が求むる所を得ん、憂ふる者の扶助者よ、我等を諸難より救ひ、諸敵の謀を破り給へ、爾は我等の救なればなり。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝羊は己の羔が人の如く甘じて屠宰に牽かるるを見て、哭きて云へり、ハリストスよ、爾は我爾を生みし者を今子なき者と爲さんとす、萬衆の贖罪主よ、何ぞ之を爲したる、然れども人を愛する主よ、我智慧と言とに超ゆる爾の至大なる仁慈を歌頌して讚榮す。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
恩寵來りて、法律の影は去れり、蓋燃ゆる棘の焚けざりし如く、童貞女は生みし後も永く童貞女なり、焔の柱の代りに義の日は出でて光る、モイセイの代りに我が靈の救者ハリストスは現れたり。
聖入。本日の提綱。致命者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第四調。
讚美たる克肖女(某)よ、爾は節制の勤勞を受難の血に雜へて、二倍の苦を忍び給へり、故に美しく妝はれて、純潔なる童貞女及び勝たれぬ致命女として、恩を賜ふ主の許に上りし時、彼は二倍の榮冠を爾に賜へり。
句 神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
純潔なる新婦(某)よ、爾の肉體の華美と神聖なる靈の華麗とは合せられしに、爾は義人等の居處に於て潔白に光り、血の流に染められて、花の如く耀けり、故に天上の美しき新郎も爾を童貞女及び致命女として、永遠の宮に受け給へり。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
讚美たる(某)よ、天使は爾の傍に在りて爾を護れり、蓋爾は幼き時より主を畏れ、尊き禮物として造成主に捧げらるる者と現れたり、故に爾は堅固に迫害者の無知を踐みて、爾の新郎ハリストスの許に升り給へり。
光榮、第六調。
勝たれぬ受難女及び致命女たる童貞女(某)は諸德を妝はれ、潔淨の油と受難の血とに飾られ、欣ばしく燈を執りて、救世主の右に立ちて彼に呼べり、ハリストス神よ、我爾の香料の香を聞きて趨れり、爾を愛する愛に刺されたればなり、天の新娶者よ、我を退くる勿れと。全能の救世主よ、彼の祈禱に由りて爾の仁慈を我等に被らせ給へ。
今も、生神女讚詞。
女宰よ、我心の眼を爾に擧ぐ、我が微小なる歎息を斥くる勿れ、爾の子が世界を審判せん時、我が爲に帲幪及び扶助と爲り給へ。
十字架生神女讚詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾の釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奧密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて木に懸けられて死する。
讚詞、第四調。
イイススよ、爾の牝羊(某)は大なる聲を以て呼ぶ、吾が新娶者よ、我爾を愛し、爾を尋ねて苦しみ、爾と偕に十字架に釘せられ、死に於ける洗を以て爾と偕に葬られ、爾の爲に難を受く、爾に緣りて王たらん爲なり、爾の爲に死す、爾と偕に生きん爲なり、求む、愛を以て爾の爲に屠られし我を無玷なる祭として享け給へと。彼の祈禱に因りて、仁慈なる主として我等の靈を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第八調。
大受難女(某)よ、爾は節制の露を以て少者の如く慾の焔を滅し、爾の血の火を以て一切の迷を焚きて、新郎たる言に禮物として尊貴なる貞潔と勇敢なる受難とを捧げたり、故に彼は爾勇ましく戰ひて蛇を踐みたる者を光榮の宮に入れ給へり。ハリストス神に祈りて、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
我等萬族は爾童貞女、女の中に獨種なく身にて神を生みし者を讚揚す、蓋神性の火は爾の内に入り、爾は造成者及び主を幼児として乳にて養ひ給へり、故に天軍及び我等人類は宜しきに合ひて爾の至聖なる產を讚榮して、同心に爾に呼ぶ、ハリストス神に祈りて、熱切に爾の光榮を歌ふ者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
奇異なる致命女(某)よ、爾は愛に由りて先には齋を以て、後には受難の血を以て香料を盛れる玉の盒の如くハリストス爾の新郎に捧げて、彼より報賞として神聖なる不朽の榮冠と神゜の力を以て醫治を行ふ恩寵とを受け給へり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
聘女ならぬ聘女、潔き生神童貞女、獨信者の轉達者及び帲幪たる少女よ、爾の神聖なる祈禱を以て、我等爾に恃賴を負はしむる者を災禍と、憂愁と、甚しき誘惑より脫れしめて、我等の靈を救ひ給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
聖なる受難女(某)よ、我等爾を讚揚して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「神は我等避所なり、能力なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第八調。
睿智なる克肖致命女(某)よ、爾はハリストスを愛する愛を以て靈を縛りて、朽つべき暫時の諸事を心に留めざりき、言の光榮なる門徒として、先には齋を以て諸慾を殺し、後には受難を以て詭譎の者を辱かしめたり、故に造物主の前に二倍の勇を得給へり、熱切に其旨に順ひたればなり。ハリストス神に祈りて、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
讚美たる者よ、爾は造物主の純潔なる聘女とし、贖罪主の夫に與らざる母とし、撫恤者を承くる器として、我自ら知りて不法の汚はしき居處及び惡鬼の玩弄と爲りし者を速に其惡計より脫れしめて、諸德の光明なる居處と爲し給へ。光を施す不朽なる童貞女よ、我が慾の雲を散じて、爾の祈禱を以て我を上の晩れざる光に與らしめ給へ。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なり。
句 イズライリの源より出づる者よ、敎會に於て主神を崇め讚めよ。
「凡そ呼吸ある者」
致命女の福音經、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
勝たれぬ受難女及び致命女たる童貞女(某)は諸德を妝はれ、潔淨の油と受難の血とに飾られ、欣ばしく燈を執りて、救世主の右に立ちて彼に呼べり、ハリストス神よ、我爾の香料の香を聞きて趨れり、爾を愛する愛に刺されたればなり、天の新娶者よ、我を退くる勿れと。全能の救世主よ、彼の祈禱に由りて爾の仁慈を我等に被らせ給へ。
晩課の挿句に載す。
規程、第八調。
第一歌頌
イルモス 我等其民をして紅の海を過らせし主に歌はん、彼獨嚴に光榮を顯したればなり。
神智なる者よ、我此の光明なる爾の記憶を尊む者に光照を與へて、吾が靈の幽暗を散じ給へ。
(某)よ、爾は襁褓より己を全く爾の造成主に奉りて、節制の火を以て肉慾を焚き給へり。
致命女よ、爾は身を惜しまずして、苦の髙きに登りて、童貞女として無形なる婚筵の宮に入るを得給へり。
生神女讚詞
少女よ、我等は爾を天に至る梯として尊む、神は此の上に立ちて、人人を天の者と爲し給へり。
第三歌頌
イルモス 主よ、爾は爾に趨り附く者の固、爾は昧まされし者の光なり、我が神゜は爾を歌ふ。
光榮なる(某)よ、爾は迫害者の裁判所の前に立ちて、萬有の造成者及び主宰たるハリストス、神言を傳え給へり。
光榮なる(某)よ、見ゆる像の中に映じたる心の華美は見る者の爲に爾を至りて美しき者と顯したり。
女よ、爾が自由にハリストスの貧しきを愛せしに因りて、彼は爾に醫治の竭くされぬ富を與へ給へり。
生神女讚詞
光の母よ、爾の祈禱の火を以て我が諸罪の物質を焚きて、我に神聖なる赦免の露を注ぎ給へ。
坐誦讚詞、第一調。
靈智の牝羊たる奇異なる(某)よ、爾は修齋と受難とを以て己を羔及び牧者に捧げ、信を守りて、馳すべき程を盡し給へり、故に我等今日喜を以て爾の聖にせられし記憶を行ひて、ハリストスを讚榮す。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の患難より救ひ給へ、爾はハリストス救世主、我等の靈の贖罪主を生みたればなり。
十字架生神女讚詞
至淨なる者よ、我等衆爾の轉達を有ちて、爾の祈禱に因りて諸難より救はれ、爾の子の十字架を以て諸方に護られて、職として敬虔に爾を崇め讚む。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が攝理の祕密を聆き、爾の作爲を悟り、爾の神性を讚榮せり。
致命女よ、至りて不法なる者は爾少き時よりハリストスの最易き軛を負ひし者に重き任を荷はしめんことを定めたり。
(某)よ、爾の血の滴は多神の熾炭を滅し、爾の奇跡の光線は人人の苦痛を焚く。
致命女よ、火は地より益髙く騰り、爾の胷に至りて、主宰に於ける爾の熱心を彌髙くせり。
生神女讚詞
童貞女よ、爾は產の前に於けるが如く、產の後にも不朽に止まれり、蓋世世の先よりありし主を嬰児として生み給へり。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙に興きて爾に籲ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず。
致命女(某)よ、爾は物質の火に弱められぬ者と現れたり、神聖なる愛の心の火が爾を堅めたればなり。
致命女(某)よ、爾は打傷にて面を飾られて、諸敵の醜惡なる無知を斥け給へり。
神智なる(某)よ、爾は木の上に舒べられて、愛を以て爾の新郎の神聖なる苦を形り給へり。
生神女讚詞
讚美たる女宰、至淨なる生神女よ、我等爾を歌ふ、爾は身にて至りて讚美たる神を生みたればなり。
第六歌頌
イルモス 光を衣の如く衣る慈憐の深きハリストス我が神よ、我に光明の衣を予へ給へ。
受難女(某)よ、爾の肉體は傷に壞られて、爾の良心のハリストス我等の神の前に義なるを顯したり。
讚美たる致命女(某)よ、爾は髙く懸けられ、傷を忍びて、爾の靈の髙潔を傷なく守り給へり。
光榮なる克肖女よ、爾は乳房を斷たるるを忍びて、信者を神聖なる熱信の乳にて養ひ給ふ。
生神女讚詞
人を愛する神を生みし神に愛せらるる女宰よ、我等が「ゲエンナ」の火より救はれんことを彼に禱り給へ。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
(某)よ、今日慶賀せらるる爾の神聖なる記憶は日の如く世界に現れて、爾の度生を輝かす、蓋爾は節制を以て肉體の動揺を治め、受難の血を以てハリストスの新婦と爲り給へり。求む、爾を讚め揚ぐる者を諸の患難より救ひ給へ、我等が爾に呼ばん爲なり、克肖なる母よ、慶べ。
同讚詞
至福至榮なる克肖致命女よ、神の前に立ちて、神に悅ばるる爾の祈禱を以て我が口を開き給へ、我が爾の神聖なる度生を歌ひ、宜しきに合ひて爾の受難を宣べん爲なり、蓋爾は潔淨を愛し、常に警醒して、節制を修め、且動かされぬ信を守り、熱切なる愛を以て勝たれぬ致命者と爲り給へり。求む、爾を讚め揚ぐる者を諸の患難より救ひ給へ、我等が爾に呼ばん爲なり、克肖なる母よ、慶べ。
第七歌頌
イルモス エウレイの少者は爐に在りて勇ましく燄を踐み、火を露に變じて籲べり、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
受難女(某)よ、爾は慶賀する者の聲のある處に童女等と偕に祝ひて、神造物主に歌を奉る、主神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
(某)よ、爾は百體の壞られ、爪の拔かるるを忍び、祭として神に捧げられて歌へり、主神よ、爾は崇め讚めらる。
神智なる(某)よ、爾は葡萄樹の如き者と現れ、手と足とを枝の如く斬られて、我等の爲に心を慰め、諸慾の醉を醒ます靈智の酒を流し給へり。
生神女讚詞
潔き者よ、無玷なる主は罪の外に全き人を衣て、爾の胎内より身を有つ者として出で給へり、信を以て爾を尊む者を救はんことを彼に禱り給へ。
第八歌頌
イルモス ハルデヤの窘迫者は怒に堪へずして、敬虔の者の爲に爐を七倍熱くしたれども、上の力にて其救はれしを見て、造物主と救世主に呼べり、少者よ、崇め讚めよ、司祭よ、讚め歌へ、民よ、萬世に尊み崇めよ。
至りて讚美たる受難女よ、爾は雄雄しく勇みて、迷に對して勝利を得たり、蓋手と足との斷たれ、乳房の斬られ、齒の折かるるを忍びて、喜びて歌へり、民よ、ハリストスを世世に尊み崇めよ。
致命女よ、爾は光潔なる童貞と受難の華麗とを以て日の如く輝き、世界を照して歌へり、少者よ、崇め讚めよ、司祭よ、讚め歌へ、民よ、ハリストスを世世に尊み崇めよ。
神の聘女たる致命女(某)よ、諸慾に汚され、蛇の誘惑に昧まされたる吾が靈を爾の祈禱と爾の光明なる帲幪とを以て潔め、之を照して呼ばしめ給へ、司祭よ、讚め歌へ、民よ、ハリストスを世世に尊み崇めよ。
生神女讚詞
生神童貞女よ、致命女は爾純潔無玷なる者を慕ひて、體と靈とを玷なく守り、諸慾の萠芽を絕し、多くの苦の誘惑を忍びて、今爾と偕に天の宮に祝ひて、世世に樂しむ。
第九歌頌
イルモス 天は懼れ、地の極は驚けり、神は身にて人人に現れ、爾の腹は天より廣き者と爲りたればなり、故に天使と人人の群は爾生神女を崇め讚む。
潔き(某)、修道女の光榮、致命者の飾なる者よ、爾は木に懸けられて、神の言の福たる苦を形り、爾の手と足との斷たれ、齒の折かれ、舌と乳房との斬らるるを忍び給へり。
(某)よ、爾は新婦として受難の華美に飾られて、新郎に聘定せられ、選ばれたる者として、童貞の燈を執りて、光明なる宮に入り、今輝きて、世世に生くる者と偕に王たり。
尊貴なる(某)よ、爾の苦は甘味を滴らして、罪の苦きを滅し、柩は醫治の流を注ぎて、諸慾と甚しき諸病とを溺らして、救世主の光榮を現す、彼は宜しきに合ひて爾を榮し給ふ。
生神女讚詞
主よ、爾女より身を取りし者を熱切に愛する爾の致命女は童貞の光潔に飾られ、受難の血に染められて、爾の母の後に從ひて、爾萬物の王たる神の前に嚴に攜へられたり。
光耀歌
神に肖たる(某)、童貞の器、人性の美しき花、王の女、其光榮を己の内に有つ者よ、爾は信を以て爾の尊き柩に趨り附く者の爲に河の如く醫治を流し給ふ。
生神女讚詞
實在の睿智、永在の言、及び靈體の醫師を生みし童貞女よ、吾が靈の傷を治し、吾が心の甚しき病を醫し給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第八調。
讚美たる(某)、勝たれぬ致命女、童貞の神聖なる鏡、人性の最美しき花よ、爾は世の榮華を棄てて、大なる諸德を以て靈の髙潔を輝かし、度生の時に神の像の恩賜を聊も玷つくるなく守り給へり。二次
至りて睿智なる(某)よ、爾は言と行とに於て恩寵と諸德とを以て靈を飾りて、受難者の群及び童貞女の會を童貞女より輝き出でて衆の爲に天國に入る門を啓きたる主に攜へ給へり。彼等と偕に今も爾の群を救はんことを主に禱り給へ。
ハリストスの新婦よ、義なる主は爾を潔き童貞女及び光榮なる致命女として、二倍の榮冠を以て最美しく飾りて、光明なる宮を爾に賜へり、爾は彼處に入りて、今樂しみ給ふ。
光榮、第四調。自調。
睿智なる克肖致命女、修道女の飾、受難女の譽なる者よ、爾の體は鐵搭にて掻かれて、爾の靈の輝ける華美は彌美しく現れたり、今爾は奇跡の常に流るる泉なり、惡鬼を逐ふ者、爾の記憶を尊む者の爲に祈禱する者なり。
今も、生神女讚詞。
至淨なる生神童貞女よ、我等は爾を垣墻と穩なる港及び固として得たり、故に我度生の中に荒らさるる者は禱る、我を導きて救ひ給へ。
十字架生神女讚詞
母よ、我爾の子及び神、地を寄する所なく水の上に懸けて、萬物を造りし者が木の上に懸れるを見て、泣く毋れ、蓋我起きて光榮を獲、異能を以て地獄の國を破り、其力を滅し、慈憐の者として、俘擄を其惡業より救ひ、人を愛する者として、之を吾が父の許に攜へん。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十五編 神品表信者及び克肖表信者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
神に感ぜられし聖なる(某)よ、我等爾を承け認めて、眞實の堅立、信の固、定理の證明、敬虔の器、潔淨の居處、聖神゜の香氣、敎の至大なる寶藏、及びハリストスの敎會の基と爲す。
讚美たる捧神者、睿智なる(某)よ、我等爾を讚め揚げて、使徒等の後任者、受難者の友、修齋者の同勞者、諸敎師の印證と模範、ハリストスの奧密者、及び神智の川、不法者と褻瀆者との異説を溺らす者と爲す。
尊貴光榮なる(某)よ、爾は智慧の「タラント」を增して、爾の主の歡樂に入るを得、神聖なる光照の恩寵に飾られ、屬神゜の光に輝きて、今生を施す主の前に立ちて、彼處より發する光明の中に常に樂しみ給ふ。
光榮、今も、生神女讚詞。
讚美たる潔き生神女よ、我が慾に耽りたる心の汚を洗ひ、罪に由る其傷と膿とを淨め、吾が動ける智慧を堅め給へ、我不當にして無益なる爾の僕が爾の力と大なる保護とを崇め讚めん爲なり。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
若し之あらば、自調。光榮、第六調。
克肖なる神父(某)よ、爾の口より恩寵は流れしに、爾はハリストスの敎會の牧者と爲りて、靈智なる羊に惟一の神性の中に一體なる三者を信ぜんことを敎へ給へり。
今も、 生神女讚詞
至淨なる生神童貞女よ、爾に趨り附く者は一人も恥を得て爾より出づるなし、卽恩寵を求めて、益ある求に適ふ賜を受く。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は爾が十字架に懸かれるを見て、母として哭きて呼べり、吾が子及び吾が神、吾が甘愛なる產よ、如何ぞ爾恥づべき苦を忍ぶ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讚美せざらん、誰か爾の至りて淨き產を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾淨き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の爲に本性の人と爲れり、其位一にして相分れず、其性二にして相失はず、淨くして至りて福なる者よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に禱り給へ。
聖入。本日の提綱。克肖者の喩言、三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第八調。
至りて睿智なる(某)、至榮なる神父よ、爾は神を歌ひて、其歌を以てハリストスの敎會を輝かし、聖神゜の氣にて簫を吹き、ダワィドの如く、神聖なる歌にて衆を照し給へり。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
至榮至福にして克肖なる神父(某)よ、爾は世の煩はしき紛擾を避けて、ハリストスの穩静に趨り附き、神聖なる度生に輝きて、神の行爲を學び、神智に富める者と爲りて、之を信者に傳へ給へり。
句 神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。
地上の者よ、來りて、今日歌を以て敬虔に克肖なる(某)の聖にせられし尊き慶賀を歌はん、蓋彼は實に神の光照の光を受くるに勝ふる者と爲れり。嗚呼主宰よ、爾の慈憐は言ひ難き哉、我等此に由りて爾至仁なる主を讚榮するを悟れり。
光榮、第八調。
我等の神父(某)よ、修道士の大數は爾を敎導師と尊む、爾の途に由りて實に直く行くことを知りたればなり。福たる哉爾、ハリストスに服從して、敵の力に勝ち、天使等と對話する者、克肖者及び義者の友と爲りし者や、彼等と偕に主に我等の靈の憐を蒙らんことを祈り給へ。
今も、復活の生神女讚詞。
聘女ならぬ童貞女、言ひ難く身にて神を孕し者、至上なる神の母よ、爾の諸僕の祈禱を受け給へ、衆に諸罪の潔淨を予ふる純潔なる者よ、今我等の冀願を納れて、我等皆救はれんことを祈り給へ。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
聖なる童貞生神女よ、我爾の庇廕に趨り附く、我爾に倚りて救を得んことを知る、爾は、潔き者よ、我を援くるを能すればなり。
十字架生神女讚詞
無玷なる牝牛は犢が木の上に甘じて釘せらるるを見て、悲しみ泣きて呼べり、哀しい哉最愛すべき子よ、恩を知らざるエウレイの會は何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、何ぞ我を子なき者として遺す。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第八調。
醇正の敎の敎師、敬虔と潔淨との敎導師、全地の燈、司祭首等の聖にせられし装飾、屬神の簫たる睿智なる(某)よ、爾は己の敎を以て衆人を照し給へり、ハリストス神に我等の靈の救はれんことを禱り給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
爾は地上の過ぎ易き逸樂を顧みず、世の華麗と暫時の樂とを忌みて、野に居ることを愛せり、此に由りて致命者及び修齋者の會に加へらるるを得たり、爾の諸僕を救はんことを彼等と偕に祈り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
純潔無玷にして婚姻に與らざる童貞女、獨時に由らざる子及び神の言を時の内に生みし者よ、彼に神聖尊貴なる使徒、致命者、預言者、克肖者と偕に祈りて、我等に潔淨と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
至福なる(某)よ、爾はハリストスに從ひて、世を捨て、節制を以て肉體を治めたり、故に成聖の傅膏を得給へり、今は無形の會に移りて、我等衆爾を讚め揚ぐる者の爲に禱り給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
獨萬衆の造成主を生み、獨爾の產を以て人類を装飾せし至淨なる者よ、我を詭譎なるワェリアルの網より救ひ、我をハリストスの戒の石に立てて、爾が人として生みし主に我が爲に熱切に禱り給へ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に、神品表信者に付唱。
成聖者神父(某)よ、我等爾を讚揚して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「萬民之を聽け。」
克肖表信者に付唱。
克肖なる神父(某)、修道士の敎師、天使等の對話者よ、我等爾を讚美して、爾の聖なる記憶を尊む。
拔萃聖詠
「我切に主を恃みしに。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第三調。
至福なる(某)よ、爾は聖神゜に照されて、勇ましく醇正の敎を傳へ、不法なる迫害者を辱かしめて、非義に流刑に處せられたり。克肖なる神父よ、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に禱り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
人は救を得る處に義に合ひて趨り附く、生神女よ、爾の如き避所、我等の靈を蔽ふ者は亦何處にかあらん。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」
福音經は巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第六調。
克肖なる神父よ、爾の諸德の風聲は全地に傳はる、爾は惡鬼の群を破り、潔淨を以て天使の生命に效ひて、其品位に至れり、故に天に於て爾の勤勞の賞を獲たり。ハリストス神の前に勇敢を有ちて、我等の靈の爲に平安を求め給へ。
規程、第六調。
イルモス イズライリは陸の如く淵を蹈み渡り、追ひ詰めしファラオンの溺るるを見て呼べり、凱歌を神に奉らん。
救世主よ、聖にせられし(某)は思を全うして爾を愛し、勇ましく己を苦難に付し、憂と苦と勞とを忍びて、終なき樂を得るに至れり。
爾は血を灌ぐを以て不信の醎海を涸らし、ハリストスの川と爲りて、常に敎會に飮ませ給ふ。
光榮なる(某)よ、爾は地上に大なる功勞を神に捧げて、天國の榮冠と永久の生命とを受くるに勝ふる者と爲り給へり。
生神女讚詞
諸德の華美に飾られたる潔き神の母よ、爾は實在の德たる眞の神、神聖なる諸德を以て我等を照しし主を孕み給へり。
第三歌頌
イルモス 爾が信者の角を髙うし、我等を爾が承認の石に堅めし仁慈の主、吾が神よ、爾と均しく聖なるはなし。
福たる克肖なる神父(某)よ、爾は眶に眠、目に寢ぬるを許さずして、聖三者の堂と現れ、光明なる敎にて世界を富ます睿智の寶藏と爲るに至り給へり。
神智なる(某)よ、爾は神の命を守る者として、牢獄に鎖されて、信者の爲に廣き智識に入る敎の道の閉鎖を啓き給へり。
至りて聖にせられし受難者(某)よ、爾は神聖なる隊の軍士として、神の力に堅められて、堅固なる表信を以て不法者の固からざる强暴を仆し給へり。
生神女讚詞
萬世の先より在す父の睿智及び言は末の時に言ひ難く爾婚姻に與らざる母より身を取りて、爾を生神女と爲し給へり。
坐誦讚詞、第四調。
天の奧密者(某)、神智なる我等の神父よ、光榮なる日は爾を其敎會の穹蒼に暁の明星と立てて、爾の言を以て信者を照し給ふ。
光榮、今も、生神女讚詞。
純潔無玷にして婚姻に與らざる童貞女、獨時に由らざる子及び神の言を時の内に生みし者よ、彼に神聖尊貴なる使徒、致命者、預言者、克肖者と偕に祈りて、我等に潔淨と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
十字架生神女讚詞
神の言よ、爾の至淨なる母は爾が十字架に擧げられたるを見し時、母として哭きて言へり、吾が子よ、此の新なる驚くべき奇跡は何ぞや、如何ぞ爾萬衆の生命は、慈憐なる者として、死者を活かさんと欲して死に近づく。
第四歌頌
イルモス 尊き敎會は淨き心より主の爲に祝ひ、神に適ひて呼び歌ふ、ハリストスは吾が力と神と主なり。
讚美たる(某)よ、爾は己の言を戈の如くにして無神を刺し殺し、己の苦を劍の如くにして惡鬼の隊に勝てり、彼等の惡計より爾を尊む者を救ひ給へ。
神品致命者(某)は呼べり、我は惡鬼を祭らず、死をも苦の刑具をも畏れずして、三者に於て識らるる惟一の神を承け認む。
神父よ、主は爾の謙遜の至榮なる崇髙を觀て、爾に髙妙なる言を賜ふ、此に由りて諸異端の甚しき驕は卑くせらる。
生神女讚詞
我等は童貞女を神に入る門とし、神聖なる樂園とし、成聖の靈智なる處とし、イアコフの榮として讚揚す。
第五歌頌
イルモス 至仁なる神の言よ、切に祈る、爾に朝の祈禱を奉る者の靈を爾が神の光にて照して、爾罪の暗より呼び出だす眞の神を知らしめ給へ。
至りて睿智にして福たる神父(某)よ、爾は淚の流を以て逸樂の淵を涸らし、爾の敎の注ぐを以て諸異端の流を塞ぎ給へり。
神父(某)よ、爾は實に三者を容るる殿と爲りて、恩寵に飾られ、尊き諸德と模範たる謙遜とを以て輝き給ふ。
光榮なる(某)よ、爾は忍耐を以て凶惡者の悉くの謀を破れり、求む、其害より我を救ひ、我に力を與へて、神に至らしむる路を行かしめ給へ。
生神女讚詞
純潔なる者よ、我等は爾より我等の爲に苦と死とに屬する身を受け、見ゆる性に見えざる神性を混淆せずして一位に合せ給ひし主を歌ふ。
第六歌頌
イルモス 誘惑の猛風にて浪の立ち揚がる世の海を觀て、爾の穩なる港に著きて呼ぶ、憐深き主よ、我が生命を淪亾より救ひ給へ。
主の受難者、讚美たる(某)よ、爾は燈と爲りて、爾の苦の光を以て四極を照し、ハリストスの名を迫害者の前に承け認め給へり。
神父(某)よ、爾の舌は實に迅書者の筆の如くなりて、心の肉碑の上に屬神゜の法を書す所の至尊なる智慧を承け認めたり。
神の言を宣べたる神父よ、爾の敎に從ふ者は穩静に世を度りて、靈を害する激浪を免れ、信を以て諸異端より反正する者は救を得。
生神女讚詞
純潔無玷にして至福なる者よ、爾の童貞を護る聖神゜は爾に臨みて、爾を至上者の子の尊き居處と爲し給へり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
神智なる(某)、聖にせられし神父よ、爾は節制を樂しみて、肉體の望を眠らせ、信に由りて生長して、樂園の生命の樹の如く榮えたり。
同讚詞
聖にせられし神父(某)、至榮なる克肖致命者よ、神の前に立ちて、神に悅ばるる爾の祈禱を以て我が口を開き給へ、我が爾の神聖なる度生を歌ひ、宜しきに合ひて爾の諸德を宣べん爲なり、蓋爾は潔淨を愛し、常に警醒して、節制を修め、且動かされぬ信を守り、熱切なる愛を以て堅固なる致命者と爲り給へり。
第七歌頌
イルモス 神の使は潔き少者の爲に爐に露を出さしめ、ハルデヤ人を焼く神の詔は苦しむる者に呼ばしめたり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
神智者よ、爾の度生が齋の由りて光明なる者と爲りし如く、斯く爾の苦を受くる忍耐は堅固なりき、蓋爾は嚴にハリストスを讚榮して呼べり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
神に悅ばるる神父(某)よ、爾は貞潔の清淨と勇敢とを帶びて、恩寵に由りて受難の光明なる榮冠を受けて呼べり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
救世主よ、爾の至淨なる聖像に伏拜せざる不虔の者は爾の役者を侵害して、之に多くの傷を被らせたり、蓋彼は常に爾に呼びて言へり、我が先祖の神は崇め讚めらる。
生神女讚詞
至淨なる者よ、父の懷に限られぬ者として坐する主は今爾より出でて、爾の像に肖たる者と爲り、爾の懷に限らるる者として坐し給ふ、蓋アダムを救はん爲にアダムと爲り給へり。
第八歌頌
イルモス ハリストスよ、爾は潔き者の爲に㷔より露を注ぎ、義人の祭の爲に水より火を出せり、爾は一の望にて萬事を行ひ給へばなり、我等爾を世世に讚め揚ぐ。
福たる(某)よ、爾は輝く日の如く現れて、四極に敎訓を遣し、痛悔の光を以て凡の罪の深き幽暗を散じ給ふ。
神の悅を獲たる(某)よ、爾は神聖なる敎の流を注ぎて、エデムより出でたる河の如く地の面を潤して、不虔の稗を沈め給ふ。
至福なる者よ、爾は言の美しきを以て装飾せられたり、蓋聖神゜の筆と爲りて、敬虔なる信者に神聖なる智識を書して、ハリストスを世世に讚め揚ぐ。
生神女讚詞
純潔なる者よ、我今爾の帲幪に趨り附きて、我が生命の爲に保護と爲らんことを求む、蓋爾は智慧に超えて神言を生み給へり、我等彼を世世に讚め揚ぐ。
第九歌頌
イルモス 天使の品位すら見るを得ざる神は、人見る能はず、唯爾至淨の者に依りて人體を取りし言は人人に現れ給へり、我等彼を崇めて、天軍と偕に爾を讚め揚ぐ。
爾は月の如く、大なる日の如く、電の如くハリストスの敎會に輝きて、信者の智慧を照し、隱れざる光に入りて、三聖の聲を以て造られざる三者を歌ひ給ふ。
讚美たる(某)よ、地は爾の聖軀を安置せる聖にせられし柩を寶の如く藏めたるに、義人等の靈は樂しみ、天使等は爾の神゜を受けたり。福たる者よ、彼等と偕に我等衆爾を歌ふ者を記憶し給へ。
奇異なる(某)よ、爾は至聖神゜の殿、活水を盈つる川、敎會の動かざる基、正敎の固、常に涌く流、神聖なる痛悔の泉なり。
生神女讚詞
神の恩寵を蒙れる童貞女よ、天の滴の如く雨は爾の胎内に降りて、迷の流を涸らし、爾に由りて衆人の爲に不朽と贖罪とを注ぎたり。
光耀歌
克肖なる神父(某)よ、爾は第一に苦にて善く試みられ、第二に齋を以て馳すべき神聖なる程を盡し、天に升りてハリストスの前に立ち給ふ。爾を歌ふ我等の爲に熱切に祈り給へ。
生神女讚詞
言ひ難き歡喜たる主を生みし至淨なる者よ、我等衆爾を尊みて、靈より感謝を爾に奉る者を天上の歡喜に與らしめ給へ、祝福せられしマリヤよ、爾の諸僕を忘るる勿れ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
神父(某)よ、聖神゜の恩寵は爾に輝きて、明に爾を照せり、此に由りて爾は諸慾の夜を過ぎ、無慾の日に至りて、最潔き光に潔く合せられたり、神言者よ、其中に居りて、我等信を以て爾の聖にせられし記憶を歌ふ者を忘るる勿れ。二次
神に愛せらるる克肖者(某)よ、爾は望みたる天の恩寵を蒙りて、地上の事を顧みざりき、故に肉體なき者の如く苦しき度生を擇び、永在の甘味の流を樂しまんと欲して、淚を以て諸慾の濁りたる泉を涸らして、靈を養ふ穗を潤し給へり。
克肖なる(某)よ、爾は神の恩寵より宜しきに合ひて醫治の恩賜を受け給へり、故に朽壞に屬する世より移りて、求むる者の爲に惡鬼の誘惑を防ぎ、苦しき病を醫し、爾の恩寵の流を水の如く注ぎ給ふ、我等之を飮みて、爾の記憶を讚め歌ふ。
光榮、第五調。
克肖なる神父よ、爾は己の目に寐ね、己の眶に眠るを許さずして、爾の靈と體とを諸慾より解きて、己を聖神の爲に居處に備ふるに至れり、故にハリストスは父と共に來りて、爾の内に住居を爲し給へり。一性なる三者の悅ぶ者と爲りし大なる傳道師、我等の神父(某)よ、我等の靈の爲に禱り給へ。
今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、我等信者は爾を讚美し、職として爾動かされぬ城邑、壞られぬ垣墻、我等の靈の堅固なる轉達者及び避所を讚榮す。
十字架生神女讚詞
昔至福なる童貞女は己の羔及び子の十字架に擧げられしを見て、哭きて呼べり、嗚呼吾が子よ、如何ぞ爾は本性の不死なる神にして死する。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十六編 廉施者奇跡者の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第四調。
捧神なる廉施者(某)、我等の靈の爲の祈禱者よ、爾等は屬神゜の水に川の如く滿てられて、神徵と治療の至榮なる恩賜とを以て造物に飮ませて、靈を害する諸慾を涸らし、諸病を醫し、惡鬼を遠ざけ給ふ。
聖なる者よ、爾等は靈の力を以て無知の諸慾を制して、ハリストスより醫治の恩賜に富まされて、人人と家畜とに恩を施し給ふ。故に我等は爾等の聖にせられし光明なる慶賀を行ひて、我等の靈の爲に潔淨を求む。
至福なる(某)、至榮なる(某)、主の役者我等の靈の爲の祈禱者よ、爾等の聖なる殿は光明にして救を施す天の如くなり、爾等の神聖なる醫治の奇跡は星の如く光り、此等に由りて神の恩寵は日の如く輝く。
若し之あらば、自調。光榮、第八調。
孰か睿智にして至榮なる廉施者の奇跡に驚かざらん、孰か之を讚榮せざらん、孰か熱心に歌はざらん、蓋彼等は其聖なる逝世の後にも、信を以て趨り附く衆に饒に醫治を賜ふ、彼等の尊き聖軀も醫治の恩寵を流す。嗚呼聖なる二人や、嗚呼尊き首や、嗚呼神より爾等に賜はりし恩寵の睿智と光榮や。故に我等は歌を以て我が靈體の醫治の爲に彼等を現しし恩主神を讚榮す。
今も、 生神女讚詞
全地の譽よ、慶べ、主の殿よ、慶べ、樹蔭の繁き山よ、慶べ、衆人の避所よ、慶べ、純金の燈凳よ、慶べ、正敎者の光榮なる尊き者よ、慶べ、樂園よ、慶べ、神聖なる筵よ、慶べ、幕よ、慶べ、黃金の壺よ、慶べ、衆人の倚賴よ、慶べ、ハリストス神の母マリヤよ、慶べ。
十字架生神女讚詞
潔く爾主を生みし者は爾が十字架に懸けられたるを見て、側に立ち、哭きて言へり、子よ、何ぞ身にて此の苦を受けて、我を子なき者と爲さんと欲する、速に光榮を受けよ、我が爾の苦に因りて讚揚せられん爲なり。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
天の王は人を愛するに因りて地に現れ、人と偕に在せり、蓋淨き童貞女より身を取り、人の性を有ちて生れし者は、二の性にて一の位ある獨子なり、故に我等彼が實に全き神及び全き人なるを傳へて、ハリストス吾が神を承け認む、夫を識らざる母よ、我が靈の憐を蒙らんことを彼に祈り給へ。
聖入。本日の提綱。致命者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第一調。
聖なる廉施者、至りて光明なる燈、没せざる星たる者よ、爾等は恩寵と髙尙なる度生の諸德とを以て天に似たる者と爲りて、奇跡の光にて全地を照し給へり。
句 地上の聖人と爾の奇異なる者とは、我專ら之を慕ふ。
雨を生ずる最麗しき雲たる主の致命者よ、爾等は饒に流るる恩寵の奇跡を以て無形に全地を潤して、感謝の歌を神に捧ぐることを勸め給ふ。
句 兄弟睦しく居るは善なる哉、美なる哉。
主の致命者よ、爾等は靈と體との苦を醫さん爲に神より實に醫術を受けて、性に超えて、人爲の治療にあらずして、神の吹噓にて衆を醫し給ふ。
光榮、第四調。
聖なる廉施者(某)よ、爾等は醫治の泉を有ちて、凡そ求むる者に醫治を賜ふ、常に流るる泉たる救世主ハリストスより至大なる恩賜を獲たればなり、蓋主は諸使徒の同勞者たる爾等に謂へり、視よ、我爾等に汚鬼を制して、之を逐ひ出し、又諸の病諸の疾を醫さん爲に權を與へたりと、故に爾等は彼の命を行ひて善く度生して、費なく受け、費なく與えて、我等の靈體の苦痛を醫し給ふ。
今も、復活の生神女讚詞。
至りて玷なき者よ、爾の諸僕の祈禱を顧みて、堪え難き攻擊を我等より退け、諸の愁苦を我等より遠ざけ給へ、我等は爾を一の堅固なる恃むべき錨として有ち、爾の轉達を得たればなり。女宰よ、願はくは我等爾を呼ぶ者は恥を蒙らざらん、速に我が切なる祈を應へ給へ、蓋我等中心より爾に籲ぶ、女宰、衆人の佑助と、歡喜と、庇護と、我等の靈の拯救なる者よ、慶べ。
若し多燭詞を以て祭らずば、下の生神女讚詞を誦せよ。
至淨なる生神女、萬衆の女王、正敎者の譽よ、異端者の驕を破りて、彼等爾の尊き聖像に伏拜せず、之を尊まざる者の面を辱かしめ給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈にて脅の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に爲しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡爲れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺を奇とす。
讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の讚詞を誦せよ。第八調。
聖なる廉施者及び奇跡者よ、我等の不能を顧み給へ、價なく受けて、價なく我等に施し給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第二調。
光榮なる(某)よ、爾等は謙遜を以て地上に生を送りて、大なる恩寵を獲たる者と爲り、遍く巡りて、病者の疾と苦とを醫して、天使等の對話者と爲り給へり。忠信にして善美なる兄弟よ、爾等の祈禱を以て我等の苦痛をも醫し給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
慈憐の泉なる生神女よ、我等に憐を垂れ、罪なる人を顧みて、恒の如く爾の力を顯し給へ、蓋我等は爾を恃み、天軍首ガウリイルに傚ひて爾に呼ぶ、慶べよ。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第一調。
ハリストスの受難者(某)よ、信を以て爾等に來る我等の爲に禱り給へ、蓋爾等は己の祈禱を以て醫治の恩寵を施して、多くの病を逐ひ給ふ、我等の生命の守護者なればなり。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる生神女、天に祝讚せられ、地に讚榮せらるる聘女ならぬ聘女よ、慶べ。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
光榮なる奇跡者(某)よ、我等は爾等を讚揚して、爾等がハリストスの爲に忍びし尊貴なる苦を尊む。
拔萃聖詠
「神は我等避所なり、能力なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第五調。
今日受難者(某)の慶賀は耀けり、蓋彼等は天より光を放ち給ふ、天使の會は祝ひ、人の族も共に祭る、故に彼等は我等の靈の爲に禱り給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
奇異なる童貞女の奧密は全世界の爲に救と現れたり、彼より生れ給ひし歡喜なる主よ、光榮は爾に歸す。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
地上の聖人と爾の奇異なる者とは、我專ら之を慕ふ。
句 我恒に主を我が前に見たり、蓋彼は我が右にあり、我が動かざらん爲なり。
「凡そ呼吸ある者」
福音經は巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第一調。
致命者(某)の光明華美にして至りて欣ばしき聖なる記憶は全地を照し、罪の暗を逐ひ、醫治の恩寵を流す。
規程、第八調。
第一歌頌
イルモス 苦しむるファラオンを海に溺らし、イズライリを乾ける地にて導きしハリストスに歌はん、彼世世に光榮を顯したればなり。
我等は恩寵を以て衆の病を醫す廉施者醫師たる(某)を全世界に現し給ひし贖罪主及び救世主ハリストスを歌はん、彼世世に光榮を顯したればなり。
聖なる者は屬神゜の恩寵より奇跡の川を流して、諸病を醫し給ふ、我等信者は彼等に此の權を賜ひし主を崇め讚めん、彼世世に光榮を顯したればなり。
廉施者醫師よ、神に祈禱を奉りて、我等を諸の誘惑、多くの憂、及び彼の時の畏るべき苦より脫れしめんことを禱り給へ。
生神女讚詞
憂ふる者の保護者、望を失ふ者の救及び恃なる讚美たる生神女よ、常に我等を諸難より脫れしめんことをハリストスに禱り給へ。
第三歌頌
イルモス 我が心は主に緣りて堅められ、我が角は我が神に緣りて髙くなり、我が口は我が敵に向ひて開け、我は爾の救の爲に樂しめり。
爾の聖者(某)を地上の者に全世界を照す奧密なる光線として現しし主よ、我等の上にも爾の仁慈を現し給へ。
爾等は神より費なく恩賜を受けたる者として、主我が神の言に從ひて、又費なく醫治を施し、惡鬼を逐ひ給ふ。
聖なる奇跡者、醫師、諸天使と竝び立つ者よ、世界は常に爾等の多くの恩賜と多くの奇跡とを歌ふ。
生神女讚詞
至淨なる者よ、我等は爾地上にダワィドより出でて、爾より身を取りし神を生みし者を幕と寶座、及び神の門として崇め讚む。
坐誦讚詞、第四調。
受難者(某)、(某)、全地の燈なる者よ、爾等は下に引く逸樂を踐みて、欣ばしく致命の神聖なる髙度に升り給へり。故に我等祈る、萬有の上に在る神に祈禱を奉りて、我等を諸罪と諸病との暗より脫れしめ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞。
生神童貞女よ、爾は我等「ハリスティアニン」の爲に破られぬ牆なり、蓋我等は爾に趨り附きて害なくして止まり、復罪を犯せば、爾を祈禱者として有つ。故に感謝して爾に呼ぶ、恩寵を蒙れる者よ、慶べ、主は爾と偕にす。
十字架生神女讚詞
無玷なる童貞女、ハリストス神の母よ、爾が己の子及び神の甘じて釘せらるるを見し時、劍は爾の至聖なる靈を貫けり。至りて讚美たる者よ、我等に諸罪の赦を賜はんことを絕えず彼に祈り給へ。
第四歌頌
イルモス 言よ、預言者は奧密に爾が童貞女より身を取ることを預見して、歌を以て呼べり、主よ、光榮は爾の能力に歸す。
救世主我等の神は奇異なる哉、蓋彼の聖者の白骨は柩に臥して、世界の中に驚くべく畏るべき奇跡を行ふ、主よ、光榮は爾の力に歸す。
聖なる者よ、爾等は地上の諸事を朽つべき者として棄てて、シオンを嗣ぐ者及びハリストスの國に適ふ人民と爲り給へり。
病者の醫師、廉施者(某)よ、爾等は宜しきに合ひて地上に崇め讚めらる、蓋逝世の後にも衆を諸病より解き給ふ。
生神女讚詞
神の光榮の幕よ、慶べ、火の狀の寶座よ、慶べ、樹蔭の繁き山、石たるハリストスが是より斫られたる者よ、慶べ。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙に興きて爾に籲ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外他の神を知らず。
廉施者(某)よ、爾等は神より權を受けて、凡そ患ふ者の病を醫し給ふ。
聖なる役者よ、爾等は主の大なる恩賜を受くるに勝ふる者と爲りて、價なく衆を醫し給ふ。
我等の救世主よ、爾の聖なる役者(某)の祈禱に由りて、爾の慈憐を全世界に垂れ給へ、爾は仁慈なる主なればなり。
生神女讚詞
生神女よ、我等爾を產の後に童貞女として崇め讚む、爾は世界の爲に身にて神の言を生みたればなり。
第六歌頌
イルモス ハリストス神よ、祈る、預言者を最下なる深處より脫しし如く、我をも吾が諸罪より脫して、我が生命を理め給へ、爾人を愛する主なればなり。
廉施者よ、爾等は世の海の淵を暴風に悩まさるるなく渡りし者として、敬虔に救の港に、上なる國に着き給へり。
常に流るる泉たる聖なる廉施者よ、爾等は奇跡の恩寵を流して、諸病を逐ひ給ふ、我等の靈の爲に禱り給へ。
欣ばしく天に在す致命者よ、速に爾等の尊き殿に來りて、我等の體の病と心の慾とを醫し給へ。
生神女讚詞
我等はヘルワィム及び凡の造物より上なる童貞女、獨造成者及び主を生みて、我等の爲に樂園の門を啓きし者を崇め讚めん。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第二調。
至榮なる醫師奇跡者よ、爾等は醫治の恩寵を受けて、求むる者に健康を賜ふ、祈る、爾等の降臨を以て惡敵の强暴を斃し、奇跡を以て世界を醫し給へ。
同讚詞
睿智なる醫師の言は凡の智識と智慧とに超えて、衆に睿智を與ふ、蓋至上者の恩寵を受けて、見えずして衆に健康を賜ふ。此に由りて我にも彼等をハリストスの悅を獲たる捧神なる役者、多くの醫治を與ふる者として歌はん爲に恩寵は賜はりたり、蓋彼等は衆を諸病より解きて、奇跡を以て世界を醫し給ふ。
第七歌頌
イルモス 太初に地を基づけ、天を言にて固めし主、我が先祖の神よ、爾は世世に崇め讚めらる。
地上に睿智なる廉施者の記憶を尊榮髙大なる者と爲しし主、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
尊き二人を衆の爲に聖なる奇跡者と顯しし主、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
慈憐なる主よ、我等は廉施者の尊き記憶を行ひて、喜を以て爾に呼ぶ、主、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
童貞女の腹に入りて、此に緣りてアダムを新にせし主、我が先祖の神よ、爾は崇め讚めらる。
第八歌頌
イルモス 聖なる山に光榮を顯し、棘の中に火を以てモイセイに永貞童女の奧密を示しし主を歌ひて、萬世に讚め揚げよ。
價なく諸病を醫さん爲に其廉施者に上より醫治の恩賜を賜ひし主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
聖なる者に病者の疾を醫し、靈の慾を治する恩寵を賜ひし主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
廉施者の德行の度生、人人に超ゆる度生を何人か讚めざらん、蓋彼等は常に地上に大なる奇跡を行へり。主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
生神女讚詞
童貞女の腹に入りて、此に緣りて神妙に言ひ難く古きアダムを新にせし主を歌ひて、世世に彼を讚め揚げよ。
第九歌頌
イルモス 山に於て立法者に火及び棘の中に預象せられたる、我等信者の救を爲す永貞童女の產を、默さざる歌を以て崇め讚む。
聖なる廉施者(某)よ、爾等の柩は全地の良藥として啓かれたり、信者は宜しきに合ひて之に趨り附きて、皆醫治を受く。
病める人人よ、來りて、諸病より醫されよ、家畜も來たれ、蓋聖者の柩より奇跡の泉は流る。
天上の住處に居る讚美たる聖者よ、爾等は見えずして我等、爾等の殿に在りて歌を全能者に奉り、熱心に爾等を讚揚する者の間に來りて、慈憐を施す。
生神女讚詞
生神女よ、爾は我等の垣墻及び武器なり、爾に趨り附く者の保護者なり、我等皆今爾に禱る、願はくは我が諸敵より救はれん。
光耀歌
奇跡を施す燈たる(某)及び(某)よ、主より醫治の恩寵を受けて、我等の靈體の諸病を醫し給へ。
生神女讚詞
生神女よ、爾は神より世界に賜はりたる諸福の緣由と爲れり、求む、今も一般の救の爲に寬容なる神に禱り給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第二調。
病む者の醫師、良藥の寶藏、信者の救助者たる至榮なる廉施者よ、仁慈なる神に禱りて、患難に在りて呼ぶ者を助け、病者を醫し、我等を敵の網より脫れしめ給へ。二次
醫治の泉は年毎に唯一人を醫ししに、廉施者の殿は病む者の大數を醫す、聖者の富は减ずるなく、竭くるなければなり。ハリストスよ、彼等の祈禱に由りて我等を憐み給へ。
聖者の會は世世に喜ぶ、蓋彼等は天の國を嗣ぎたり、地は彼等の聖軀を受けて香氣を放つ、彼等はハリストスの役者と爲りて、永遠の生命に移り給へり。
光榮、第六調。
ハリストスより受けたる聖者の恩寵は限なし、故に彼等の聖軀は神の力に由りて絕えず奇跡を行ひ、彼等の名も信を以て之を籲ぶ者の治し難き病を醫す。主よ、彼等に由りて我等をも靈體も苦悩より解き給へ、爾は人を愛する主なればなり。
今も、生神女讚詞。
憂ふる者の慰藉、病む者の醫治、攻めらるる者の平安、荒らさるる者の穩静、獨信者の轉達者なる讚美たる生神女よ、城邑と民とを救ひ給へ。
十字架生神女讚詞
至淨なる者は爾が十字架に懸けられしを見し時、母として泣きて呼べり、吾が神、吾が甘愛なる子よ、如何ぞ爾は恥づべき苦を忍び給ふ。
若し挿句に光榮あらば、晩課の、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞を誦せよ。
第二十七編 ハリストスの爲の佯狂者王城のアンドレイ、ロストウのイシドル、モスクワのマクシム及びワシリイ、其他の總奉事
晩課
「主よ爾に籲ぶ」に讚頌、第八調。
福たる(某)、奇異なる神智者よ、爾の潔き靈は醇正なる智識に光り、尊榮なる德に輝きて、信者の會を照し、惡鬼の暗を逐ふ。故に我等衆敬虔に爾を暮れざる恩寵に與る者として讚揚す。
奇異なる(某)よ、爾は慈憐なる靈と、潔き思と、勇ましき心、動かざる信と實に貳心なき愛とを有ちて、地より天に移りて、義人等の會と偕に居り給ふ。故に我等衆聖にせられし歌を以て爾を尊み、敬虔に讚榮す。
(某)よ、爾は神の敎に堅められ、靈より肉慾を逐ひて、聖三者の爲に至りて淨き居處と爲れり、故に神聖なる生命に移りしに、神は今も爾の福たる體を朽つるなく護りて、神聖なる議定を以て、自ら知るが如く、顯に爾を榮し給ふ。
光榮、第一調。
克肖なる(某)よ、我等如何ぞ爾の度生を奇とせざらん、或は如何ぞ爾の天使と侔しき生命、貞潔なる思念、温柔と、謙遜と、竭きざる慈惠とを讚めざらん、福たる者よ、爾は萬德に飾られたり、故に言ひ難き歡喜と天の國とは爾の爲に備へられたり。
今も、生神女讚詞。
罪なる者の祈禱を納れ、憂ふる者の歎息を斥けざる至聖なる童貞女よ、爾の至淨なる胎より生れし爾の子に我等の救はれんことを禱り給へ。
十字架生神女讚詞
潔き母よ、爾は昔爾の子及び主宰が十字架に手を舒べて、戈にて脅の刺さるるを見し時、哭きて呼べり、嗚呼仁愛なる主人人の苦を除く者よ、如何ぞ苦を忍ぶ。
若し多燭詞を以て祭を行はば、復活の生神女讚詞を誦すべし。
人より生れて主宰を生みし全世界の光榮と天の門なる童貞女マリヤ、諸天使の歌、諸信者の飾なる者を讚め歌ふべし。彼は天と均しく、神の宮と均しき者として顯れたり、彼は仇の隔を破りて和睦を締び、國を開けり。我等は彼を信の固と爲し、彼より生れし主を扞ぎ衛る者と爲す。勇めよ、神の民よ、勇めよ、主は敵に勝たん、全能者なればなり。
聖入。本日の提綱。克肖者の喩言三篇、巻末に載す。
挿句の讚頌、第二調。
睿智なる(某)よ、爾は至聖なる神゜の殿及び居處と爲り給へり、故に我等爾の聖なる記憶を尊む者をも彼の殿と爲し給へ。
句 義人は主の爲に樂しみて、彼を恃まん。
爾の度生は奇跡を發して、日の如く信者の心を照せり、故に我等爾の至尊なる記憶を尊む者をも暮れざる光にて輝かし給へ。
句 義人は繁ること椶櫚の如く、髙くなることリワンの柏香木の如し。
(某)よ、爾の親しき諸僕、爾が己の屬神゜の度生を以て照しし者の爲に絕えず禱り給へ、我等衆が樂しみて爾の尊貴なる祭を尊まん爲なり。
光榮、第四調。
至福にして奇異なる(某)よ、爾は地上の天使及び天上の人、傷感の泉、慈惠の川、奇跡の淵、醫治の流と現れ、神の實の繁き橄欖樹、爾の勤勞の油を以て熱心に爾を讚め揚ぐる人人を照す者と現れたり。仁愛なる主に愛を以て爾の至尊なる記憶を尊む者を諸難より救はんことを禱り給へ。
今も、生神女讚詞。
ハリストス神の母、萬有の造成主を生みし者よ、我等を我が危難より救ひ給へ、我等衆が爾に呼ばん爲なり、我が靈の惟一の轉達よ、慶べ。
十字架生神女讚詞
至淨なる女宰はハリストスの十字架に釘せられて、詭譎の者を殺すを見て、己より出でし子を慈憐なる主宰として歌ひ、彼の恒忍を奇として、哭きて呼べり、吾が至愛なる子よ、爾の婢を忘るる毋れ、仁愛なる主よ、速に我を慰め給へ。
若し祭を行はば定理歌を誦せよ。
至りて玷なき者よ、爾の諸僕の祈禱を顧みて、堪へ難き攻擊を我等より退け、諸の愁苦を我等より遠ざけ給へ、我等は爾を一の堅固なる恃むべき錨として有ち、爾の轉達を得たればなり。女宰よ、願はくは我等爾を呼ぶ者は恥を蒙らざらん、速に我が切なる祈を應へ給へ、蓋我等中心より爾に籲ぶ、女宰、衆人の佑助と、歡喜と、庇護と、我等の靈の拯救なる者よ、慶べ。
讚詞、第一調。
ハリストス神よ、爾の僕(某)は爾の使徒パワェルの聲の、我等はハリストスの爲に愚なりと言ふを聞きて、地上に爾の爲に愚と爲れり、故に我等は彼の記憶を尊みて、爾に禱る、主よ、我等の靈を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讚詞、或は十字架生神女讚詞。
早課
「主は神なり」に讚詞同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第五調。
我等は堅牢なる金剛石、敵の攻擊に動かされぬ柱たる捧神なる(某)を歌を以て尊まん、蓋彼は實に忍耐を以て戰ふ敵を辱かしめて、之を力なき者と爲せり、今は我等の靈の救の爲に禱り給ふ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
潔き永貞童女よ、爾の懷孕の奇跡は驚くべく、產の狀は言ひ難くして、我が智慧は訝り、思念は奇とす。生神女よ、爾の光榮は萬衆に現れたり、我等の靈の救の爲なり。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讚詞、第四調。
至福なる(某)よ、爾は齋と、節制と、地上に臥すとを以て肉體の慾を枯らし、靈を照して、天に於てハリストスより大なる報賞を受け給へり、故に神の悅を獲たる者として、逝世の後にも爾の聖軀の柩に趨り附く者の爲に奇跡の尊き器と現れたり。ハリストス神に愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことを禱り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
至りて讚美たる潔き童貞女よ、爾は神聖なる產を以て地に生るる者の死に屬する性、慾に由りて朽ちたる者を新にして、衆を死より不朽の生命に起し給へり。故に我等皆職として爾を讚揚す、爾の預言せしが如し。
「主の名を讚め揚げよ」の後に附唱。
聖にして義なる(某)よ、我等爾を讚美して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の爲にハリストス我が神に祈り給へばなり。
拔萃聖詠
「神を畏れ、其誡を極めて愛する人は福なり。」
多燭詞の後に坐誦讚詞、第四調。
至福なる(某)よ、爾は忍耐に於て奇異なる者と現れて、一切を以てハリストスの悅を獲たり、睿智なる意念を以て爾の靈を堅め、肉體の思を神゜に服せしめ、神の爲に勞することを善なりとして之を擇びて、勇ましく言へり、寒威は辛しと雖、樂園は甘し、勞は苦しと雖、報は樂しと。求む、至福なる者よ、ハリストス神に我等の靈を救はんことを禱り給へ。二次
光榮、今も、生神女讚詞。
生神女よ、我等爾を崇め讚めて呼ぶ、爾は獨祝福せられし者なり、蓋爾よりハリストス我等の神は言ひ難く生れ給へり。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱
義人は主の爲に樂しみて、彼を恃まん。
句 神よ、我が禱の時我が聲を聽き給へ。
「凡そ呼吸ある者」
福音經は巻末に載す。
第五十聖詠の後に讚頌、第八調。
神の人、奇異なる(某)よ、爾は諸德の梯に上り、此に緣りて上なるイエルサリムに登りて、彼處に慕へるハリストスを見たり、爾は彼の爲に己の肉體を疲らせ、死に屬する身を不死の生命に易へ給へり。我等の爲にも絕えず禱りて、我が靈に平安と大なる憐とを賜はんことを求め給へ。
規程、第四調。
第一歌頌
イルモス 古のイズライリは足を濡らさずして海の紅の淵を渡り、野にてモイセイの十字形の手にてアマリクの力に勝てり。
克肖にして福たる神父(某)よ、爾は神に與るを以て光と爲り、至極の愛に由りて彼に合せられて己の善なる望の應ふを得たり。
光榮なる神父(某)よ、爾は神を愛する愛に燃えて、世を捨て、ハリストスを同伴者として獲て、喜びて彼と偕に救の道を行き給へり。
睿智者よ、爾は敢へて竭くべき富を望まずして、暫時の榮華と、過ぎ易き樂と、世の產業とを斷じて退け給へり。
生神女讚詞
純潔なる生神女よ、神の子は爾を華麗尊貴にして選ばれたる者と知りて、爾の子と爲りて、爾を尊む者を恩寵の子と爲し給へり。
第三歌頌
イルモス ハリストスよ、爾の敎會は爾の爲に樂しみて呼ぶ、主よ、爾は我が能力と避所と堡障なり。
爾は勇敢に己を神聖なる行に備へて、聖神゜の助を以て敵の隊に勝ち給へり。
克肖なる神父(某)よ、爾は勤勞と、祈禱と、節制とを以て世俗の慾を殺し給へり。
主宰イイススよ、爾の福たる(某)は、生命を施す爾の死を慕ひて、敵を殺し給へり。
生神女讚詞
純潔無玷なる童貞女よ、爾は人人を不順に由る甚しき堕落より救ひ給ふ主を生み給へり。
坐誦讚詞、第五調。
克肖にして至福なる神父(某)よ、爾は聖神゜の恩寵に導かれて、神の光に照さるる途を行き、暗黑なる敵の攻擊を退けて、光及び晝の子と爲り給へり。
光榮、今も、生神女讚詞。
至淨なる神の母、「ハリスティアニン」等の垣墻よ、熱切に爾を籲ぶ爾の民を傲慢なる無形の敵より防ぎて、諸難を免れしめ給へ、我等が爾に呼ばん爲なり、祝讚せらるる者よ、慶べ。
十字架生神女讚詞
神の恩寵を蒙れる者よ、爾の子の十字架にて偶像の迷は悉く虛しくなり、惡鬼の力は踐まれたり、故に我等信者は職として常に爾を歌ひて崇め讚め、實に生神女と承け認めて爾を讚榮す。
第四歌頌
イルモス 敎會は爾義の日が十字架に擧げられしを見て、竝び立ちて正しく呼べり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
克肖なる(某)よ、爾は義の路を履みて、神の城邑に入り、救の光に輝かされたり。
克肖なる(某)よ、爾は節制と祈禱とに由りて全く諸慾を脫して、無慾の潔きを衣給へり。
神父(某)よ、聖神゜の恩寵は爾の心を潔められたる碑版として獲て、其上に全き無慾と、堅き信と、熱切の愛とを書せり。
生神女讚詞
マリヤ神の聘女よ、最髙きヘルワィムの寶座に坐する讚榮せらるる我等の神は爾を寶座として、爾の手の上に息ひ給へり。
第五歌頌
イルモス 我が主よ、爾は光、信じて爾を崇め歌ふ者を闇き無智より引き出す聖なる光にして、世界に來り給へり。
奇異なる(某)よ、爾は神の光を受けて、日の如く現れて、惡鬼の幽暗を逐ひ給へり。
ハリストスよ、克肖なる(某)は爾を愛する愛の燄を以て肉慾を草芥の如く焚き給へり。
神智なる神父(某)よ、爾は神の力にて靈を堅めて、世に居り、諸慾を野に放ち給へり。
生神女讚詞
朽壞は防ぎ止められたり、蓋童貞女は不朽に神言を生みて、性と言とに超えて童貞女に止まり給ふ。
第六歌頌
イルモス 憐に由りて爾の脅より流れし血にて惡魔の祭の血より淨められし敎會は爾に呼ぶ、主よ、讚揚の聲を以て爾を祭らん。
(某)よ、爾は不斷の祈禱を以て全心を神に託して、肉體の愛を惜しまざりき。
福たる者よ、爾は世の中に居りて、汚をも玷をも受けざりき、猶己の尊き祈禱を以て爾に趨り附く者を靈の汚より潔め給ふ。
(某)よ、爾は己の思を肉體の思より上なる者と爲して、裸體にして女の中に在りて瑕瑾を受けざりき、無慾の衣を衣せられたればなり。
生神女讚詞
至聖なる生神女よ、我等口と思と心とを以て爾を傳ふ、蓋我等は先に原祖の犯罪に因りて神より離れたる者にして、爾に緣りて彼と和睦するを得たり。
小讚詞は奉事例に据る。若し奉事例になくば、下の小讚詞を誦せよ。第八調。
福たる(某)よ、爾は上なる華美を望みて、下なる肉體の逸樂を棄て、空しき世に心を奪はれず、天使等と侔しき生命を送りて終り給へり。彼等と偕にハリストス神に絕えず我等衆の爲に禱り給へ。
同讚詞
我罪人にして靈體共に汚れたる者は如何ぞ爾が肉體に於ける天使と侔しき度生と至榮なる奇跡とを書すを得ん、衆くの智者も爾の大なる忍耐と、謙遜と、ハリストスに於ける熱愛とを讚美するに勝へず。然れども爾の純良を賴みて、嗚呼福たる者よ、我斯く爾に呼ぶ、至りて光明なる星、諸德の東より輝き出でて、奇跡にて全地を照しし者よ、慶べ、兩親の愛に束縛せられずして、全心を以て獨ハリストス萬有の上に在る主を愛して、返らざる望を以て彼に從ひし者よ、慶べ、使徒の言ふ所の無智及び愚なるが如き度生を擇びし者よ、慶べ、朽つべく過ぎ易き諸事を來世の福の望に易へたる者よ、慶べ、忍耐を以て昔のイオフに似たりし者よ、慶べ、ハリストスの勝たれぬ受難者、常に爾の謙遜を以て惡魔に勝ちたる者よ、慶べ、夫の昔の貧しきラザリの如く今アウラアムの懷に息ふ者よ、慶べ、世を逝りて後に災禍と誘惑に遇ふ者の爲に備へられたる轉達者及び保護者よ、慶べ、諸方に於て爾を呼ぶ者に速に助くる者よ、慶べ、神智なる(某)よ、慶べ。
第七歌頌
イルモス アウラアムの少者はペルシヤの爐に在りて、焔よりも强く敬虔の愛に爇かれて呼べり、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
神父(某)よ、爾はハリストスの如き神聖なる愛を有ちて、他人を救ひて、歡びて呼べり、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
福たる神父(某)よ、爾は豐に天より恩寵を受けて、此を以て、心より服して爾の敎を聽き、下に引く罪を棄つる者を天の爲に養ひ給へり。
睿智なる神父(某)よ、爾は聖神父等の傳に從ひて、信者に異端者の滅を致す不虔の敎を斥くるを命じて呼ばしめたり、主よ、爾が光榮の宮に於て爾は崇め讚めらる。
生神女讚詞
至上者の聖にせられたる神妙の居處よ、慶べ、蓋生神女よ、爾に緣りて欣喜は斯く呼ぶ者に賜はりたり、至りて無玷なる女宰よ、爾は女の中に祝福せられたり。
第八歌頌
イルモス ダニイルは獅子穴に在りて手を伸べて、獅子の口を閉し、敬虔の篤き少者は德を帶び、火の力を消して呼べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
爾は至りて光明なる星と爲りて、諸慾の幽暗に在る者を生命に導き、不潔の婦を反省せしめて潔淨の者と爲し、且甚しき諸病を逐ひて呼べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
克肖なる(某)よ、爾は睿智を以て爾に賜はりし奇異なる恩賜を現して、衆くの者を導きて主に就かしめ、且世の人より辱を受けて、至淨なる靈を以て呼べり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
福たる神父よ、己に屬する者を宜しきに合ひて榮する主は爾が寢りて墓に送らるる時に、天使の顯現を以て爾の光榮を示して、人人に呼ばしめたり、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
生神女讚詞
潔き童貞女よ、爾より光り出でたる主は我等の贖罪主なり、女宰よ、彼に祈りて、爾を歌ふ我等を照して、誘惑より救はんことを求め給へ、蓋我等呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讚めよ。
第九歌頌
イルモス 童貞女よ、手にて斫られざる隅石ハリストスは、爾斫られざる山より斫り分けられて、離れたる性を合せ給へり、故に我等樂しみて、爾生神女を崇め歌ふ。
(某)よ、爾は心を全うして己を熱切に三者に捧げて、彼より光照を受け、光明なる者と爲りて、諸天使と偕に喜び給ふ。
神福なる(某)よ、爾は節制に由りて潔められ、祈禱に由りて照され、神聖なる愛を以て神に體合せられて、永遠の福に與る者と爲り給へり。
至福なる(某)よ、爾は勤行と勞苦とを以て終なき福樂を獲たり、之を樂しみて、常に我等をも憶ひ給へ。
生神女讚詞
衆人の贖罪主及び恩主を生みし者よ、我を救ひ給へ、光の雲たる聖なる女宰よ、我が靈の黑雲を散じ、我と戰ふ諸慾に勝たん爲に我を强き者と爲し給へ。
光耀歌
神智なる(某)よ、爾は世の諸事を避けて、無玷の度生を以てハリストス萬有の上なる我等の神の悅を得たり、彼に今我等信を以て爾の至尊なる記憶を祭る爾の諸僕の爲に禱り給へ。
生神女讚詞
實在の睿智、永在の言、及び衆人の醫師を生みし童貞女よ、吾が靈の多くの甚しき傷を醫し、吾が心の慾の思を消し給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讚頌、第四調。
至仁なる主よ、爾は義にして奇異なる(某)、言及び行の諸德に輝き、潔淨と柔和とに飾られたる者を忍耐及び勇敢の模範として與へ給へり。故に全能なるイイスス、吾が靈の救主よ、我等は爾の言ひ難き攝理を讚榮す。二次
福たる(某)よ、爾は義にして純良なる者、眞實にして無玷及び正直なる者、凡の惡事を避くる者と現れ、諸德を以て輝き、敬虔を以て光り給へり。故に神智者よ、我等爾を讚美して、今日喜びて爾の聖なる尊き寢を祭る。
(某)よ、爾は貞潔及び篤信を最尊き紫袞衣の如く衣、正義及び温柔を神聖なる榮冠の如く冠りて、ハリストスの爲に苦を受くる者と偕に王たらんことを望めり。今は爾萬軍の王たる至仁なるイイスス、我等の靈の救主の前に立ち給ふ。
光榮、第八調。
神智なる(某)よ、爾の諸德の光潔は信者の心を照せり、蓋孰か爾の無量なる謙遜と忍耐、衆に於ける柔和と純良、憂ふる者に於ける矜恤を聞きて奇とせざらん、爾は患難に遇ふ者に速なる助け、航海する者には穩なる港、旅行する者には善き嚮導、衆人の希求には疾く應ずる者なり。今は、奇異なる者よ、全能者神の手は凋まざる榮冠を以て爾を飾り給へり、彼に我等の靈の救はれんことを禱り給へ。
今も、生神女讚詞。
女宰よ、爾の諸僕の祈禱を納れて、我等を諸の災禍と憂愁より救ひ給へ。
或は十字架生神女讚詞。
聖體禮儀には克肖者の奉事。
諸聖人共用の喩言
斯の書の奉事の次第に載せざる者。
○成聖者の喩言
(十月十八日成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、及びフィリップにも之を讀む)。
第一、箴言の讀、(三、八章)。
義人の記憶には譽伴ひ、其首には主の降福あり。智慧を求めたる人、聰明を得たる人は福なり、蓋智慧を市ふは金銀の寶を市ふに愈る、此れ寶石よりも貴し、何の惡も之に敵する能はず、此れ凡そ之に近づく者に著明なり。都ての貴き物は之に比ぶるに足らず。其右の手には長壽あり、其左の手には富と榮とあり、義は其口より出で、律法と慈憐とは其舌に在り。嗚呼諸子よ、我に聽け、我貴き事を言はん。我の道を守る人は福なり、蓋我を得る者は生命を得、主より恩を獲るなり。是に因りて我爾等に呼び、我が聲人の諸子に向ふ、我智慧は明謀を建て、我知識と明哲とを招き致せり。明謀と堅固と我に在り、良智我に在り、能力我に在り。我を愛する者は、我之を愛す、我を求むる者は恩寵を得ん。惡に染まざる者よ、詭譎に注意せよ、蒙昧の者よ、心を啓け。又我に聽け、蓋我貴き事を言ひ、正しき事を唇より出さん、蓋我が舌は眞實を述ぶ、詐僞の唇は我の前に憎むべし。我が口の言は皆義にして、其内に一も詭計と邪曲とあるなし。是れ皆智者の爲に明にして、智識を得たる者の爲に正しきなり。我爾等に眞實を敎へん、爾等の望は主に在りて、爾等神゜に滿てられん爲なり。
第二、ソロモンの智慧書の讀、(十、六、九章)。
義者の口は智慧を流し、智者の唇は悅ぶべきことを知る。謙る者の口は智慧を學ぶ、義は彼等を死より免れしむ。義人は死して後其望絕えず、蓋義は生命に導く、彼は其口の果に由りて善を食はん。光は常に義者に輝き、彼等は主より恩寵と光榮とを獲ん。智慧ある者の舌は善き知識を施す、善人の心には智慧止まる。主は淨き心を愛す、道に玷なき者は皆其悅ぶ所なり。主の智慧は哲き者の面を明にす、蓋之を慕ふ者を其未だ之を悟らざる先に迎ふ、且之を愛する者には輙く知らる。早朝より之を尋ぬる者は疲れず、之が爲に儆醒する者は速に累を免る。蓋智慧は自ら巡りて之に適ふ者を尋ね、諸途に於て親しく彼等に現る。惡は常に智慧に勝たず。此等に因りて我其美を慕ふ者と爲り、之を愛し、少き時より之を尋ね、之を新婦として己に納れんことを務めたり。萬有の主宰も之を愛す、蓋此は神の知識の祕藏なり、其諸の行爲の發明者なり。智慧の結果は諸德なり、此は貞潔と謀略、義と勇毅を敎ふ、人の爲には其生命に於て此等より多く利益ある者なし。人若し多くの鍊達を望まば、智慧は古の事を知り、未來の事を察し、言語の祕義と隱語の解明とを悟り、休徵と奇蹟とを預知し、年と時との終末を預見す、且衆人の爲に善き協議者なり、蓋不死は其中に在り、其言の共與に於て令譽あり。故に我神に就き、彼に祈りて、心を盡して言へり、列祖の神、慈憐の主、己の言を以て萬物を造り、己の智慧を以て人を立てて、爾の造物を主らしめ、聖と義とを以て世界を治めしむる者よ、我に爾の寶座に並び坐する智慧を與へ、我を爾の諸僕より離す毋れ、蓋我は爾の僕、爾の婢の子なり。之を天より、爾の聖なる居所より、爾の光榮の寶座より遣し給へ、其我と共に在りて、我に爾の悅ぶ所を敎へん爲、我が知識を導き、我を其光榮の中に護らん爲なり。蓋死すべき者の謀る所は皆確ならず、其意思には謬あり。
第三、ソロモンの智慧書の讀、(四、六、七、二章)。
義人の榮せらるる時は民樂しむ、蓋彼の記憶は死せず、此れ神の前にも人の前にも認めらる、彼の靈は主の悅ぶ所なり。嗚呼人人よ、智慧を愛せよ、然らば生きん、之を慕へ、然らば敎へられん。智慧の始は愛なり、又法を守ることなり。智慧を敬へ、世世に王たらん爲なり。我神の祕密を爾等に示し、之を爾等に隱さざらん、蓋神は智慧に導く者、又智者を正す者なり、凡の知識も美しき行も皆彼の手に在り。一切の工藝者たる智慧は我を敎へたり、蓋其中には睿智の神゜、聖なる神゜あり。智慧は永在の光の輝、神の仁慈の像なり、此は神の友と諸預言者とを備ふ、此は日よりも美しく、列星よりも鮮なり、光に較ぶれば更に勝る。智慧は之に務むる者を諸難より救ひ、彼等を義なる路に導き、彼等に聖なる知識を與へ、彼等を諸敵より守り、戰に於て彼等に勝を與へたり、衆人が敬虔より强き者なきを知らん爲なり。惡は常に智慧に勝たず、罪を定むる審判は惡者を過ぎず。不正に議する者は其中に言へり、我等義人を虐げ、其聖なることを惜まざらん、老翁の齡高き白髪に愧づべからず。力は我等の法と爲るべし、我等義人を執へん、蓋彼は我等の意に適はず、我等の行に敵し、我等が法に背くを咎め、我等の敎育の誤を責む、彼は己を言ひて神を知る者なりとし、己を主の子と名づく。彼は我等の前に在りて我等の思慮を責むる者なり、我等には彼を見ることも難し、蓋彼の生命は他人の生命に似ず、彼の途は異なり、彼は我等を惡むべき者と爲し、我等の途を不潔なりとして之に遠ざかり、義なる者の終を福なりとす。故に我等は彼の言の眞なるかを見ん、其成果の若何なるかを試みん。我等は罵詈と苦辱とを以て彼を詰らん、彼の温柔を知り、彼の惡なきを見ん爲なり、恥づべき死に彼を定めん、蓋彼の言に因りて彼の爲に慮あらんと。彼等は斯く議して迷へり、惡心彼等を昧ましたればなり、彼等は神の祕密を知ることも測ることもなかりき。蓋爾惟一の神は生命の權を有ち、憂の時に救ひ、凡の惡より脫れしむる者なり、爾は洪恩慈憐にして、爾の聖者に恩寵を賜ひ、爾の臂を以て誇る者に敵する者なり。
○諸成聖者の喩言
(五月二十二日及び十二月十九日奇蹟者ニコライにも之を讀む)。
第一、箴言の讀、義人の記憶には譽伴ひ、(成聖者の第一に載す。上、第千二百十三頁を看よ。)
第二、箴言の讀、(十、十一章)。
義者の口は智慧を流し、惡者の舌は斷たれん。義者の唇は悅ぶべきことを知り、惡者の口は戾れることを語る。詐僞の權衡は主の惡む所、正しき重量は其悅ぶ所なり。驕傲來れば恥辱も亦來る、謙る者と偕に智慧あり。正直者の端莊は彼等を導き、悖逆者の邪曲は彼等を滅さん。貨財は震怒の日に益なし、惟義は死より救はん。義者は死して痛惜を遺し、惡者の滅は俄にして喜悅を致す。無玷者の義は其途を坦にし、惡者は其惡に因りて跌れん。正直者の義は彼等を救ひ、不法の者は其不法に因りて執へられん。義人は死して後其望絕えず、不法の者の望は亡ぶ。義者は艱難より救はれ、惡者は代りて之に陷る。二心の者は口を以て其鄰を亡し、惟義者は知識に因りて救はる。義者幸福を獲る時は邑樂しみ、惡者亡ぶる時は歡あり。義者の祝福に因りて邑は高くせられ、惡者の口に因りて圮さる。智慧なき者は其鄰を侮り、智慧ある人は緘默を守る。
第三、ソロモンの智慧書の讀、(四章)、
(一月一日及び十一月八日にも之を讀む。)
(克肖者の第三の喩言も亦同し。)
義人は早く死すとも安息に居らん、蓋貴き齡は長壽に在るに非ず、年の數を以て量るに非ず。智慧は人の爲に白髪なり、無玷なる生命は老年の齡なり。彼は神の悅を獲たる者として愛せられ、罪人の間に居りし者として移され、惡が其心を變ぜず、詭譎が其靈を誘はざらん爲に擧げられたり。蓋不虔の習は善を昧まし、慾の動は淳良なる知識を亂す。彼は短き時に完全に至りて、長き年を滿てたり、其靈主に悅ばれしに因りて、彼は急ぎて不敬虔の中より徙れり。然れども人人之を視て悟らず、主の恩寵と慈憐とは其聖者に在り、其慮は選ばれたる者に在ることを思はざりき。
○克肖者の喩言
(七月二十三日克肖なるアントニイにも之を讀む。)
第一、ソロモンの智慧書の讀、(三章)。
(此は亦預言者の第一。)
義人等の靈は神の手に在り、苦は彼等に觸れざらん。無知者の目には彼等死せし者と見え、彼等の逝世は滅亡と思はれ、我等より離るることは無に歸すと思はれたれども、彼等は平安に在るなり。蓋彼等は人の目には罰せらるれども、彼等の望は不死を盈つ。彼等僅に罰せられて、多くの恩を蒙らん、蓋神は彼等を試みて、己に適ふ者と見たり。金が坩堝に試みらるる如く、神は彼等を試みて、彼等を完全なる祭祀として受けたり。應報の日に於て彼等は莖に走る火花の若く輝かん。彼等は諸族を審判し、諸民を主らん、彼等の上には主は世世に王たらん。主を恃む者は眞實を知り、愛に專なる者は彼に居らん、蓋主の恩寵と慈憐とは其聖者に在り、其慮は選ばれたる者に在るなり。
第二のソロモンの智慧書の讀、(五、六章)。
(此は亦預言者の第二。)
義人等は世世に生く、彼等の報は主に在り、彼等に於ける慮は至上者に在り。故に彼等は主の手より光榮の國と華美の冠とを受けん、蓋彼は右の手を以て彼等を掩ひ、臂を以て彼等を護らん。彼は武器たる其熱中を取りて、諸敵に報いん爲に造物を備へん、甲たる義を衣、胄たる偏視せざる審判を蒙り、勝たれぬ盾たる聖德を執り、劒の如く烈しき怒を礪がん、世界も彼と偕に無知者に敵して戰はん。閃電の疾き矢は、勁く引きたる弓よりするが如く、雲より放たれて、的に飛び、弩よりするが如く、霰は烈しく降らん。海の水は彼等を怒り、川川は酷く彼等を溺らさん。能力の氣は彼等に向ひて起り、旋風の如く彼等を散らさん。斯く不法は全地を荒らし、惡行は强き者の座を覆さん。故に諸王よ、聽きて悟れ、地の諸極の審判者よ、學べ、大衆を主り、諸民の前に誇る者よ、耳を傾けよ、權は主より、能力は至上者より爾等に予へられたり。
第三、ソロモンの智慧書の讀、義人は早く死すとも安息に居らん、(諸成聖者の第三に載す、第千二百十八頁を看よ)。
○聖神父等の喩言
(聖世祖の主日にも之を讀む。)
第一、創世記の讀、(十四章)。
アウラムは其親戚ロトの擄にせられしを聞きて、其家僕三百十八人を率ゐ、敵を追ひてダンにまで至り、爰に諸僕と偕に夜に乘じて彼等を攻め、彼等を破りて、ダマスクの左なるホワルまで彼等を追へり。斯くして凡のソドム人の馬を取り回し、己の親戚ロト、其悉くの所有、及び婦女と人民とを取り回せり。アウラムがホドロゴモル及び彼と偕に在りし王等を擊ち破りて歸れる時、ソドムの王はサワィンの谷、卽今の王の野に出でて、彼を迎へたり。時にサリムの王メルヒセデクは餅と酒とを攜へ出でたり、彼は至上なる神の司祭たりき、彼アウラムを祝して曰へり、アウラムは天地を造りし至上なる神に祝福せらるる哉、爾の敵を爾の手に付しし至上なる神は祝讚せらるる哉。
第二、申命記の讀、(一章)。
彼の日モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、我爾等の前に在る斯の地を爾等に與へたり、入りて之を嗣げ、此れ主が爾等の先祖アウラアム、イサアク、イアコフに誓ひて、之を彼等と其後の子孫とに與へんと云ひし地なり。彼の時我爾等に謂ひて曰へり、我一人にて爾等を任ずる能はず、主爾等の神は爾等を增加せり、視よ、爾等今日衆きこと天の星の如し。願はくは主爾等の先祖の神は爾等を增して、今より千倍ならしめ、又爾等を祝福せん、其爾等に言ひしが如し。我爾等の中より智慧及び思慮あり且練達なる人人を取りて、爾等を治めん爲に千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長と爲し、又爾等の士師の書記と爲せり。彼の時我爾等の士師に命じて云へり、爾等其兄弟の中の訟を聽き、此の人と彼の人との間を正しく審け、外來の人に於ても然せよ、人を視て審判すべからず、少き者にも大なる者にも聽くべし、人の面を懼るべからず、審判は神の事なればなり。
第三、申命記の讀、(十章)。
彼の日モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、天と諸天の天、及び地と凡そ其中に在る者は、皆主爾の神に屬す、然れども主は唯爾等の先祖を納れて、之を愛し、及び其後の裔たる爾等を萬民の中より簡べり、今日の如し。故に爾等心に割禮を行へ、復强項なる毋れ。蓋主爾等の神は此れ諸神の神、諸主の主、大にして權能ある、畏るべき神にして、人を偏り視ず、賄を受けず、外來の者と孤と寡との爲に審判を行ひ、外來の者を愛して、之に食物と衣服とを與ふ。爾等も外來の者を愛せよ、自らもエギペトの地に於て外來者たりし故なり。主爾の神を畏れ、彼のみに事へ、彼に著き、彼の名を以て誓へ、彼は爾の譽、彼は爾の神、爾が目の覩し所の此の大にして光榮なる事を爾の爲に行ひし者なり。
總月課經 終



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